昭和49年10月、テレビアニメ「大草原の少女ソラ」の放送がスタート。
劇中の語り役は安藤サクラさんで、その声に耳を立てるのは十勝の柴田家と山田家、帯広の雪月一家に四谷の風車プロダクションの面々。
そして神楽坂にいる千遥と千夏も…。
参考までに石沢さんが食べていたのは、まんぷくヌードルでした。
なつぞら(143話9月13日)
坂場:君の実体験と重ねるように描いてもいいと思ってるんだ。そうしなければ 君と作る意味がないとも思ってる。
なつ:飛び出してくるのはどう? 少年は初めて涙を見せる。
坂場:孤児となったレイは ソラたち家族と一緒に新天地に向かって旅をすることになる。
陽平:その少年も主人公の家族として育っていくという話?
なつ:そうです。ソラとレイ この2人の成長を通して開拓者家族の物語を描きたいです。
なつは時間に追われながらも充実した毎日を送っていました。
●マコプロダクション
なつ:戻りました。
麻子:買い出し ご苦労さま。重かったでしょ 優ちゃん。ありがとう。あっ 重いね。
♪
桃代:あっ いいね 優ちゃん 色のセンスがママとそっくり。
優:モモッチのもすてき。
桃代:ありがとう。やっぱり あんたともセンス合うのね。
なつ:モモッチ 悪いね。
桃代:いいわよ。そっちが進まなきゃ こっちは出番来ないんだから。
麻子:お待たせ!マコさん特製のナポリタンです!
(歓声)
なつ:え~ 本場の味ですか!?
麻子:イタリアにナポリタンはない。
(笑い声)
麻子:優ちゃん どうぞ。早く食べましょうよ。
イッキュウさんのアイデアで 登場人物たちの声優はオーデションで選ぶことになりました。
●録音スラジオ
スピーカー・坂場:「以上です。ありがとうございました」。
受験者:ありがとうございました。
係員:お疲れさまです。
スピーカー・坂場:「次の方 どうぞ」。
白本:「父さん 母さん あそこ! 人が流されてる!」。
スピーカー・坂場:「はい。え~ 次はもっと必死になって助けを求めるようにセリフを言って下さい」。
白本:はい。「生きてる! 生きてるわ 父さん! 助けを呼んでる! 早く! 早く助けなきゃ! 父さん!」。
スピーカー・坂場:「ありがとうございました」。
白本:ありがとうございました。
坂場:いいですね。
麻子:いいと思う。
なつ:ソラの声を聞いた気がした。
咲太郎:だろ? 俺は台本を読んだ時から もう彼女の声しかないと思ったんだよ。
なつ:でも いいの? お兄ちゃんの事務所に所属してる人じゃないんでしょ。
咲太郎:そんな小さいこと言うなよ。俺たちの仕事は 自分の利益だけを求めることじゃないんだ。俺たちの仕事はなつたちと同じように 作品をよくすることを一番に考えることなんだよ。
光子:それが結局 信用を生むのよ。咲ちゃんはそれをやってきた人だから 今があるの。
なつ:お兄ちゃん… さすが!
咲太郎:今頃言うなよ ハハ…。
主人公ソラの役は 声優初挑戦の若手女優 白本知香子に。
レミ子:「父さんも母さんも死んだんだ」。
レイの役は 今や売れっ子の土間レミ子に。お母さんの役はベテランの亀山蘭子に。
島貫:「新しい土地へ」。
お父さんの役は 島貫健太に決まりました。こうして放送日は刻一刻と迫ってきました。
●マコプロダクション
なつ:じゃ 原画のAパートをなるべく早く上げてもらってきて下さい。
石沢:はい 回収しに行ってきます。
なつ:お願いします。
神地:なっちゃん ちょっといい?
なつ:はい。
神地:この牛なんだけどさ どうしたらもっと迫力出るかね。リアルに描こうとすると どうしてもかわいく見えちゃうんだよね。表情を怖くするとギャグ漫画になっちゃうし。
なつ:これは ソラの目から見た牛でしょ?
神地:そう 突然襲ってくる。
なつ:牛はかわいいけど 子どもの目から見ると本当に大きくて それだけで迫力があるの。だから もっと大きく見えていいと思う。
神地:なるほど 子どもの気持ちに立って牛を大きく描いてみるか!
なつ:うん。劇画タッチのものを描いている時は いつもそういう誇張をリアルに描くことばかり考えてたから。
神地:なるほど… いや さすが「キックジャガー」や「魔界の番長」の経験が生きてるじゃない。
なつ:そこは徹底的にやりましたから。
神地:よし それでやってみる。
なつ:お願いします。
♪
神地:これで どう?
