なつぞら115話あらすじ|昭和42年夏、風車の立ち退きと咲太郎の結婚宣言

NHK連続テレビ小説

なつぞら(115話8月12日)

●十勝・柴田家

昭和42年の春 なつは結婚しました。

それから数ヶ月がたち 季節はまた夏になりました。2人は西荻窪という町に家を借りて住んでいます。

●西荻窪・坂場家

坂場:早く食べないと遅れるよ。あとはやっておくから。

なつ:うん。もう終わる。あ~ おいしそう。頂きます!

どうですか あの不器用なイッキュウさんが こんなに器用に朝食を作れるのです。

坂場:はい これ弁当。

なつ:ありがとう。ねえ また指切ったの?

坂場:うん。

なつ:気を付けてよ。

坂場:アニメーターじゃなくてよかった。

なつ:どんな仕事をしてても そんなに指を切る人はいないから。

坂場:はい… 頂きます。

まあ 人間 そう簡単には変わりません。

坂場:うん!

なつ:おいしいね。

坂場:ね。

●東洋動画スタジオテレビ班作画室

なつの今の仕事は 専ら テレビ漫画の原画を描くことです。今 描いているのは「魔法少女アニー」。

動画担当:奥原さん これチェックお願いします。

仕事をする時の名前は 奥原なつのままです。

なつ:ここ まつげを目の向きに合わせて直してみて。はい。

動画担当:はい。

それから 茜さんも今は動画ではなく原画を描いています。そして もう一つ 茜さんには変化が。

茜:あっ。

なつ:ん?

茜:動いた。

なつ:本当?

茜:まるで魔法にでもかけられたみたいよ。私が絵を動かそうとすると こっちもそれをまねして よく動くみたい。

なつ:へえ~。キラキラバンバン キラキラアニー! って 仕事も出産も魔法で終わったら楽だけど きっとつまらないですよね。

茜:そっちはどうなの?

なつ:えっ?

茜:子どもは考えてないの?

なつ:今すぐは無理ですよ。

茜:でも 考えてるなら早い方が…。

なつ:子どもができたら 生活がどうなるのか想像ができなくて。

茜:イッキュウさんが まだ家で翻訳の仕事をしてるの?

なつ:はい…。出版社にいる大学時代の知り合いから翻訳の仕事をもらって それをコツコツ書いてます。脚本の勉強にもなるって。

●東洋動画スタジオ中庭

桃代:でも 安定はしてないんでしょ?

なつ:うん… 仕事がずっとあるわけじゃないから。今のところは 家事はほとんどやってくれてるけど 子どものことまでってなると…。だから 今は子どものことは考えられません。

桃代:寂しくないの?

なつ:いや そりゃ 欲しいけど… 今はぜいたくよ 子どものことを考えるのは。

茜:いや ぜいたくという考えは おかしいわよ。子どもを産んで育てることは自然なことでしょ。

桃代:じゃ やっぱり 女が働くことの方が不自然なの?

なつ:それもおかしいでしょ。

茜:でも 実際にはそうなってるわよね 子どもができた途端に。

なつ:それじゃ 茜さんは やっぱり辞めちゃうんですか?

茜:経済的なことを考えれば 辞めたくはないけど 子どもは一人じゃ育たないしね。一応 赤ちゃんから預けられる保育園っていうのを探してるんだけど あったとしてもそこも入れるかどうか… 数が少ないから。

なつ:そうですか…。子どものたけにテレビ漫画を作ってるのに 自分の子どもが生まれたら作れないなんて 納得いかないですよね。

なつたちの結婚生活は まだ先の見えない開拓の途上にあるようでした。そして まだ独身でいるこの人の将来も…。 

●四谷・風車プロダクション

咲太郎:また 声を聞いてみて下さいよ。連れていきますから。はい お願いします。それじゃ まらよろしくどうぞ! あ… いやいやいや すみません テレビ漫画の放送が増えましてね 声の仕事もそっちがどんどん増えてきまして 声優はもう引っ張りだこなんですよ。

野上:いや 成功してるんですね。ご立派なことです。

咲太郎:あ~ いやいや まだ貧乏暇なしです。あ… それで 何でしたっけ? 野上さんのご用件は。

野上:いや そう大した話じゃないんです。風車はどうされるのかなと思って。

咲太郎:風車が何か?

野上:立ち退きの話 聞いてないんですか?

咲太郎:立ち退き!? あの店がですか?

野上:あの辺り一帯が取り壊されて デパートのビルが建つことになったと聞いておりますが。

咲太郎:本当ですか? 風車はもう 営業できないということですか?

野上:そういう話 聞いてないんですか?

咲太郎:はい… 最近は忙しくて ほとんど風車には帰っていなかったもので…。

野上:実は我が川村屋も今度 ビルに建て替えることになったんです。今の店舗を取り壊して 近代化を図ることになったんです。聞いてます?

咲太郎:えっ? あ はい… ビルになるんでしょ。

野上:その話はやはり聞いてらしたんですね。

咲太郎:えっ?

野上:それで あなた どう動くおつもりですか?

咲太郎:動く?

野上:いつまで待たせるおつもりかって 聞いてるんですよ。

咲太郎:待たせる?

野上:とぼけても無駄ですよ。あなた方は陰で… そういった その… ご関係であるってことは 察しがついてるんです。いつまで そうやって陰で コソコソコソコソしてるつもりなんですか! それとも何ですか? このまま一生 けじめはおつけにならないおつもりですか!? それではあまりにもあの人がふびんです。もう若くはないんですから! 

