なつぞら(122話8月20日)
●西荻窪・坂場家
麻子:それで 今日はイッキュウさんを誘いに来たの。
坂場:えっ?
なつ:誘いに?
麻子:イッキュウさん またアニメーションを作る気はない?
なつ:あります! また作りたいと思ってます。
麻子:そうなの?
坂場:はい… それはどういうことでしょうか?
麻子:実は会社を興したのよ。
坂場:会社を?
麻子:そう。アニメーションを製作する会社。といってもまだ小さな会社なんだけど…。それに下山さんも参加してくれることになったから。今 うちで動き出してるテレビ漫画の企画にのってくれてててね。それにイッキュウさんにも参加してもらいたいと思ってるの。もちろん演出家として。イッキュウさんが来てくれたら心強いわ。ただし あの漫画映画のように凝ったことはできないわよ。あくまでテレビ漫画が中心なんだから。あまり画を動かさないのが今はかっこいいの。それでもよかったら一緒にやらない? また。
なつ:どうして黙っているの? よかったじゃない!マコさんとまた一緒にアニメーションが作れるなんて…こんないい話ないでしょ!
坂場:君はどうなるんだ?
なつ:えっ?
坂場:僕が働きに出てしまったら 君はどうやって働くんだ?
なつ:そんなことは 後から一緒に考えればいいでしょ。
坂場:いや 生まれてから考えたって もう遅いんだよ。
なつ:そうだけど…。
坂場:のんきに喜んでる場合じゃないだろ。
なつ:それでも…。
麻子:なっちゃんは 今の会社 辞めるわけにはいかないんでしょ?
なつ:はい…。それは… いきません。
麻子:本当はあなたのことも誘いたかったのよ。
なつ:マコさん。
麻子:誰よりも真っ先に誘いたかった。
♪
麻子:私はね とうとう子どもができなかったわ。それで旦那と相談して 自由に好きなことをしようって決めたの。
なつ:別れちゃったんですか?
麻子:くっついてるわよ 円満に。
なつ:あ… すいません。
麻子:ありがとう。それで 会社の名前はマコプロダクションにしたの。
なつ:マコプロダクション?
麻子:名前は旧姓のままです。よろしく。
なつ:へえ~ マコプロか…。いいですね ハハハ…。
麻子:そこはね 女性のアニメーターが母親になっても安心して働ける場所にしたいと思ってるの。
なつ:母親が…?
麻子:だから いつか… そういう時が来たら いつでも来てちょうだいよ。まあ まだ会社があればの話だけど。
なつ:うれしいです。
麻子:イッキュウさんも現実的なことも考えて できると思ったら来てちょうだい。
坂場:ありがとうございます。本当に光栄です。
麻子:変わったわね イッキュウさん。
坂場:えっ?
なつ:そうですか?
麻子:だって物分りがいいんだもの。
坂場:ハッ… 何ですか それは。
麻子:だけど イッキュウさんらしさを失ってほしくないわ 私としては…。
なつ:予算と締め切りを守らなくてもいいってことですか?
麻子:そういうことじゃないでしょ!
なつ:冗談です。
麻子:もう…。
♪
なつ:それで どうするの?
坂場:ん?
なつ:マコさんの仕事… やってみたいと思わないの?
坂場:その話は今 考えなくてもいいじゃないか。
なつ:どうして? やりたいなら私のために諦めてほしくないな。
坂場:君のためじゃないだろ。僕たちの子どものためだ。
なつ:そう言ってくれるのはすごくありがたいんだけど それであなたがどんどん変わってしまうのは 私は嫌だな。
坂場:なら どうしろと言うんだ? 昔みたいに 自分のことだけを考えろとでも言うのか?
なつ:一緒に考えるって言ったでしょ。一緒に考えようって… 2人にとって一番いい方法を。
坂場:とにかく今は… 今もらってる仕事をちゃんとやらなくちゃならない。君はちゃんと産まなくちゃならない。それが一番大事なことだ。
なつ:うん…。
坂場:うん。
●下山克己・茜夫婦の家
茜:赤ちゃんを預けるの?
なつ:うん… それしかないと思って。イッキュウさんは 働きに行きたいんだもん 本当は。それを我慢してるのが分かるの。
茜:なっちゃんは 本当にそれでいいの? 困らないの?
