なつぞら(85話7月8日)
●東洋動画作画課
なつ:短編動画ですか?
仲:なっちゃんにも思い切って原画をやらせたいと思ってるんだ。3人で話し合って何か企画を考えてよ。
3人:はい。
なつが初めて原画を任されたそのころ 行方の知れなかった妹 千遥が柴田家に現れました。
なつ:今すぐ行くから…。どうしても千遥に会いたい…。
しかし 千遥はなつと咲太郎を待たずに去っていきました。2人に宛てた手紙を残して…。
なつ:上手だね 千遥…。
●十勝・柴田家
夕見子:ただいま。
なつ:夕見!
剛男:おお!
夕見子:何さ この家は。女は働いて飯を作り 男は座って飯を待つ。相変わらず遅れてますもね。
なつ:夕見子 お帰り!
なつ:ただいま。
北海道大学に通う夕見子ちゃんが帰ってきました。なつとは実に3ねんぶりの再会でした。
なつ:夕見。
夕見子:うん?
なつ:私のお兄ちゃん。
咲太郎:あ… 咲太郎です。
夕見子:お~! あの泥棒の咲太郎かい!
咲太郎:えっ?
照男:夕見子 失礼だべ!
なつ:無実だったからね あれは。
富士子:ちょっと 夕見子。
夕見子:うん?
富士子:あんた 何で来たの?
夕見子:何でって 母さんが電話してきたからでしょ。
富士子:そうでなくて 帯広からどうやって来たの>
夕見子:ああ…。
剛男:そうだ 連絡よこせば 迎えに行ったのに。
夕見子:大丈夫 車で来たから。
剛男:車?
夕見子:うん すぐそこまで送ってもらったから。
富士子:誰に?
夕見子:大学の友達。ドライブのついでだったからね。
剛男:男の人かい?
夕見子:まあ… 性別で言ったら男でないのかい。
剛男:本当なのかい?
富士子:どういうつきあいなの?
夕見子:そんなことより なつ 千遥ちゃんはどうしたの?
なつ:えっ?
夕見子:千遥ちゃんがここに来たんでしょ?
なつ:今は…いない。千遥は 自分の場所に帰ったわ。
夕見子:千遥ちゃんて 年いくつだっけ?
なつ:今 18。
夕見子:18で結婚? 結婚するから もうなつにも咲太郎さんにも会えないっていうの?
なつ:それはしかたないしょ…。
夕見子:しかたないって 何がさ? 大体 自分で望んでる結婚なの? それ。
なつ:どういうこと?
夕見子:周りが勝手に望んでるだけで 千遥ちゃんはしかたなくそういう流れに乗っかってるんじゃないかってことよ。
照男:おい 勝手なこと言うなや。なつを不安にさせてどうすんだよ。
明美:人の心をひっかき回すな!
なつ:私はそれが千遥の意志だって信じてるから。
夕見子:18で結婚することが そもそも女の意志って言えんのかい?
富士子:18だったら十分お嫁に行く年だべさ。
夕見子:それ!母さん 今つまんないこと言った。
富士子:はあ?つまんないこと!?
剛男:それは言っちゃいかんだろ 夕見子! あ…。
夕見子:いいですか 皆さん 女が子どもを産んだら母親になる。これは当たり前の話。したけど その前に誰かの妻になる。よそのうちの嫁になる。自分ではない ほかのものになる。そういう固定概念を生み出しているものを疑わなければ 女はいつまでたっても自由には生きられないと私は言ってんのです。
照男:俺は砂良のこと 俺のもんなんて思ってねえからな。
砂良:えっ 私はあんたのものじゃないんだ?
照男:いや 俺のもんだ…。
砂良:どっち?
なつ:もう いいでしょや そったらことは。
夕見子:ダメだ。もっと普通を疑え なつ!
富士子:いい加減にして 夕見子。
咲太郎:ハハハハ…。
なつ:お兄ちゃん。
咲太郎:いや 面白いな。なつは本当に面白い家で育ったんだな。
なつ:そう? 普通の家族しょ。
咲太郎:いや 普通じゃないと思うぞ。
●柴田家・子ども部屋
夕見子:これを千遥ちゃんが…。へえ…。
明美:さすが なつ姉ちゃんの妹だべさ。絵がうまいっしょ。
夕見子:うん。
明美:やっぱり 私とは大違いだわ。
なつ:そったら寂しいこと言わんでよ 明美ちゃ~ん!
明美:やめれ~!
なつ:明美ちゃ~ん!
夕見子:不思議だね…。お父さんの手紙は知らないんでしょ?
なつ:えっ?
夕見子:ほら あんたがそこに貼ってた 戦死したお父さんの手紙にあった絵さ。それを知らないのに 千遥ちゃんも同じことをしてたってことだべ?
なつ:お兄ちゃんも東京で描いてたのさ 家族の絵を。
夕見子:咲太郎さんも?
