なつぞら(32話5月7日)
●なつの夢の中
咲太郎:なつ~! なつ…。なつ 寒いぞ! 北海道め! なつ… くそ! お~ 寒い…。
なつ:よいしょ…。
(窓をたたく音)
なつ:お兄ちゃん…。
咲太郎:なつ! 来たぞ! ここまで来てやったぞ!
なつ:どして?
咲太郎:逃げてきたんだ…。なつ! 一緒に逃げよう! お前を迎えに来たんだよ。これからは兄ちゃんと一緒だ。ずっと一緒にいられるんだよ!
泰樹:どこ行く気だ?
咲太郎:誰だよ お前は?
なつ:お兄ちゃん この人は…。
泰樹:お前に なつは連れていかせん。
咲太郎:おいっ…。
なつ:お兄ちゃん!
悠吉:なっちゃん!
菊介:ダメだ!
咲太郎:なつ! なつ!
なつ:お兄ちゃん 待って!
咲太郎:なつ~!
なつ:お兄ちゃん 待って! お兄ちゃ~ん!
●柴田家・子ども部屋
なつ:ひゃっこい! ううっ…。冷た!
明美:目 覚めた? 時間だよ。
なつ:ねえ 明美! ひどいな 何すんのさ。
夕見子:フフフフ…。
明美:なつ姉ちゃん 寝言言ってたよ。
なつ:えっ?
明美:お兄ちゃんを呼んでた。あれ どっちのお兄ちゃんのこと?
夕見子:そんなこと 聞かなくていいの。あんたは無神経なんだから。
明美:いや 雪ぶっかけちゃえって言ったのは そっちしょ!どっちが無神経さ。
夕見子:フフッ。ほら 今朝はすっかり積もっちゃったわよ。よいしょ…。
なつ:うわ~! 寒~…。
十勝は厳しい冬を迎えました。なつの高校生活もあと僅かです。
●柴田牧場
菊介:なっちゃん。
なつ:うん?
菊介:スキー教えてやる。今年の大会出るべ。
なつ:何でそこまでスキーやんなくちゃなんないのさ。
菊介:いやいやいやいや この大会に出なくちゃ スキーをやったことにならねえべさ。
なつ:あっ! 学校遅れちゃう! はい!
菊介:おおっ…。
なつ:行ってきま~す。
悠吉:はい 気ぃ付けてな。
なつ:あっ 照男兄ちゃん 行ってきます。
照男:あっ なつ ちょっと…。
なつ:ん?
菊介:あっ 照男君は今年も出るべ 開拓青年団スキー大会。
照男:あっ 今年はいいべさ。出なくても。
菊介:なして! 去年の雪辱を果たすべ 負けたままでいいのか?
照男:ちょっと なつに話があるから。
菊介:何の話?
なつ:何に話?
照男:ちょっと…。
菊介:えっ?
照男:菊介さん また後で。な…。
菊介:出るべよ。なっちゃんも誘って。必ず出るべよ!
照男:後でね…。
なつ:自分が出ればいいのに。
照男:人を勝たせるのが今の菊介さんの楽しみなんだ。
なつ:ふ~ん。
照男:それより ちょっと…。
なつ:どしたの? 何かあった?
照男:たまたま こんなの もらったから。
なつ:えっ?
照男:見ないか?
なつ:ああっ! えっ ディズニー! ものすごく見たかったやつ! え~ うれしい! 見に行ってもいいの?
照男:うん。
なつ:2枚も? じゃ 明美と行くわ。
照男:いや…。
なつ:あっ もしかして 照男兄ちゃん 一緒に行く?
照男:あ いや…。天陽君と行けば?
なつ:天陽君? 何で?
照男:ほら 東京でお世話になったんだろ お兄さんに。
なつ:ああ…。
照男:漫画映画作ってたんだろ お兄さん。だったら そういうの いいかなと思って。
なつ:そんで わざわざ買ってきてくれたの?
