なつぞら(86話7月9日)グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」を原作に短編映画

NHK連続テレビ小説

なつぞら(86話7月9日)

●新宿「風車」

なつと咲太郎が新宿に着いたのは 翌々日の早朝でした。

なつ:亜矢美さんには話したの?

咲太郎:電話で簡単にな… 千遥に会えなかったってことも。

なつ:それじゃ 元気出した方がいいね。

咲太郎:うん そうだな。

2人:ただいま!

亜矢美:うん…。置屋ってさ 東京のどこにある置屋だろうね?

なつ:それは言わなかったみたい。だから手紙にもわざと書いてないんです。

咲太郎:結婚するなら 置屋にはもういなくなるだろう。

亜矢美:う~ん… 結婚する相手のことも わざと詳しく書かなかったのね。そんだけ あんたたちのことを思ってるってことよ。

咲太郎:もう少し信用してくれてもいいのにな。幸せを邪魔するようなことは絶対しないのに。

亜矢美:千遥ちゃんの方が会いたい気持ちを抑えきれないからだって書いてあるでしょ。

なつ:でも そんな結婚をして幸せになれるんでしょうか?

亜矢美:なれるよ。自分でこうって決めたことなら どんなことがあったって前に進んでいける。で もし「ああ つらい ああ もうしんどい ああ もうダメだ」って思った時には 千遥ちゃんには 今 北海道ってものがあるんじゃないの。

なつ:フッ… そうですよね!

なつは 宿題になっていた短編映画の企画に「ヘンデルとグレーテル」を提案することにしました。

回想夕見子:あんたら きょうだいにとって そのパンが絵なんだわ。パンを落とす代わりに絵を描いてんの。それが自分の家に帰るための道しるべなんだわ。

●東洋動画作画課

なつ:1週間近くもご迷惑をおかけして すいませんでした。

麻子:何があったかは聞かないけど ちゃんと短編の企画のことは考えてきたんでしょうね?

なつ:あっ… はい。マコさんと坂場さんは?

麻子:あなたがいない間に さんざん2人で話し合ったんだけどね どうもダメなのよ 全然考えが合わなくて。

坂場:また意見を擦り合わせようということになったね。

麻子:考え方の違いだから 擦り合わせようがないんだけどね。

なつ:どう違うんですか?

麻子:いいから あなたの考えを言いなさい!

なつ:あっ はい! あの… 私はこれがいいいと思うんですけど…。「ヘンデルとグレーテル」です。「ヘンデルとグレーテル」を原作にして短編映画を作りたいと思ったんです。

下山:ふ~ん 「ヘンデルとグレーテル」か…。

坂場:グリム童話ですね。

なつ:そです。マコさんの好きな「白雪姫」とおんなじです。

麻子:関係あるの?

なつ:別にないです。

坂場:なぜ「ヘンデルとグレーテル」なんですか?

なつ:なぜ?

坂場:なぜ これをやりたいと思ったかです。

なつ:ああ…。

坂場:それは 休みを取った理由と関係があるんですか?

なつ:あの… 私は戦争で孤児になったんです。あっ 兄が生きています。それに子どもの頃に生き別れた妹もいます。この休みの間に その妹が元気に生きていることが確認できたんです。

麻子:そうだったの…。

なつ:3人とも それぞれ いろんなことがあって いろんな人に助けられながら今日まで生きてきました。

坂場:なるほど…。それはつまり「ヘンデルとグレーテル」にあなたたち きょうだいを投影したいということですか?

なつ:いや そこまでは考えてません。まあ でも ひかれたきっかけにはなってると思います。ヘンデルとグレーテルは まま母に捨てられて道に迷い お菓子の家をみつけたせいで 魔女に捕まってしまいます。それで食べられそうになっても生きることを諦めませんでした。何か そういう 困難と戦って生きていく 子どもの冒険を描きたいと思ったんです。

坂場:なるほど。広い意味で これは子どもの戦いですからね 確かに。

下山:冒険物ね… 面白そうじゃない?

麻子:面白そうですが 実際には どう面白くするかです。童話をそのまま映像にするだけなら 大した冒険にならないと思います。

なつ:はい。

坂場:それは これから考えましょう。テーマさえ 明確になればあとはどう面白くするか そのアイデアを出すだけになりますから。

麻子:ちょっと待って。やっぱり脚本作らないつもり?

なつ:えっ?

坂場:脚本を作らないとは言っていません。脚本家を立てないと言ってるんです。

なつ:えっ どういうことですか?

麻子:そこが考え方の違いなのよ。私は話を重視して企画を決めたいのに この人はテーマがあれば話はいらないって言うの。

坂場:いらないとは言っていません。最初から決める必要はないと言っているんです。

下山:まあ まあ まあ まあ まあ まあ まあ まあ… 「ヘンデルとグレーテル」でいいか それだけでも決めない? ね。

坂場:僕はいいと思います。

麻子:私もこれをやること自体はいいです。

なつ:ありがとうございます。

●喫茶「リボン」

桃代:へえ~ じゃ あの坂場さんと一緒に作品を作るんだ?

