朝ドラ「スカーレット」第11話、昭和28年(1953)2月も半ば過ぎ、丸熊陶業から就職の内定を反故にされ、途方に暮れる喜美子。
しかし、常治が早くも新しい就職口を見つけてきて「大阪で働け。春からお前は大阪や」と。
で、ここからが大事な情報です。常治が若者兄弟を雇うことになりますが、この兄弟が後々、やらかします。谷中のおやっさんの紹介ということで信用しきった常治父ちゃんの運命はいかに!?
この話は第4週あたりで描かれると思いますが、まずはその前に台風19号に備えましょう!
「スカーレット」11話10月11日
喜美子:ア~ハハッ ハハッ! うわ~! 止まらへ~ん!
信作:止めろや…。
喜美子:何 これ 楽しい~!
昭和28年。喜美子 15歳になりました。
昭和28年(1953)2月
喜美子:おもろいなあ 自転車。楽しいなあ。
信作:これで高校通え言われた。伊賀のおばあちゃん買うてくれた。
喜美子:高校歩いてすぐやんけ。
信作:俺 高校行きたないねん。
喜美子:また辛気くさいこと。見ろ うちの絵を! 寺岡先生が絵画展に出してくれやった。今年はついに金賞や! これ見て元気出せ。
信作:学校飾ったったやんけ 目ぇが腐るほど見たわ。
喜美子:ハハッ。何で高校嫌や? 勉強嫌いか?
信作:勉強好きなやついる?
喜美子:うち 勉強好きやで。でも働くのも好きや。
信作:ええなあ 俺も働きたい。
喜美子:今年は進学する子の方が多いで。
信作:ほやけど 高校には怖い先輩いるいう うわさやし…。
喜美子:照子に守ってもらえ 頑張れや!
信作:俺も喜美子みたいに働きたい。
喜美子:まだ続くんけ?
喜美子は中学を卒業したら 照子のお父さんが経営する丸熊陶業で働く予定です。今日はそのご挨拶です。
●丸熊陶業
喜美子:お世話になります。
照子:遅い~!
喜美子:髪の毛 きちんとせえ お母ちゃんに言われてん。
照子:態度がきちんとしてへんもん 髪だけきちんとしてもあかんで。
喜美子:態度きちんとするで。
照子:ほな やってみぃ?
喜美子:照子お嬢さん 行ってらっしゃいませ。
照子:「今日もかわいいなあ」言うてくれる?
喜美子:そんなん勤務内容に含まれへんわ。どこや?
照子:うちの陶工さん みんな言うてくれるで。
喜美子:これからは うちのこと見て言うかもな。
照子:「かわいいなあ 喜美ちゃん」言われても お世辞やで。
喜美子:「かわいいなあ 照ちゃん」も お世辞やで。
照子:ほんまか!
喜美子:ほんまや!
(笑い声)
西牟田:照子さん。
照子:あっ 西牟田さん。
喜美子:こんにちは。
照子:ほな よろしく。
喜美子:よろしくお願いします。
西牟田:行きましょか。足元 気ぃ付けて。
喜美子:はい。
このころ 日本の火鉢のほとんどが信楽で作られていました。丸熊陶業はその信楽の中でも一二を争う会社です。
秀男:せっかく来てもろたんやけどな この話はなかったことにしてもらいたい。
喜美子:えっ?
秀男:照子の頼みやし よう知ってる喜美ちゃんやしな 働いてもらおう思うたんは確かや。人もおった方が助かる。ほやけど… 喜美ちゃんに厳しいんちゃうけ?
喜美子:厳しくてもかまへん。うち 一生懸命働きます!
秀男:いや… 男ばっかりの職場に 15歳の女の子を受け入れるやなんて そもそも わしの考えが甘かったでよ…。「そんなん困ります」いう… これはみんなの意見なんや。
西牟田:すんません。
秀男:改めておわびに伺うわ。学校にも出向いて ほかにええ就職口探してもらうよう 頼むでよ。ほんま 申し訳ない。堪忍や 喜美ちゃん。
♪
喜美子:ありがとうございました。
信楽のような小さな町では 新たな就職口がすぐに見つかるとは思えません。ましてや2月の半ば過ぎての この時期です。
●川原家
直子:こう こう こう こう こう こう こう こう こう! どうや! うまいやろ。難しいで。
百合子:ほんま?
直子:できる? 百合子は無理やろ。
百合子:ヘヘヘヘッ。 あっ 喜美子姉ちゃん お帰りなさい。
直子:お帰り。
喜美子:ただいま。外で遊んでたんやな?
直子:うん。人 来てるさかい 表で百合子と遊んどき言われた。
♪
常治:博之君な ほな 4月から来てもらおか。
保:よろしくお願いします。ほら。
博之:あ… よろしくお願いします。
マツ:お弁当 どないしましょ。ご両親いたはれへんのやったら おばあちゃんが? いや毎日作って持たすの大変でしょ?
保:僕がやりますんで!
谷中:お兄ちゃんも偉いでの 勤めてた工場が閉鎖されて 次の働き口 必死に探してるとこや。
マツ:あら~。
常治:よっしゃ。ほな うちで雇うたろう。
マツ:え…。
常治:ええから ええから…。
谷中:2人とも?
常治:おやっさんの紹介やったら 間違いおまへんやろ?
谷中:う~ん そりゃまあ わしの眼鏡にかなった子やさけ…。
常治:力仕事やし 男手は多いにこしたことおまへん。これから どんどん商売拡げていく算段してまっさかい。
谷中:ほやけど… お給金2人分やど?
