なつぞら(119話8月16日)
●西荻窪・坂場家
坂場:お義兄さんは大丈夫?
なつ:光子さんがついててくれるから…。だから亜矢美さんも安心して旅立っていったんだと思う。きっと 新しい自分と出会うために…。私はそう信じてる。
坂場:うん…。
(ブザー)
なつ:あっ 誰だろ? は~い。神っち… 茜さん 下山さん。
下山:こんばんは。
茜:急にごめんなさい。
神地:イッキュウさん いる?
なつ:うん。あ… どうぞ 上がって。
坂場:お~… いらっしゃい。
神地:イッキュウさん 元気そうだね。
坂場:お久しぶりです。
下山:久しぶり。
坂場:えっ 何かあったの?
神地:あ… あっ もう あったなんてもんじゃありませんよ!もう腹が立って腹が立って!
下山:おいおい神っち 君が興奮することじゃないよ。これがうちの問題なんだから。
なつ:茜さん 何かあったの?
茜:もう…嫌になっちゃった。
なつ:えっ? どうしたの?
♪
坂場:それは今日言われたの?
茜:うん… 今日が最後だから 明日から産休を取る挨拶に行ったの。そしたら 山川社長に…。
(回想ー東洋動画スタジオ社長室)
茜:産休明けからは 契約にしろって?
山川:うん…。
茜:それは… クビってことですか?
山川:クビなんで誰が言ったの? 君の働きたいという意思をくんで 契約にしたいと言ってるんですよ。
茜:でも 契約というのは… もう社員ではないということですよね? 給料ではなくて 作画1枚につき いくらということになるんですよね?
山川:その方が 出勤時間はフリーになるし あなたは仕事ができるんだから 頑張れば給料より かえって高く取れるでしょう。あえて契約を望むアニメーターも増えるいるんですよ うちには。
(回想終わり)
神地:実質 クビでしょ クビ!
なつ:ちょっ… 神っち 落ち着いて。
神地:落ち着いてられるか これが!
下山:おいおい 人んちだよ ここは。労働組合じゃないんだから。
神地:あ… あっ ごめん なっちゃん。
なつ:いいけど…。
茜:私 辞めるわ。
なつ:えっ?
茜:せっかく原画にもなったし できれば仕事は続けたかったけど そこまでして働くことはないって思ったの。
下山:僕もそう思う。
茜:私やなっちゃんのあとに入ってきた 女子社員なんて 入社する時に子どもができたら退職しますって 誓約書を書かされたっていうもの。まあ そうさせるのは うちの会社だけじゃないみたいだけど しかたないのよ。世の中がまだそうなんだから。
神地:これじゃ アニメーターの未来は暗いよ。それもこれも アニメーションの地位が低すぎるからだ。その地位を上げなければ しょうがないんだよ。
茜:なっちゃん ごめんね。なっちゃんにまで心配かけて。
なつ:茜さん こっちこそ 何の力にもなれなくて…。
♪
テレビ:「私 お姉ちゃまに ケーキを作ったの」
テレビ:「まあ うれしい。でも どうして?」
テレビ:「だって 今日はお姉ちゃまの誕生日じゃないの。あっ… あ~!」
(泣き声)
テレビ:「キラキラバンバン キラキラアニー!」
テレビ:「うわ~!」
なつ:人間は魔法を使えないもんね…。
坂場:ん?
なつ:何でもない…。
それから 茜さんに替わって なつと同じ班の原画に入ったのは 堀内さんでした。
●東洋動画テレビ班作画室
なつ:堀内さん。
堀内:うん?
なつ:堀内さんの奥さんは 仕上課にいたんですよね?
堀内:そうだよ。モモッチの後輩。
なつ:あの やっぱり 入社する時に 子どもができたら退職するって誓約書を書いたんですか?
堀内:そうみたいだね。でも もともと結婚したら 辞めようと思ってたらしいから。
なつ:何の問題もなかったわけですか…。
堀内:うん。あ… なっちゃんとは うちの奥さんは違うよ。うちの奥さんは良妻賢母のタイプだから。
なつ:ふ~ん…。
堀内:うん。
なつ:私とは違うですか。
堀内:あっ そういう意味じゃなくて…。
なつ:じゃ どういう意味ですか?
堀内:あの だから… ごめん あの そういう… 違う 違う ごめん…。
なつ:お邪魔しました。
堀内:あっ 違う違う あれ…。
●下山・茜夫婦の家
なつ:かわいい…!