なつ:うん…。おお…。牛がぐんと迫ってくる感じがよく出てる! さすが神っち! 今度は子どもの気持ちをよく捉えてる。
神地:僕には子どもがいないけど 子どもにはいつだってなれるからね。
なつ:どう? イッキュウさん。
坂場:うん?
なつ:牛の大きさを誇張してあるけど。
(笑い声)
坂場:これはこれでありです。面白い。これでいきましょう。
神地:よっしゃ!
麻子:作画監督として いろいろな奥原なつらしさを見につけてきたわね。
なつ:いや 神っちの力ですよ。
神地:オホホ!
下山:よし 負けないぞ ハハハ…。
神地:ハハハ…。
坂場:神っち はい。
♪
下山:なっちゃん これ どうかな? 牛になめられるところなんだけど レイが。
なつ:ハハハハ…。
下山:やり過ぎかな?
なつ:いや 私はありだと思います。さすが下山さんです。
下山:本当?
なつ::イッキュウさん。
坂場:はい。
(笑い声)
神地:確かにこんなの 下山さんにしか描けないよ。
麻子:らしくはあるけど…。
坂場:これもこれでありです。面白いです。
下山:よし! ハハハハ… よかった。
♪
なつ:お世話さまです。
蕎麦出前:毎度 どうも。
中華出前:毎度あり。
なつ:どうぞ こっちです。
なつ・優:戻りました。
麻子:お疲れさま。 あっ 待ってました。あの そこのテーブルに置いてもらって…。
蕎麦出前:毎度どうも。
中華出前:どうも。
麻子:ありがとうございます。
作業は連日連夜 ほぼ休みなく続きました。
(戸が開く音)
石沢:ただいま戻りました。
麻子:ご苦労さま。
石沢:原画 動画 回収してきました!
町田:仕上げも回収してきました
麻子:じゃ みんなの方に。
石沢:はい。はい よいしょ…。
なつは家に帰っても原画の直しを続けました。
石沢:うん? えっ?
町田:11時です。
石沢:うわ もうそんな時間か…。
イッキュウさんたちは 会社に泊り込むこともしばしばでした。
坂場:マコさん これ たき火の火の動きが変だと思うんですか。
麻子:火? 火まで私に直せって? 夜中の動画チェックは私一人なのよ。
坂場:だから… お願いします。
なつ:「一緒に行きましょう」。「君には僕の気持ちなんて分からないよ」。「あなたが悲しいことだけは分かるわ」。
<じいちゃん 誰もが支え合って開拓者は強くなったんだよね>
●録音スラジオ
坂場:音 チェックして下さい。
係員:はい。
そして この人も参加することになりました。
咲太郎:あっ!
カスミ:あっ!
麻子:おはようございます。
カスミ:おはよう。
坂場:おはようございます。
カスミ:この度は本当にありがとう。私が主題歌を歌わせてもらえるなんて 本当にうれしいわ。
咲太郎:俺もうれしいです。カスミねえさんのレコードが出せるんですから。
カスミ:咲ちゃんのおかげね。
咲太郎:いえ。決めたのはプロデューサーと演出ですよ。
麻子:イッキュウさんと誰に歌ってもらうか話している時に カスミさんの歌を思い出したんです。
カスミ:光栄だわ。なっちゃんは元気にしてる?
坂場:あ… はい。彼女もカスミさんの歌を楽しみにしています。
カスミ:魂込めて歌うわね。
麻子:よろしくお願いします。
咲太郎:お願いします。
♪
カスミ「大草原の少女ソラ」主題歌:♪まぶしい大地に広がる空 風は優しさ運んでくれる 森は心を育ててくれる 昨日の涙と明日の笑顔は きっと友達 ラララ ラララ
昭和49年10月 ついに初回放送日がやって来ました。
●十勝・柴田家
富士子:あっ 始まった。
テレビ:「それは今から50年ほど前のことです。北の大地を旅する開拓者の家族がいました」。
地平:あっ ひいじいちゃん そっくり。
照男:そうだべや きっと。
テレビ:「今まで住んた場所を洪水で流され 新しい土地へ移ることにしたのです。娘のソラは9歳」。
砂良:母親の方は お義母さんに似てますね。
富士子:そう?
砂良:うん。
剛男:なつが描いたんだからな…。あれっ 僕は?
テレビ:「お父さんとお母さんと まだ幼い妹と一緒に これから始まることに胸をワクワクさせていました」。
残念ながら今日はここまで。なつたち こん身のテレビアニメよ 明日に続けよ。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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