(咲のせきこみ)
真一:咲!大丈夫か?
咲姉ちゃんが入院したと聞いて 福ちゃん 鈴さん そして克子姉ちゃんも駆けつけました。
●真田山病院
小宮山医師:ここが白くなってます。ここも。
克子:結核…。
鈴:娘は助かるんですか?
小宮山医師:ここまで進んでると 必ず助かるとは…。とにかく療養が第一です。
♪
福子:咲姉ちゃん。気分はどう?
克子:まだつらい?
咲:はあ…大丈夫。
真一:せきが出なければ楽なんです。薬が効いてるんだよ。
鈴:どうして気付かなかったの こんなになるまで。
克子:せやから 最初の病院では 風邪やって言われたのよ。
鈴:風邪のせきか そうやないかぐらい分かるでしょう。
福子:そんなこと咲姉ちゃんに言うたって。
咲:ごめんなさい お母さん。
真一:申し訳ありません。僕がついていながら。
♪
鈴:私は武士の娘です。こんなことで動じたりしません。
克子:結核は昔ほど怖い病気やないのよ。
福子:でも先生はどうなる分からないって…。
克子:大丈夫よ。咲姉は絶対 元気になる。
鈴:ああ…。
福子:お母さん?
克子:どうしたん?
鈴:大丈夫なんて簡単に言わないで… 咲…。
福子:お母さん…。
(泣き声)
♪
咲:きっと心配してるわ お母さん。
真一:お前は元気になることだけ考えろ。僕がついてる。
咲:はい…。
●香田家
克子:無理してたんや 咲姉は。真一さんに心配かけまいとして。
♪
吉乃:これでええの?
タカ:そうそう 上手。
重之:分からへん。
吉乃:貸してみ。
♪
忠彦:治るんか お義姉さんは。
克子:治るに決まってるやない。
忠彦:医者でもないのに何で分かる。結核やぞ。
克子:こういう時は周りが弱気になっては駄目なの。絶対に治るって信じないと。
●大阪東洋ホテルフロント
恵:そしたら お姉さんは?
福子:しばらく入院することになりそうです。私事で心配かけてすいません。
恵:ううん。付き添ってあげなくていいの?
福子:旦那様がいるし 今は安静するしかないんで。
恵:そう。
加地谷:ここならゆっくり話ができます。あそこで。
仕事先の人:いいですね。
加地谷:立花。
萬平:すぐ行きます。
恵:いらっしゃいませ。
福子:いらっしゃいませ。
萬平:あそこで仕事の打ち合わせをします。
恵:どうぞご利用下さい。
萬平:次の休みは木曜日でしたよね。僕はその日は夕方からなら大丈夫ですから。
福子:あの…その日はちょっと…。
萬平:そうですか。じゃあ 次の休みに僕が時間を空けます。
福子:その日も ちょっと…。
萬平:何かあったんですか?
福子:今は仕事中なので。
加地谷:立花 はよ来い。
萬平:はい。
恵:お客様の打ち合わせが終わった頃に抜けていいわよ。
福子:えっ…。
恵:立花さんにちゃんと説明しないと。
福子:ありがとうございます。
♪
萬平:結核…。
福子:姉のお見舞いに行かないといけないんで しばらくは…。
萬平:そうですか…。
福子:ごめんなさい。
萬平:いや お姉さんのことが一番大事です。何か僕にできることはありませんか?
福子:そんな…。
萬平:その病院は専門病院なのかな。結核の専門医はいるんですか?
福子:ちゃんとしたお医者様やと思いますけど…。
萬平:世の中の医者がみんな結核に詳しいわけじゃない。
福子:えっ…。
萬平:僕がいい医者を探しますよ。見つかったら連絡します。
福子:そやけど…。
●今井家
鈴:ごちそうさまでした。
福子:もうええの?
鈴:食欲なんか ないわよ。
福子:私もごちそうさま。
鈴:気が付かなかったなんて おかしいわ。
福子:えっ?
鈴:真一さんよ。一緒に暮らしてて 咲の具合が悪いことに気が付かなかったなんて。
福子:そやからそれは…。
鈴:私たちの前では咲に優しくしてるけど ほんまはやっぱり冷たい人なんかも。
福子:お母さん やめてよ。
鈴:あなたの結婚相手は私が決めますからね。この方がいい人やったら…。
福子:お見合いはしません!
