なつぞら(74話6月25日)
●おでん屋「風車」
雪次郎君が川村屋を辞めて役者になると言いだしてから数日 なつは牛若丸と馬の動画にてこずっていました。
なつ:はあ… よ~し…。ああ…。
その日 なつは久々に徹夜をしました。
なつ:よいしょ…。ん~…。ん? あっ! おじさん? おばさん… とよばあちゃん…! おじさん おばさん とよばあちゃん…!
雪之助:おはよう。
妙子:お久しぶりね なっちゃん。
とよ:なっちゃん! やっと会えたわ~!
なつ:とよばあちゃん!
雪之助:雪次郎から手紙もらって 飛んできたんだわ。
なつ:ああ… 雪次郎君に会ったの?
妙子:それが… あの子いないんだわ。
なつ:え… 雪次郎君がいない?
雪之助:川村屋の部屋を勝手に出てったみたいだ。
とよ:とにかく なっちゃんに会えたんだから…。なっちゃん 悪いけど どっか座らせてくれんかね。もう こわくて こわくて…。
なつ:どうぞ 中…。
とよ:悪いね…。よっこらせ よいしょ よっこらせ…。どっこいしょ。ああ やっと落ち着けた。はあ…。あっ あ~ら… いやいや これはまあ どうもどうも なっちゃんがいつもお世話になっております。
亜矢美:はあ…。
なつ:とよばあちゃんです。あっ あの… 雪次郎君の家族です。
亜矢美:あっ じゃ 北海道から?
雪之助:あの~ 私は以前ここにお邪魔しました雪次郎の父親です。
亜矢美:あっ あ~…。
妙子:私は母の妙子です。
雪之助:ここになっちゃんが住んでると聞いていたので 朝早くから押しかけてしまって どうもすいません。
亜矢美:いえ いえ…。
なつ:あっ あの この人 亜矢美さんです。あの 何て言うか…。
とよ:知ってるよ。なっちゃんのお兄さんを拾ってくれた人だべさ。
雪之助:拾ったって言うなよ…。
なつ:あっ あれがお兄ちゃん。
とよ:あれが?
雪之助:久しぶりだね。
咲太郎:あっ… どうも。
妙子:まあ… かっこいいお兄ちゃんね なっちゃん。
なつ:いや おばさん そんなことないから 本当 だまされないで。
妙子:えっ?
とよ:この人は男見る目がないからね。
妙子:ん? ちょ… 誰の息子と結婚したんですか。
亜矢美:あっ あの よろしかったら どうぞ 奥へ。
妙子:あんた…。
咲太郎:あっ いてっ…。
なつ:ねえ お兄ちゃん 雪次郎君がいなくなったみたい。
咲太郎:へえ… そうなんだ…。
雪之助:申し訳ないが 川村屋が開くまで ここにいさせて頂けますか?
亜矢美:いくらでも どうぞ。狭っ苦しくて すんません…。
妙子:なっちゃんは仕事 大丈夫なの? ほら やっとやりたい仕事に就けたでしょや。
なつ:今日は日曜日だから 大丈夫。
妙子:あっ そっか… 日曜日か。
なつ:3人で来て大丈夫なの? 雪月は。
雪之助:それどころじゃないからね。
なつ:あ…。
妙子:思い切って 3人で来たんだわ 雪次郎さ会いに。お店閉めて。
とよ:事によると 永久に閉まることになるかもしれないからね。
なつ:そんな…。
亜矢美:あら やだ 私 お茶も出さないで…。朝ごはん まだですよね?
