なつぞら(73話6月24日)
光子:雪次郎君が急にここを辞めるって言いだしたのよ。
なつ:えっ!? 雪次郎君が?
光子:お芝居をしたいからって。
なつ:えっ?
光子:劇団の試験を受けたんですって。
野上:誰かのいる劇団ですよ。
雪次郎君が川村屋を辞めて役者になると言いだしました。
●おでん屋「風車」
咲太郎:お~ 雪次郎! 今日はご苦労さん。
雪次郎:どうも。
亜矢美:雪次郎君 あんた 思い切ったことしたね。
カスミ:よく決心した。
レミ子:あんたには負けないからね。
なつ:ちょっと待って! 雪次郎君を役者にはできません。
咲太郎:なつ… どうして?
なつ:どうしても! いいの? 本当に家族を裏切って。雪次郎君が言ったとおり 雪次郎君と私じゃ違うしょ。雪次郎君が川村屋を辞めたら帯広の家族がどんなに悲しむか…。たった一人の跡取りでないの!
雪次郎:そったらこと分かってるから 決心したんでねえか! 親を裏切って決心したんだわ…。
なつ:そんなのダメだわ! ねえ お兄ちゃんお願い。お兄ちゃんからも雪次郎君 止めて。説得して。
咲太郎:それはできない。
なつ:何で!
咲太郎:今の雪次郎の言葉を聞いて どうして止められるんだ。
なつ:雪次郎君が川村屋を辞めるって言ってんの!
咲太郎:雪次郎がどう生きるかは 家族でもなく雪次郎が決めることだろ。
雪次郎:咲太郎さん…。
亜矢美:本当によ~く考えなさいよ。せっかくここまで修業したんだから。それを無駄にして後悔しないようにね。
雪次郎:はい。なっちゃん 本当に心配かけてごめん。
なつ:そりゃ心配するわ そんなの…。
カスミ:でも まだ劇団に受かったわけじゃないんでしょ?
雪次郎:受からなくても 川村屋には戻らんつもりです。
なつ:ねえ 雪次郎君…。
雪次郎:なっちゃん ごめんって…。俺はもう川村屋も裏切ってしまったんだわ。俺の魂はもう演劇の中に行ってしまったんだわ!
なつ:それなら真っ先に帯広の家族に相談するべきでしょ。
雪次郎:それは まだ ちょっと…。
なつ:ねえ そこ! そこ迷っちゃダネでしょや!
●新宿「川村屋」
雪次郎:おはようございます。
杉本:おっ おはよう。
雪次郎:あの…。
杉本:ん?
雪次郎:あの 職長 すいません ここを辞めさせて頂きたいんです。昨日 マダムには話しました。大変お世話になっておきながら本当に申し訳ございません!
先輩職人:おはようございます。
杉本:おい… おい ちょっと こっち来い。
雪次郎:はい…。
♪
杉本:役者? お前 何考えてんだよ! そんなに修業がつらかったのか?
雪次郎:いいえ そんなことはありません。僕にとって菓子職人になることも夢でした。けど ほかの夢に挑戦するなら今しかできねえと思ったんです。挑戦したいんです!
杉本:菓子職人なら ういつでもなれると思ってないだろうな?
雪次郎:そんなこと思ってません!
杉本:だったら現実から逃げるなよ! そんなつまらんことで人生 棒に振ってどうすんだよ! とにかく俺は認めない。
雪次郎:だったら… 認めてくれなくていいです。
杉本:雪次郎! 俺はな お前をお前のおやじさんから預かってんだよ!
回想雪之助:お世話になります。どうか せがれを厳しくご指導下さい。
光子:おはよう。
雪次郎:おはようございます。
杉本:おはようございます マダム。
光子:杉本さんも聞いたのね。
杉本:はい。しかし それを認めることができるのは 北海道にいるおやじさんだけだと話してたところです。
光子:そうね… まあ なるべく私は従業員の意志を尊重したいと思ってるけど 雪次郎君は今 雪之助さんの意志を受け継いでここにいるんですものね…。とにかく お父様にあなたから連絡して話してちょうだい。分かった?
雪次郎:はい… 分かりました。
光子:一人で決める前に 頼みましたよ。
一方 なつは長編映画「わんぱく牛若丸」の作画作業 真っただ中にいるはずでしたが…。
●東洋動画作画課
茜:なっちゃん 坂場さんのことで悩んでるの?
なつ:さかば?
茜:あっ ほら この間の 理屈っぽい演出助手の人。
なつ:あ… 違いますよ。ちょっと別のこと考えてました。
茜:別のこと?
なつ:ちょっと困った友人がいるんです。
下山:なっちゃん。これ 頼む。
なつ:あ… これはこの間の馬ですか?