鈴:福子!
福子:こんな時にできるわけなやない。「ご趣味は何ですか?」なんて聞かれて 「姉のお見舞いです」って答えるの?
鈴:そしたら あの人とも会わないでね。
福子:会いません 今はね。
鈴:今は?
福子:咲姉ちゃんのこと すごく心配してくれてるんよ 立花さんは。
鈴:その名前は聞きたくない!
福子:食欲ないんやないの!?
鈴:やけ食いです!どうして そろいもそろって うちの娘たちは男運が悪いのよ!全くもう!
(いななき)
鈴:ん?何!?
(いななき)
牧:夜分に失礼します。
福子:どうされたんですか?
鈴:この人 昔 咲に結婚申し込んできた…。
牧:牧善之介です。これを咲さんに。結核によく効く漢方薬です。
福子:えっ…。
牧:一日3回 朝昼晩にのめばよく効くそうです。どうぞ。
福子:ありがとうございます。
牧:お母様のご心痛 お察しします。失礼します!帰るぞ 蘭丸。
福子:漢方薬…。
●真田山病院
まつ代:あきません。
鈴:どうして?結核によく効く薬なのよ。
まつ代:お薬は先生から処方されていますから。
鈴:こっちものんでみたらええやない。
福子:お母さん。
鈴:そうでしょ。
まつ代:先生に聞いてきます。
咲:看護婦さんを困らせんといて お母さん。
鈴:私はあなたのためを思って…。
福子:やっぱり 先生が許してくれないと駄目なのよ。
咲:ありがとう お母さん。心配してくれて。
(せきこみ)
鈴:咲…。
咲:ごめんなさい。
福子:大丈夫?
鈴:咲…。
(せきこみ)
鈴:咲…。
●理創工作社
加地谷:なんとか間に合うたな。
萬平:ええ。この改良型でいけるなら すぐに量産体制に入れます。
加地谷:お前の仕事は間違いないわ。これで目標通りの収益も達成できる。この会社 もっともっと大きしたる。俺に任せとけ。
萬平:加地谷さん。
加地谷:うん?
萬平:結核の専門病院をご存知ありませんか?
加地谷:結核?
萬平:ええ。しっかりとした専門医のいる病院です。実は知り合いがやられてしまいまして。
加地谷:ああ 知ってる医者に聞いといたるわ。こりゃ 見た目も悪うない。
萬平:ぜひ お願いします。
加地谷:よっしゃ!
(咲のせきこみ)
その後 咲姉ちゃんの病状は一進一退が続きました。
(咲のせきこみ)
●今井家
鈴:咲を助けてやって下さい あなた。
福ちゃんも鈴さんも 結核が簡単には治らないことを実感し始めていました。
萬平:こんばんは 立花です。
鈴:立花?
萬平:こんばんは。
福子:立花さん。
萬平:結核の専門病院を見つけました。
福子:えっ…。
萬平:そこには専門医がいます。病室も空いてるそうですから 是非お姉さんを転院させてあげて下さい。余計なおせっかいかもしれないけど 早くお姉さんによくなってもらいたくて。
福子:ありがとうございます。
鈴:立花さん 福子の母でございます。
萬平:夜分 失礼します。3年前の咲さんの結婚式で お母様のお顔は拝見いたしました。
鈴:ごめんなさい。あなたのこと 覚えてないわ。
福子:お母さん。
鈴:ご厚意はありがたくお受けいたしますが 福子と関わるのは もうやめて頂けないでしょうか。
福子:お母さん。
萬平:それは福子さんとも話しました。しばらく会うのは控えようと。
鈴:ずっとです! 福子はしっかりした会社に勤めている方に嫁がせます。
福子:今 そんな話 しなくても…。
鈴:立花さん お察し下さい。
萬平:申し訳ありません。それはできません。
鈴:はっ?
萬平:お姉様がお元気になられたら 僕は福子さんに結婚を申し込むつもりです。では 改めて。
鈴:あっ!
スポンサーリンク
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
まんぷくネタバレあらすじと感想を最終回まで!キャスト紹介と人物相関図も
朝ドラ総選挙(第1回)「ゲゲゲの女房」から「半分青い」まで投票実施中
スポンサーリンク