なつぞら(99話7月24日)
●劇団「赤い星座」稽古場
虻田:我々と一緒に新しい劇団を創らないか! 小畑雪次郎!
雪次郎:蘭子さんと共演することが 亀山欄所という女優と共演することが夢で そのためにここにいます。だから 今は辞めるわけにはいきません。
●雪次郎のアパート部屋
なつ:それで?
雪次郎:分かってもらえたよ。
なつ:そう… なら いかったでない。
レミ子:だったら 雪次郎は夢をかなえたんだね?
雪次郎:ああ…。
なつ:レミさんは このまま劇団に残るんですか?
レミ子:私は何があっても雪次郎と廉子さんの味方だから。「かもめ」ではセリフもない小間使いの役でもね。トレープレフ 頑張れよ。
なつ:うん そうだね。こうなったら 心を決めて頑張るしかないっしょ。雪次郎君 頑張って! 楽しみにしてるから。
雪次郎:うん 分かった。ありがとう なっちゃんもレミちゃんも。
なつ:私も頑張るわ。今度 テレビを作るんだけど。
レミ子:テレビ?
なつ:そう。テレビでアニメーションやるの。
レミ子:「鉄腕アトム」みたいな?
なつ:そう! 見てるんですか?
レミ子:当たり前よ。いつ 声で呼ばれるか分からないもん。というより呼ばれたい!なっちゃんのにも呼んでよ!
なつ:いや まあ… まだそこまでは何も決まってませんから。
雪次郎:なっちゃんもテレビをやるのかい。
なつ:そう。でも映画と違ってテレビの作り方 よく分かってないんだわ。だから頑張る。
雪次郎:頑張れよ なっちゃん。
なつ:頑張るよ。
雪次郎:じゃ 飲むか 景気付けに。
レミ子:おっ いいね。
3人:頑張る 乾杯!
●劇団「赤い星座」稽古場
雪次郎:「本物の天才か!」
残った劇団員で稽古が始まりました。
雪次郎:「あんた方の誰よりも上なんだ!」
蘭子:「デカダン!」
演目はチェーホフの「かもめ」。雪次郎君と蘭子さんは親子を演じます。
蘭子:ちょ… ちょっと待って! ちょっと止めてちょうだい。
福島:はい ちょっと止めようか。
蘭子:あなたね 無駄な動きが多いのよ。
雪次郎:はい すいません…。
蘭子:自分を見せようとせずに ちゃんとトレープレフがここにいるっていうことを演じなさい。
雪次郎:はい 分かりました!
●東洋動画テレビ班
一方 テレビ漫画「百獣の王子サム」は絵コンテも出来上がり 作画作業が始まりました。なつは サムが駆け抜けるカットの原画を描いています。
猿渡:あ… そこはそんなに丁寧に描かなくていいんだよ。
なつ:えっ? 普通に描いてるだけですけど。
猿渡:速く走り去るんでしょ? ちょっといい? そういう時は…。これでいいんだよ。
なつ:えっ これで?
茜:あの それって 動画は どうやって描けばいいんですか?
猿渡:この流線だけ動かせばいいの。3枚くらい使って フレームアウトさせれば サッと走り去ったように見えるでしょ。
2人:ええ~っ!
●劇団「赤い星座」稽古場
雪次郎:「断じて認めないぞ! あんたも あいつも!」
蘭子:「デカダン! 私のかわいい子 堪忍しておくれ。不幸せな私を許しておくれ」
雪次郎:「僕の気持ちがお母さんにも分かってもらえたらな!僕はもう書き気がしない…。希望も みんな…」
蘭子:ダメ! 全くダメ!
雪次郎:はい… もう一回お願いします!
蘭子:もういいわ 少し休みましょう。
雪次郎:すいません…。
蘭子:あなた 覚えてる?
雪次郎:えっ?
蘭子:あなたが初めて私の芝居を見に来てくれた時のこと。
雪次郎:はい… もちろんです。「人形の家」でした。
蘭子:あの時 あなたが私に言ったこと。
雪次郎:えっ…。
蘭子:私の芝居にアマチュア精神を感じると言ったのよ。
雪次郎:あっ…。
蘭子:それはどうして?
