次週予告で、ミルコス食品工業のお祝いの花をバックに、大泉洋氏が{あんたがなっちゃんかい?会いたかったよ」。
巷では、大泉洋氏の役は一体どんな役なのか?と喧々囂々ですが、個人的には北海道の開拓者出身であるミルコス食品工業の社長役に一票です&心穏やかな週末をお過ごしください。
なつぞら(150話9月21日)
●神楽坂「杉の子」
剛男:ここか…。あれ… もしかして千夏ちゃん?
千夏:はい。
剛男:やっぱり千夏ちゃんかい!
(戸が開く音)
千夏:ただいま。
千遥:お帰り。
千夏:あっ なつおばさん。
なつ:お帰りなさい。
咲太郎:千夏ちゃんか!
なつ:あ… この人は私とお母さんのお兄ちゃん。
咲太郎:咲太郎おじさんだ。
千夏:こんにちは。
なつ:あ… 父さん!?
咲太郎:柴田さん!
剛男:いや いや いや いや びっくりしたもね。千遥ちゃんの子かい 子どもの頃のなつにそっくりだもな。すぐ分かったわ。
咲太郎:本当だな。
千遥:ご無沙汰してます。
剛男:千遥ちゃん…私も心配になって つい来てしまったわ。
なつ:父さん…。
剛男:それで 話し合いはもう済んだのか?
なつ:うん。分かってもらえたわ。
剛男:ああ…。
千遥:千夏 これからもここで暮らせることになったから。
千夏:本当?
咲太郎:うん。これからは おじさんもおばさんも み~んな千夏ちゃんの家族だからな。
千夏:はい。
剛男:そうかい… それはよかった。あっ… これを 富士子ちゃんが千遥ちゃんに返してくれって。千遥ちゃんの忘れ物だわ。
千遥:ありがとうございます。
♪
千遥:お姉ちゃん。これをお姉ちゃんに。
なつ:いいのに それは。
千遥:やっと返せるのがうれしいから。
なつ:分かった。ありがとう。
千遥:それから これ。
剛男:それは…。やっと3人に届いたんだね その手紙。
咲太郎:はい…。
なつ:うん…。
回想剛男:軍隊の検閲を通さない お父さんの本当の手紙だ。君たちへの思いが込められてる。
剛男:奥原さんの思いは こうしてしっかり3人に受け継がれていたんだね。
柴田君よ 本当に君のおかげだよ。ありがとう。
剛男:う~ん うまい!
なつ:父さん。
剛男:うん?
なつ:今日はうちに泊まってって。私はこれから会社に戻らなくちゃいけないんだけど。
剛男:これから仕事かい?
なつ:うん。今の作品が終わるまでは しかたないの。
剛男:いつまで続くんだ?
なつ:来年の6月までだから…。
剛男:はあ~…。
なつ:あっ そうだ 千遥 千夏ちゃん 夏休みになったら 一緒に十勝に行こう。
千遥:えっ?
剛男:そうだ。千遥ちゃん また是非 十勝さおいで。みんな待ってるから。
千遥:あ… そうですね。改めて お礼とおわびに伺いたいです。
剛男:なんも おわびなんていらないから。
千夏:とかち?
千遥:十勝はソラがいるような所。
千夏:わあ 行きたい!
剛男:したら じいちゃんも喜ぶさ。千遥ちゃんこと 誰よりも心配してたから。
千遥:おじいさんが…。
剛男:うん。
なつ:じいちゃん 元気?
剛男:それがな 元気というか… このところ穏やかでな。
なつ:穏やか?
なつ:まあ もう90だから。
咲太郎:泰樹さんも90歳ですか。
剛男:今年で91だ。
●十勝・柴田牧場牛舎
照男:じいちゃん 便利になったべ。実はじいちゃん もっと牛を増やそうと思えば増やせるんだわ。古い牛舎を建て替えて ミルカーをパイプラインにすれば 人増やさんでももっと牛を増やせる。そうしたいんだけど いいかな? まあ そうすぐって話ではないんだ。
泰樹:好きにやれ。お前に任せる。
照男:じいちゃん…。
砂良:よかったね。
照男:うん…。
♪
富士子:父さん こんなとこにいたのかい。なつが次の夏は帰ってくるって。もしかしたら 千遥ちゃんも一緒に。うれしいしょ? それまでは元気でいなくちゃね。ねえ 父さん 一度 お医者さんに診てもらわない? 本当に元気だって分かったら安心でしょ。
泰樹:もう十分じゃ。
●西荻窪・坂場家
剛男:「そっくり聞いていました。妹のグレーテルは涙を出してシクンシクンやりながら 兄さんのヘンゼルに向かって…」。
♪
剛男:寝たわ。
なつ:あ… ありがとう。助かったわ。
剛男:なつは寝なくて大丈夫なのか?
