なつぞら(64話6月13日)豊富遊声と亀山蘭子による「白蛇姫」アフレコ収録

NHK連続テレビ小説

なつぞら(64話6月13日)

公開を間近に控えた「白蛇姫」は俳優が声を吹き込むアフレコ作業を残すのみとなりました。その間もなつは セル画に線を写し取るトレースの練習に励んでいました。一つの作品が終わるとアニメーターたちにも しばらくのんびりとした時間が訪れるようで それぞれが自分の勉強などをして過ごしていました。

●東洋動画作画課

仲:マコちゃん。

麻子:はい。

仲:ちょっとこれ見てくれる?

麻子:何ですか?これ。

仲:奥原なつが描いた動画だよ。1人で練習してたらしい。

麻子:仕上げの仕事しながらですか?

仲:うん そうだよ。見てくれって 今朝 僕のところに持ってきたんだ。

麻子:こんなに…。

仲:とにかく描くのが早くてね あの子は。これ 君が見てくれないか。

麻子:えっ…。どうして私に?

仲:何たって 君は奥原なつの才能に最初に気付いた人かもしれないんだからね。

麻子:あれは才能なんでしょうか?

仲:まあ 正直言って 僕にも分からないよ。

麻子:えっ?

仲:君の意見を聞かせてほしい。頼んだよ。

●東洋動画・中庭

仲:デッサンは全ての道につながってるからさ。

なつ:仲さん。

仲:なっちゃん…。ちょっと ごめん。

女性社員:はい。

女性社員:え~…。

なつ:すいません… あの 見てもらえましたか?

仲:ああ それは違う人に見てもらってるよ。

なつ:えっ?

仲:そう そう そう ところで君のお兄さんだけどさ まだあの劇団にいるのかい?

なつ:赤い星座ですか? はい いますけど… それが何か?

仲:うん… アニメーションはプレスコといって 最初にセリフや音楽を録音してから後で 我々がそれに合わせて絵を描いたわけだけど 描いてるうちに かなり変更されて とり直すことになったんだよ。けど そのセリフを吹き込んだ映画スターが2人とも声だけの出演は嫌だと言いだして降りてしまったんだよ。

なつ:降りた?

仲:うん。

なつ:2人ともっていうのは…?

仲:あっ… 2人のスターが全部の声をやってたんだ。会社は話題になると思ってね。演出の露木さんと まあ どうもうまくいってなかったようだからそれが原因だと思うけど。露木さんも全部違う声でセリフをとり直すと言いだしてさ 新たに役者を2人立てたんだ。で その1人が赤い星座の亀山蘭子になったんだよ。

なつ:えっ!?

●東洋動画録音スタジオ

露木:これが白蛇姫です。

蘭子:これが私?

露木:はい。これは人間の姫となった白娘です。

蘭子:これ 私に似てませんわね。どっかの映画スターじゃないのかしら? 私 こんなに美人じゃありませんわよ。

露木:あっ いえいえ 問題はありません。顔は出ませんから。声が美人ならもうそれでいいんです。

蘭子:まあ 正直に失礼なことおっしゃるのね。

露木:アッハハハ… はい。失礼しました。この役は亀山さんにしかできないと私はずっとそう思っていたんです。先日の「人形の家」のノラ役 拝見しました。すばらしかった。漫画映画といえど この作品には芝居の深みが欲しい。スターの声なんていらないんです。

蘭子:まあ やってみましょう。

露木:よろしくお願いします。それとですね こちらの侍女の小青役もお願いしたいんです。小青というのは 青魚の妖精なんです。

蘭子:これも私がやりますの?

露木:はい。あっ 適当に声を変えて頂いて。

山川:豊富遊声先生がお見えになりました!

社員:先生 おはようございます。

遊声:いや~ おはよう。

露木:どうぞ こちら。はい。

蘭子:亀山蘭子です。先生 よろしくお願いいたします。

遊声:蘭子ちゃんね。よろしく。

露木:あの 先生 絵は先に出来ちゃってるんで 声に絵を合わせて頂くしかないんですが。

遊声:私は活動弁士をやってたんだよ。任せなさい。

露木:よろしくお願いいたします。

蘭子:「許仙様 白娘姫があなたをお待ちかねよ」

遊声:「ぱいにゃんさま?」

蘭子:「ええ。私のご主人様 あの城のお姫様ですわ」

露木:ちょっと待った。ストップ。あのね 小青はそんなやり手ババアみたいな声じゃないんですよ。まだ少女なんです。少女でありながら 色気があって それでいてちゃめっ気もあるんですよ。ちょっと やって。

蘭子:「許仙様 白娘姫があなたをお待ちかねよ」。こうですか?

