なつぞら(87話7月10日)脚本家を立てずにアニメーターがストーリーも考える

なつぞら(87話7月10日)

坂場:妹さんも絵を描くんですか?

なつ:そうだったんです… 絵は私たち きょうだいにとって ヘンデルとグレーテルが落としていったパンだと ある人に言われました。

坂場:パン?

なつ:帰り道を残すための道しるべです。

坂場:これは 君が作るべき作品です。

なつ:えっ…。

坂場:そのために 僕が必ずこの企画を通します。

そして その企画は無事に通り なつが初めて原画を務める短編映画の製作が始まりました。

●東洋動画作画課

坂場:演出部の坂場です。え~ これは短編なので 長編とは違うやり方をしてもいいと思います。まず脚本を最初に作り それを皆さんが絵にするのではなく 脚本自体も皆さんと一緒に作っていきたいと思います。

茜:えっ それはつまり… どういうことですか?

坂場:まず キャラクターのイメージを膨らませ アニメーターの意志やアイデアによってストーリーやセリフも生み出していくということです。漫画映画では アニメーターが作家にもなり役者にもなる。そういうやり方がもっと試されてもいいはずなんです。どんなにありえない話でも 本当のように見せる力はアニメーターにしか発揮できないんです。

神地:面白い!

堀内:君 誰だっけ?

下山:新人君だよ。

神地:神地航也です。

下山:じゃ メンバーもそろったし やってみよっか… ね。ハハハ…。

坂場:よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

坂場君の提案により 脚本を作る前に アニメーターがキャラクターを描くことになりました。ヘンゼルとグレーテルをなつが 魔女をマコさんが担当しました。

●喫茶「リボン」

麻子:仲さんはどう思いますか? 脚本も作らずにいきなりイメージをアニメーターに描けと言われても… 脚本までは演出の方できちんと書いてもらわないと困ります。

仲:うん… 坂場君のやり方か…。まあ しかしこれは短編だからね そう珍しいやり方でもないと思うよ。この会社が出来て やっと日本でも長編が作られるようになったけど それまでの漫画映画は 脚本家に頼らず アニメーター主導で作ってた短編ばかりだからね。坂場君はその原点をやろうとしてるんじゃないかな。

麻子:原点ですか…? そうは感じませんけど。

仲:とにかく 僕は短編には口を挟まないからマコちゃんとなっちゃんが中心になって頑張ってよ。

麻子:仲さんはどうして 私と一緒に奥原さんを原画にしようと思ったんですか?

仲:不満?

麻子:不満はないです。彼女の能力は認めています。

仲:お互いにいい刺激になると思うんだ 君となっちゃんは。

●東洋動画作画課

なつ:すいません。あの これ描いてみたんですけど どうですか?

坂場:なるほど… 面白いです。

なつは坂場君と一緒にキャラクターから物語のイメージを膨らませていきました。

坂場:いいと思います。けど…。

なつ:けど?

そして なつが描いたイメージをもとにストーリー作りが始まりました。

坂場:これから ストーリーを皆さんと検討したいと思います。

茜:あの すみません。

坂場:はい。

茜:そのイメージボード まっすぐに張り直してもいいですか?

坂場:あ… どうぞ。すみません。

麻子:相変わらず不器用ね。

下山:え~ 親に捨てられて 森の中で迷い お菓子の家を見つけて 魔女に捕らえられる。ここまでは原作どおりだね。

坂場:はい。問題はここからなんです。ヘンゼルとグレーテルは魔女を殺さずに魔女から逃げ出したいんです。

下山:逃げる?

坂場:これは奥原さんのアイデアですが 魔女よりも もっと悪いやつがいたらどうかと。

堀内:魔女よりも悪いやつ?

茜:魔女が最終的な敵じゃないってこと?

なつ:はい そうです。

下山:つまり 影の本丸か。

なつ:魔女はその本丸に仕えているだけなんです。例えば 森の奥にこういう高い塔が建っていて そこにいたらどうかと。

下山:うん バベルの塔のように。

堀内:そこはお菓子の塔じゃないんだ。

なつ:はい。

下山:いや ちょ ちょ ちょ ちょ ちょ ちょ ちょい…。イッキュウさんが貼ったら それ ビサの斜塔みたいになっちゃう。やめて。

なつ:あっ… で その塔には 闇の世界を支配する悪魔がいるんです。

堀内:悪魔?

なつ:その悪魔の塔に 魔女は捕まえた子どもたちを 連れていかなくちゃならないんです。その途中でヘンゼルとグレーテルが逃げるんですよ。

茜:どうやって逃げるの?

なつ:鳥が助けるんです。

茜:鳥?

なつ:ほら 森に来る前に ヘンゼルはパンをちぎって落としていくじゃないですか。そのパンを食べた鳥たちが 今度はヘンゼルに恩返しをするんです。鳥たちが魔女を襲ってヘンゼルたちを逃がしてやるんですよ。

堀内:話を作り過ぎてないか? それじゃ もうグリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」ではないだろう。

神地:面白い! あっ 面白いと思います! 僕もやっとこの企画に乗れるような気がしてきました。

なつ:本当?

堀内:新人が生意気なこと言うなよ。

神地:遠慮なく意見を言えって言われたんで…。

坂場:いいですよ 何でも言って。

神地:あっ それから どうなるんですか? 鳥が助けたあとは。

茜:そう まさか そこで終わりじゃないわよね? あっ 悪魔がまだ出てきてないもの。

なつ:はい。あの ヘンゼルとグレーテルはそれで逃げるんですが 魔女が追ってきて また捕まっちゃうんです。例えば 妹のグレーテルが魔女に捕まって兄のヘンゼルが悪魔の塔に助けに行くんですよ。

神地:面白くない!