雪次郎:あ… それは高校の時 演劇部の顧問だった倉田先生によく言われていたからです。アマチュア精神を忘れたような芝居をするなって。役者としてうまくやろうとするな かっこつけるな 普通の人間としてしゃべれって…。本物の役者こそ まさにそういうもんだと思ったからです。蘭子さんを見て。
蘭子:私も言われたのよ。最初にお芝居を教えてくれた大先輩に。新劇で一番大事なものはアマチュア精神だって。こんなふうに その人はいつまでも私につきあって徹底的に教えてくれたの。
雪次郎:男の先輩ですか?
蘭子:もう… 死んだけどね。戦争が激しくなって 私は疎開したけど その人は移動演劇隊に入って…昭和20年8月6日に広島にいて…。
雪次郎:蘭子さんはその人のことを…。
蘭子:あの人と同じ言葉を言ったあなたには あの人の分も生きて演じてほしいのよ。頑張ってほしいの これからも。
雪次郎:分かりました。
蘭子:それじゃ もう一回やりましょう。
雪次郎:はい。
●東洋動画テレビ班
坂場:サムは動かず 顔も固まったまま 潤んだ涙だけが動くのか…。
猿渡:動かすのは涙だけでいいってことね。
なつ:動かすところは動かして 動かさないところも個性として考える そうやってキャラクターを作っていくしかないと思うけど。
坂場:なるほど…。単純な動きでも 登場人物の気持ちは伝わるもんなのかもしれないな…。
茜:そりゃ 止まった絵の漫画だって 気持ちは伝わるんだもの。
なつ:そうですよね。
坂場:いや… 形式じゃなく意識の問題だよ。
なつ:意識?
坂場:登場人物の個性に合わせて 動きにメリハリをつけてゆく意識を持てば省略された動きでも生き生きと見せることができるということです。ほら 日本人の感覚にある歌舞伎の演技のように!形式は違ってもそうやって登場人物を演じるという能力こそが うちのアニメーターが培ってきた強みじゃないでしょうか。
なつ:強み?
坂場:君の力です。動きは抑えてもアニメーターの感情を抑えることはないんですよ。表現として妥協することはないんです。くさらずにやって下さい。
なつ:私は全然 くさってませんけど…。でも… 分かりました!
猿渡:まあ そうやってこだわると残業が続くだけなんだけどね。
荒井:ほ~い… うどん作ったから食うてや!
茜:わあ 荒井さん 最高! 行こう 行こう!
なつが前進すれば 雪次郎君もまた…。
●劇団「赤い星座」稽古場
蘭子:「意気地なし!不幸せな私を許しておくれ」
雪次郎:「僕の気持ちがお母さんにも分かってもらえたらな」「人生は僕にとって耐え難いものになった。苦しみだあるだけだ、若さが急に摘み取られて90年も生きてきたような気がする」「僕は君の名を呼んだり君の歩いた地面に接吻したりしている。どこを見ても君の顔が見える」
●東洋動画テレビ班
なつ:さあ 来やがれ! 来やがれ…。
こうして時を重ね 雪次郎君の舞台が初日を迎えました。
●舞台「かもめ」観客席
なつ:休みの日にわざわざ すいませんね。
坂場:あなたのためではありません。亀山蘭子の芝居は見逃せないでしょう。
茜:雪次郎君の晴れ舞台も見逃せないわよね。
なつ:はい。
光子:こんにちは。
咲太郎:おっ あんたも来たのか。
亜矢美:こんにちは。お久しぶりです。
光子:ご無沙汰しております。
咲太郎:忙しいのに よく来てくれましたね。
光子:そりゃ 北海道のご家族に代わって私には見届ける責任がありますからね。
咲太郎:雪次郎にとっては新宿の母だからな。
光子:母じゃないわよ。
咲太郎:母みたいなもんでしょう。
光子:母は そちらの方でしょう。
亜矢美:いや 私は友達。
咲太郎:俺は社長。
光子:私は…。
なつ:マダム! マダム!
光子:あっ…。
なつよ 雪次郎君の成長を見届けろよ。
●感想
実は昨日、「なつぞら」最終回までのあらすじを知ってしまいました。現在、テレビ漫画の件でどよ~んとしていますが、残り2ヶ月で怒涛の展開が待っており、ものすごいぞと。
で、一つ、ネタバレを。最終回、泰樹じいちゃんが生きております!奇跡の90歳超えということで来年の今日は東京オリンピックの開会式。
それまでちゃんと生きていたいと願う7月24日です。
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●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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