なつぞら(33話5月8日)
●柴田牧場
剛男:今 何て言いました?
泰樹:照男をなつと結婚させると言ったんじゃ。
富士子:何 バカなこと言ってるの。
泰樹:バカなことじゃない。なつと照男がもしそれを望むならそれに越したことはないと思わんか? きょうだいを捨てなくても柴田なつになれるんだ。
なつ:ただいま。
剛男:あっ なつが帰ってきた。
富士子:とにかく なつには変なこと言わないで下さいよ。今の話は聞かなかったことにするから。あんたもいいわね?
剛男:うん。
なつ:ただいま。
富士子:お帰り。
剛男:お帰り。
なつ:何さ 3人そろって…。どしたの? 何かあった?
富士子:いや… 何もないわよ。
剛男:なんも なんも。
なつ:搾乳はいいの?
富士子:あっ! これからすぐ行く。
なつ:私も着替えてすぐ行く。
泰樹:おい なつ。
なつ:何? じいちゃん。
泰樹:ちょっと折り入って話がある。
なつ:ん?
富士子:何もない! 今はない! でしょ!
泰樹:はい。
なつ:えっ?
泰樹:ない…。
●柴田家・夕飯時
夕見子:えっ 何かあった?
富士子:何よ?
夕見子:そんな怖い目で見ないでよ。何だか おかしいよ みんな黙って。
富士子:普通でしょ。
剛男:普通だよな。食べながらしゃべるのは行儀が悪いしな。
夕見子:いつもぺちゃくちゃ しゃべってるじゃない。
剛男:そうか?
夕見子:うん。父さんだって 夏休みに母さんとなつがいなかった時「ごはんが静かだなあ」って寂しがってたじゃないの。
剛男:それは しなかった時の話だろう? いる時は寂しくなるだろう 黙ってたって。
夕見子:う~ん そういうことかな。
剛男:そういうことだよ。
泰樹:うるさい。くだらんことしゃべるな。
富士子:ほら 普通にしゃべってるじゃないの 今日だって。
明美:なつ姉ちゃんが黙っているからじゃない? 何か 変なの…。
なつ:えっ?
明美:なつ姉ちゃん どしたの? 何か悩んでることでもあるの?
富士子:あるの?
剛男:あるのか?
なつ:ないよ。普通だよ。何言ってのさ 明美。
明美:だって なつ姉ちゃん お兄ちゃんの夢を見たなんて言うから…。
富士子:えっ?
剛男:どっちの?
(照男のせきこみ)
剛男:どっちでもいいか…。
なつ:東京の。寝る前に今頃どうしてるかなって思ったから そんで夢に出てきたんだと思う。
剛男:あれから無実が証明されて警察は無事出たんだろ?
なつ:うん…。
富士子:けど 行方が分からないのは心配よね。
夕見子:明美は本当 余計なこと しゃべるんだから。
明美:だって 心配だったんだもん!
夕見子:あんたが何を心配すんのさ?
明美:だって… 人は死ぬ前 大事な人の夢に出るんでしょ?
なつ:えっ?
富士子:誰がそんなこと言ったの?
明美:花村先生。
照男:関係ねえだろ。夢に誰かが出るなんて普通のことだよ。
剛男:お前の夢にも誰か出るのか?
照男:えっ?
剛男:あっ… どうでもいいけどな そんなこと ハハハ…。
なつ:あっ そうだ! 今日 学校でバターを作ったんだわ。
富士子:バターを?
なつ:うん。あ そんでね じいちゃん 雪月のおじさんが うちにバターを作ってほしいんだって。
泰樹:雪月が?
なつ:おじさんがバターを使った 新しいお菓子を考えてるみたいだわ。
泰樹:ああ そうか。
なつ:考えないとね… これからは ちゃんとそういうことも。
泰樹:うん。
なつ:うん。
数日後 なつと天陽君は帯広の映画館に向かいました。
●汽車の中
なつ:どんな話だべか…。
天陽:見して。
なつ:うん。
天陽:ふ~ん… ディズニー。
なつ:それは知ってるわ アハハハ…。
●帯広の映画館
(ディズニー映画「ファンタジア」上映中)
回想仲:アニメーションは動きが命なんだよ。絵に命を吹き込むことなんだ。
回想仲:ちゃんと勉強すれば アニメーターになれると思うな。
(上映終了後、東洋映画の大杉社長の映像)
大杉満社長:「皆様 日本で初めての総天然色長編漫画映画を我が東洋の手によって作りたいと この度 新しい映画スタジオが完成しました。皆さんご承知のごとく 漫画映画は一般の映画と比較いたしまして多分に国際性を持っております。」
なつ:あっ…。
大杉満社長:「そこで私どもは立派な漫画映画を作りまして広く世界に進出いたしたいと考え 我が東洋映画は日本ではもちろん世界でも珍しい最新式のスタジオを作りまして 早速制作に着手いたしました。その第1回の作品は中国の有名な昔話を題材にした「白蛇姫」でございます。どうか皆様の絶大なるご支援を頂きますようお願い申し上げます。それとともに もし志のある若い人がいましたら是非とも世界を切り開く力になってもらいたい。我が社では広く新しい人材を求めております。どうか皆様 新しい東洋動画をよろしくお願い申し上げます。」
●帯広「雪月」/span>
なつ:あ~ 面白かった~。よいしょ… こんにちは!
