なつぞら(45話5月22日)
●クラブ「メランコリー」
カスミの歌:可哀想だよお月さん なんでこの世の幸福は ああ みんなそっぽを向くんだろ
なつは 東京・新宿にいました。
カスミ:ありがとうございました。どうも… ありがとうございました。ねえ もしかして あなたは…?
なつ:お久しぶりです。
雪之助:いや~ いかった! あなたの歌声はね すばらしいです!
カスミ:どうもありがとうございます。
雪次郎:すいません お酒に酔ったみたいで…。
カスミ:ああ… いいんですよ。あなたは確か 咲坊の…。
なつ:はい 奥原咲太郎の妹です。兄が今 どこにいるか知りませんか?
カスミ:知らないわね。
なつ:そうですか…。
カスミ:ちょっと お酒につきあってくれる?
なつ:えっ?
●おでん屋「風車」
雪之助:寒くないですか? そんな格好して。ちゃんと挨拶…。
カスミ:あっ こんばんは。
亜矢美:あら カスミねえさん いらっしゃい。
カスミ:はい こっちよ! お客さん 連れてきたのよ。
亜矢美:まあ うれしい お客様。いらっしゃいませ アッハハ…。いらっしゃい。
なつ:おばんです。
亜矢美:あっ おばんです ハハハハ…。どうぞ。
なつは亜矢美さんとの出会いの意味をまだ知りませんでした。
雪次郎:父ちゃん… もうやめれって。な。
雪之助:心配すんな 雪次郎。ここ どこよ? 新宿だべ お前…。
雪次郎:もう分かったって…。
亜矢美:北海道からじゃ 遠かったでしょう。
なつ:はい。
亜矢美:おでん 好きなの言って。
カスミ:遠慮しなくていいのよ 私のおごりだからね。
亜矢美:じゃあね おすすめの このばくだん 食べてよ。
なつ:すいません。
雪之助:あの~ 私 熱かんにして下さい。
亜矢美:お~ はいはい。
雪次郎:それはもう出さなくていいですから!
亜矢美:出しますわよ。商売 商売!
雪次郎:え~…。
亜矢美:レミちゃんも好きなの言って。
レミ子:はい。それじゃ… はんぺん 大根 ちくわぶ コンニャク 卵 ツミレ がんもどき!
亜矢美:分かんないけど 全部入れときます。
レミ子:あ~ お願いします。
亜矢美:今日はステージの帰りなの?
カスミ:そう クラブメランコリー。この3人はね 私の歌を聴きに来てくれたのよ。
亜矢美:おねえさんの古くからのお知り合い?
カスミ:人を捜して 私を訪ねてきたのよ。
亜矢美:あら 人捜し?
なつ:はい。
カスミ:子どもの頃に生き別れた お兄さんですって。それがね 私と同じムーランルージュで働いていたんだって。去年の夏ごろよね 捜しに来てたのは そのお兄さんを。
なつ:はい。その時 兄には会えたんですけど また今は どこにいるか分からなくなって。
カスミ:だからね 今度は お兄さんのそばで暮らすために東京に出てきたんだって。
なつ:いや 兄にとっては 迷惑になるだけかもしれませんけど…。
カスミ:名前 何ていうんだっけ?
なつ:奥原なつです。あっ 兄の名前は奥原咲太郎です。
カスミ:ムーランルージュじゃ 咲坊って呼ばれてた子なのよ。
亜矢美:はい 熱かん…。
雪次郎:あ~… やめれって いや もう…。あっ もう…。
雪之助:なみなみ… ついで下さい。
雪次郎:いや もう あっ もう…。
雪之助:あのね 女将… 女将 あの この子はね なっちゃんね 本当に苦労したんだわ。
亜矢美:そうなの?
なつ:おじさん いいって… そったらこと ないから。
雪之助:ある。あるべ! 子どもの頃によ 北海道の牧場に預けられてさ これがね そこにいたのは なんとまあ 人の苦労を苦労とも思わねえような おっかない開拓者のじいさんでな 牛のね… 牛の乳搾り できなきゃ学校に行くなって言われてたんだよ。
雪次郎:いや もう いつの話してんだべ。
雪之助:なっちゃん なっちゃん… あれだべ あの~ ほら つらくなってよ 牧場を飛び出したことあったべ?
なつ:おじさん…。
雪之助:あったべ!
なつ:あったけど…。
雪之助:あったべ! ほら あの 東京のお兄さんに会いたくなってよ 飛び出したことあったべや? ところが… ところがですよ 女将… 女将!
亜矢美:ん… はい?
雪之助:その兄さんってのがね これ 会ってみたら もう これ ろくでもねえやつでな…。
亜矢美:あら…。
雪之助:警察のね やっかいになるようなやつだったんですよ!
雪之助:もう やめれって! なっちゃんに失礼だべ そったらこと言ったら!
なつ:別にいいから。
雪之助:なっちゃん あれだよな… お兄さん 川村屋に借金残してんだべ? その借金 返すためにね なっちゃんは皿洗い 川村屋でやってるんです。
なつ:いや おじさん それは違うっしょ!
雪之助:そういうことにもなるべさ。おい 雪次郎! お前 支えてやれ!
雪次郎:うん…。
雪次郎:分かったか? 雪次郎 お前…。おっ…!
なつ:あっ! おじさん…? えっ…?
雪次郎:支えなきゃなんねえのは そっちだべよ…。しょうがねえな もう… 飲み過ぎだべ 弱えのに…。
なつ:あっ すいません もう帰ります。
亜矢美:北海道?
