なつぞら(30話5月4日)
なつ:お兄ちゃん! お兄ちゃん…。
咲太郎:なつかよ…! なつ!
なつ:えっ お兄ちゃん…。
咲太郎:なつ!
なつ:お兄ちゃん…。
♪
なつ:一緒に新宿に行かない? みんな お兄ちゃんのこと心配しているよ。
咲太郎:うん… 明日行くよ。必ず行くって川村屋のマダムにそう言っといてくれないか。
●浅草「六区館」楽屋
(戸の開閉音)
松井:誰? あっ 何だ 咲坊か…。
咲太郎:松井さん! どこ行ってたんですか!?
松井:おう あいつは?
咲太郎:いや 島貫さん カンカンに怒って もうやめるっていなくなっちゃいましたよ。
松井:そうか。それは清々した。
咲太郎:まだ博打ですか?
松井:それがツキまくってよ ハハ。そういう時はツキを放したくねえだろ。
咲太郎:勝ったんですか?
松井:勝ちまくった。よ~し 咲坊 今夜は2人でパ~ッと…。
咲太郎:お願いします。そのお金を貸して下さい。
松井:は?
咲太郎:お願いします!
松井:いくら?
咲太郎:10万。
松井:10万!?
咲太郎:あ… 1万でもいいんです。
松井:下がり過ぎだろ。
咲太郎:その間 いくらでも! お願いします!お願いします!
松井:しょうがねえな… 分かったよ。これが博打の戦利品だ。質屋も持ってけば ひょっとしたら 10万くらいになるかもしれねえぞ ああ。
●新宿・川村屋
翌日 咲太郎は夜になっても川村屋に現れませんでした。
光子:もう来ないわよ きっと。
なつ:どしたんだろう…。
光子:もう お部屋に戻ったら?
富士子:佐々岡さんが見に行ってくれてるので…。
光子:それも随分かかってるわね。
野上:あっ 戻られました。
なつ:一人? どだったの?
信哉:咲太郎が警察に捕まった。
なつ:えっ! どういうこと!?
信哉:今日の昼前に 質屋に時計を持っていったら それが盗品として手配されていたものだったらしく そのまま取り押さえられて…。
なつ:うそだ…。
なつたちは 翌日 とにかく浅草に向かいました。
●浅草「六区館」楽屋
ローズマリー:咲ちゃんはやってないわよ 泥棒なんて。
なつ:えっ 本当ですか!
ローズマリー:その時計は3日前の晩に盗まれたっていうんでしょ? その晩は 咲ちゃん 私と一緒にいたもの ず~っと朝まで。
なつ:えっ?
信哉:それ 警察に話してくれたんですか?
ローズマリー:話したわよ。でもダメよ。警察なんてね 捕まえたもんを絶対にシロにはしないの。
富士子:そんで あんたは平気なのかい? 恋人なんだよね?
ローズマリー:そんなんじゃないわよ。咲ちゃんは好きだけどね。妹がいることも知らなかった。よかったわね 会えて。咲ちゃんは本当にいいやつよ。出てきたら言ってよ。またいつでも遊びにおいでって。ね。じゃあ 出番だから。
富士子:どうもありがとうございました。
●新宿駅街頭
富士子:大丈夫さ。やってないなら必ず分かるさ。
なつ:でも… やってないなら どして質屋行ったのさ?
●新宿・川村屋
野上:お帰りなさい。あちらでお二人をお待ちしております。
富士子:あっ 茂木社長。先日はいろいろとお世話になりました。
茂木:いやいや。
光子:どうぞ お掛けになって。
茂木:この方は藤田正士さん。人呼んで 藤正親分。
なつ:親分?