妙子:あら なっちゃん。まあ 天陽君も。いらっしゃい。
天陽:こんにちは。
妙子:あれ? 雪次郎と約束?
なつ:違います。今日は映画を見た帰りです。
妙子:2人で映画を? 雪次郎は誘わずに?
なつ:あ… すいません。
妙子:フフフ… 冗談よ。どうぞ はいはい。いいわねえ。
なつ:はい いかったですよ。
妙子:えっ?
なつ:なまら いかったですよ 映画。ね!
妙子:ああ…。
天陽:うん まあ。
妙子:映画は何でもいいのよ。ねえ 天陽君にはね。
天陽:え?
妙子:うん? フフフ…。
なつ:おばさん 何変なこと言ってんですか!
妙子:変かい?
なつ:最近 とよばあちゃんに 本当 似てきましたよね。
妙子:本当 嫌なこと言うね。
とよ:あ~ら なっちゃん!
なつ:あ~!
とよ:え~っと…。
妙子:天陽君。
とよ:あっ そうだった。天陽君 絵描きのね。
天陽:あ 絵描きではないです。
とよ:あれ? 違ったかい?
天陽:絵は描きますけど 絵描きじゃありません。
とよ:理屈っぽいんだね。
妙子:今日は映画を見に行ったそうですよ。
とよ:あれ 2人で?
妙子:うん なまら いかったそうですよ。
とよ:映画は何だっていいのさ 二人には。ねえ。
なつ:ハハハ… 本当 同じこと言いますね。
妙子:ご注文は?
なつ:う~ん 寒いから あったかい紅茶を。
天陽:僕 コーヒーで。
妙子:はい かしこまりました。
とよ:フフフ… どう? じいちゃんは元気?
なつ:元気です。
とよ:相変わらず 苦~い顔して 砂糖なめてんの?
なつ:ハハハ… なめてませんよ。
とよ:ものの例えっしょ。あれ やだ 私 邪魔だわね。邪魔でしょ?
なつ:いいえ。
とよ:聞かれて 邪魔だって人はいないわね。邪魔 邪魔。ハハハ… じゃ また後でね。ハハハハ…。
なつ:後でまた来るんだ。ハハハ…。
天陽:ハハハ…。
なつ:あ~ 本当いかったよね 映画。ねえ。
天陽:何度も聞くなよ。
なつ:だって あんなふうに音楽を表現できたり 地球の誕生から恐竜の時代までを表現したり アニメーションって 何でもできるんだね。
天陽:うん… 何でもできるってことは 何もないのと同じだよ。
なつ:ん? どういう意味?
天陽:何でもできるってことはさ 何もない広い土地に行くのと同じことだからな。自分で土地を耕す方法を覚えて作れる種を見つけて それを手にいれないと何もできない。なっちゃんはさ それでも行きたいと思うのか?そういう土地に。
なつ:そうか… そういうことか…。そういうことだよね! やっぱり天陽君 すごいな。私の悩んでることに簡単に答えを出しちゃう。無理だよね そんなの。私がそんなところに行けるわけがないわ。酪農だって中途半端なのに。うん… 私ができるわけがない アニメーションなんて。
天陽:なっちゃん…。
なつ:うん?
天陽:本当は行きたいんだべさ?
なつ:ハハ… 無理 無理 無理 無理!
なつよ そんな顔で笑うな。天陽君もつらいぞ。
●感想
本日初登場にして、これまで一番長いセリフをしゃべった角野卓造さん、素晴らしい。今年で70歳ということで、ラーメン屋のオヤジが似合うこの方は、かの学習院大学をご卒業されております。
で、角野卓造さんが演じたのは、新東京動画社を吸収合併した東洋映画の代表取締役社長 大杉満。おそらくですが、これは実在する「東映動画」をモデルにしてるんじゃないかと推測です。
それにしても、キャストの泉 千恵さん。クレジットに名前はあっても、誰を演じたのが今一つ分からず、困った困った。
映画館のチケット販売のおばちゃん? それとも大杉社長の秘書? アニメーション編ではぜひ役名付きで紹介してあげてねと、脇役俳優推しのおじさんの独り言です。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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