なつ:えっ?

神地:僕は 捕まるなら 兄のヘンゼルだと思います。それを妹のグレーテルが助けに行くんです。ずっと魔女の手伝いをさせられながら兄を助けようとしてきた。その思いを最後までいちずに貫かせてやるべきです!

なつ:なるほど…。

麻子:ちょっと。

なつ:えっ どうやって塔の上まで登るの?

神地:壁をよじ登ればいいと思います。あの絵だと 塔につたが絡まってるんでしょ? そのつたを よじ登っていくんです こうやって…。まなじりを決して登るグレーテル。

一同:おお…。

なつ:面白い!

茜:悪魔の目的って何なんだろう?

なつと神地:えっ?

下山:そりゅ もちろん 魔女に代わって 子どもたちを食べるんだろ?

なつ:普通に考えれば そですよね。

神地:あ~ もう それじゃ面白くない! オオカミはどうでしょう!?

なつ:オオカミ?

神地:悪魔は塔の上でオオカミを飼っているんですよ。ペットのように。そのオオカミの餌食として 魔女は子どもを太らせて連れてくるように命じられていたんです。

茜:怖い!

神地:闇のオオカミです。その前に差し出されるヘンゼル。

なつ:危機一髪 そこにグレーテルが助けに来た!

坂場:さしずめ そのオオカミは戦争 兵器の象徴といったところか…。

茜:で どうなるの? そこから2人はどうやって逃げるの?

なつ:どうしよう?

神地:魔女が裏切るんですよ。

なつ:えっ?

神地:魔女が悪魔を裏切ってグレーテルの味方になるんです!

なつ:すごい!面白い!

麻子:ねえ ちょっと待ってよ!これは短編なのよ!そんなに話 複雑にしてどうすんの!

堀内:ますます 何の話だか 分からなくなってきたな。

なつ:えっ でも 面白くないですか?

茜:私は 何となくですが 面白いと思いました。

麻子:面白いとか面白くないじゃなくて…。

神地:アクションの連続にすれば 時間は大丈夫ですよ。

麻子:1本も作ったことがない人が 何言ってんの!

神地:まあ そうですけどね…。

下山:とにかく 今日はもうこの辺にしとこう。あんまり時間もないけど…。

坂場:また 話し合いましょう。

下山:はい。

一同:はい…。

●喫茶「リボン」

なつ:すごいですね あの人。

下山:うん… 神地航也君か…。

なつ:新人とは思えません。

下山:まあ 生意気な新人はここじゃ珍しくないけど あそこまで物言う新人って珍しいかもね。

なつ:大学を出たばかりということは 私より年は1つ上ですか。

下山:研修期間の能力試験じゃ 1番の成績で動画になったらしいよ。

なつ:へえ…。

麻子:そんなことより これからどうするんですか?私も奥原さんも 初めて原画をやるアニメーターなのよ。坂場さんだって 演出するのはこれが初めてなんでしょ?きちんとした話もなくて どうやって作るの?

坂場:今更 脚本家を立てろと言うんですか? 未経験の我々だから 新しいものを生み出せる可能性だってあるんです。

なつ:マコさんは内容に不満なんですか?

麻子:私が不満なのは 自分が何を作ってるのか 分かんないってことよ。

下山:まあ 確かに アニメーターっていうのは 話を前に 絵を作る人間なわけであって 話を作る人間じゃないからね 普通は。

なつ:でも… 怖いけど その分 ワクワクもしてるんです。マコさんだって 童話をそのままやっても大した冒険にはならないって言ってたじゃないですか。

麻子:だから 話を作る才能も必要だってことを言ってるのよ。

店員:いらっしゃいませ。

下山:あれ 神地君!

神地:すいません ちょっといいでしょうか?

下山:えっ どうしたの?

神地:さっき話してたところを 僕なりに絵コンテにしてみたんですけど。

下山:絵コンテ?

神地:あっ… とはいっても 描いたことがないんで 絵コンテみたいなものですけどね。見てもらえますか?

坂場:是非 見せて下さい。

なつ:私も見たいです!

下山:はい はい…。えっ これ… 君が描いたの?

神地:言いっ放しもどうかと思ったんで。使えなかったら捨てて下さい。

坂場:この先は?魔女が裏切るところは描いてないんですか?

神地:あ… そこはまだです。実は その魔女のキャラクターが大好きなんです。怖いけど どこか滑稽で愛嬌があって。だから つい 味方にしたくなっちゃったんですよね。見てる子どもたちも喜ぶんじゃないかと思って。何か… あっ どうも すいません…。失礼しました。

なつ:よかったですね マコさん。

麻子:何が?

なつ:魔女のキャラクター マコさんが描いたんじゃないですか。マコさんの絵が神地さんを動かしたんですよ。

麻子:新人に褒められて喜んでる場合じゃないでしょ。

下山:うん… まあ でもこれからは神地君みたいな 絵も話も作るのが得意なアニメーターが現れても不思議じゃないよね。

坂場:そうですよ。これからの日本の漫画映画には いつ どんな才能が現れるか 分からないんです。

なつ:才能…。何だかますますワクワクしてきました。

なつよ その心の高ぶりは 一体 何だ?

●感想
パソコンのマウス不調により、かなり難儀した本日の文字お越し。誰がこのセリフを言ったのか、何度も録画動画を見ながらの作業で、お疲れモード半端なし。

ということで、これからPC屋に行ってきます。

それにしても、この短編動画の下り、お茶の間のおじちゃんおばちゃんの食指を動かす事が出来るのかどうか、一抹の不安があると書いて、明日も頑張ります。

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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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