なつぞら(91話7月15日)
●おでん屋「風車」
咲太郎:かんぱ~い!
一同:かんぱ~い!
咲太郎:なつ お前 いつからそんな飲めるようになったんだ?
なつ:喉渇いてたの。夕見。
夕見子:うん?
なつ:今日は私の部屋に泊まっていきなね。
夕見子:大丈夫。まだ帰れるしょや。みんなだって帰るんでしょ。
なつ:いいから泊まってって!
夕見子:うわっ…。もう酔っ払ってんの?
なつ:酔ってないわ。
咲太郎:そうしてやってよ 夕見子ちゃん なつが寂しがるから。
夕見子:なつは寂しがるんじゃなくて 心配したがるだけさ。
なつ:どういうことよ?本当に心配してんだからね。
夕見子:北海道の家族をだべさ。
なつ:えっ?
夕見子:私のことより北海道の家族のことが心配だから 私が望まないこともしようとするんだべさ。
なつ:そんなこと…。
麻子:何でも言い合える仲なのね。本当の姉妹みたい。
夕見子:私となつは本物以上だも。うそのない姉妹だもね なつ。
なつ:だったら なして うそつくのさ。
夕見子:何のこと?
なつ:今 どこで誰といるか言わないべさ。
夕見子:うそと隠し事は違うべさ。
なつ:どこが違うの…。
雪次郎:まあ まあ まあ いいべさ 今は。
レミ子:ほら なまってる!
雪次郎:あっ…。
咲太郎:そうやって油断しているから お前はいざという時に出るんだ。
雪次郎:すいません!
咲太郎:おう。
カスミ:ねえ 駆け落ちでもしてきたの?
なつ:えっ…。
夕見子:世間一般の目から見たら そういうことになりますかね。
なつ:はあ? 駆け落ち!?
茜:えっ 相手も大学生?
夕見子:はい。同じ大学です。
茜:ご両親に反対でもされてるの?
夕見子:そもそも 親には何も言ってないので 反対もお互いにないです。
麻子:だって 駆け落ちしたんでしょう?
夕見子:だから それは世間がそう見るかもしれないってだけのことです。
なつ:世間は関係ないでしょ 夕見のこと聞いてんの!
坂場:人は 世間とは関係なく生きられるものでしょうか?
なつ:は? お願いです 今 ちょっと黙っててもらえますか。
坂場:失礼。続けて下さい。
夕見子:世間と関係なく生きられないから 駆け落ちしたんです。
なつ:どうゆうこと?
夕見子:このまま北海道にいたらさ 親にも分かって 2人はどういう関係なんだとか結婚する気があるのかないのか 認めるとか認めないとか そうゆうことから自由になるためだわ。
坂場:なるほど。
夕見子:ね。
坂場:分かりました。
なつ:分からないで下さい! あの 私がついていけなくなりますから。
坂場:失礼。続けて下さい。
雪次郎:夕見子ちゃんはその男の人を愛しているのかい?
レミ子:棒読みになってるよ!
夕見子:愛って何さ? 雪次郎。
雪次郎:えっ 愛って… 何だべ?
レミ子:そこでなまんのかい!
夕見子:教えてあげる。愛って志よ。
雪次郎:こころざし?
夕見子:男の存在には愛を持てないけど この志だったら愛を持てる。
雪次郎:うん…。
夕見子:そう! ただ そこにその人がいるだけで好きなんて ありえないでしょ。
茜:そうかしら… それが愛なんじゃないかしら。
堀内:何だか すごく合理的な愛に聞こえるな。それじゃ… ねえ…。
夕見子:愛の不合理さを認めるから女は不幸になるんです!それは古い!
なつ:はあ~… 私には分かんないわ!新しくなったりとか 古くなったりとかしないから 愛なんじゃないの? ねえ 愛ってさ…。
咲太郎:おい 大丈夫か?
夕見子:大丈夫?
坂場:き… 君の愛って何ですか?
なつ:ごちゃごちゃ言うな!気持ち悪…。
カスミ:はあ~… 若いってすばらしいわね 亜矢美ちゃん。
亜矢美:愛を語れるだけ すばらしいわ。
カスミ:♪愛の言葉は眠らせないでね 夢と同じように消えやすいから
(戸が開く音)
夕見子:気分は? 大丈夫?
なつ:ねえ 夕見。
夕見子:うん?
なつ:私にも分かるように話してよ。
夕見子:何をさ?
なつ:どして 東京来たのか その人はどういう人なのか。
夕見子:その人は物書きを志してる。
なつ:物書きって 小説とか?
夕見子:小説に限らずよ。ジャズが好きだから ジャズの評論とかも大学の同人誌で書いてる。
なつ:その人も夕見のこと 本当に好きなの>
夕見子:男にだまされてるとか そんな心配いらないからね。なつも その人に会えば分かる。
なつ:だったら会わせてよ その人に。
夕見子:そのうちね…。さあ もう寝よ。布団一つ?
