なつぞら(92話7月16日)坂場「一生をかけてもあなたと作りたいんです」

NHK連続テレビ小説

なつぞら(92話7月16日)

●おでん屋「風車」

高山:どうも。高山昭治です。

なつ:初めまして… なつです。

亜矢美:なかなか かっこいいよね。

夕見子:だって 昭ちゃん じいちゃんのまねしてんだもんね。

なつ:えっ?

夕見子:私が写真見せたの。ほら 新聞社が撮った集合写真。したっけ この人 じいちゃんが気に入って ひげ生やしだしたんだわ。

なつ:じいちゃんのこと 気に入ってくれたんですか。

高山:開拓者の1世にしかない雰囲気がある。今ならジャズを聴きながらウイスキー片手にナッツでもつまんでいれば 似合いそうじゃないですか。

なつ:ふだんは まんじゅう食べながら お茶飲んでますけどね。

亜矢美:お帰り。

咲太郎:ただいま。

夕見子:お帰りなさい。

雪次郎:おっ 夕見子ちゃん 働いてんだって?

夕見子:うん。雪次郎も頑張ってっか?

雪次郎:おう。

咲太郎:どっかから電話あった?仕事の。

夕見子:全く。

咲太郎。そう。

なつ:お兄ちゃん…。

咲太郎:ん? お客さんか?

なつ:夕見の… 何て言うか あれ…。

雪次郎:ええっ 駆け落ちの相手か!?

なつ:バカ!

咲太郎:あんたもよく来てくれましたね。えっと…。

なつ:高山さん。

咲太郎:あっ 高山さんか。今 どこに住んでんの?

高山:言いませんよ。

咲太郎:お~ 警戒心が強いね。

高山:駆け落ち中ですから。

咲太郎:ハハハ…。

夕見子:その手には乗りませんもね。

亜矢美:レミちゃん いつものおでん?

レミ子:あっ お金が…。

亜矢美:出世払いでいいよ。

レミ子:じゃ 全部。

夕見子:その人は… 雪次郎の恋人?

雪次郎:えっ? 違うって。レミちゃんは咲太郎さんの恋人だ。

咲太郎:違うって。

レミ子:咲ちゃんなんて もういいわ。臆病だからとっくに飽きた。

咲太郎:あ~ よかった。

夕見子:したけど 雪次郎の同志なんでしょ?

雪次郎:同志? うん まあ そうだよ。

夕見子:私この人も同志なんだわ。

雪次郎:この人は… 東京で何したいの?

なつ:物書きだって。

雪次郎:物書き?

なつ:ジャズの評論だっけ…?

雪次郎:ジャズ?

亜矢美:ジャズお好きななら グレン・ミラーとか ペニー・グッドマンとか レコードあるよ。かけよっか?

高山:いえ 好きなのは モダンジャズなんで。

亜矢美:モダン?

高山:コルトレーンか ガーランドがあれな かけて下さい。

亜矢美:コッタラネージャー カワランド…?

高山:新宿は今や モダンジャスの街になりつつあります。それを知らなきゃ古いですよ。

なつ:ちょっと 古いって どういうことですか?

亜矢美:いや… 本当 古いで~す。はい ムーランの生き残り…。

なつ:人それぞれ 大事にしているものがあるのは当たり前じゃないですか。それを人に古いと言われるのはおかしいよ。

高山:君はそれでも映画を作ってる人?

なつ:は?

高山:音楽も映画も 時代によって変わっていくのは当然のことだべさ。それに気付かず 古いものに固執することを古いと言って何が悪いんだ? したけどダメとは言ってない。君の言うとおり 人それぞれだからね。やっぱり いつものジャズ喫茶で待ってるよ。

夕見子:あっ うん 後で行く。ここは払っとくから。

亜矢美:あっ これ持ってけば?

なつ:えっ ごめん 何か怒らせた?

雪次郎:いや なっちゃんが怒るのも当然だわ。あの人の言ってることは分からんでもねえが 言い方ってもんがあるべ。

レミ子:あんたも言い方なまってるよ!

夕見子:あの人 ある金持ちの跡継ぎでね 親の決めたいいなずけまでいるの。

亜矢美:それで卒業前に2人で逃げてきた?

夕見子:逃げたというより しがらみの外へ踏み出したと言って下さい。

●東洋動画作画課

下山:おはよう。

社員:おはようございます。

下山:おはよう。

一同:おはようございます。

下山:あっ おはよう。みんな 早いね。あっ 今日から僕も原画を描かせてもらうよ。

なつ:えっ 手伝ってくれるんですか?

麻子:どうしてですか?

下山:そんな 時間もないしさ… とにかく この短編映画は成功させないと。

なつ:どうかしたんですか?

下山:いや… 子どもが純粋に楽しめるような面白アクション満載の「ヘンゼルとグレーテル」にしようと思って…。いいよね? いいよね? それで… ね。

なつ:はい…。

麻子:何があったんですか?

下山:イッキュウさんが ちょっとね…。

(回想)

坂場:その考え方はもう古いんじゃないでしょうか。

仲:古い?

下山:おい ちょっと イッキュウさん…。

坂場:漫画映画は子どもが見るものだと決めつける考え方です。これからの漫画映画は大人のためにも作るべきだと思います。

仲:僕はそう思わない。漫画映画は あくまで子どものために作るべきだと思うよ。

坂場:それじゃ その子どもが大人になったらどうなりますか?同じ漫画映画を見て 懐かしいと思うほかに 改めて面白いと感じることはあるでしょうか?

