なつぞら(37話5月13日)
泰樹:結婚する気はあるか? 照男が相手なら そういうことは考えられんか?
なつ:一度でも思ったら… もう家族には戻れんよ…!
●阿川家
(物音)
なつ:ここはどこなんですか?
弥市郎:砂良があんたを見つけて助けたんだ。
なつ:サラ?
弥市郎:娘だ。
なつ:あの… ここはおじさんの家ですか?
弥市郎:ああ 森の奥にある。あっ おれは阿川弥市郎だ。
なつ:私は奥原なつといいます。柴田牧場に住んでます。あっ 今 何時ですか!?
砂良:これかい?
なつ:あ… すいません。もう夜中なんですね。早く帰らんとみんなが心配します。
弥市郎:外はまだ 風がやまん。この闇夜に動くのは無理だ。
なつ:したけど…。
弥市郎:死にたきゃ帰れ。
なつ:みんなが私を捜してるかもしれないし…。
砂良:大丈夫よ。あんたが外にいると思ってるんなら 捜す方は とっくに諦めてるさ。
なつ:えっ?
砂良:今頃は 死んだと思ってる。明日の朝 生きて帰ればいいだけよ。
なつ:そうかもしれん…。私 友達のところに行こうとしてたんです。だから家では今頃 友達のところにいると思ってるかもしれません。そんで その友達は もう今日は来ないだけだと思ってるかも。えっ だったら私 もし死んでも 誰にも気付かれなかったってことですか?
砂良:あなた 芝居してるでしょう?
なつ:芝居なんかしてません! 本当のこと言ってます!
砂良:そじゃなくて 農業高校の演劇部で。
なつ:えっ?
砂良:倉田先生の生徒でしょ?
なつ:えっ 知ってるんですか? 倉田先生を?
弥市郎:よ~く ここへ来て 俺らの話をしつこく聞きたがっていたからな。
なつ:ああ… あの先生 いろんな人の話を聞きたがるんです。
回想倉田:お前の思い じいちゃんに響かせろ。
弥市郎:ハハハ… 見たぞ あんたの芝居。
なつ:あ~…。
砂良:倉田先生が どうしても見てくれって言うから。
なつ:そなんですか。
砂良:今日 泣いてたべさ? 歩きながら。
なつ:あ…。
砂良:それ 見てたんだわ。もうじき 吹雪になるのに のんきに泣きながら歩いてる人がいるな 大丈夫かなって見てたら あんただった。
なつ:のんきに泣いてるつもりはなかったんだけど…。それが命取りになて お二人にご迷惑をおかけしたんですね。すいません…。
砂良:あんた しっかりしてんのか 子どもなのか 分かんないね。
なつ:あっ はい…。多分 しっかりした子どもなんです。
弥市郎:自分で言うか。ハハハ…。ハハハ…。
●柴田家・剛男富士子の寝室
剛男:なつは本当に天陽君のところに無事着いたんだろうか?
富士子:そんな… おっかないこと言わないでよ。
剛男:あっ… ごめん。今頃 天陽君とどんな話してるんだろう。本当に照男の気持ちは それでよかったのかな。
回想照男:じいちゃん 俺はダメだった。なつはやっぱり妹にしか思えないよ。
富士子:なつのことも真剣に考えて あの子が出した答えなんだから。きっと 何も変わってない。私たちは 何も変わってないはずだわ。
●阿川家
なつ:これはどうするんですか?
弥市郎:もちろん売るんだ。
なつ:ここに買いに来る人がいるんですか?
弥市郎:ここに来るのは 本物の熊か… 雪女ぐらいだべ。
なつ:私が雪女ですか?
弥市郎:雪女というよりは… 雪ん子だべ。
なつ:子どもですいません。
弥市郎:しっかりした子どもな。
なつ:ハハハ…。
砂良:帯広の土産物屋に持っていくんだわ。
なつ:お土産か…。
砂良:土産は生活のためだけど そうじゃないのも作ってるわ。
なつ:弥市郎さんは 芸術家なんですね。
弥市郎:昔は 東京で教師をしてたんだ。
なつ:学校の先生だったんですか?
弥市郎:終戦後 こっちに来て 開拓はせずに 森に入ってこんな生活を始めた。
なつ:先生は 辞めたんですか?
弥市郎:さんざん 子どもたちに軍国主義をたたき込んできたからな。続ける気になれんかった…。
砂良:魚 焼けたよ。食べない? 今日は湖にこれを取りに行って その帰りにあんたを見つけたのよ。
なつ:もしかして その魚はオショロコマですか? 倉田先生の芝居に出てきた!
砂良:そ。オショロコマ。
なつ:それじゃ あなたが… 砂良さんが白蛇の化身だったんですね!
砂良:は?
なつ:きっと倉田先生は あなたをモデルにしたんです。白蛇の化身を。だから助けてくれたんですね。
砂良:何でもいいから食べれば?
なつ:ありがとうございます。んっ 本当においしい! オショロコマ。
弥市郎:砂良の母親も空襲で死んだんだ。
なつ:えっ?
弥市郎:俺たちもあんたと同じだ。空襲で大事な人を失って 北海道に来た。だから倉田先生はあんたの芝居を俺たちに見せたかったんじゃねえのかな。
なつ:おじさんは戦争を恨んでますか?
弥市郎:もちろん 今は恨んでる。この子の母親を思い出す度 怒りが込み上げてくる。助けてやれんかった自分に対する怒りもな。
なつ:どしたらいいんですか?そういう怒りや悲しみは どしたら消えるんですか?
弥市郎:自分の魂と向き合うしかないべな。
なつ:魂…?
弥市郎:消さずにそれを込めるんだ。
なつ:魂を込める?
弥市郎:そういう怒りや悲しみから新たな絶望を生まないために 俺はこうやって この木の中に閉じ込めてる。それを自分の魂に変えるのさ。倉田先生だってきっとそうだ。平和を祈って魂込めてああいう芝居を作ったんだ。
なつ:はい…。これは何ですか?
弥市郎:分からん。木の魂… 木魂としか言いようがねえべな。ハハハ…。
なつ:コダマか…。
♪
弥市郎:帰るのか?
なつ:すいません。早く帰らんとみんなが心配するんで。
弥市郎:目の前の森を まっすぐ行けばいいだけだ。気を付けてな。
なつ:はい。本当にありがとうございました。
なつよ その目に映るもの 全てに魂を込めよ。
●柴田牧場
天陽:おはようございます!
富士子:おはよう。
天陽:あの… なっちゃんいますか?
♪
富士子:照男!
照男:俺のせいだ! 俺が行けって言ったんだ!
富士子:待ちなさい!
剛男:あっ… ほら…!
●感想
昭和31年当時、家に電話がないのが当たり前ということでしょうか。「ひよっこ」の昭和38年の奥茨城村でも、谷田部家には電話がなくて近所の家で借りていたことを思い出し、なんと便利な時代になったことよと月曜日の朝です。
それにしても阿川弥市郎こと高梨内記、じゃなかった中原丈雄さんの存在感。「真田丸」で真田昌幸の側近にして あの“うざい”娘きりの父親だったのは2016年の大河ドラマの世界。
真田昌幸(草刈正雄)と高梨内記(中原丈雄)が、同じ画面に映ってセリフを交わすことを期待して、今週もよろしくお願いいたします。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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