なつぞら(31話5月6日)
なつは9年ぶりに実の兄 咲太郎と再会を果たしました。
なつ:お兄ちゃん!
♪
信哉:咲太郎が警察に捕まった。
なつ:えっ?
しかし 咲太郎は無実の罪で捕まり なつに手紙で別れを告げたのです。
泰樹:お前… なつと結婚しろ。
照男:えっ?
泰樹:なつと結婚するんだ。
一方 十勝でも なつを巡る問題がひそかに起こり始めていました。
●新宿「川村屋」
なつ:信さん ありがとう。
信哉:元気出しなね なっちゃん。
なつ:うん。
信哉:じゃ。
♪
陽平:なっちゃん? 柴田のおばさん?
富士子:あっ!
なつ:陽平さん?
陽平:お久しぶりです!
新宿の川村屋に思いがけない人が現れました。
富士子:どのくらいぶり?
陽平:去年の夏に帰ったから 1年ぶりですね。
それは 東京の芸術大学に通う天陽君のお兄さんでした。
陽平:そうか…。お兄さんに会えたのはよかったけど 心配だね。
なつ:でも私は信じています。兄は昔と何も変わってないって。
回想なつ:お兄ちゃん…。
なつ:盗みだけは絶対にしない。正しいことだけじゃ生きられんかったのは昔もそだったし。兄が何か悪いことをしてたとそても 私だけは兄のことを悪い人だとは思わん。
陽平:そうか…。天陽は俺のこと どう思ってるかな…。
なつ:えっ?
陽平:ずるいと思ってるかな…。
なつ:そんなこと 少しも思ってないですよ。
富士子:そうよ。奨学金もらって 大学の授業料は免除されてるんでしょ。陽平さんは偉いわよ。
陽平:俺にしたら あいつの方がずるいけどな。
なつ:どして?
陽平:いくら勉強したって あいつのような絵は描けないから。
富士子:卒業したら 北海道に戻らないの?
陽平:まだ分かりません。今 大学の先輩の仕事を手伝ったりしてるんです。あっ なっちゃんなら きっと興味があると思うな。
なつ:その仕事に?
陽平:うん。漫画映画を作る会社で働いてるんだ。
なつ:本当に!?
陽平:ああ。見てみたい?
なつ:見たい! どんなもの作ってんか どうやって作ってんのか見てみたい!
陽平:見に来る?
なつ:えっ? いいの!?
陽平:いいよ。
なつ:あっ… でも…。
富士子:行っといでよ。
なつ:えっ?
富士子:せっかく東京まで来たんだから 少しぐらい楽しんできなさい。
なつ:うん。
そして なつはそこに足を踏み入れたのです。
●新東京動画社
天陽:なっちゃん。おはようございます。
なつ:おはようございます。お邪魔します。
陽平:仲さん…。
仲:遅刻だぞ! 山田君 いくらまだ学生だからといって 職場でデートをするのはいかがなものかな。
陽平:違います。彼女は弟の彼女なんです。
なつ:えっ?
陽平:北海道から出てきたんです。高校3年生なんですが アニメーション制作に興味があって 見学を望んでここに来たんです。
仲:いらっしゃい。
陽平:アニメーターの仲努さん。僕に声をかけてくれた大学の先輩。
なつ:奥原なつです。
仲:アニメーションを見たことある?
なつ:はい! 子どもの頃に学校の映画会でアメリカの漫画映画を見て感動しました。まるで色のきれいな夢を見てるみたいでした。
仲:うん。今に それに負けないくらいの夢を作る予定だから。今日はゆっくり見てってよ。
なつ:はい。ありがとうございます。
陽平:じゃ あっちが僕の机。ここで僕は美術 背景画を手伝ってるんだ。
なつ:あっ 色がない。
陽平:ここでは まだモノクロの短編映画を作ってるだけだから。だけど これだって白と黒だけで いろんな色を表現してるんだ。
なつ:本当だ… 何種類もグレーがある。色がついてるけど 白黒に見えてるだけか思ってました。
陽平:この背景の上に重ねる作画を描いてるのが 仲さんたちだ。まず動きの基礎となる絵を描く。これを原画といって その原画と原画の間をつなぐように 中割りと呼ばれる絵を描いてゆく。これを動画っていうんだ。この原画と動画を描く人をアニメーターと呼ぶんだ。
なつ:アニメーター…。
陽平:アニメーターが描いた絵を一枚一枚 透明なセルにトレースし そのセル画を僕たちが描いた美術の背景画と重ね合わせて 一コマ一コマ 撮影してゆけばアニメーションになるんだ。
なつ:なるほど… そういうことか。私がノートをペラペラしてたのは そう間違いではなかったんだ…。でも本物はすご~!