妙子:もう どうぞ お構いなく。食欲もありませんから。弁当も夜行列車で食べてきたんで…。あっ… そうだ あんた それ…。
雪之助:ああ ハハハハ…。あの これ つまらないものですが どうぞ。
亜矢美:あ… お土産なんて そんなもの結構ですよ。
雪之助:そんなもの? あ… せん越ですが 土産はそんなものではありません。これでも一応 十勝の銘菓です。
なつ:雪月のバター煎餅。おじさんの魂のお菓子。
亜矢美:魂…。まあ それはそれは結構なものを… ありがたく頂戴いたします。
妙子:どうぞ。
亜矢美:じゃ 粗茶だけでも…。
なつ:あっ 私も行く。
咲太郎:えっ…。
♪
なつ:すいません。
亜矢美:大丈夫 大丈夫。あっ… こっちがいいか。
なつ:ダメだって! おじさん酔わしたら どうなるか…。
亜矢美:そうだね。
なつ:お茶で。
♪
雪之助:それで あいつはあなたのいる劇団を受けたんだね?
咲太郎:はい。
雪之助:あなたが誘ったのかい?
咲太郎:違いますよ。けど… そんなにいけないことですか?
妙子:えっ?
咲太郎:雪次郎が夢を追っちゃ そんなにいけないんですかね?あ… 店が大事なのも分かりますが 雪次郎の夢だって大事じゃないですか?
とよ:夢を追うのはいいけどね。それが幻だったらどうすんの?
咲太郎:幻でもいいじゃないですか。夢か幻か 追ってみなければ分かりません。
とよ:へえ~ 立派なこと言うね。
咲太郎:いや それほどでも…。
とよ:褒めてないわ。
咲太郎:えっ?
とよ:そんじゃ 誰でも雪山に登ってみなけりゃ 登れるか死ぬかも分からんと言ってんのと同じだべさ、
妙子:お義母さん それはちょっと極端でしょ。
とよ:そんなことないべ。食えなきゃ死ぬべ。
雪之助:雪次郎はね 菓子職人になるっていう ちゃんとした夢があったんだ。
咲太郎:だから それを本人が幻だと思ったんでしょ。しょせんは親の決めた事だって。
なつ:お兄ちゃん 言い過ぎだってば!
雪之助:君はどうなんだ? うん? 夢だか幻だか知らんけど 借金作って警察の世話にもなって なっちゃんに迷惑かけてばっかだべ。
なつ:いや おじさん 今はそったらことないから…。
妙子:あんた ちょっと言い過ぎだわ。
咲太郎:俺と雪次郎は違いますよ。親のくせに そんなことも分からないんですか! 雪次郎のことを信じてやればいいじゃないですか。
雪之助:信じてるから こうやって飛んできたんだべ。もうこれ以上 あいつの人生 狂わさんでくれ。頼む。
なつ:おじさん… 雪次郎君は全部一人で決めたんです。どこにいるのか お兄ちゃんも知りません。
咲太郎:(小声で)しれは知ってる。
なつ:あ… それは知ってるそうです。えっ!?
咲太郎:雪次郎に相談されて 俺が出ろって言ったんだ。
4人:はあ!?
亜矢美:咲太郎 やっぱりお前か!
咲太郎:今 親に会ってしまったら 絶対に決意が揺らぐって…。あいつはやっぱり諦めるしかないって言うから だったら先に川村屋を出てしまえって言ったんだ。
なつ:お兄ちゃん!
咲太郎:部屋は俺が用意した。
雪之助:どこだ?そこ。
咲太郎:実はあいつ 劇団の研究生に受かったんですよ!
妙子:えっ?
咲太郎:俺は裏方で潜り込んだだけですけど 雪次郎は正々堂々と試験を受けて 役者としての素質を認められたってことです。その倍率は10倍です。10人に一人の狭き門を突破したんです。
妙子:本当かい?
雪之助:喜んでる場合じゃないべ。
とよ:そんなにいるんかい 役者になりたいなんて若者が 東京には。
咲太郎:そうです。どうか 祝ってやって下さい!
亜矢美:バカ! 言うタイミングが違うんだよ!
咲太郎:えっ?
なつ:その前にどこにいるの? 雪次郎君 どこに隠したの!?ちょ… どこ!
