なつぞら(132話8月31日)
●西荻窪・坂場家
坂場・なつ:ハッピーバースデー トュ ユー ハッピーバースデー トュ ユー ハッピーバースデー デイア 優 ハッピーバースデー トュ ユー
坂場:おっ おっ… お~! おめでとう!
なつ:おめでとう 優!
昭和48年6月1日 優は5歳になりました。
優:ありがとう!
(笑い声)
坂場:何だろうね?
なつ:何だろう?
♪
なつ:はい。
優:あっ… ねえ ママ お馬さんがいた。
なつ:えっ? どこ?
優:ほら あそこ!
なつ:うん? ああ 雲か…。どれ?
優:ほら あれ! あそこ!
なつ:うん? ああ 本当だ! お馬さんが走ってるように見えるね。
優:乗りたいね。
なつ:乗りたい? 優 本当に乗りたいの?
優:乗りたいよ。優ちゃん 乗りたい!
なつ:乗せてあげよいうか?
優:本当に?
なつ:本当。優ちゃん 本物のお馬さんに会ったこと 覚えてないの? じいちゃんとばあちゃんちで。
優:牛さんがいたとこ?
なつ:そう 牛さんがいたとこ。あ… まだ2歳の時に一度会ったきりだから あんまり覚えてないか。お馬さんも見たんだよ そこで。
優:本物のお馬さん 見たい!
なつ:じゃあ また連れてってあげる。今度は ママがお馬さんに乗せてあげるよ。
優:やった! いつ?
なつ:う~ん… そう来るよね。
優:いつ? いつ? いつ? いつ?
なつ:う~ん じゃあ… 今度の夏休みに。
優:ママの夏休みって いつ?
なつ:そう来るか…。う~ん… あっ ママの誕生日辺りに。8月15日。ママ その辺り 必ず休み取るから。約束する。
優:ありがとう ママ!
なつ:優… ありがとうなんて 言わなくていいんだよ。
●保育園に通う途中
なつ:優 お知らせの紙 先生に忘れないでね。
優:うん 分かった。
なつ:行ってらっしゃい。
優:行ってきます。
なつは作画監督として 忙しい日々を過ごしていました。
●東洋動画スタジオ・テレビ班作画室
なつ:番長に取りついた魔物は 番長の純情な心に影響されて 番長が思いを寄せるこの女学生を好きになってしまうんです。それで人間を殺せなくなって魔王を裏切ることになります。
堀内:原作よりも魔人の目に人間味があっていいと思う。ですよね? 宮田さん。
宮田:いい! かっこいいです!
堀内:ね! ハハハ…。
♪
動画担当:お願いします。
♪
なつ:う~ん これじゃ迫力が出ない。線を太くしてみて。あと もっと荒々しくていいから。やり直して。
中島:分かりました。
なつ:よろしく。
中島:はい。
引き受けた以上は ヒットさせようと必死でした。優を迎えに行けない日もまた増えていったのです。そんな時 今は茜さんに代わってこの人が優を預かってくれています。
●風車プロダクション
咲太郎:はい ここ ここ。はい。はい 優 連れてきたよ。
優は咲太郎の声優事務所でママの帰りを待つのです。
光子:優ちゃん いらっしゃい。
優:は~い。
光子:おなかすいたでしょ? これ食べててね。
優:あり… あっ 光子さん ママがね ありがとうは言っちゃダメって言うの。
光子:えっ? 言わなきゃダメよ! ありがとうは言わなくちゃいけません。感謝の気持ちを持つことは人間の基本です。
優:はい。ありがとうございます。頂きます。
光子:はい 召し上がれ。 なっちゃんは何を考えてるのかしら…。礼儀を教える気がないのかしらね。
咲太郎:これは 俺か…?
優は今でもみんなの愛情を受けて育っていました。まるで昔の自分のようだと なつは時々思うのです。そして ある日曜日のこと。
●西荻窪・坂場家
(ブザー)
なつ:あっ 来たな。
優:夕見おばさん?
なつ:そう。は~い。夕見 いらっしゃい!
夕見子:久しぶり。
優:夕見おばさん いらっしゃい。
夕見子:優! おっきくなったな! 元気だったかい?
優:元気です!
夕見子:うん。よし。
なつ:雪見君は元気?
夕見子:元気 元気。元気じゃないと 小畑家じゃやってけないしょ。
なつ:そうだね ハハハ…。
優:どうぞ。
夕見子:ありがとう。優 いいものあげる。
優:ありがとう。
夕見子:はい。
優:雪月のお菓子だね!
夕見子:そうだよ。ん? イッキュウさんは?
優:パパはお仕事です。
夕見子:あ… 日曜日もかい?
なつ:うん。でも今日は夕見が来るから 早く帰ってくるって。
夕見子:ふ~ん 大変だね。ありがとう。
なつ:で 夕見は? なして東京来たのさ?
夕見子:これ。
なつ:バター?
夕見子:違う。こっち。
なつ:あ~! たんぽぽ牛乳! 出来たの?
夕見子:そう。これを東京で売るために来たのさ。
なつ:わ~ すごい! ねえ 飲んでいい?
夕見子:うん。はい どうぞ。
なつ:頂きます。うん おいしい! 十勝の牛乳だわ!