なつ:いや… 川村屋です。寮があるんで… すいません ごちそうさまでした。
亜矢美:気を付けてね。
なつ:はい。
なつ:ごちそうさまでした。
雪次郎: すいません ごちそうさまでした。
♪
雪之助:寒い… 寒い…。
なつ:えっ?
レミ子:咲ちゃんにんさ…。
なつ:咲ちゃん?
レミ子:お兄さんに 私にも返すように言ってよ。
なつ:兄はあなたにもお金を借りてるんですか?
レミ子:お金じゃない…。私の心よ。
なつ:はい?
レミ子:心の操! 真心を一晩 貸したままだから…。返してもらうわよ。
なつ:さっぱり 分かんねえ…。
♪
カスミ:ごめんね。
亜矢美:知らせに来てくれたのね おねえさん。
カスミ:あとは 亜矢美ちゃん次第よ。
●川村屋の寮
なつ:すみません 佐知子さん。
佐知子:何が?
なつ:せっかく 一人で部屋を使ってたのに…。
佐知子:私は最初は相部屋だったのよ。だから気にしないで。
なつ:佐知子さんみたいな人で いかった。
佐知子:私もあなたでよかったわ。困ったことがあれば 何でも言ってね。
なつ:ありがとうございます。
佐知子:咲ちゃんからは 何も聞いてない… わよね? 私のこと?
なつ:咲ちゃん?
佐知子:そりゃ 言えないか…。
なつ:えっ?
♪
雪次郎:あっ なっちゃん 早えなあ。
なつ:遅いよ。どうしても早く目が覚めちゃって。布団の中で我慢してたんだから。う~ん 牛が恋しい…。
雪次郎:そうか。
なつ:おじさん 大丈夫?
雪次郎:さっき 目 覚めて 二日酔いで苦しんでるわ。水 持ってこいって。父ちゃん…。
(雪之助の声)
なつ:あっ おはようございます。
佐知子:おはよう。早起きで偉いわね。
なつ:いや 癖なんです。あっ 自分でやります…。
佐知子:あのさ…。
なつ:はい?
佐知子:これ 少ないけど… お兄さんに渡してくれる?
なつ:えっ?
佐知子:少しでも 足しになればと思って。
なつ:えっ 何ですか? これ。
佐知子:お金よ。
なつ:えっ なして お金を…?
佐知子:力になりたいからでしょ。私からじゃ 遠慮して受け取ってくれないかもしれないから あなたから渡してあげて。ね。
なつ:あっ あの… 兄と何かあったんですか?
佐知子:ハッ… やだ… まだ ないわよ。
なつ:まだ…? えっ もしかして 兄はあなたにも借りがあるんですか?
佐知子:借りなんてないわよ。私と咲ちゃんは同志だもの。
なつ:同志?
佐知子:この新宿で ずっと一緒に強く生きていこうって誓ったの。ハッ… やだ…。
なつ:やだ…。兄って どんな人なんでしょう…。怖…。
●おでん屋「風車」
配達員:こんにちは。
亜矢美:はい ご苦労さん。
(戸が開く音)
咲太郎:ただいま!
亜矢美:咲太郎…。
咲太郎:何だよ しけた面して。相変わらず不景気か? 神武景気もここまでは届かないか。ま 元気出しなって 母ちゃん。
亜矢美:あ… おでん 出来たばっかりだけど 食べるかい?
咲太郎:うん。風車のおでん 久しぶりだなあ。
亜矢美:あんた また新宿に戻ってきたの?
咲太郎:ここしか帰る所がないだろ。
亜矢美:で 今は何やってんの?
咲太郎:今? 今は新劇の劇団 手伝ってんだ。
亜矢美:新劇?
咲太郎:昨日が千秋楽だったんだ。ちっとも もうからないけど うん… 役者はいいんだよ。あっ ほら ムーランルージュも最後の方は新劇みたいだって言われてただろ?
亜矢美:うん…。やっぱり そっか まだ知らないか…。
咲太郎:えっ?
亜矢美:それで帰ってきたってわけじゃないんだ。
咲太郎:何の話だ?
(ため息)
亜矢美:あんたの妹 新宿に来てるよ。北海道から。
咲太郎:えっ なつが!
亜矢美:あんたを捜してる。今度はこっちで暮らすために出てきたらしいよ。
咲太郎:何で? 今更 俺なんか…。
亜矢美:あれは… 追い出されたんだね。
咲太郎:えっ… 北海道をか?
●「川村屋」厨房
先輩:まず 卵をこうやって 白っぽくなるまで泡立てる。それから さっきの粉も もう一回 ふっとけよ。
雪次郎:はい! 分かりました!
光子:なつさん。
なつ:はい。
光子:これから忙しくなるから 今のうち ごはん食べておきなさい。
なつ:はい。
●おでん屋「風車」
咲太郎:俺のせいか…!? 俺のせいで なつは 一人で東京に来たのか…!
亜矢美:妹さんはね 北海道で それはそれは苦労してきたらしいよ。
咲太郎:いや そんなことはないだろう! 去年の夏に会った時は幸せだって言ってたよ。一緒にいた おばさんだって…。
亜矢美:お前が そう言わせたんだろが。
●「川村屋」厨房
先輩:熱いよ 熱いよ…! 何だ まだ泡立て終わらないのか。早く粉ふって バターは湯煎にかけとけよ。
雪次郎:はい…。
なつよ 何だか 咲太郎に勘違いされているみたいだけど もうじき 会えるかもしれないよ。
●感想
長い! いや、多い! 東京・新宿偏に入った途端、セリフの量が増えまくりで、ここまで辿りついてバタンキューです。
ということで、明日もよろしくお願いいたします。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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