照男:いや たまたまって言ったろ。
なつ:ああ…。
照男:2人で行ってこいよ。
なつ:うん… じゃあ 聞いてみるよ。
照男:うん。
なつ:うん。あっ ありがとう! あっ… じいちゃん 行ってきます。
(回想)
泰樹:お前… なつと結婚しろ。
照男:えっ?
泰樹:なつと結婚するんだ。そしたら なつは正真正銘の柴田家の家族になる。一生 この家にいることになるんだ。
照男:何言ってんだよ…。
泰樹:すぐにそうなれとは言わん。そうなるように心の準備をしていけばいいんだ。
照男:準備って…。
泰樹:当分 なつには言わん。
照男:ちょっと待って!
泰樹:お前にはできる! できるだろ。
(回想終わり)
冬の間は自転車が使えず スキーと鉄道で通学します。
●十勝の雪原
なつ:夕見! 大丈夫? 朝方2時間しか寝てないでしょ?
夕見子:大丈夫。倒れるくらいで寝ると ちょっとの睡眠時間でも 頭がすっきりするのさ。
なつ:体 壊すべさ。
夕見子:受験生だからしかたないしょ。
なつ:本当にすごいな 夕見は。
夕見子:本当は北大なんて行かなくてもいいんだけどね。
なつ:じゃあ 何で行くの? 札幌なんて遠いとこへ。
夕見子:だって 負けたくないしょ。
なつ:人に負けたくないから行くの?
夕見子:人っていうか… そんなの無理だとか 女のくせに無理だとか そういう世間の目にさ。
なつ:う~ん… よく分かんない。
夕見子:私は なつみたいに 分かりやすく戦ってないからさ。
なつ:どういう意味?
夕見子:なつは どこにいたって戦ってるしょ。私には何もないから自分の生きる場所は自分で選べるような人間になりたいのさ。ごめんね 寝不足で訳分かんないこと言ってるね。
なつ:分かるわ そんくらい…。
●トテッポ汽車の中
雪次郎:おっ なっちゃん おはよう。
なつ:おっ おはよう。
雪次郎:あっ! 夕見子ちゃん おはよう!
夕見子ちゃんは勝農とは反対に 街の高校に通っています。
雪次郎:夕見子ちゃ~ん…! 気付いて… 夕見子ちゃん…。君の名は!
なつ:今 呼んだべさ。
●勝農畜産科教室
太田:冬乳で作るバターは 夏乳で作るバターに比べて 色が白~くなるべ。放牧されて育草を食べた牛の乳は黄色っぽい。バターの風味も夏は強~く 冬は強くない。どっちがいいバターかは 好き好きだ。
(笑い声)
太田:手 動かせよ。
一同:はい。
雪次郎:なっちゃん。
なつ:うん?
雪次郎:そういえば うちの父ちゃんが なっちゃんとこの牧場は いつんなったら バターを作るんだって 気にしてたわ。
なつ:おじさんんが?
雪次郎:うん。地元のバターを使ったお菓子を考えてるみてえだ。
なつ:バターを作っても流通させる方法がないとね。
雪次郎:うちの店なら 喜んで買うけどな。
良子:雪次郎君は そのためにここへ入ったんじゃないの? 自分で作ればいいべさ。
雪次郎:だけど 牛飼いになるのは大変だべ。
良子:それなら… 牛飼いの娘と結婚すれば早いべさ。
雪次郎:夕見子ちゃんとか…?
良子:はい?
雪次郎:いや… それなら なっちゃんが作ってくれた方は早いべさ…。
なつ:うん… 私も作りたいなと思ってるけどね。いつかは…。
雪次郎:疲れた。なっちゃん 交代。
なつ:はい。
●山田家
天陽:なっちゃんは 漫画映画を作りたいのか?
なつ:えっ?
