なつぞら(117話8月14日)
●新宿「風車」
咲太郎:俺は母ちゃんの子どもになれて 本当に幸せだったな。
亜矢美:何言ってんの 今更…。
咲太郎:母ちゃんに会えなかったら 俺は確実に死んでたからな。母ちゃんが俺に ただ生き延びるためじゃなく 生きることを教えてくれたんだ。
亜矢美:ムーランルージュに引っ張り込んだだけだろ。
咲太郎:いや それだけじゃない… いろいろあったことを忘れたのかよ。
亜矢美:あ… 忘れちゃったね 昔のことは み~んな。あ… だけど お前は確かに金もうけのことしか考えない マセガキだったね。
(回想)
亜矢美:ねえ… 何でそれ読まないんだよ。
咲太郎:こんなもん読むより 体動かして金稼がないと 妹たちを迎えに行けないんだよ。
亜矢美:お前ね… お前がバカなまんまで 妹たち迎えに行ったって どうやって養うの。いいかい 頑張って これ読んで で もし 分かんない字とか言葉があったら いちいちこれで調べるの。それだけで だんだん世の中のことが分かっていくから。
咲太郎:そんなことより 進駐軍の前で踊った方が手っ取り早いよ。
亜矢美:バカ! 進駐軍だってね バカじゃないんだよ。お前の下手くそな踊りに喜んで いつまでもかわいがってくれるわけじゃないんだからね。咲太郎 人を本気で楽しませたいって思うんだったら 本気になって勉強しな。
(回想終わり)
咲太郎:母ちゃんがいなかったら 俺はバカなままだった。
亜矢美:バ~カ まだバカは治ってないんだろ。
咲太郎:あっ そうか ハハハ…。
亜矢美:大バカだもん。
咲太郎:ハハハ…。
(回想)
♪鐘の鳴る丘
亜矢美:こんな歌がはやってんだね…。
(鼻をすする音)
亜矢美:泣いてんのかい?
咲太郎:この歌聴くと 何か悔しくなんだよ…。
亜矢美:そっか… 孤児院の歌だもんね。咲太郎 こっち おいで。
咲太郎:えっ?
亜矢美:ほら おいで。
咲太郎:ちょっと… 何すんだよ。
亜矢美:いいから。お前だってさ 親を亡くした一人の子どもなんだからさ 人に甘えて泣いたっていいんだよ。私をさ お母ちゃんって呼んでごらん。
咲太郎:いいよ…。
亜矢美:いいから 呼んでごらんって。ここは劇場だよ… ムーランルージュ。私たちは何にだってなれるんだから。演じられるんだから。ほら 母ちゃんって呼んでみな。
咲太郎:母ちゃん…。
亜矢美:何だい 咲太郎…。
咲太郎:母ちゃん 母ちゃん…。母ちゃん…。
亜矢美:♪鐘が鳴りますキンコンカン
(回想終わり)
咲太郎:母ちゃん…。
亜矢美:うん?
咲太郎:母ちゃんと俺は何も変わらないからな。
亜矢美:分かってるよ。これからも変わらず 偽物の親子だろ。
咲太郎:偽物じゃないだろ もう… 今度は俺に甘えてくれよ。変に遠慮なんかしたら 承知しないからな。
亜矢美:だったら だったら じゃあ… また ムーランルージュを建てておくれよ。
咲太郎:はあ?
亜矢美:あの舞台でさ また踊ってみたくなっちゃったな。
咲太郎:母ちゃん それはもう無理だ。母ちゃん もう50だぞ。
亜矢美:だから 死ぬ前に もう一回 踊ってみたいんだろうが!
咲太郎:おい 母ちゃん…。
亜矢美:ああ 踊りたい…。
咲太郎:よし 分かった。
亜矢美:えっ?
咲太郎:俺に任せろ。昔の俺とは違うんだ。思いっきり 親孝行してやるよ。
亜矢美:そりゃまた… うれしいね。♪紅いルージュに
咲太郎:おお…。
●西荻窪・坂場家
坂場:君の誕生日といえば… もうすぐ8月15日か。
なつ:うん…。
坂場:いろんなことを忘れないためにあるような日だな。
なつ:うん… だからね 私は誕生日が来る度に 亡くなった父や母のこと 周りにいた人たちのことを自然に思い出す。近頃 あれから何年がたつんだなって 思うようになってる。
(回想)
なつ:気持ちいい?