なつ:やっぱり 子どもを預けるのは大変なんですか?
茜:うん… もう大変よ。0歳児を預けられる所を見つけるなんて 奇跡に近いかもね。せめて1歳ぐらいにはならないと 預かってくれる所は本当に少ないと思う。
なつ:1年か…。でも イッキュウさんにも やっぱり夢を諦めてほしくないんです。
茜:イッキュウさんは ただ諦めてるだけじゃないと思うわよ。
なつ:えっ?
茜:実は イッキュウさん なっちゃんが昼間働いてる間 ここに何度も来てるのよ。
なつ:ここに?
茜:うん。子育てのことを教えてくれって。
なつ:茜さんに?
茜:明子のオムツを取り替えてくれたり ミルクの作り方を覚えたり あっ それにオムツの縫い方まで覚えたのよ。
なつ:あの人がそんなことまで…。
茜:恥ずかしいから なっちゃんにはないしょにしてくれって言われてたけど 楽しそうに見えたな。待ちわびてるのよ 子どもが生まれてくることを。
●吉祥寺・マコプロダクション
麻子:イッキュウさん!
下山:おい!
麻子:アッハハハ… よく来てくれたわね。
坂場:下山さんは もうここに移ったんですか?
下山:いや まだだよ。でも東洋動画には話してあるんだ。別に引き止められやしなかったから 円満退社だ。
坂場:そうですか。
下山:うん。なんとかして ここを日本のアニメーションの新天地にしてやるよ。
坂場:新天地か。
麻子:散らかってて驚いたでしょ? まだ作画作業には入ってないんだけど 下山さんと企画の打ち合わせをしていたところよ。これ。
(三代目カポネの企画書)
麻子:ここで少数精鋭でやっていこうと思ってる。動画と仕上げは更に下請けに外注したりもしなきゃいけないけど だからこそ 好きなものが作れると思ってる。
下山:うん。イッキュウさんも 是非 ここで一緒にやろうよ。
坂場:そうですね… 面白そうですね。
(笑い声)
●西荻窪・坂場家
(戸が開く音)
なつ:ただいま。
坂場:あっ お帰り。
なつ:あ… 遅くなってごめんね。
坂場:お疲れさま。
なつ:あ… もしかしてオムツ縫ってるの?
坂場:うん… ちょっとずつね。本で縫い方覚えたから。ちょっと待って。ここまでやったら すぐ ごはんの用意するから。
なつ:私も手伝う! よいしょ… 縫い方 教えてよ。
坂場:いいよ 疲れてるのに。
なつ:大丈夫。ああ… ふ~ん なるほど。それをこう縫えばいいのか…。
坂場:実は 今日… 行ってきたんだ。
なつ:どこに?
坂場:マコさんの会社だ。それで 君に相談せず 悪いと思ったけど… 決めてきた。
なつ:マコさんのところで働くことに?
坂場:うん…。
なつ:あ… そうなんだ。
坂場:ただし 1年は待ってもらうことにした。
なつ:1年?
坂場:子どもが生まれてから1年ぐらいたてば 預けられる保育園も見つかるかもしれない。生まれたばかりの赤ん坊を預けるのは やはり難しいと思うんだ。それまでは僕が家にいることにするよ。だけど 僕にもまだ 君が言うようにアニメーションに挑戦したいという気持ちがあるんだ。だから それまで待ってもらうことにした。
なつ:そこまで考えてくれてたんだね。調べてくれたんだね。ありがとう。
坂場:それじゃ… いいのか?
なつ:それは こっちのセリフだよ…。ごめんね イッキュウさんにいろいろ気を遣わせたよね。ごめんね。
坂場:何を言ってるんだ。全部 それも覚悟して結婚したんじゃないか。
なつ:うん… そうだね。
坂場:よかった。
なつよ イッキュウさんがうれしそうでよかったな。
●感想
なつ:どうして? やりたいなら私のために諦めてほしくないな。
坂場:君のためじゃないだろ。僕たちの子どものためだ。
なつ:そう言ってくれるのはすごくありがたいんだけど それであなたがどんどん変わってしまうのは 私は嫌だな。
このやりとりで、なっちゃんにおいおい!と思った人も多かったはず(?)
今週は坂場イッキュウさんのファンが増えていくような展開で、広瀬すずちゃん、頑張れとエールです。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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