NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第10回のタイトルは「ひとりぼっちの若君」。京に戻った駒が鍼療治に失敗し、東庵に「私 駄目です」と告げて町をふらふら歩くところからスタートの予定。
東庵:トメ吉のとこの茶はうまい。
トメ吉:ありがとうございます。
東庵:おっ。
駒:先生…。
東庵:どうした?まだ 鍼療治の途中であろう。
駒:私 駄目みたいです。
東庵:うん?
駒:駄目みたいです。
東庵:ああ…そうか。駒…ああ…。うん。駒。駒。
トメ吉:コマちゃん どうしたんだい?
東庵:ああ…。このところ こうなのじゃ。困ったもんじゃ…。
呼び込み:参られよ 参られよ~! 参られよ 参られよ~! 伊呂波太夫がひと踊り~!伊呂波太夫がひと踊り~! 参られよ 参られよ~!
(つづく)
からの「麒麟がくる」第10回のあらすじです。
大河ドラマ【麒麟がくる】第10回のあらすじ
神社の境内で一座が興行の準備をしていた。その場を仕切るのは女座長の伊呂波太夫(いろはだゆう)。
駒が幼い頃、火事で両親を亡くした後、伊呂波太夫の母親が駒を預かり育ててくれたのだが、一座が遠い国に行くことになり、駒が幼過ぎたために、東庵に引き取られていたのだ。
駒は懐かしさのあまり、座員たちの前で綱渡りを披露。それをにこやかに見つめる伊呂波太夫、実に5年ぶりの駒との再会だった。
伊呂波太夫を姉と慕う駒。そして駒を探しに来た東庵、3人で近況報告。伊呂波太夫は一座を率いて、常陸から薩摩まで回ってきたとのこと。
そして尾張では、織田信秀から東庵との双六勝負の話を聞いたと大笑い。美濃には寄らなかったが、明智十兵衛という若い家臣を知っているかと尋ねる伊呂波太夫。
十兵衛の名前が太夫の口から出たことに驚きを隠せない東庵と駒。
実は、都で松永久秀から、美濃の守護代・斎藤利政には明智という若くて賢い家臣がいると聞いたと言う太夫。
その話に頷きながらも、太夫の顔の広さにも感嘆する東庵は、駒のことを太夫に相談。
それを聞いた太夫は駒を団子屋に誘い、その本心を尋ねると…。
姉と慕う太夫の前で駒は正直に話した。恋い慕う人は、手の届かぬ人でしたと…。
世の中はつらいことがあれば、必ずよいことがあると駒を励ます太夫。
駒はふと、火事の中から自分を助けてくれた侍が、美濃の人だと代わったことを思い出した。
すると、太夫も思い出したように、その侍のことを語り出した。駒を一座に連れてきた侍の紋が桔梗だったと。
それを聞いた駒は激しく動揺。そして一目散に東庵の家に戻り、文机の中から明智家の牧からもらった立派な扇子を取り出した。
その扇子は十兵衛の父親の形見の一つだと、十兵衛から聞いていたものだった。
それをさっと開くと、美しい桔梗の花が咲いた。そして駒の瞳には大粒の涙があふれ…。
命の恩人は、明智家の侍だった…、十兵衛との縁に涙を流して感動する駒だった。
その年の末、天文十八年(1549)の末に、今川義元が尾張との国境にある安城城に攻め込んできた。
安城城の城主は織田信広。信広は信秀の側室の子で、信長の異母兄。その信広が城の陥落と同時に、今川勢に捕らえらてしまったのである。
そして、今川義元はこの織田信広と、織田家で人質になっている三河・松平家の竹千代との交換を要求してきたのだ。
そもそも、竹千代は今川家に人質として送られる途中、田原城主・戸田康光の裏切りで織田の手に渡ったという因縁があった。
人質交換の件は、信秀によって美濃の利政にも知らされた。竹千代が今川家の人質になれば、三河全土を今川が掌握したことになり、三河の隣国である美濃は窮地に立たされる。
尾張と同盟を結んだが、結果、美濃だけが割を食うだけになるかもしれぬ…、そう考えた利政は十兵衛に尾張行きを命じた。帰蝶に探りを入れてこいと。
十兵衛はまず、尾張・熱田の市場で味噌を買い込んだ。味噌を那古野城の帰蝶に届けるという名目のために。
そして十兵衛とともに城を目指すのが菊丸。竹千代が今川に送られるという話をすでに耳にしていて、十兵衛とともに尾張にやってきたのだ。
竹千代様だけでも ご無事でいて頂かねば…、いつになく真剣な表情の菊丸だった。
果たして帰蝶は十兵衛来訪の目的を見抜いていた。利政からの命じられてきたのだろうと、薄ら笑い中に冷たい視線。
そこに近習を従えて織田信長が戻ってきた。荒々しいいでだちで、猪を鉄砲で仕留めたと帰蝶に報告するさまは、まるで子どものよう。
明智十兵衛と申します。
明智?
この初対面の挨拶から33年後、本能寺の変は起こるのである。
その年の冬、尾張の笠寺で竹千代と織田信広の人質交換が行なわれた。
息子である信広を見殺しにできないと言う信秀。一方、竹千代を手放すことに反対する信長であったが…。
竹千代の気持ちを確かめるべく将棋を指していると
今川はいずれ 討つべきと思っております。その懐に入って敵を見とうございます。
齢八つとは思えぬ言葉を発して信長を感服させた竹千代だった。
駿府の今川館では、豪華な膳が用意されて竹千代を歓待した。しかし、それらを冷ややかに見つめ、いつ三河に帰してもらえるのかを尋ねる竹千代。
今川家の執政である太原雪斎がこう答えた。
三河を毒する織田勢を今川がもうじき叩き潰す。そうなれば、竹千代の母である於大も間違いを悟り、今川側につくであろうと。
しばしの辛抱じゃ、今川義元も竹千代の機嫌を取り…。
やがて竹千代は箸で鯛の腹を刺し貫き、義元への恭順の言葉を口にするのだった。