仲:あると思うな。子どもの時に面白いと感じたなら その感性は大人になっても必ず残ってるはずだよ。そうやって夢や希望を残してやることが漫画映画の使命なんじゃないかな。

坂場:おもちゃとしての夢なら それでもいいでしょう。

井戸原:おもちゃ?

坂場:子どもの頃には分からなかったことが 大人になって初めて分かることもある。そういう漫画映画が生まれなければ 子どものおもちゃとして いずれは廃れていくだけじゃないでしょうか。

仲:廃れる…?

坂場:僕は漫画映画をほかの映画と比べても遜色ないくらい いや それ以上に作品としての質を高めていかなければ未来に残らないと思うんです。

仲:分かったよ 坂場君。だけどね たとえ そこにどんな意味があろうと 純粋にに子どもが楽しめる漫画映画にしてくれるんだろうね?それができなければ いくら高い理想を掲げたって つまらない漫画映画だと言われるだけだよ。

坂場:それは…。

井戸原:それができなければ 君は失格だ。

坂場:はい…。

(回想終わり)

下山:まあ でも つまらないものにはしたくないだろ。

茜:えっ そのために私たちが頑張るんですか?イッキュウさんを助けるためにですか?

堀内:何だか やる気がうせるよな。

しもやま:いや… イッキュウさんのためじゃないよ。作品のためだ。それに僕は どうしてもマコちゃんとなっちゃんに原画で成功してほしいんだ。 これは そのための短編映画なんだから。

神地:おはようございま~す。ん? あれっ どうかしたんですか?

下山:遅刻だよ 少し。

神地:すいません…。でも 徹夜して これだけ原画を描いてきたんです。あっ 面白いかどうか 見てもらっていいですか?

茜:神のようなタイミング…。

神地:えっ?

●東洋動画・中庭

なつ:どうして 仲さんにそんなこと言ったんですか?

坂場:話の流れで つい言っただけです。言うつもりではなかった。

なつ:それじゃ 本気で言ったわけじゃない ということですか?

坂場:いえ うそを言ったつもりもないです。

なつ:仲さんの作る漫画映画が古いなんて よくも…。どうして そんなことが言えるんですか!

坂場:作るものではなくて 考え方が古いと言っただけです。

なつ:同じじゃないですか!

坂場:まあ… そうですね。

なつ:は?

坂場:あなたが怒るのはどうしてですか?

なつ:えっ?

坂場:仲さんを尊敬しているからですか?

なつ:もちろんです。そのとおりです。

坂場:仲さんが描くものはすばらしいです。面白いし かわいい。子どもの心を捉えるし 大人が見てもかわいい。

なつ:あなたにも かわいいと感じる心があるんですね。

坂場:かわいいものは大好きです。

なつ:真剣な顔で言わないで下さい。

坂場:しかし 子どもは かわいいと感じるだけじゃない。面白いと思うだけでもない。もっと いろんな感情を世界から受け取って生きているんです。

なつ:それは もちろんです…。

坂場:僕も子どもの頃 空襲に遭いました。焼け跡を一人で家族を捜して歩き回りました。幸い 親も生きていましたが あの孤独と飢え死にしそうな絶望感を忘れることはありません。大人の冷たさを 子どもの卑しさを 嫌というほど見せつけられました。でも反対に見知らぬ人の愛も知ったんじゃないですか?そういう子どもの時の体験が 今の僕やあなたを作っているんです…。違いますか?

なつ:だから 何だと言うんですか?

坂場:だから…。仲さんたちとは違うものを作るのは 僕らの使命なんです。

●喫茶「リボン」

麻子:仲さん この作品だけは 何があっても最後までやらせて下さい。お願いします。

仲:何か 勘違いしてるよ。僕は君たちの邪魔をする気はないんだから。

麻子:みんなで決めたとおりに作らせて下さい。

仲:それも分かってるよ。だけど 君もあの坂場君に随分影響受けてるみたいだね。

麻子:初めは 私も疑ってました。坂場さんと奥原さんの熱意は本物です。あの2人はずっと先に向かって アニメーションのことを考えてるんです。

仲:君がそこまで思うなんて…。

麻子:イッキュウさんは ともかくとして… 奥原さん… なっちゃんのことを最初に認めたのは仲さんじゃないですか。

●東洋動画・中庭

坂場:僕はもっと あなたには仲さんたちとは違うアニメーターになってもらいたい。

なつ:どんなアニメーターですか?

坂場:世界の表も裏も描けるような 現実を超えた現実を見せられる それを丸ごと 子どもたちに体験させることのできるようなアニメーターです。僕もそういう演出家になりたいと思っています。一緒に作ってほしいんです。

なつ:一緒に…。

坂場:一生をかけても あなたと作りたいんです。

なつよ 古い人間の私は 腰が抜けたぞ。

●感想
古い考え方を巡って、夕見子&高山 VS その家族、坂場 VS 仲&井戸原 という構図が出来上がり、うまい演出だわと納得。

で、その最中に坂場がなっちゃんにプロポーズもどきの言葉で、そろそろなっちゃんの結婚相手の予想を別途追記したいと思います。

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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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