咲太郎:野上さん… 野上さん ちょっと落ち着いて下さい。

野上:この風車が無くなるという機会に 是非 一度 ご自身の身の振り方をお考えになってはいかがでしょうか?

咲太郎:あっ それ まだ…。

野上:あちちち…!

咲太郎:あっつ あっつ…!

●新宿「風車」
 
亜矢美:♪真夏の海は恋の季節なの あら茂木社長 早いね いらっしゃい。

茂木:いやいや もう こんな暑くちゃさ いつまでも社長室なんかに籠もってられませんよ。

亜矢美:ハハ それで熱々のおでん 食べに来て下さるんだから ありがたい ありがたい。

茂木:ママの顔見たら 少しは涼しくなるんじゃないかと思ってね。

亜矢美:私は お岩さんか。

茂木:お岩さんよりも寂しいんでしょ 最近のママは。

亜矢美:えっ?

茂木:なっちゃんもいなくなって ここにはもう たまの里帰りぐらいしか来ないでしょう。 

亜矢美:寂しくなんかありやせんよ ちっとも。子どもを立派に育て上げた お母ちゃんの気分を味わってますよ。

茂木:へえ~。はあ~… なっちゃんのいない この店のビールは 心なしか 気の抜けた味がするね。

亜矢美:じゃ 試してみます?

茂木:お~! ハハハハ…。おいおい…。

●西荻窪・坂場家

(戸が開く音)

坂場:あ…。

なつ:ただいま。

坂場:お帰り。

なつ:あ~ いい匂い!

坂場:ちょうど完成したところだよ。今日は2時間でできた。

なつ:2時間も?

坂場:うん。

なつ:あっ 牛乳使ったんだ?

坂場:君のお母さんのノートにあった料理を作ってみたんだけど。

なつ:へえ~。

坂場:はい。

なつ:あ~ 懐かしい…。頂きます。

坂場:うん。どう?

なつ:おいしい。

坂場:子どもの時に食べた味と同じ?

なつ:うん 近いかも… でも牛乳が違うからしょうがないでしょ。これでも十分おいしい。

坂場:そうか… 牛乳だけじゃないかもしれないな これ。う~ん…。いや 大体 君のお母さんのノートには 塩は少なめとか しょうゆは多めとか やや少なめとかやや多めとか 曖昧な表現が多すぎるんだよ。これじゃ どうやって計量していいのか分からないよ。

なつ:しょうがないでしょ 農家で忙しい中 作ってきたんだから。いちいち計量なんてしてらんないわ。明日は私がやる。

坂場:頂きます。

●新宿「風車」

茂木:で どうすんの?

亜矢美:ねえ 社長 どっかいい物件知りませんか?

茂木:えっ 僕が探していいの? 

亜矢美:探して頂けるなら助かるわ。あっ でも あんまり高い所ダメだからね。

茂木:でもさ 咲太郎君に頼んだらどうだい? 最近はもうかってんでしょ?

亜矢美:咲太郎には甘えたくないわ。

茂木:どうして? 親孝行してもらいなよ これからは。

亜矢美:親じゃないもん。あの子の負担にはなりたくないの。

茂木:負担だなんて思わないって。

亜矢美:大人になったんだから 私たちは対等でいたいのよ。

茂木:咲坊は幸せだな そこまで愛されて…。

亜矢美:ハッ… なっちゃんが幸せになったでしょ。だからこれで やっと咲太郎の番だからね。♪真っ赤に燃えた もう一回いきやすか…。

茂木:振るなよ 振るなよ 振るなよ ハハハ…。あ~っと…! いや 振るなよ…。

●西荻窪・坂場家

なつ:茜さんが会社を辞めるかもしれないって。

坂場:えっ… 子どもが生まれるから?

なつ:そう。

坂場:まあ当然 そういうことになるだろうな。

なつ:それって当然なの?

坂場:当然 そういう悩みは抱えるだろうってことだよ。

なつ:うちはどうするの?

坂場:ん?

なつ:もう そうなったら…。

(ブザー)

なつ:誰だろう?

坂場:あっ いい。は~い。

咲太郎:よう。

坂場:お義兄さん。どうぞ。

咲太郎:うん。

なつ:お兄ちゃん。

咲太郎:悪いな こんな時間に。

坂場:いやいや… どうぞ どうぞ。

なつ:入ってよ。

咲太郎:じゃ ちょっと邪魔するぞ。あっ これ 適当に甘いもん買ってきた。

なつ:えっ ありがとう。

坂場:ありがとうございます。

なつ:どうしたの?

咲太郎:ちょっと話があってな。

なつ:話?

咲太郎:うん… ちょっと大事な話だ。

なつ:大事な?

咲太郎:なつ お前 風車の立ち退きの話は聞いてるか?

なつ:立ち退き!?

咲太郎:やっぱり知らないか。母ちゃんはそれを黙ってるんだな 俺たちに心配かけまいとして。水くさいだろう? そこでだ 俺も考えた。どうすればいいのか…。どうすれば母ちゃんは この俺を頼ってくれるのかと…。

なつ:頼る?

咲太郎:ああ。それで俺もけじめをつけることにした。

なつ:けじめ?

咲太郎:結婚する。

坂場:結婚?

なつ:誰と?

咲太郎:川村屋のマダムだ。

回想光子:いつもありがとうございます。

なつ:ええ~っ!

●感想
咲太郎とマダム光子の結婚。これには伏線があって、十勝でなつと夕見子の合同結婚式にマダムが咲太郎と一緒に出席した時点で、勘の鋭い人はピンときたはず。

そして、その時に姿が見えなかったのが亜矢美さん。この不自然さが後々、帯広の「雪月」で回収されますと書いて今週もよろしくお願いします。

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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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