感動的ではあるけれど、なつの言葉使いがもったない。
咲太郎が世話になった亜矢美さんにも、初めて会った時に「あなたに~」と感謝。そして今日も千遥の養母の光山なほ子に「あなたに会えて千遥がどれだけ救われたか…」。
そこは光山さんとか言えばよかったのにと思いながらの「あさイチ」スペシャルトークゲストの草刈正雄さんに見入ってしまい、来週はいよいよ最終回です。
なつぞら(149話9月20日)
●十勝・柴田家
(電話の着信音)
剛男:はい はい はい はい はい はい はい はい。はい もしもし 柴田です。
なつ:あっ 父さん。
剛男:おお なつかい。元気かい?
なつ:うん。
剛男:どうした?
なつ:千遥のこと…。
剛男:おお 千遥ちゃんのことか。明美からも聞いたよ。元気で働いてるって。
なつ:うん… それでね…。
●十勝・柴田家作業場
夕見子:牧場でアイスクリーム屋ね…。
砂良:普通のミルクと いちごミルクと小豆ミルクを作ろうと思ってんだわ。
富士子:ねえ 雪月でも小豆のアイスは作ってるしょ?
夕見子:うん。
富士子:小豆のほかに 何か入れてるの?
夕見子:えっ? う~ん… それは企業秘密だから。
富士子・砂良:え~!
夕見子:あっ 父さん。
剛男:何だ 夕見子もいたのか。いや 今 なつから電話があって 千遥ちゃんが離婚するらしい。
富士子:離婚?
剛男:やっと決心がついたって。
夕見子:決心?
砂良:それって いいことなんですか?
剛男:う~ん… いや それを見届けるために俺も東京に行こうと思うんだわ。
富士子:はあ? あんたが行って どうなるの?
剛男:どうもならんかもしれないけど… 俺には責任があると思うのさ。
そして なつと咲太郎は 千遥の話し合いの場へ向かいました。
●神楽坂「杉の子」
千遥:兄と姉です。この人が私を育ててくれた 置屋のお母さん。
なほ子:光山なほ子と申します。
咲太郎:兄の奥原咲太郎です。
なつ:姉のなつです。
咲太郎:千遥を助けて頂き ありがとうございました。
なつ:ありがとうございました。
なほ子:やめて下さいな。いいですよ…。私が勝手に千遥を娘にしたんです。私を恨んでないんですか? 千遥が結婚する時に 昔の家族とは縁を切らなくてはいけないと言ったのは私なんです。
咲太郎:いえ それも千遥のためを思ってのことですから。
なつ:あなたに会えて 千遥がどれだけ救われたか…。そのことは私たちが一番よく分かります。
なほ子:まあ… ありがとう。けど… 千遥の決心を聞いて 私も本当に責任を感じました。全ては私のうそから始まったことですからね。
千遥:お母さんのせいなんてことは ないから…。
(戸が開く音)
なほ子:あっ 女将さん。清二さんもお久しぶりです。
清二:どうも。
咲太郎:初めまして。千遥の兄の奥原咲太郎です。
なつ:姉のなつです。
雅子:千遥さん これは一体 どういうことなんです?
千遥:申し訳ありません。
♪
千遥:私の父は戦死して 母は空襲で亡くなりました。
なつ:空襲で母を亡くしたあとは 家も焼き出されて 私たちは子どもだけで生きなければなりませんでした。終戦の頃は 上野の地下道で暮らしていました。
雅子:浮浪児だったの? あなた。
千遥:はい。
咲太郎:それから 孤児院に送られたんです。そこで千遥だけ なんとか連絡のついた親戚の家に預けました。まだ千遥が5歳の時です。その親戚の家で 千遥はつらい目に遭ったらしく 6歳の時 そこから家出したんです。
雅子:家出?
なほ子:千遥は見ず知らずの復員兵に拾われて その人がうちの置屋に千遥を連れてきたんです。私はそんな千遥を育ててるうちに かわいくなって… それで身寄りのない子どもとして届け出をし 自分の養子にしたんです。あのころは そういうこともたくさんあったので…。
千遥:それで 私は救われたんです。
雅子:つまり そういうことを隠して うちの嫁になったということね?