なつ:寝てる場合じゃないから。
剛男:大変なんだな。
なつ:まあ 特にこの作品わね…。
剛男:イッキュウさんは ずっと会社に寝泊りしてるのかい。
なつ:うん… 放送がある日は帰ってくるけど 優とは会社で会ってるし。
剛男:仕事がない時間がないんだな。
なつ:気付けばね…。いつも優を急がせてる。
剛男:そうか。ありがとう。
なつ:優のためには… まあ こんな生活を変えなくちゃいけないんだけど 今はどうしようもなくて…。
剛男:優にはその気持ち… なつの愛情はちゃんと伝わってるさ。
なつ:うん そうかな…。
剛男:優を信じろ。子どもに期待し過ぎるのもいけないし 期待しないのもいけない。ただ勝手に信じてやるぐらいが ちょうどいいんでないかい。
なつ:父さんはいつだって子どもを信じてくれてたもね。
剛男:頼りない父親だけどな。
なつ:ううん そんなことないよ。父さんは強くて優しい人だわ。じいちゃんと同じように 開拓者の魂が宿ってるからね。
剛男:いやいや…。
なつ:まあ そのことは 照男兄ちゃんや夕見 明美ちゃんや私に ちゃんと伝わってるから。
剛男:ありがとう…。なつの生き方もちゃんと伝わってるさ。
なつ:そうだといいけど…。
●十勝・柴田家
剛男:ただいま。
富士子:お帰り。
砂良:お帰りなさい。
♪
砂良:千遥ちゃん 本当によかったですね。
剛男:心配なのは なつだ。
富士子:なつがどうかしたの?
剛男:いや あんなに大変な仕事だとは思わんかったわ。 ほとんど寝てないんだわ。
富士子:寝てない?
剛男:イッキュウさんはほとんど会社に泊まりっぱなしで なつは優のために家事をしながら うちで仕事してるんだ。それが6月まで続くそうだ。
富士子:えっ…。
砂良:優ちゃんは 拓男と同じだから 春から小学校でしょ。
剛男:そこなんだわ 問題は! 小学校に上がれば 保育園のように長くは預けられなくなるべ。優ちゃんは学校からうちに帰るしかない。したら 誰かがうちにいてやるしかないべさ。
富士子:どうするの?
剛男:家政婦を今 探してるらしい。
富士子:家政婦?
砂良:お金持ちみたい。
拓男:カセイフって?
地平:知らない人が 家で働いてくれるんだべ。
泰樹:富士子。
富士子:ん?
泰樹:お前が行ってやれ。なつを助けてやれ。
富士子:私が東京に行くのかい!?
剛男:それは僕もちょっと思った。
富士子:そりゃ 助けてやりたいけど… 拓男も入学だしね。
照男:拓男のことは心配ないべ。な?
砂良:はい。大丈夫です。
富士子:したけど 私にはアイスクリーム屋のこともあるし…。
砂良:それなら 私がやっておきます。
照男:アイスクリームを売るとしたって 夏だべ。それまでになつの仕事も終わるんだべさ。
剛男:終わる。
泰樹:助けてやれ。
富士子:分かりました。私が行きます。
そういうわけで 昭和50年の春が近づいた頃。
●マコプロダクション
富士子:優ちゃん!
優:あっ おばあちゃん!
富士子さんが上京してきました。
富士子:元気だったかい?
優:うん。
♪
陽平:おばさん!
富士子:あっ 陽平さん お久しぶり。
坂場:あっ。
なつ:あっ 母さん。
坂場:お義母さん。
富士子:2人とも元気かい?
なつ:ここまで来てもらっちゃって ごめんね。
富士子:駅からタクシー乗ったから。
なつ:もう本当 助かったわ。母さん ありがとう。
麻子:柴田さん ロケハンの時にはありがとうございました。
富士子:皆さん 頑張ってますね。
下山:ご無沙汰してます。下山です。で うちの妻です。
富士子:あっ 茜さんでしょ! 優が大変お世話になりました。
茜:あ… いえ 私は何も。
富士子:あのこれ 土産といったらなんだけど 皆さんで。北海道のジャガイモとバターです。
神地:あっ それ ちょうど描きたかったんです! ジャガイモにバター! モモッチ 早速試そうよ。
桃代:そうね。バターが溶ける時の色も見たいし食べてみたい!
神地:すいません 頂きます。
麻子:ちょっと…! じゃ ごゆっくり。すみません。
下山:すいません。
なつ:ねえ 母さん じいちゃんに怒られなかった? なつを甘やかすなって…。
富士子:じいちゃんが言ったのさ。なつを助けてやれって。
なつ:じいちゃんが…?
富士子:うん。
●十勝・柴田牧場牛舎
(なつの幼少時代の幻を見る泰樹)
なつよ 感謝を込めて…。来週に続けよ。
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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