下山:うん。僕が原画を描き直してみたんだよ。この絵を動かしてみてよ。
麻子:あのカチンコ君… 坂場っていう人が直しを要求してきた馬と牛若丸の動き。
なつ:あれか…。
回想坂場:いや あの… そこが分からないんです。どうしてこういう動きになるんですか? 牛若丸が前のめりになるのは性格描写として分かることにしましょう。けど馬はどうですか?馬は怖がりませんか?
下山:それが僕なりの答えだ。
なつ:答え…。
麻子:いい? あの理屈をこね回すカチンコ君をギャフンと言わせる動画を描いてちょうだい。
なつ:はい 分かりました!
新人アニメーターのなつは 少年牛若丸が馬で坂を駆け下りる短いシーンの動画にチャレンジすることになりました。
(笑い声)
なつ:面白い! 今度は馬が抵抗して 牛若丸が馬と戦ってる。
茜:さすが アクションの下山さん。見事な修正。
なつ: そうですよね。牛若丸も馬も生き生きしてる。
堀内:動画 頑張れよ。
茜:頑張ってよ なっちゃん!
なつ:はい! よ~し!
しかし それはそう簡単なことではありませんでした。
●東洋動画・階段
なつ:あっ…。
坂場:何か落としたんですか?
なつ:あっ いや… 馬の気持ちと体重移動を研究してたんです。
坂場:ご苦労さまです。
なつ:あっ あのカットを 今 描き直してるとこなんです。牛若丸が馬で坂を駆け下りる あの鵯越の逆落としを 思わせるカットです!
坂場:そうですか。
なつ:それから… 昨日はすいませんでした。
坂場:その すいませんというのは 何を指して言ってるんですか?
なつ:川村屋で 話の途中でいなくなってしまったことです。
坂場:ああ… それは構いません。偶然会っただけですから 偶然また いなくなることもあるんでしょう。
なつ:モモッチと一緒にバターカリー食べたんですか?
坂場:いえ 私はすぐに帰りました。それじゃ。
なつ:あっ いえ あの… ちょっと待って下さい! 昨日の続き 教えて下さい。
坂場:続きというのは?
なつ:話の続きです。アニメーションにしかできない表現とは何か 坂場さんの考えを聞こうとしてました。聞かせて下さい。
坂場:それは…。やはり あなたが自分で考えて下さい。
なつ:えっ?
坂場:それをいつか私に教えて下さい。それがきっと アニメーターに対する敬意だと思います。あなたが本当のアニメーターならば。失礼します。
なつ:やなやつ やなやつ やなやつ…!
●東洋動画作画課
なつ:あなたが本当のアニメーターならば…。あ~もう… くっそ~!
茜:今度は何?
なつ:ハハハ…。
茜:気合いが入ってるだけか。
なつ:はい!
茜:ああ…。
結局 その日は満足な動画を描くことはできませんでした。
●新宿「川村屋」
なつ:それじゃ 雪次郎君はまだここで働いてるんですか?
光子:ええ。辞めるにしたって お父様の許しは必要でしょ。雪次郎君にとっても。
なつ:もちろんです。私もそう思います。
●おでん屋「風車」
咲太郎:それじゃ 親の許しがなきゃ 川村屋も辞められないのか?
なつ:そうみたい。
咲太郎:雪次郎は二十歳を過ぎた大人だぞ。
なつ:大人だから きちんと自分の人生を考えるべきでしょ。
亜矢美:確かに 役者を目指すよりは このまま菓子職人を目指した方が現実的だからね。
なつ:そうよ。
咲太郎:そりゃ 演劇やって 食えてるやつはほとんどいないよ。けど それで不幸だと思ってるやつも ほとんどいないよ。不幸なら やる必要は全くないんだからな。漫画映画を作ってるお前だって 似たようなもんじゃないのか?
なつ:そんなことは分かってるよ。
咲太郎:じゃ 何で雪次郎には反対するんだ?
なつ:私は雪次郎君にも 雪次郎君の家族にも 幸せになってもらいたいから心配してんの!
咲太郎:人の幸せなんて他人に決められるもんか!
なつ:だったら お兄ちゃんだって決められないでしょ!
咲太郎:まあ 確かにそうだな…。
亜矢美:他人がこれ以上 余計なことをしない方がいいってことかもね。
なつよ お前だって雪次郎君が自由に自分を表現できること… それを願っているよな 誰よりも。
●感想
ということで、明日は帯広から雪次郎家族が全員で東京にやってくるという展開で、とよ婆ちゃんの張り切る姿が目に浮かぶよう。
今月も残り僅かで、「なつぞら」も残り半分。なっちゃんの結婚話で一月、子育てで一月、仕事話で一月だとすると、やはり千遥は行方不明のままで終わるのか?と妄想しながら、今週もよろしくお願いします。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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