清二:どうでもいいでしょう そんなことは…。母さんだって分かっていたことだろう。
なほ子:分かっていたんですか?
雅子:それは 何かあるとはね…。うちだって商売をしてますから 結婚する時にあなたが置屋に売られたことぐらいは調べましたよ。私は反対したけど この子がほれてたし うちの人がそんなことは気にするなと言ってね。
千遥:親方が?
清二:僕より 千遥のことを一番かわいがっていたのは おやじだったからな。そのおやじが亡くなった今 千遥がこの店にいる理由がなくなったのも無理はないよ。
雅子:何を言うの。
清二:よく この店をやめる決心をしたな。君さえよければ 僕はいつ別れてもいいと思ってたんだ。
なつ:それは ただの無責任じゃありませんか。
咲太郎:なつ…。
清二:分かってますよ。
雅子:千遥さんは この店を潰してもいいんですか?
千遥:はい…。すみません…。養育費も何も要りません。千夏といられたら それだけでいいんです。
雅子:そうはいきませんよ。千夏はうちの大事な孫ですからね。ここを出て あなたが一体 どうやって育てていけるというの?
千遥:仕事はすぐに見つけます。
なつ:それに私たちがいます。家族がいます。どうか千遥から千夏ちゃんを奪うようなことだけはしないで下さい。 これからは家族が必ず支えていきます。
千遥:千夏はちゃんと育てます。
咲太郎:女将さん… 実は千遥の… 我々の戦死した父も料理人だったんです。
雅子:えっ?
咲太郎:日本橋で小さな料理屋をしていました。その前は 浅草の料亭にいて そこで女中をしていた母と知り合って独立したんです。2人とも 子どもの頃から奉公に出されて 頼れる人は少なかったと言っていましたがその小さな店で本当に私たち家族は幸せだったんです。戦争さえなければ…。その店を私が再建したいと思っています。千遥には いずれその店を継がせたいと思います。だから安心して下さい。
雅子:ちょっとお待ちなさい。今 お父様が浅草の料亭にいたって 言ったけど 何ていうお店?
咲太郎:さあ 名前までは…。
雅子:亡くなったうちの人も 若い頃は浅草の料亭で修業をしていたんですよ。
千遥:親方も?
雅子:はあ… もしかしたら そのころから あなたとうちの人は 縁があったのかもしれないわね。あなたの気持ちはよく分かりました。夫婦の関係に関しては こっちが悪いんでしょうから 離婚は認めます。いいわね?
清二:はい。
雅子:だけどね 千遥さん…。あなたは何か思い違いをしているようだけど この店は あなたがいないとやっていけないのよ。この店の味はあなたの味なの。あなたは うちの人が見込んだ料理人なのよ。私はね… うちの人が残したこの店をできれば続けたいの。離婚しても… この店はやってもらえないかしら?
千遥:えっ?
雅子:清二にも 父親としての責任は残りますからね。まあ どんな形にせよ この店はあなたが受け継いで 千夏もここで安心して暮らせる方がいいでしょう。
千遥:お義母さん… 本当にそれでいいんですか?
雅子:引き受けてもらえる?
千遥:はい…。
なほ子:女将さん…。
清二:さすが 母さんだ。
雅子:お前が言うな!
清二:そうですね はい…。
雅子:あ~ これですっきりしたわね。
(笑い声)
♪
千遥:お兄ちゃん お姉ちゃん 本当にありがとう。
なつ:よかったね 千遥。千遥は本当に親方から愛されていたんだよ。
咲太郎:うん… やっぱりそうだ。絶対にそうだよ。千遥の親方と 俺たちの親は 同じ浅草の料亭にいたんんだ。そこで同じダシのとり方を覚えた。だから千遥は同じ天丼が作れたんだ!
千遥:もし そうなら… うれしいけど。
咲太郎:絶対にそうだよ!
♪
剛男:ここか…。あれ… もしかして 千夏ちゃん?
千夏:はい。
剛男:やっぱり 千夏ちゃんかい!
やっぱり 柴田君 心配で来てくれたんだね。
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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