越路吹雪物語(59話最終回3月30日)1980年11月7日、56年の生涯に幕を下ろす

テレビ朝日・帯ドラマ劇場「越路吹雪物語」(59話最終回3月30日)、末期の胃がんであるコーちゃんは入退院を繰り返す日々。そして胃痛で病院に担ぎ込まれてから約5ヶ月後の1980年(昭和55年)11月7日…。

「私 フルスピードで走りすぎたかな?でもたくさん恋もしたし好きな外国にも何回も行ったし…。やりたい事はみーんなやってきたからこの世になんの悔いも残らないわ」
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」43話 結婚式
「ありがとう…。お時さんは…いい子…」「ありがとう。法美さん…。コーヒーを…。コーヒー淹れなきゃ」

コーちゃんはその56年の生涯に幕を下ろしました。
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」59話・最終回
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コーちゃん:あーあ…。本当なら今頃はシャンゼリゼ通りで買い物してたのになあ。

お時さん:長野の別荘だって素敵じゃないの。贅沢言うんじゃないの。

コーちゃん:まあそうね。病室に閉じ込められてた日々を思えば天国よね。和ちゃんにゴルフ教えてあげる約束もしてたしね!

田畑和子:はい!

お時さん:あらそうなの?いいわね。

コーちゃん:前からね約束してたのよね。運動音痴のお時さんより筋が良さそうだし。

お時さん:はいはい。どうせ私は…。和ちゃん この人がむちゃしないようにちゃんと見張っておいてね。

田畑和子:はい。

コーちゃん:ちょっと 和ちゃんあんたどっちの味方なのよ?

田畑和子:いやいやいや…。

(お時さんとコーちゃんの笑い声)

コーちゃん:あっ!そろそろコーヒータイムかな?

内藤法美:コーヒー淹れてもらえるかな?

田畑和子:おお~ジャスト!奥様すごいですね。

お時さん:いつもああやって当てちゃう。

この翌日から静養を兼ねて長野の別荘へと出かけたコーちゃんでしたが 1カ月ほど経った頃 胃の痛みを訴えるようになり癒着の恐れもあるため帰京して再入院となりました。

コーちゃん:あーあ…。また籠の鳥か…。

お時さん:でもね癒着じゃなくてよかったじゃない。お薬で痛みが取れたらすぐに帰れるわよ。そうしたらもうすぐロングリサイタルの準備が始まるからのんびり出来るのは今のうちよ。

コーちゃん:嘘…。
えっ?

コーちゃん:私…嘘つきたくない。

お時さん:…なんの事?

コーちゃん:去年のクリスマスディナーショーでの最後のあいさつ。

お時さん:ああ…あれね。

コーちゃん:来年のクリスマスもまたここでお会いしましょうって…。

お時さん:嘘つきにならないように早く治さないとね。

コーちゃん:ええ。そうね。

お時さん:お客様もスタッフのみんなも待ってくれてるわよ。

コーちゃん:うん。


コーちゃん:これまでの常識を覆すような新しい越路吹雪を見せたいの。

浅利慶太:今までにない曲の運びで…。例えば…。

痛みがなくなり 調子の良い日にはコーちゃんの希望でリサイタルの打ち合わせが行われました。

内藤法美:あの曲ならストリングスで思いっきり盛り上がりますよ。

長年の友となっていた浅利も本当の病気を知る数少ない人の一人でした。

浅利慶太:立たせてやりたいね…舞台。

お時さん:ええ。

浅利慶太:お時さんは大丈夫?

お時さん:ええ。大丈夫です。コーちゃんの大変さに比べたら私なんて…。それより内藤さんが心配で。あの人ずっと病院に泊まり込んでて…。ちゃんと眠れてるのかどうかって…。

浅利慶太:内藤さんもコーちゃんも離れたくないんだろうな…。


内藤法美:あっ!

コーちゃん:あっ!

内藤法美:また…。

コーちゃん:だって打ち合わせしたらなんか興奮しちゃって…。鎮静剤。

内藤法美:その1本だけだよ。

コーちゃん:はい。

それからしばらくしてコーちゃんは退院しましたが 家で過ごせた時間はあまり長くはありませんでした。

コーちゃん:今はマシ…。また入院になっちゃって…お金かかるね。

お時さん:コーちゃんはそんな事心配しなくていいの。

コーちゃん:お時さん…。

お時さん:ん?