常治:娘が春から丸熊陶業なんですわ。
谷中:ええ!?
マツ:おかげさまで。
谷中:丸熊陶業なら安泰やじょ。生活助かるの!
マツ:娘の稼ぎを当てにするようで あれですけど…。
常治:当てにするわ もう15やで。
谷中:ほな 雇ってもらいなさい。
保:ほんまに ええんですか?
常治:ああ 任せとけ。
保:ありがとうございます!
常治:おう!
保:おばあちゃん! もう くず拾い 行かんでええで!
喜美子:くず拾い…。
常治:何や おったんか。
マツ:お帰り。
喜美子:ただいま。あの…。
保:お嬢さんですか?
常治:喜美子や。
保:喜美子お嬢さん お変えなさい。お世話になります。おい!
博之:あ… お世話になります。
保:おばあちゃん。
祖母:ありがとうございます。
常治:ああ いいえ…。
●居酒屋「あかまつ」
常治:丸熊陶業 月給1万!? あんな15の小娘に1万も出すかいな ほんな…。
大野:いやいやいや 丸熊陶業やったら 若いもんにもそんぐらいは。
常治:も… もろてんのん?
大野:よかったですな!
常治:あ そう…。
(笑い声)
常治:飲んで。
大野:よろしいか?
常治:飲んで 飲んで。
大野:もう1本! お代わり頂戴 お代わり。
常治:どんどん どんどん持ってきて。
大野:頂きます。
常治:丸熊陶業様々やな。あ そう。
大野:あ~ めでたい酒は…。
2人;うまい! アハハハ…。
●川原家
マツ:せや どうやった> 丸熊陶業にご挨拶に行ったん? お母ちゃんからも 照ちゃんのお父さんに 改めてきちんとお礼言わなあかんな。
喜美子:お母ちゃん それやけどな…。
母親たち:こんばんは~!
マツ:来た!
喜美子:え?
陽子:こんばんは!
マツ:ほんま すんません。
陽子:持ってきたで~。
お邪魔します。
♪
妙子:あ… これは?
陽子:あ~ ええなぁ。それもええけど これもええんちゃう?
一同:わあ~!
久恵:ほな 下はこれやの。
喜美子:あの これ…。
マツ:あんたのブラウスとスカート 作ってくれはるん。
喜美子:えっ!?
陽子:ブラウス担当と スカート担当に手分けしてな。
喜美子:え~! うそやん!
陽子:これで ええんちゃう? こ…こう。こんな感じ!
喜美子:え~! こんなええ布 こんなきれいな色? うそ! ええんけ?
陽子:よう似合ってるやん! これで決まりや!
直子:ええなぁ。
妙子:ほな ちょっと測らせてな?
喜美子:え… ほやけど… ほやけど これ…。
久恵:なあ もうちょっと 短くてもええんちゃう?ほら。
百合子:ええなぁ?
マツ:うん。
喜美子:ほやけど これ 何で?
陽子:何でて 喜美ちゃんの就職祝に決まってるやろう!
マツ:ありがたいね。
陽子:中学でて働くやなんて 頑張り屋さんや 喜美ちゃんは。就職 おめでとう。
母親たち:おめでとう。
陽子:ブラウスとスカートが完成したら 丸熊陶業に着ていってや?
久恵:着てってなあ。
妙子:着てってなあ。
(泣き声)
マツ:そんな… そんな うれしいの?
陽子:うれしいんや! うれしいんやね!
(泣き声)
●居酒屋「あかまつ」
常治:ああ そうですか。就職話 のうなりましたか。
西牟田:ほんまに申し訳ありません。
常治:いや~ そっちの状況もよう分かります。あんな小娘やしね 話なくなるんちゃうかいいうて さっき言うとったとこです。なっ。はあ… そうですか…。
この日から 父はしばらく帰って来ませんでした。
●川原家
マツ:どうも ご丁寧に。
秀男:こちらこそ お役に立てずに。ほな 失礼します。
喜美子:洗濯もんしてくるわ。
丸熊陶業からは おわびにと お酒やら何なら たくさんの品が届きました。
直子:わあ! キャラメルぎょうさん入ってるで!
百合子:ほんまや。お金要らんの? なあ お金払わんでええの?
直子:百合子のこれ。うちのこれ。ヘヘッ。
♪
照子:こんな下着はいてんのけ?
喜美子:うちのちゃうわ。
照子:あ…カツ子おばあちゃんのけ。洗濯代わりにやったお金もろってんの まだやってたんやな。なんぼ もらうのん?
喜美子:もう謝りに来んでええよ。
照子:謝りに うちがわざわざ来るわけないやん。ちょっと待てるか聞きに来てん。時間かけて説得するさかい 待てるけ?
喜美子:うちが働けるように?
照子:そや。みんなを説得してあげてもええよ? まっ いつになるか分からへんけど。
喜美子:お父ちゃん いいひんさけ 今 何とも言えへん。
照子:ほかに働き口 信楽にはないで?
喜美子:分かってるわ。
照子:ほな 待っとき。
それから数日後。
マツ:喜美子。お父ちゃんが…。
喜美子:お帰り。
常治:詰めが甘かったな。
喜美子:つめ?
常治:丸熊陶業のことや。
喜美子:就職話 なくなってしもうて すみません。
常治:口約束やったら あかんっちゅうこっちゃ。今度のとこは 一筆書いてきてもろた。
マツ:働き口 見つけてきてくれた。
喜美子:そうなん?
常治:荒木商事いう。
喜美子:荒木商事。よう そんな会社 見つ…。大阪?
常治:そや。大阪で働け。春からお前は大阪や。
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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