仲:これ 前の作品のやつなんだけど 記念にあげますよ。
なつ:えっ!
仲:これ 僕がデザインしたキャラクターなんだ。
なつ:ありがとうございます!
仲:それから せっかく来たんで ひとつ テストしてみようか?
なつ:テスト?
♪
なつ:薪割り?
仲:この紙を5~6枚使って 2枚の絵の合間を描いて 薪割りを完成させてごらんよ。
なつ:そんなこと 無理です!
仲:ノートをペラペラやってたんでしょ?
陽平:それと同じだよ。
なつ:えっ…。
仲:じゃ 頑張って。
陽平:頑張って。
なつ:え~…。
♪
なつ:あの~…。
仲:できた?
なつ:いや できたかどうかなんて 全然分かりません…。
仲:どれどれ。うん…。
なつ:どうですか?
仲:いや… なかなかいいよ。
陽平:見せて下さい。
仲:どう?
陽平:なかなかいいじゃないですか。ちゃんと重力を感じますよ。
仲:下山君 君の持ってきて。
下山:はい。
仲:彼は先月 同じテストをして ここに入った下山克己君だ。
下山:どうも。
仲:これが彼の描いたやつ。こうやって パラパラってやって見てごらん。
なつ:うわ~。動きがきれい! 全然違う。
下山:あ… ちょっと見して下さい。
陽平:あっ はい。
仲:どう? 下山君。
下山:いや いいですよ。僕のより 迫力があるかもしれない。
なつ:うそです。全然ダメです。下手です。もう いいです…。
下山:いやいや…。
仲:僕たちがお世辞を言って からかってると思う? そんなに暇じゃないよ 僕たちは。絵のうまい下手は 経験によって変わるけど 絵を動かす力があるかどうかは もっと大事な能力なんだ。この絵にはちゃんと君らしさが出てたと思うよ。
下山:うん。
なつ:本当ですか?
仲:本当だよ。ちゃんと勉強すれば アニメーターになれると思うな。
なつ:あ… なりたいとは別に…。
仲:えっ 思ってないの?
陽平:彼女の家は牧場なんです。彼女も農業高校に通っていて 酪農の勉強をしてるんです。
仲:そうか… いや 残念だな~。
なつ:女でも なれるんですか?
仲:そりゃ なれるよ! だって映画でお芝居していいのは男しかダメってことはないでしょ? アニメーターだって同じだよ。絵で演技をするだけだ。ここは今 仮のスタジオでね もうじき 僕たちは会社ごと東洋映画に吸収される。そこに新しいスタジオが出来上がるんだ。日本の映画会社もいよいよディズニーに負けないくらいのアニメーション映画を作ろうとしてるんだ。
なつ:でも私は絵の勉強なんかしてないし…。
仲:うん… 下山君。
下山:はい。
仲:君はここへ来る前 何をやってたっけ?
下山:あ… 警察官であります。
なつ:警察?
下山:はい。警察で絵の訓練をしていたであります! バン! バン! ハハハ…。
仲:勉強なんてどこにいたってできるさ。まずは人間のしぐさや動きをよ~く観察すること。日常のありとあらゆるものの中に アニメーターの訓練は潜んでるんだ。
なつは 自分の想像力を 夢を そっと動かしていました。なつよ その日もらった夢を 自分で動かしてみるか? なつよ…。
●感想
セル画とかトレースとかいう言葉が出てくると、自分の頭よりもパソコンキーボードが覚えていて、早めの変換作業。
これもすべて「半分、青い。」のおかげと、つくづく秋風羽織先生に感謝感謝。あの事務所は少女漫画の制作事務所で、実に懐かしい「月刊ガーベラ」。
本日登場の仲努氏も下山克己氏も、モデルとなる実在の方がいるようで、そのことで朝からSNSでは話題沸騰となっているようですが…。
仲さんも下山さんも、「アニメーション編」のメインキャストとして登場する予定で、キャスト紹介でどう書けばいいのか迷う月曜の朝でございます。
GW10連休の最後の日、心して過ごしたいと思います。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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