コーちゃん:私フルスピードで走りすぎたかな?でもたくさん恋もしたし好きな外国にも何回も行ったし…。
やりたい事はみーんなやってきたからこの世になんの悔いも残らないわ。

内藤法美:行こうか。

コーちゃん:うん。

内藤法美:ああ…いいよ。さあ…。

コーちゃん:ありがとう。

内藤法美:ゆっくり。

コーちゃん:うん。

お時さん:先に行っててください。私お花を持ってあとから…。

コーちゃん:さあ…。

お時さん:さあ今日はあなたの好きなコスモスを…。

(泣き声)


コーちゃん:お時さん。

お時さん:はい?

コーちゃん:たばこちょうだい。

お時さん:駄目です。

コーちゃん:うーん…。お願い!1本だけでいいから。

お時さん:駄目。

コーちゃん:ケチ!法美さんはちゃんとくれたのに。


お時さん:お願いだから甘やかさないで!たばこが体に良くない事くらい…。

内藤法美:もちろんわかってます!でもそれで気持ちが落ち着くならそのほうがいい。

お時さん:命を縮めても?

内藤法美:僕は美保子さんが望む事は全てしてあげたい。

お時さん:それが間違ってたとしても?

内藤法美:はい。美保子さんが自分の代わりに死ねと言うのなら…。僕は喜んで死にます。それが出来たらどんなにいいか…。

数日後コーちゃんの心臓はひどく弱ってきました。痛みを和らげるための点滴やたまった腹水を抜くための針の痕も痛々しくほとんど喋る事もなくなっていたある日…

お時さん:あらいらっしゃい。

阿部純一:お邪魔してます。

お時さん:何してるの?

阿部純一:うん…。こうやってね体さすってあげると気持ちいいのよ。昔 母がそう言ってたのを思い出してね。

お時さん:ああ…それはあるかもしれないわね。コーちゃんも気持ちがいいでしょう。

コーちゃん:はりあと…きをつけて…。

阿部純一:…ん?

田畑和子:奥様なんて…?

阿部純一:「ありがとう和ちゃん」。「ありがとう」って。

コーちゃん:「ありがとう」じゃない!「針痕に気をつけて」って言ったの。

(笑い声)

お時さん:もうやだ!針痕だって!

田畑和子:もう!全然違うじゃないですか!

お時さん:純ちゃんらしいね。

コーちゃん:フフフフ…!

お時さん:もう!フフッ…。

それが時子が聞いたコーちゃんの最後の笑い声でした。

そして11月7日

(泣き声)

田畑和子:岩谷さん!奥様が…奥様が…!

(泣き声)

(ノック)

看護師:ご家族以外の方はご遠慮ください。

お時さん:でも…。

内藤法美:家族です!その人は妻の家族です。岩谷さん中へ。

お時さん:コーちゃん…。

内藤法美:美保子さん 岩谷さんが来てくれたよ。

コーちゃん:お時さん…?

お時さん:うんそうよ。

コーちゃん:ありがとう…。お時さんは…いい子…。

お時さん:コーちゃんもいい子よ。

コーちゃん:ありがとう。法美さん…。

お時さん:なあに?

コーちゃん:コーヒーを…。コーヒー淹れなきゃ。

(拍手)


あなたの燃える手で
あたしを抱きしめて
ただ二人だけで生きていたいの
ただ命の限りあたしは愛したい
命の限りにあなたを愛するの
頬と頬よせ
燃えるくちづけ交わすよろこび
あなたと二人で暮せるものなら
なんにもいらない
なんにもいらない
あなたと二人生きて行くのよ
あたしの願いはただそれだけよ
あなたと二人
固く抱き合い燃える指に髪を
からませながらいとしみながら
くちづけを交すの
愛こそ燃える火よ
あたしを燃やす火
心とかす恋よ

(内藤の泣き声)

1980年11月7日 コーちゃんはその56年の生涯に幕を下ろしました。
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」3話
それでもコーちゃんが残した歌声はたくさんの人々の耳にそして心に残り…
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」8話
これほどの長い時が流れても繰り返し繰り返し愛され続けています。そう今でもまだ越路吹雪は生きているのです(完)。
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」54話
出典:テレビ朝日「越路吹雪物語」番組公式サイト
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越路吹雪物語キャスト紹介とネタバレ感想を最終回まで(大地真央&瀧本美織主演)
(C)テレビ朝日「越路吹雪物語」

※このコラム内の写真は、テレビ朝日「越路吹雪物語」公式サイトからの引用になりますので予めご了承お願いいたします。


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