天陽:兄ちゃんが手紙でそんなようなことを書いてたから。
なつ:見せてもらっただけだって 作ってるとこを。そう話したしょ。
天陽:うん。そこが今度 大きな映画会社と一緒になったって。
なつ:ああ そんなこと言ってた。
天陽:うん。兄ちゃんも結局 その会社の試験受けて 採用されたらしい。
なつ:えっ 陽平さんも入ったの?
天陽:うん。
なつ:漫画映画作るんだ これからも…。
回想仲努:本当だよ。ちゃんと勉強すれば アニメーターになれると思うな。
天陽:それで… もし なっちゃんも来たいなら 相談に乗るって。
なつ:えっ? 行けるわけないしょ 私が!
天陽:牧場があるから?
なつ:えっ?
天陽:捨てられないの?
なつ:捨てるとか 捨てれないとかって。牧場をやりたいからに決まってるしょ。映画は見るだけでいいのさ。ねえ いつ行こうか? ディズニーの映画。
天陽:いつでもいいよ。
なつ:楽しみだなあ…。
●柴田牧場
剛男:今 何で言いました?
泰樹:照男を なつと結婚させると言ったんじゃ。
富士子:何 バカなこと言ってるの。
泰樹:バカなことじゃない。できないことじゃねえだろう。
剛男:できないことではないでしょうけど… できないでしょう 本人たちが。
泰樹:照男には ず~っと前に話してある。
剛男:えっ?
富士子:はっ?
泰樹:嫌だとは聞いとらん。
富士子:何 勝手なこと言ってるの!
剛男:富士子ちゃん ここは一旦 落ち着こう。ね。それでなつにも話したんですか?
泰樹:なつには まだだ。
剛男:ああ~ よかった。
泰樹:何がいんだ?
剛男:いや なつにどんな顔したらいいか 分からなくなりますから。
富士子:照男はいいですか?
剛男:まあ 照男は大人だから…。
富士子:子どもですよ 私たちの。私たちに相談もなく そんなこと。
泰樹:だから今 相談してるべ。お前たちは反対なのか?
剛男:反対も何も…。
富士子:考えてもなかったわよ。
泰樹:考えろ。それが一番いいと思わんか?
富士子:父さん 何を怖がってるの?
泰樹:怖がる?
富士子:なつが本当のお兄さんに会ったからかい?
剛男:そんで なつが東京に戻ると言いだすとでも思ったんですか?
泰樹:そんなことじゃない。なつと照男がもし それを望むならそれに越したことはないと思わんか?きょうだいを捨てなくても柴田なつになれるんだ。
なつ:ただいま。
剛男:あっ なつが帰ってきた。
富士子:とにかく なつには変なこと言わないで下さいよ。今の話は聞かなかったことにするから。あんたも いいわね?
剛男:うん。
なつ:ただいま。
剛男:お帰り。
富士子:お帰り。
なつ:何さ 3人そろって…。どしたの? 何かあった?
なつよ それを聞くな。
●感想
「あさイチ」華丸師匠の朝ドラ受けを見て、ようやく10連休が終わったんだと実感する本日の「なつぞら」。
しかも泰樹おんじを「あのじいさん」呼ばわりで、怖れを知らぬ天下無双の博多華丸と書いておきます。
北大に行く夕見子、彼女に恋している雪次郎は親の指示で東京に菓子修業。
一方、泰樹おんじも、なつが東京に行ってしまうかもと怖れ(?)、強引に孫と結婚させようとする男の心情。
2人ども焦りがあるんだろうなあと思いつつ、相変わらず「富士子ちゃ~ん」と甘い声を出す剛男さんの頼り無い事この上なし(褒めてます)。
ヒノキのようなたくましい泰樹と、柳のように軽やかな婿の剛男。こういう組み合わせが婿養子にはいいんじゃないかというアンチテーゼ。
北海道・十勝編も残り2週ということで、心して視聴していきたいと思います。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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