なつぞら(83話7月5日)
●十勝・柴田家
明美:千遥ちゃんから手紙が来た!
千遥から手紙が届いたのは 千遥が消えて2日後のことでした。
砂良:消印は帯広ね。帯広から出したんだ。
咲太郎:帯広にいるのか?
なつ:読むね。「お姉ちゃん お兄ちゃん 急に帰ってしまってごめんなさい。柴田牧場の皆さんにも大変失礼なことをしました。お詫び申し上げます。私は子どもの頃 おばさんの家にいるのがつらくて逃げ出しました。線路を見つけてそこをたどっていけば お姉ちゃんやお兄ちゃんがいる東京に行けると思ったのです。どこかの駅で一人の復員兵の人に助けられました。今では顔を思い出せないその人は 私を連れて東京に行ってくれました」。
千遥:「そして 私を自分の娘だと言って置屋に売ったのです。私は18になる今まで そこの女将さんをお母さんと呼んで人並みに育つことができました」。
●東京・光山家
千遥:お稽古 お願いします。
なほ子:はい 始めましょう。
千遥:「私は今 奥原千遥ではありません。女将さんは私を戦災孤児として届け出をして 自分の戸籍に養女として迎えてくれたからです。今でも独身の女将さんは本当に私のお母さんになってくれたのです。私は置屋の娘になりました」。
なつ:「そんな私に最近 結婚してほしいという人が現れました。とても立派な家柄の人で 私にはとても不釣り合いな人です」。
●十勝・柴田家
明美:千遥ちゃん 結婚するの?
砂良:そうみたいね。
(なつのすすり泣き)
富士子:なつ… 何なら もうみんなに読んでくれなくていいんだよ。
なつ:大丈夫…。
なつ:「その時 お母さんから兄の手紙を見せられました」。
千遥:「どこかで無くしたと思っていましたが お母さんが私の荷物から見つけて 預かってくれていたのです」。
●東京・光山家
なほ子:それはお前の兄さんからの手紙だろ?
千遥:はい。でも お母さん 私はこの手紙にどんなことが書いてあったのか よく知らないんですよ。あのころは 字があまり読めなかったもので。
なほ子:その手紙に お前の姉さんが住んでるっていう北海道の住所が書いてあったんだよ。
千遥:えっ?
なほ子:そこは 親戚でもなく 戦死なすったお父さんの友人のうちだそうだ。
千遥:私の姉が そこに?
なほ子:うん… で その北海道にお前のことを連絡しようかどうか迷ったんだよ。ただ… お前の姉さんがそこでどんな暮らしをしてるのか お前のこと聞いてどう思うか どうなるのか… それで2人とも幸せになれるのかどうか… いくら考えても答えが出なくてね そのうちに… お前を手放すのが惜しくなってしまったのさ。千遥… すまなかった! その手紙を今まで隠してて本当に申し訳なかった! このとおり 誤るよ。
千遥:お母さん やめて下さい! お母さんがそんな私に謝るなんて 一つもないんだから…。
なほ子:だけどね 千遥… この先 もし あの方と結婚するなら 昔の家族とは縁を切らなくてはいけないよ。
●十勝・柴田家
なつ:「昔の家族とは縁を切らなくてはならないと言われました。相手は立派な家柄なので 私が浮浪児だったということを先方の親に知られたら破談になってしまうからです」。
●東京・光山家
千遥:お母さん…。私にはもう 兄や姉の記憶はないんです。あるのは ここに来てからのことばかりで幸せな記憶ばかりです。お母さんが望むことなら 私は喜んで結婚します。
なほ子:私の望みは お前が幸せになることだけなんだよ!
千遥:大丈夫… 私は幸せです。お母さんの娘になれて 本当に幸せです。
なほ子:千遥…。
千遥:「私の幸せを願うお母さんのためにも 私は結婚しようと思いました。それでも私は最後に北海道に行くことをお母さんに許してもらいました」。
●十勝・柴田家
なつ:「もし お姉ちゃんが今 不幸でいたなら 私は今の幸せを投げ出してでも助けなければならないと そう思いました。だけど もし幸せでいてくれたら 私はお姉ちゃんと永遠に… 別れなくてはいけないとそう決意しました」。
(回想)
富士子:あなたが千遥ちゃん? よく来た… よく来てくれたわ…。
泰樹:ここはな なつのうちだ。ということは 妹のあんたのうちでもあるんだ。好きにしてればいい。
泰樹:よし。明日は早起きして一緒に働くべ。
剛男:何が よしですか?
千遥:はい! 私にも教えて下さい。
(回想終わり)
なつ:「その家で お姉ちゃんがどんなふうに暮らしていたか それを知るのに時間はかかりませんでした。それからお姉ちゃんとお兄ちゃんと電話で話した時に 突然 昔のことを思い出したのです」。
千遥:「空襲のあと おばあさんに芋を恵んでもらってお姉ちゃんと食べたこと。アメリカ軍人の靴磨きをしてチョコレートをもらったこと。お兄ちゃんが大勢の人を前にかっこよく踊っていたこと。信さんも一緒にみんな家族のように 池のほとりでザリガニを焼いたこと」。
回想千遥:お母さんに会いたい!
回想なつ:大丈夫だってば!
千遥:「石蹴りをして転んで 泣きわめく私を お姉ちゃんが力いっぱい抱き締めてくれたこと。私は柴田牧場でお姉ちゃんの服を着て働いた時 何だかお姉ちゃんに抱き締められているような気がしました。ここで私まで幸せを感じて そしてお兄ちゃんお姉ちゃんに会ってしまったら 別れられなくなると怖くなったのです。だから私は逃げ出したのです」。
なつ:「一生 会うことはもうありません。会えません。お兄ちゃんも元気でいてくれて本当によかった。私は一生 自分の過去とは別れません。柴田牧場で過ごした短い時間も忘れることはありません。どうか皆さん お元気で。お世話になりました。さようなら。ごめんなさい。千遥」。
菊介:こったらことって あっかよ!
悠吉:よっぽどの思いだべ…。
千遥:「追伸 私の記憶の中になるお兄ちゃんとお姉ちゃんを思い出して絵を描きました。感謝を込めて。ありがとう」。
なつ:お兄ちゃん…。
咲太郎:なつ…。うまいな…。
なつ:うまいね…。上手だね 千遥…。
なつよ… 千遥を抱き締めてやれ。
●感想
なつぞら(83話7月5日放送)、この回が「なつぞら」の感動の頂点かもしれません。千遥の養母の気持ちを含めて、全員がそれぞれを思っての決断をして今に至ってるという事実が明らかになり、涙腺が緩みっ放し。
千遥に結婚を申し込んだ人には「戦災孤児なら破談にする親」がいるとのことで、千遥の結婚生活に不安を感じるのですが、これが愛人契約(身請け)でないことを祈って、明日は天陽の結婚話です。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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