なつぞら(26話4月30日)
●十勝の野原
<なぜだろう…。その瞬間 風が吹くように私の中でその光景がよみがえりました。10年前 東京に空襲があったあの日 私はその人に救われたのです>
信哉:奥原なつ… なっちゃんか? 俺が誰だか分かるか?
なつ:信さん…?
信哉:元気だったか?
なつ:うん。
信哉:なっちゃんにまた会えてよかった。
なつ:私も。ずっとずっと会いたかったわ。なして… なして ここにいるの?
信哉:会いに来たんだよ なっちゃんに。さっき 柴田さんの牧場に行ったら ここにいるって教えられて。
なつ:会ったの?
信哉:うん。みんな いい人そうだ。今のなっちゃんを見たら それがよ~く分かった。いい人に恵まれたんだな なっちゃんは。
なつ:うん。信さん お兄ちゃんは…!?
♪
信哉:なっちゃんが咲太郎に出した手紙 それを受け取ったんだ。
なつ:えっ?
信哉:行ったんだよ なっちゃんたちがいた孤児院に。やっと見つけて。今でも時々 手紙を出してるんだろ?
なつ:うん。
信哉:ごめん… それを勝手に読んだんだ。
なつ:いいよ。そのおかげで信さんに会えたんだから。いかった。手紙出したかいあったわ。
信哉:咲太郎は生きてるよ なっちゃん。ちゃんと生きてる。
なつ:本当? 知ってるの!?
信哉:いや… 今は分からないけど 4年前まではちゃんと生きていたってことを知ってる人に会ったんだ。
なつ:どこで?
信哉:新宿。
なつ:新宿…?
信哉:新宿の闇市に行ったみたいだな 孤児院を逃げ出したあと。
なつ:それで 今はお兄ちゃん 新宿にいないの?
信哉:みたいだな。今は行方が分からないって。
なつ:ふ~ん…。
照男:な~つ~!
なつ:あっ 照男兄ちゃん。
照男:みんな 心配しているから。
なつ:うん。
照男:早く来い。あんたもどうぞ。
信哉:すみません。
●柴田家
富士子:どうぞ。
信哉:ありがとうございます。
(戸が開く音)
なつ:どしたの? 悠吉さんと菊介さんまで。
悠吉:いや…。なっちゃんをね 東京から連れ戻しに来たんじゃねえかって 夕見子ちゃんが言うもんでさ…。
なつ:えっ?
夕見子:その人 家族も同然だった人でしょ?
菊介:だけど 今更 連れていくなんて 言わんでもらいたいんだわ。どなたさんか分かんないけど…。
なつ:何言ってんのさ 菊介さん。
明美:なつ姉ちゃん どこにも行かんで!
なつ:行かんよ。
信哉:大丈夫です。そんなことはしません。そんなことはないので安心して下さい。僕はただ なっちゃんが元気でいることを確かめたかっただけですから。あっ… 確かめたかったっていうのは失礼ですね。ただ それが知りたかったんです。
悠吉:バカ! お前が余計なこと言うからだべさ!
菊介:おやじが騒いだんだろ 力ずくでも俺が止めてやるって。
悠吉:力ずくって 何すんだ?
菊介:知らねえよ。おやじが言ったんだろ。黙ってれ!
信哉:よかって… 本当によかった。なっちゃんがこんなにも皆さんから大事にされていて…。安心しました。本当によかったです。
なつ:信さん…。
富士子:あなたも本当につらい思いをされてきたんでしょうね。あなたのことは なつから聞かされていたんだわ。
信哉:僕は孤児院で育ちましたが 恵まれていたと思います。そこにいた指導員の方々によくしてもらって 自分の将来のことも大事に思うようになりました。だからね なっちゃんたちのこと すぐに捜さなきゃいけないって思ったんだけど つい自分のことで精いっぱいで後回しになってしまって申し訳なかった。
なつ:何言ってんのさ!私の方こそ 自分だけ幸せになってずっと悪いなって思ってたわ。
剛男:こうやって また会えたんだから いいんでないかい。
富士子:本当にね。すごいことだわ。わざわざ北海道まで。そんで 今は東京で働いてるのかい?
信哉:はい。新聞配達をしながら夜間の大学に通っています。
富士子:大学かい… 偉いねえ。
信哉:孤児院を出てからは働きながら定時制高校に通って その上も目指せるようにって いろんな方が協力してくれたおかげです。
富士子:苦労しながら努力もしたんだね。
信哉:自分の力で三度三度のごはんを食べていくためには 今 お前ができる最善の努力をしろって そう先生にもおっしゃってもらったんです。
富士子:偉い!それこそ大学に行く意味だよね!
夕見子:母さん 何が言いたいのさ?
剛男:それで なつの兄さん 咲太郎君の行方は分からないのか?
信哉:はい。残念ながら…。
なつ:でも 4年前までは新宿にいたって。
剛男:新宿?
悠吉:お兄ちゃん 無事に生きてたんかい。
なつ:はい!
菊介:いがったなあ 安否だけでも分かって。
なつ:うん。
菊介:なあ。
剛男:それで 新宿ではどんなことをしてたんだろう?
信哉:芝居小屋で働いていたらしいです。
剛男:芝居小屋?
信哉:そういうところも あいつらしくて…。きっと咲太郎に違いないと思いました。
悠吉:芝居好きなんかい。
信哉:はい。その芝居小屋は4年前に潰れたんです。
剛男:なるほど…。
信哉:だから とにかく今も元気でいると思います。
なつ:ありがとう 信さん。
信哉:これからも捜してみるよ。何か分かったら すぐに教える。これは僕が今いる所。そっちも何か分かったら教えて。
なつ:うん そうする。
信哉:それじゃあ 僕はこれで。お邪魔しました。
富士子:えっ… もう帰るのかい?
剛男:ここに泊まっていけばいいのに。宿をどっかにとったのかい?
信哉:いえ… これから函館に行って明日一番の連絡船に乗るつもりです。
富士子:こんな遠くまで来て とんぼ返りじゃないか。
信哉:いえ それでも本当に来てよかったです。皆さん 僕が言うのもなんですが なっちゃんのことをどうかよろしくお願いいたします。
♪
明美:わっ… 珍しい! どしたの? 勉強はいいの?
夕見子:いいの。
♪
回想咲太郎:大丈夫だよ なつ ちょっとの辛抱だ。手紙を書くから。兄ちゃん しっかり働いて必ずなつを迎えに行くからな。千遥と一緒に迎えに行くよ。
♪
泰樹:よっ…。
富士子:父さん。
泰樹:ん?
富士子:話があるんだけど。
泰樹:何だ?
富士子:なつの兄さんって なつに会いたがってると思う?
泰樹:兄貴がどうであれ 会わなきゃ なつは昔のまま… 一生忘れられんだろう。
♪
富士子:なつ ちょっといいかい?
なつ:何?
富士子:東京行かない?
なつ:えっ?
富士子:咲太郎さん 捜しに行こう。
●感想
信さんの過去も明かされた今回、セリフのほとんどを担当していて、お疲れさまでしたと工藤阿須加さんに拍手。
まだまだ若いと思っていたら、工藤さんも今年で28歳になるんですね。個人的には「あさが来た」の娘婿役が印象に強く残っていますが、あの朝ドラも4年も前のこと。
本日が平成最後の朝ドラの回で、明日からは「令和」が始まり、心機一転、ちゃんとネタバレ感想を書いていこうと心に誓う4月30日の朝でございます。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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