夕見子:やっと 十勝から東京まで冷蔵庫で運べるようになったのさ。
なつ:ふ~ん。
優:優ちゃんも飲みたい!
なつ:うん したら ママの飲んでみな。
優:うん。
なつ:気を付けて。
夕見子:ねえ どう?
優:おいしい!
なつ:ねえ。
夕見子:やっぱり なつの子だね。
なつ:夕見は飲めないの? 今でも。
夕見子:牛乳を使った料理ならいいけど いまだに牛乳は飲めん。
なつ:誰の子さ あんたは。
夕見子:雪見は好きで飲んでんだけどね。
なつ:あんただけ やっぱり変わってんだね。
夕見子:うるさい…。これを東京で流通させれば 私の役目は終わりだわ。
なつ:終わり?
夕見子:うん。農協の仕事はもうこれで辞めようと思って。
なつ:えっ…。
夕見子:雪月も案外忙しくなっての。ほら ディカバージャパンとかって 旅行ブームになってから 雪月の土産も飛ぶように売れてんのさ。
なつ:へえ~。
夕見子:けど営業力がないからね。これからは私の力で もっと大きくしてやろうと思って。
なつ:いいね。
夕見子:ん? 何 馬? あっ なつ。
なつ:ん?
夕見子:天陽君のことは知ってる?
なつ:天陽君がどうかしたの?
夕見子:何か忙しすぎて 風邪こじらせて入院してるみたいよ。
なつ:入院!?
●帯広の病院
雪次郎:よっ!
天陽:おお 雪次郎。雪見君も…。
雪見:こんにちは。
天陽:こんにちは。いらっしゃい。
雪次郎:うん。元気そうだな。
天陽:うん もうすっかり いいんだわ。もうすぐ退院できるだろうって。したから そう毎日来なくてもいいさ。
雪次郎:疲れがたまってる時は…。よっ! 雪月の菓子が一番なんだって。
天陽:悪いな。
雪次郎:あれ? 昨日持ってきたの もう食べたのか?
天陽:あ… ごめん うちのが持って帰ったわ。
雪次郎:あっ。
天陽:おかげで 子どもたちが大喜びだ。
雪次郎:まあ それならそれでいい。俺も大喜びだ。 ほら 見てみ。ここでも毎日 絵描いてんのか? 休みに来たんだべや。
天陽:急いで描かなくちゃなんないんだわ。信用金庫の来年のカレンダーの絵を頼まれてんだ。去年 馬が死んで 畑にトラクター頼まなくちゃなんないべ。その金がないと払えんのさ。
雪次郎:絵で食えるんだから 大したもんだ。もう立派なプロだわ。
天陽:プロではないよ。けどまあ これも収穫と同じだべ。
雪見:おじさん 上手だね!
天陽:ありがとう。
雪次郎:バカ! 上手って 雪見 天下の山田天陽さんに失礼だべ。
雪見:父ちゃんよりも上手!
(笑い声)
雪次郎:比べたら失礼だべや。うん? どれどれ どれどれ… うん? そう変わらんべ。ハハ…。また 馬描くのか。
天陽:うん。雪次郎 おかしなもんだな…。好きな絵を描くために農業をしてたつもりが 絵を売らんと 今は農業がままならんようになってしまった。
雪次郎:まあ 冷害が続いた年もあったからな。お前は離農しないだけ偉いわ。絵を描いて家族を守ってんだべ 今は。
天陽:俺は 俺でいたいだけだ。どんなことがあっても。な。
雪次郎:かっこいいな 天陽おじちゃんな。
雪見:かっこいい!
(笑い声)
●西荻窪・坂場家
なつ:おっきけどいい?
夕見子:頂きます。 う~ん おいしいわ!
坂場:奮発したんで いっぱい食べて下さい。
夕見子:私なんかに奮発しなくてもいいのに。
坂場:いえ…。
夕見子:頂きます。
坂場:それで 天陽君は大丈夫なんですか?
夕見子:うん。何か 疲れ過ぎて 風邪こじらせただけだって言うから。帯広の画廊とも契約して 絵がどんどん売れるようになってんのさ。
なつ:畑仕事もしながらだからね。
夕見子:そう。それもやめないの。その分 奥さんが大変みたい。
なつ:そう…。
坂場:北海道の展覧会でも賞をたくさん取ってるからな。こっちの画壇でも 天陽君を知らない人はもういないだろう。
優:テンヨウ君?
なつ:天陽君は ママとパパの北海道にいる大事なお友達。
優:じゃあ 優ちゃんともお友達だね。
なつ:うん。そうなれるよ。
優:優ちゃんも会いたい。
なつ:会いたいね…。うん… 天陽君に会いたいな。あ… 夏休みになったら きっと会えるよ。
優:楽しみだね。
なつ:楽しみだね。
ああ なつよ どうか夏がまだ終わらないうちに… 来週に続けよ。
●感想
次週のタイトルは「なつよ 天陽君にさよならを」。この言葉ですでに察知している方も多いはず。 享年37歳という早すぎる死です。
それにしても優ちゃんが自分のことを「優ちゃん!」と呼ぶ不思議。昭和48年頃、こんなんだったけ?と首をかしげながら、来週もよろしくお願いいたします&よい週末を。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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