露木:もうちょっと 声にしなを作って 歌うように。

蘭子:「許仙様 白娘姫があなたをお待ちかねよ」

露木:あっ いい。そんな感じ。それでいきましょう。

蘭子:あ… はい。

露木:お願いしますよ。はい もう一回。

蘭子:「許仙様 白娘姫があなたをお待ちかねよ」

遊声:「ぱいにゃんさま?」

蘭子:「ええ。私のご主人様 あの城のお姫様ですわ」

遊声:「お姫様がなぜ僕なんかに?}

蘭子:「そんなこと お会いになればきっと分かりますわよ」

蘭子:「許仙様 あなたに私の胡弓を弾いてほしいのです」

遊声:「こんな立派な胡弓を僕に?」

蘭子:「ええ」

遊声:「なんて美しい音色なんだ。まるで白娘姫のように… こんなきれいな音は聴いたことがない」

蘭子:「それは あなたをお慕いする 私の心そのものだからよ」

遊声:「白娘姫… ああ これは夢じゃないのか?」

蘭子:「夢じゃありませんわ 現実よ」

蘭子:咲ちゃん これも劇団のため 活動資金を稼ぐためよね。

咲太郎:はい そうです。けど いいですよ。面白いです。

蘭子:遊声先生はさすがにお上手ね。元弁士だけあって。

咲太郎:上手ですが 森繁久彌ならもっとうまい気がします。

蘭子:フッ… まあ。

仲:失礼します。

なつ:お兄ちゃん。

咲太郎:なつ! 仲さんも。

仲:お久しぶり。

なつ:仲さんにお願いして 見学に来ちゃった。こんにちは。

蘭子:こんにちは。

仲:こんにちは。

咲太郎:妹のなつです。

蘭子:知ってるわよ。

咲太郎:なつは 偶然 この会社に勤めてるんですよ。

蘭子:ああ あなたが描いてる絵って これだったの?

なつ:はい… 色を塗ってるだけですけど。

●東洋動画仕上課

(ドアが開く音)

麻子:あっ トミさん。

富子:あっ マコちゃん まだ仕事?

麻子:ちょっと聞きたいんだけど… 奥原なつって優秀ですか?

富子:優秀?…とは言えないわね。入って1年もたってないし 彩色の仕事は丁寧なんだけど とにかく遅いのよ。

麻子:遅い? 動画だと とにかく早いって話だったけど…。

富子:えっ? 何かあるの?

麻子:あの子 ただの素人なのか それとも天才なのか…。どっちなんでしょう?

富子:何かあるの?

麻子:どっちだと思います?

●東洋動画録音スタジオ

蘭子:「キャッ!」

遊声:「離れろ 許仙! その女は白蛇の化け物じゃ!」

蘭子:「何をおっしゃいます!」

遊声:「やめろ 法海!」

遊声:「えい! 正体を現せ 白蛇め!」

蘭子:「許仙様 私を信じて下さい…」

遊声:「あっ 白娘! 白娘! どこ行った!? 白娘!」

蘭子:「こうなったら 許仙様を思う私の心が勝つか 私を憎むあなたの心が待つか 戦いましょう!」

遊声:「望むところじゃ! とっとと消えうせい! えい! えい! やあ~! そら!」

蘭子:「私の心を思い知るがよい!」

遊声:「うわ~! うわ~…! ええい! やあ! 勝ったぞ! ハハハ わしの勝ちじゃ!」

蘭子:「ああ 許仙様 ああ 許仙様…」

(回想)

麻子:泣く直前に 一瞬 何かを振り向いて まだ戦う目をしながら泣き伏せる。これよ。これが中割に入ることで 見る人に白娘の気持ちの伝わり方が全然違うでしょ!

井戸原:これ 使ってもいいよね?

なつ:はい… ありがとうございます。

(回想終わり)

●東洋動画・中庭

なつ:仲さん。どうもありがとうございました。

仲:どう 映画を作る面白さ 感じられた?

なつ:はい。こんなにドキドキするとは思いませんでした。まるで夢を現実に見てるみたいでした。

仲:なっちゃん… 次の作品の製作が決まったよ。

なつ:えっ 本当ですか? 楽しみです。

仲:そこで… また 動画のテストを受けてみないか?

なつ:えっ!

なつよ… その夢の続きを 見られるか。

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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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