なつ:お父さんのまねして…。
夕見子:へえ…。何だか あんたが絵描きになるのも 必然だったんだね。随分 幼稚なの読んでんだ。
なつ:えっ?
夕見子:これ。
なつ:あっ それは仕事のために読んでんの。
夕見子:仕事?
なつ:漫画映画の原作になるものを探してるんだわ。
夕見子:えっ あんた もうそんな仕事までさしてもらってんの?
なつ:短編映画だけどね…。若手の育成のために企画から作らせてもらえることになったのさ。
夕見子:へえ…。で 何の話にするの?
なつ:それが決まんなくて…。
夕見子:そういえば… あんたら きょうだいって 「ヘンゼルとグレーテル」みたいだもね。
なつ:「ヘンゼルとグレーテル」?
夕見子:そう。兄と妹の話だよね これ。まま母に捨てられたきょうだいが 森の中でお菓子の家を見つける話だよね。
なつ:うん そう。
夕見子:ほら 深い森の中に連れていかれる時 兄は帰り道が分かるように パンをちぎって落としていくでしょ?
なつ:うん。
夕見子:あんたら きょうだいにとって そのパンが絵なんだわ。
なつ:絵?
夕見子:パンを落とす代わりに絵を描いてんの。それが自分の家に帰るための道しるべなんだわ!だけど そのパンは鳥に食べられてしまって きょうだいは帰り道を見失ってしまう。その鳥は… そう 時の流れという名の鳥なんだわ! 時は流れて子どもはいつしか子どもじゃなくなっていく…。
明美:ねえ 何言ってんの?
夕見子:ねえ ぴったりっしょ! なつがやるならこれしかないべ!
なつ:「ヘンゼルとグレーテル」…?
●柴田家・囲炉裏前
剛男:咲太郎君… 君らをこんな運命にしてしまったのは 私かもしれんな…。
咲太郎:そうですよ。
剛男:そだな…。
咲太郎:だから俺は 心から感謝してます。
剛男:ありがとう…。
富士子:さあ 飲んで。
咲太郎:ああ すいません…。
泰樹:咲太郎。
咲太郎:はい…。
泰樹:お前はここまでよくやったな。
咲太郎:えっ?
泰樹:よく頑張って生きてきた…。この先も胸張って生きりゃいい。
●柴田家・牛舎
悠吉:なっちゃん 腕はなまってないな。
なつ:うん… これでまた当分できなくなるから しっかりこの手に残しておきたくて。
悠吉:本当にもう今日戻っちゃうんかい?
なつ:これ以上いたら 東京に戻りたくなくなっちゃうでしょや。
菊介:だったら戻るな。ここまま ここさいろ!漫画映画を作りたければ ここで作ればいいべさ!この菊介さんが手伝ってやっから。
悠吉:お前に何ができんだ?
菊介:なっちゃんの… 肩もみぐらいはできるべよ。
なつ:ありがとう 菊介さん。それ聞いて やっと戻る気になれたわ。
菊介:いや そりゃないべ なっちゃん!
(笑い声)
●柴田家・子ども部屋
なつ:はい 出来た。
明美:ありがとう なつ姉ちゃん。
なつ:うん。行ってらっしゃい。元気でね…。
明美:なつ姉ちゃんも。
なつ:うん。
明美:行ってきます。
なつ:行ってらっしゃい。
明美:行ってきます。
なつ:気をつけてね。
●柴田家・玄関口
富士子:体 気ぃ付けてね。
なつ:うん… みんなも。それじゃ また。
砂良:今度はもっとゆっくりね。
なつ:砂良さん 照男兄ちゃん 赤ちゃん 楽しみにしてる。
砂良:生まれたら会いに来て。
照男:咲太郎兄さんもまた来て下さい。
咲太郎:そっちの兄さんも東京に また。皆さん 俺もですが… 千遥が本当にお世話になりました。
なつ:千遥の服はここに置いとくから。
富士子:分かった。いつか 取りに来てくれるといいね。
なつ:うん。それじゃ 夕見 またね。
夕見子:そのうち 東京にも連絡すると思うわ。
なつ:必ずよ。
夕見子:うん。
なつ:じいちゃんも また。
泰樹:うん。こっちのことは心配すんな。咲太郎。
咲太郎:はい。
泰樹:しっかりしろや。
咲太郎:はい。最後に怒られた…。
(笑い声)
剛男:じゃ 行こうか。
なつ:うん。行ってきます。
一同:行ってらっしゃい。
(車のエンジン音)
こうして なつの短い里帰りが終わりました。なつよ 千遥の目にもきっと この風景は焼き付いているだろう。
●感想
咲太郎と泰樹おんじが酒を酌み交わすシーンが欲しかったので、今朝は大満足。
初めは褒めてあげて、最後はしっかりと檄を飛ばす泰樹さんの話術の巧みさを見ながら、今どきの若者との接し方を学んだ7月8日は月曜日。頑張りましょう。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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