50代から気になる年金。年金改革法案をEテレで勉強してみました。

バラエティ・スポーツ

50代に入って気になるのが年金。この3月3日に年金改革法案が閣議決定されましたが、働ける老人はもっと働けという政府の意向なのかなと。

受給開始年齢の上限を70歳から75歳に延長する」、この項目だけを見るとそう思いますよね?

それに年金財政もひっ迫しているとの情報もあり、今、50代の世代は年金に期待しちゃいかんと諦め顔の同輩の多いこと。

で、勉強のために3月4日の午後1:50分からNHK Eテレ放送された、視点・論点「70歳就業継続 課題と可能性」を書き出してみました。

高木朋代先生、読み込むうちに、非正規には夢がないじゃないか~!と悲しくなってきましたが、でも最後の最後でのフォロー、痛み入ります。

それにしても、あんなに素敵な先生に教えてもらえる学生諸君が羨ましいぞと、このおじさんは書き残しておきます。

視点・論点「70歳就業継続 課題と可能性」

出演:敬愛大学教授:高木朋代氏
専門は人的資源管理論・組織行動論・労働社会学
著書に「高年齢者雇用のマネジメント」共著に「社会保障と経済」など

せんだっての3月3日に「年金改革法案」が、また2月4日には「高年齢者雇用安定法等の改正案」が閣議決定に至りました。

これらの改正法案は労働力人口の減少を背景に、政府が働き手の増加を狙ったものです。本日はこれに関連して、70歳までの就業継続における課題と、その実現可能性についてお話しします。

まず、これが今回の年金制度改革法案の主な内容です。

●受給開始年齢の上限を70歳から75歳に延長する

●60歳代前半層の在職老齢年金の減額基準を28万円から47万円に引き上げる

●短時間労働者への厚生年金の適用を51人以上企業まで拡大する

これらの内容を知り、政府が高年齢者を働かせようとしていると批判的な見方をする人もいるかもしれません。

年金財政の問題は、高齢化が進む多くの国々に共通する課題ですが、日本の状況は他国とは少々違うと言えるでしょう。

これは、日本の高年齢者の就業意欲を示したものです。

●何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいか?

働けるうちはいつまでも 42.0%
70歳くらいまで 21.9%
75歳くらいまで 11.4%
80歳くらいまで 4.4%
65歳くらいまで 13.5%
仕事をしたいと思わない 1.8%
その他 0.4%
わからない 2.5%
無回答 2.2%

65歳を超えて働き続けたいという人がおおよそ8割に達します。つまり、非常に高い就業意欲を持っているということが言えます。

そして、その意欲が必ずしも経済的な理由ばかりによるものではないことも、ほかの調査で明らかになっています。

これらの実態を踏まえますと、日本の政府がやるべ重要なことは、働かせるための政策を打つのではなく、働きたい人が働くことができるための政策を打つことにあるのではないでしょうか。

それにより、働き続けたいと思っている人の願いはかない、同時に年金財政問題も緩和されるのです。

そういった意味では、今回の年金改革法案は高齢者層の就業意欲を上げることに焦点が当てられていますが、しかし同時に日本の年金制度、そして高齢者雇用対策において重要なことは、雇用の受け皿である企業が、65歳まで、あるいは更にそれを超えて従業員を雇い続けることができるかのかという問題にあることを指摘したいと思います。

ここで直近の企業における高齢者雇用の状況を見てみましょう。

●高年齢者雇用の現状(厚生労働省)

301人以上 継続雇用制度の導入:88.4% 定年の引き上げ:11.1% 定年制の廃止:05%

全企業 継続雇用制度の導入:77.9% 定年の引き上げ:19.4% 定年制の廃止:2.7%

このデータによりますと、301人以上の企業で定年廃止や定年の引き上げをする企業は少なく、約88%の企業が、継続雇用を選択していることが分かります。

この数値は、小規模企業を含めても約78%となっています。これは何を意味するのでしょうか。

もし、企業が全員の雇用延長を可能と考えるならば、多くの企業が定年制を廃止、もしくは定年を引き上げているはずです。

しかし、60歳代前半層の雇用確保措置を義務付ける2004年改正法から15年以上がたち、また人材不足が生じてる現在においてでさえも、定年年齢を60歳に据え置いている企業が多いことを示しています。

つまり、多くの企業にとっていまだ従業員全員を65歳まで雇用することが難しい実情を、これらの数値は表しています。そうした中で、先般、閣議決定となった高年齢者の雇用に関連する改正法案が、どのような内容であるかを見てみましょう。