なつ:うん… 短編だから お互い勉強のために そういうチャンスをもらったってだけ。

桃代:なっちゃんは自分でチャンスをつかんだのよ。経験を買われて原画を任されたんだから すごいことじゃないの。

なつ:でも実際 どこまでできるか分かんないし怖いよ。

桃代:大丈夫よ。自分の力を試してみればいいじゃない。せっかくもらったチャンスなんだし。

なつ:うん… そだね。何か モモッチよ話してると 気が楽になるわ。

桃代:それで?

なつ:ん?

桃代:坂場さんとはうまくいきそう?

なつ:イッキュウさん?

桃代:イッキュウさん?

なつ:ほら 坂場一久って 坂場イッキュウとも読めるでしょ。

桃代:ああ ハハハ…。

なつ:う~ん… 何を言い出すか 分かんないから怖いけど でもこの人がいれば きっといい作品ができるって妙に安心すんの。

桃代:へえ~…。ねえ それってもしかして…好きになった?

なつ:えっ? 違うわ! そんな意味はないからね。

桃代:イッキュウさんのお父様って 大学教授らしいわよ。

なつ:ふ~ん そうなんだ。

桃代:結婚しても肩凝りそうじゃない?

なつ:うん…。本当 何にないからね!

桃代:ん?

なつ:ん?

桃代:フフフ ふ~ん…。

そして その晩のことでした。

●おでん屋「風車」

亜矢美:あ~ いらっしゃい! お一人?

坂場:はい。

亜矢美:じゃあね… ここ詰めて。

坂場:いえ あの… こちらに奥原なつさんは いらっしゃいますでしょうか?

亜矢美:なっちゃんの知り合い?

坂場:はい。同じ会社の坂場と申します。

亜矢美:じゃ なっちゃん呼ぶよ せ~の…。

一同:なっちゃ~ん!

客A:彼氏来てるよ!

客B:いい男だよ!

客C:早く 早く…!

なつ:はい 何ですか? あっ!

坂場:ちょっと相談があって ここに来ました。

なつ:はあ…。

坂場:おでん屋さんに下宿をしてると聞いたもので お邪魔しても差し支えないかと…。今 企画書を書いてるんです。

なつ:あっ いや あの ここじゃなんですから…。

●「風車」なつの部屋

なつ:どうぞ。

坂場:失礼します。

なつ:私も今 考えてたとこなんです。すぐに絵を描ける場所の方が話しやすいですから。あの…。

坂場:あっ… はい。

なつ:あっ… あっ 今 お茶でも…!

坂場:結構です。お構いなく。すぐにおいとましますから。

なつ:じゃ 座って下さい。適当に。

坂場:はい。

なつ:あっ…。

坂場:もしかして 子どもの頃に生き別れになったという妹さんですか?

なつ:はい… その妹が急に現れて まあ 事情があって会うことはできませんでした。そのかわり 手紙とこの絵を残してくれました。

坂場:妹さんも絵を描くんですか?

なつ:そうだったんです… 絵は私たちきょうだいにとって ヘンデルとグレーテルが落としていったパンだと ある人に言われました。

坂場:パン?

なつ:帰り道を残すための道しるべなんです。

坂場:それで「ヘンデルとグレーテル」をやろうと思ったんですね。

なつ:そうです。それで 相談したいことというのは?

坂場:ああ… あらすじです。

なつ:あらすじ?

坂場:はい。兄のヘンデルが魔女に食べられそうになっていて 魔女はおいしい食べ物をたくさんヘンデルに与え 太らせそうとします。それを妹のグレーテル手伝わされていて 最後に魔女をかまどに突き飛ばして 焼き殺します。ヘンデルを助けるために。それで いいんでしょうか?

なつ:そうなんです! 実は私も一番 そこが引っ掛かってるんです。そんな残酷な結末を 子どもに見せたくないんです。

坂場:それなら どうしますか?

なつ:例えば…。魔女を殺さずに逃げたらどうなるんでしょうか?

坂場:逃げる? きょうだいで逃げるわねですね 魔女の家から。

なつ:そうです。

坂場:それを 魔女が追ってきたら どうなりますか?逃げても逃げても追ってくる魔女… 魔女とは子どもたちの自由や未来を奪うような 社会の理不尽さみたいなものの象徴です。逃げても逃げても追ってくる 社会の理不尽… それとどう戦うか…。

なつ:あっ…。

坂場:すいません。今 君の話を聞いて確信しました。これは 君が作るべき作品です。

なつ:えっ…。

坂場:そのために 僕が必ずこの企画を通します。うん…。失礼します。

なつ:えっ? あっ ちょっと待って下さい…!

●感想
なつよ これは恋の始まりでもあるのかな? とウッチャンナレが入りそうなラストのシーン。

何を言い出すか分かんないから怖いけど、でもこの人がいれば、きっといい作品ができるって妙に安心すんの。

同僚としての安心感信頼感が、やがて男女のそれに変わるのか否か? 今週辺りに再び、なっちゃんの結婚相手について予想したいと思います。

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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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