妙子:ねえ 教えて!
とよ:しゃべれ!
咲太郎:レミ子と同じアパートだ。たまたま 隣の部屋が空いてたから。
妙子:じゃ… すぐ行きましょう。
雪之助:いや… その前に川村屋に挨拶するのが筋だべ。
とよ:うんだ うんだ…。
●新宿「川村屋」
雪之助:この度はまことに申し訳ございませんでした!
光子:そんなことはやめて下さい 小畑さん!
野上:されると思いました。
とよ:本当に息子と孫が2代に渡ってお世話になっておきながら とんだご迷惑をおかけして…。
妙子:本当にすいませんでした。
光子:いいですよ うちは。それより せっかく北海道からいらしたのに 会わせてもやれない こちらが恥ずかしいです。
なつ:マダム 雪次郎君の居場所は分かりましたから。
光子:えっ そうなの? まあ どうか座って… お話ししましょう。職長も参りますから… ね。
とよ:お言葉に甘えて… いてててて…。
雪之助:すいません お嬢さん…。
野上:マダム。
雪之助:あっ…。
とよ:マダム…。
光子:いや もう本当いいですから。
♪
杉本:雪次郎君は至って真面目に修業されてましたよ。
雪之助:本当ですか?
杉本:本当です。だから 私もいなくなるのが残念で つい少し きつい言い方をしたかもしれません。
雪之助:いえ… ありがとうございます。
とよ:あの子は真面目だから… 真面目なまま 道を外れたんだね。
妙子:あの子は ここで決して皆さんにご迷惑ばかり おかけしてたわけじゃないんですね?
杉本:そんなことはないです。彼にやる気がないとは一度も思ったことはありませんでした。
光子:私もてっきり 雪次郎君はお菓子作りが好きなんだと思ってました。さすがは小畑雪之助さんのご子息だと。
とよ:それだけの修業を捨てる覚悟をしたんかい あの子は…。
雪之助:何言ってんだ。そんなもの覚悟じゃない ただの甘えだ。
とよ:覚悟だべ!
妙子:あんた こんだけ真面目に…。
雪之助:甘えだべ! こんだけ迷惑かけて…。大体 お前が甘やかすから…。
なつ:あの! 雪次郎君は本気です。本気で演劇が好きなんです。だから雪次郎君も苦しいんです。それだけは分かります。
●雪次郎のアパート部屋
雪次郎:えっ 3人で来たんですか!?
咲太郎:うん。もうじき ここにやって来ると思う。
雪次郎:そ… そんな急に… それはないっしょ 咲太郎さん!
咲太郎:お前は逃げたんじゃないだろ? 覚悟して ここに来たんだろ? あとはお前が説得しろよ。
雪次郎:それができたら ここにいないですよ!
咲太郎:情けないな…。本当に家族を捨てる覚悟があるのか? お前。俺はお前を隠したんじゃないぞ。お前の覚悟を後押ししただけだよ。本当にやりたいことがあるなら どんなことにも正面から向き合えよ!
レミ子:来たわよ!
咲太郎:じゃ そういうことだ うん。
雪次郎:ちょ… 咲太郎さん! いないって言って下さい…。
咲太郎:おい おい… ちょ ちょ ちょ ちょ…!
雪之助:雪次郎!
妙子:雪次郎!
とよ:元気かい?
なつ:雪次郎君 黙っていなくなるなんて それはないっしょ。
ああ 雪次郎の運命やいかに…。
●感想
はい、確かに雪次郎の運命も気になりますが、それ以上に今は千遥のことで頭が一杯なのですが…。
第14週に千遥が登場します。北海道の柴田家を訪れる一人の女の子。年は18歳で、演じているのが清原果耶ちゃん!
NHKの秘蔵っ子を忘れていた我が身を憂い、明日もよろしくお願いいたします。
※清原果耶ちゃん、「あさが来た」で亀助と結婚したふゆですよ。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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