千遥:うん 気持ちいい。
咲太郎:おい なつ!
なつ:どうしたの?
咲太郎:戦争が終わったみたいだ。
なつ:えっ?
咲太郎:日本は負けたらしい…。今日は8月15日 なつが生まれた日だな。
なつ:あっ そうだ…。
信哉:そっか なっちゃん 誕生日か。
なつ:うん。
千遥:おめでとう お姉ちゃん。
(回想終わり)
なつ:ねえ…。
坂場:うん。 どうした?
なつ: また 千遥に会いたくなっちゃった…。
坂場今は僕がついてる。
なつ:ねえ… もし 子どもが生まれて…。私たちの子どもは 幸せになれるのかな…。
坂場:なるよ… なるに決まってるだろう。
なつ:うん…。
●東洋動画スタジオ・テレビ班作画室
荒井:やるか?
なつ:お願いします。
荒井:いや お願いしますって…。
なつ:茜さん 大丈夫ですか?
茜:ちょっと 夏風邪をひいたみたいで…。
なつ:えっ。
茜:風邪薬をのめないからね 今は。治りが遅いのよ。
なつ:あっ ちょっと すいません…。熱があるんじゃないですか。早く帰った方がいいですよ。
茜:あ 大丈夫… 今日中にこの原画までは仕上げないと。
荒井:どないしたん? 何かあったんかい?
なつ:茜さん 風邪をひいてるんです。今日は帰らせて下さい。
荒井:風邪か。
茜:あ… 大丈夫です。
荒井:ほんま?
なつ:ほんまじゃないですよ! ただの体じゃないんですよ! すぐ帰らせて下さい。
荒井:いや せやけど…。
なつ:茜さんの分は 私がやりますから!
荒井:ほんま?
なつ:ほんまです!
♪
なつ:呼んでくる。
茜:あ… ありがとう。
なつ:下山さん。
下山:おお どうした?
なつ:ちょっと。
下山:えっ? あっ ごめん。
なつ:下山さん 茜さん 風ひいて 少し熱があるみたいなんです。家に帰らせて下さい。
下山:大丈夫?
なつ:大丈夫じゃないですよ。早く帰って休ませて下さい。
神地:ねえ どうしたの? 茜ちゃん 何かあった?
茜:あっ いや ううん 何でもないから…。
なつ:下山さんが送って下さい。私は今 ちょっと仕事があって無理なんで…。
茜:なっちゃん! 本当にもう大丈夫だから。ただの風邪だから。
なつ:でも…。
茜:あんまり大げさにしないで。仕事を続けにくくなるから。ごめんね 私の仕事まで押しつけちゃって。
なつ:そんなことは…。
下山:そこまでは送っていくよ。
茜:うん。ごめんね…。
神地:大変だな 働きながら子どもを産むのは。
それから 8月15日を迎えました。
●新宿「風車」
亜矢美:咲太郎 光子さん なっちゃん イッキュウさん この4人の前途を祝して かんぱ~い!
一同:かんぱ~い!
なつ:ちょっと待って下さい! 亜矢美さんも おめでとうございます。
亜矢美:何で?
なつ:お兄ちゃんの家族ですから。
藤田:そうだ! よくぞ 咲太郎をここまで育て上げた。
松井:よっ 亜矢美母ちゃん!
島貫:よくやった! おめでとう!
レミ子:おめでとうございます!
藤田:おめでとう。
光子:ありがとうございます。
茂木:ママ やっとこれで面倒な子どもが片づいたね。
亜矢美:ハハ 本当。そりゅ そうだ 本当 本当 ハハハハ…。
咲太郎:母ちゃん 長い間 お世話になりました。
亜矢美:バカだねえ それは男のセリフじゃないだろ ね ハハ…。
なつよ 母になるのも悪くはないぞ。
●感想
昨日、亜矢美さんは49歳と書きましたが、50歳が正解でした。お詫びとともに訂正させていただきます。
そして、実際の8月15日は明日ということで、終戦記念日と奥原なつ30回目の誕生日です。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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