坂場:女の子ですか。
下山:ハハハ… かわいいでしょう?
神地:茜ちゃんに似ることを祈りますよ。
下山:それだけが心配。
なつ:名前は?
下山:あっ…。
なつ:あ~。
坂場:アキコか。
下山:違う。メイコっていうの。命名 明子。
なつ:それがやりたかっただけ?
下山:いや 違うよ。頭脳名籍 風光明美の明。
なつ:明ちゃんか…。
♪
なつ:茜さんは もう仕事に復帰することは考えてませんか?
茜:うん 今はね。でも仕事を辞めて 本当によかったと思ってるわ。この子を置いて会社に行くなんて… 今じゃとても考えられないもの。
なつ:そうですか…。でも本当にかわいい…。
茜:なっちゃんだよ。
なつ:どうしたの…。
茜:眠たいかな?
なつ:かわいい…。
そして ひとつきがたち 秋も深まる頃。
●東洋動画テレビ班作画室
(ため息)
堀内:ん? どうした?
なつ:あ… ちょっと気持ち悪くて…。
堀内:えっ! ちょっと本当に大丈夫かい?
なつ:うん。
荒井:どないしたんや?
なつ:何でもありません。
堀内:気分が悪いって。
荒井:何や 風邪か?
なつ:違います。
堀内:働きすぎですよ。いくらテレビで止め絵が多いっていったって 一日に10カットは描かないと間に合わないんだから。
荒井:しゃあないやろが!
なつ:ちょっと外の空気 吸ってきます。
堀内:うん。
荒井:遅れてまうねんで。
堀内:おおっ 大丈夫か!?
荒井:大丈夫か? なっちゃん? ちゃんと休まなあかんて。
堀内:あ… なっちゃん! 水 お願いしていい?
荒井:はよ はよ はよ…!
●病院
なつ:ありがとうございました。
看護師:お大事に。どうぞ。
●西荻窪・坂場家
なつ:ただいま。
坂場:あっ お帰り。早かったね。
なつ:うん…。また切ったの?
坂場:大丈夫 もう慣れたから。
なつ:指を切ることに慣れないでよ。
坂場:そっちはどうしたの? 顔色があんまりよくないみたいだけど。
なつ:うん…。ちょっといい?
坂場:うん。
なつ:今日 仕事中に貧血を起こして 倒れてしまったの…。
坂場:えっ?
なつ:あ… それは大丈夫なんだけど 念のため お医者さんに診てもらったら…。
坂場:うん。
なつ:できてた。
坂場:えっ?
なつ:赤ちゃん。赤ちゃんが… できてた。
坂場:よかったじゃないか。
なつ:本当に? イッキュウさんはうれしいの?
坂場:うれしいよ… 君はうれしくないのか?
なつ:うれしいよ…。お医者さんに言われた瞬間は 信じられないくらいうれしい気持ちになった。だけど… どうするの? 私は仕事を辞めるわけにはいかないよ…。辞めたくないよ…。
坂場:できた以上は 産まないという選択肢はないだろ 僕たちに。だったら そんなことはとても小さなことだ。君が母親になるってことに比べたら。
なつ:やっぱり… 仕事より大事ってことよね。
坂場:そうじゃない…。産むと覚悟を決めて 仕事のことは考えればいいと言ってるんだ。一緒に考えよう。
なつ:一緒に?
坂場:うん。幸い 僕は今 家で働いているわけだし 君を支えることができると思うんだ。たとえ契約になったとしても 仕事を続けたいなら 好きなだけ続ければいい。それでもし 会社がその後の君の仕事を認めれば 次からはほかの女性も働きやすくなるだろ? 子どもを育てながらアニメーターを続ければ そういう戦いにもなるんだ。君がその道を作るんだよ。
なつ:道を作る…。
坂場:そういう開拓精神が君にはあるはずだろ。一緒に頑張ろう。な。
なつ:じゃあ… 喜んでいいのね!
坂場:当たり前だ。
なつ:ありがとう。
坂場:こちらこそ。
おめでとう。なつよ 笑って母になれ。
●感想
女性の出産と仕事の継続。これは昭和42年秋の話ですが、現代の令和の時代でも同じ問題として今だに解決できない重いテーマ。
こういうことを解決するための国会議員であってほしいと、あの議員たちの顔を思い出し、ため息です。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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