なつ:うん。
夕見子:ま いいか。
♪
夕見子:なつ…。
なつ:うん?
夕見子:迷惑かけて悪いね。
なつ:迷惑なんて思うはずないしょ。
夕見子:おやすみ。
なつ:おやすみ…。
♪
なつ:今日はどうすんのさ?
夕見子:とりあえず 仕事を探さないと。
なつ:こっちで探すの?
夕見子:働かないと どこにいたって暮らせないしょ。
咲太郎:大学には戻らないの?
夕見子:うん… それはまだ決めてないけど そうなったら そうなったで 別にいいと思ってる。
亜矢美:さすがに それはご両親にも言わないとね。お金 ずっと出してもらってんでしょ?
夕見子:そりゃ 自分で決めたら言いますよ。ごちそうさまでした。
亜矢美:あっ いいよいいよ… やるから。
夕見子:あっ すいません お邪魔しました。
なつ:えっ もう帰るの?
夕見子:さすがに 向こうも心配してると思うから。
亜矢美:ねえ とりあえずでいいんだったらさ うちで働かない?
夕見子:ん?
なつ:えっ?
亜矢美:そんな大層なお給料とか 出してあげられないんだけど そのかわり 好きな時間に自由に来てくれればいいから。昼間でもいいし。今 ここは咲太郎のプロダクションの事務所にもなってるし…ね。
咲太郎:あ… うん。電話番でもやってくれたら助かるよ。
夕見子:本当にいいいんですか?
亜矢美:うん。
夕見子:したら 仕事が見つかるまででもいいですか?
亜矢美:もちろん。
夕見子:したら よろしくお願いします。
亜矢美:ああ…お願いします。
夕見子:とりあえず また来ます。
亜矢美:うん うん…。待ってるね。
夕見子:ありがとうございました。
なつ:亜矢美さん お兄ちゃん 本当にいいの?
亜矢美:顔を見れれば ちょっとは安心できるでしょ?
なつ:それで…。
(戸が開く音)
亜矢美:は~い 気を付けて…。
なつ:ありがとうございます。
●東洋動画作画課
「ヘンゼルとグレーテル」は作画作業が始まっていました。
神地:あの なっちゃん。
なつ:えっ?
神地:これ 原画を描いてみたんですけど 見てもらえますか? あの マコさんもよかったら。
麻子:もちろん いいわよ。
なつ:分かった。
茜:よく描けてるように見えるけど。
なつ:はい…。でも どうでしょう。
♪
なつ:これで…。
茜:裏から見ても デッサンに狂いはないわね。
神地:それぐらいは常識でしょう。
堀内:奥原の初めの頃とは大違いだな。
なつ:はい…。わざわざ言います?それ。
堀内:すまん。
麻子:これでいいと思う。じゃ これ 自分で動画も描いてみる?
神地:はい! あっ 茜ちゃん 描いたら見てくれる?
茜:あ… うん もちろん。
神地:ありがとう。じゃ ありがとうございました。
茜:ちょっと なれなれしいけど 文句言えないわね それじゃ。
なつ:いきなり ちゃん付けですか…。
麻子:神地航也… 神っちと呼んであげましょう。
●東洋動画会議室
井戸原:いくら勉強のための短編だからってね いつか劇場公開されることを前提に作ってもらわなければ困るよ。
坂場:分かってます。
井戸原:じゃ この物語に社会風刺は入ってないと言うんだね?
坂場:もちろん そのために作ってるわけじゃありません。
井戸原:悪魔と美女… これはアメリカと日本の関係を表してるんじゃないだろうね?
坂場:見る側がどう受け止めるかは 自由じゃないでしょうか?
仲:もちろん 自由なんだけど 純粋に子どもが楽しめるものにしてほしいだけなんだよ。
坂場:その考え方は もう古いんじゃないでしょうか。
仲:古い?
下山:おい イッキュウさん…。
坂場:漫画映画は子どもが見るものだと決めつける考え方です。
●東洋動画作画課
麻子:ねえ 奥原さん。
なつ:はい?
麻子:あの子はどうした?
なつ:あの子? あっ 夕見のことですか? とりあえず 風車で働くことになりました。
麻子:あの子の考え方 私は間違ってないと思うわよ。
なつ:うん?
麻子:女にとっては 結婚も志でしょう。するか しないかも含めて 女は何を一番に考えるからで生き方が決まってしまうんだから。
なつ:仕事か結婚 どっちかを選ばなくちゃならないんですか?
麻子:どんな選び方をしても 人から責められることはないってことよ。
●おでん屋「風車」
亜矢美:お帰り。
夕見子:お帰り。
亜矢美:結構 降ってんね。
なつ:夕見… ただいま。
亜矢美:はい。
なつ:ありがとう。
夕見子:なつ 会わせてやったよ。
なつ:ん? えっ…!
なつよ じいちゃんがここに来るわけないだろう。けど 夕見子ちゃん そういう人が好きだったのね…。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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