茂木:ああ。戦後のムーランルージュは その焼け跡を管理していた この藤正親分が再建したんだ。ムーランがなくなるまで支配人もされていた。いわば 咲太郎君の親分ってわけだ。
藤田:なつさんか。
なつ:はい…。
藤田:北海道からよく来なすった。
なつ:兄がお世話んなりました。
富士子:私はなつの母親です。
藤田:あんたも偉い。
富士子:いいえ…。
藤田:咲太郎は戦後のマーケットでうろうろしてるところを助けたんだ。
なつ:それはありがとうございました。
藤田:助けたのは俺じゃねえ。戦前からムーランで踊ってた岸川亜矢美っていう踊り子だ。亜矢美があの子を俺のところに連れてきた。亜矢美は母親のように咲太郎をかわいがってた。だから咲太郎にとってムーランルージュは母親のいる場所 宝のような場所だと思っていただろう。あいつはムーランルージュが潰れた時 それを必死に買い戻そうとしたんだ。
なつ:兄がですか?
藤田:要するにだまされたのよ。イカサマ興行師の口車に乗せられて 10万用意すれば共同経営者として買い戻せると思い込み 金貸しから借りたのよ。それをそのイカサマ野郎に持ち逃げされたんだ。
富士子:10万もですか!?
藤田:ああ。金貸しも10万もの金 まだガキだったあいつに ただ貸すわけがねえ。誰かがあいつの保証人になったんだ。だから咲太郎は その10万円を作るまでは新宿に戻らねえ。そう言って姿を消したんだ。
茂木:どこの誰なんですかね。しかしまあ その保証人も よほどのお人好しかバカですな。ハハハ…。
野上:マダム!?
富士子:えっ?
藤田:まさか…。
茂木:マダムが!?
光子:あ… 親分 咲太郎はだまされたって本当ですか? 咲ちゃんは私をだましたわけじゃないのね?
藤田:そりゃ違う。
光子:はあ~ おかしいと思ったわ。たかだか10万円で劇場を買い戻せるわけがないもの。
茂木:いや それを信じたの? マダムともあろう人が?
光子:だって… 私は咲ちゃんの夢を買ったのよ。だからね なつさん 私のせいなのよ。きっとお兄さん 私に借金を返さなくちゃと思って…。そうしないと妹のあなたに請求されると思ったのかもしれないわね。
佐知子:あっ いらっしゃいませ。
信哉:なっちゃん…。
信哉:信さん どしたの?
光子:あっ… どうぞ。
信哉:すいません。警察で少し話が聞けたよ。
なつ:えっ?
信哉:あいつは泥棒はしていないと言ってるらしいけど じゃあ 誰からもらった時計なのかと聞かれれば それを言わないようなんだ。多分 誰かをかばってるんだと思う。
なつ:お兄ちゃんは どうなるの?
信哉:分からない。それで… 警察から あいつの手紙を預かってきたんだ。
咲太郎の手紙:なつへ。またなつに会える日が来るなんて本当に信じられない。幸せに暮らしていると知って安心したよ。東京まで兄ちゃんを捜しに来てくれてありがとう。でも なつ すまない…。お前は もう こんな兄ちゃんのことは忘れてくれ…。忘れて北海道で幸せになれ。兄ちゃんも…お前を忘れる。ごめんな。
●十勝・柴田牧場
照男:何だよ じいちゃん おっかない顔して。
泰樹:お前… なつと結婚しろ。
照男:えっ?
泰樹:なつと結婚するんだ。そしたら なつは正真正銘の柴田家の家族になる。一生 この家にいることになるんだ。お前がそうしろ。
ああ なつよ 君のいない十勝でも何かが変わっていくようだけど… 来週に続けよ。
●感想
なっちゃんが照男と結婚すれば正真正銘の柴田家の家族になる…。裏を返せば、今は本当の家族じゃないと思っているのか?泰樹さん。
少々寂しい気もするけど、この時代(昭和30年)では、血縁こそが家族という考え方は一般的だったというか、今でもそう考える人たちも大勢いるわけで、一体、家族とは何ぞや?と。
昨今、LGBTの方々の存在がクローズアップされて、既成の価値観が大きく揺れる平成・令和の時代。まずはコチコチに凝り固まった頭をほぐしていきたいと、中年おやじの独り言です。よい週末をお過ごし下さい。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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