第1に、70歳までの就業機会の確保を、企業の努力義務とするということですが、現行の義務規定では、65歳までの雇用確保措置として、ここにある3つのいずれかを講ずることが企業に義務づけられています。

①定年制の廃止

②定年年齢の延長

③継続雇用制度の導入

加えて、今回の改正案ですが、70歳までの就業機会確保に努めることを企業に求め、フリーランス契約や起業への支援といった努力義務規定が加えられました。

そして第2に、301人以上企業に対して、正社員の中途採用比率の公表を義務づけることも盛り込まれました。

この改正法案では、従来企業の外での就業可能性も示されております。しかし、やはり60歳代後半層の就業においても期待されるのは、企業での雇用継続であろうと思われています。

たとえ努力義務であっても、企業に大きな負荷がかかることは間違いありません。

しかしながら、私は雇用が難しいであるとか、無理であるとか、そういった否定的な論点で論じるのではなく、どうすれば70歳までの就業継続を実現できるのかについて、考えたいと思います。

この中で、最も興味深く感じ、また将来の日本の産業界において重要と考える事項は、301人以上企業に対する、正社員の中途採用比率の公表を義務化するということです。

これについて、例えば正社員に占める中途採用比率が、単に高いということは、その会社では人がよく辞めているという実態を含んでいる可能性もありますが、しかし、もし非正規労働者を活用するということではなく、正社員として人を多く雇い入れているというのであれば、その企業の人材戦略は賞賛されるべきというものと言えそうです。

なぜかと申しますと、高い就業意欲を持つ高年齢層が多い日本では、年金制度の円滑な運用、あるいは高年齢者雇用の推進のためには、企業が従業員を65歳まで、あるいはそれを超えて雇い続けることができるかどうかが鍵になるからです。

それぞれの従業員が、企業にとって雇い続けたいと思える人材、つまり企業活動に貢献し活躍しうる能力を、十分に持っている人材であり続けることです。

実際に雇用継続された人の職務能力は多岐にわたり、一貫した特徴が見いだせてるわけではありませんが、しかし、その方々が歩まれた職業キャリアには、ある種の共通した特性があることが分かっています。

これは私がかつて行った調査のデータですが、同じ職能内での経験年数が相対的に長い人が、雇用継続されていることが分かります。

ここでいう職能とは、人事営業などのように職務上の領域のことをいいます。そして、人事異動等を通じて、一つの職能に軸足を置きながらさまざまな仕事経験を積んでいくことになります。

こうした職業キャリアが、高い職務能力を体得していくことにつながっていると考えられています。このようなキャリア特性は、自助努力のみで獲得できるものではありません。

一人一人の職務能力の習得には、企業の人事管理が大きく関与しています。つまり、企業の意図的で計画的な人事管理に基づくものが大きいと考えれます。

こうしたキャリアは、長期的な雇用関係の中で実現される場合が多いと言えます。しかし、例えば転職する際にも、同じ職能に軸足を置くことが大切になると言えるでしょう。

実際に高年齢期で他社への転職に成功している人の職業キャリアを分析しても、同じ特性があることが確認されています。

ところで、昨今、奨励されている兼業・副業を通じて、こうした職業キャリアが歩めるかは疑問です。最終的な職務能力は、軸足を持たず拡散した形になる可能性は十分にあります。

また同一労働 同一賃金は正規か非正規にかかわらず、職務によって賃金水準を定めるものですが、やはり正社員の方が上位の職務へと早く駆け上がっていく可能性があることを否めません。

正規の雇用労働者は、自助努力のみでなく、企業からの育成投資と計画的な人事管理を受けることができるからです。

更に、今回の改正法案にある、高年齢期でのフリーランス契約や起業を成功させるためにも、若年期から軸足となる専門領域の能力を、計画的かつ確実に高く積み上げていく必要があると言えるでしょう。

このように見ていきますと、今後の高齢社会における企業の役割は、ますます大きいと言えます。

70歳までの就業継続の実現のためでなく、年金をはじめとする社会保障システムの諸問題を解決する上でも、政府は正社員採用を進め、人材育成に努める企業を奨励し、支援する体制を整えることが肝要かと思います。

(おわり)

●字幕を追って書き起こしましたが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●内容に関してはその著作権等、一切の権利権限はNHKさんにあります。

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文:管理人
運営者:許してちょんまげ

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