朝ドラ「スカーレット」第12話、大阪に働きに行くことになった喜美子15歳の春。
喜美子:ここにいたい! ずっと信楽にいたい! お父ちゃんとお母ちゃんと… みんなと…。みんなとここで暮らしたい!
常治:タヌキの道の先 ず~っと行ったらな 左に折れて またず~っとず~っと 登っていくんや。行ったことあるか? 細い道行ったらな 急にパアッと開けるんや。そこから見える夕日がきれいや。よう見とけ。大阪行ったら もう見られへんで。
15の娘が行きたくないと泣いているのに、この父ちゃんは…。やはり男は甲斐性あってこそと書いて、この週末は台風に備えましょう。
スカーレット(12話10月12日)セリフ
●川原家
喜美子:大阪?
常治:そや。大阪で働け。晴から お前は大阪や。
喜美子:分かった ほな 行くわ。
マツ:喜美子…。
喜美子:大阪 働きに行きます。
(翌朝)
常治:人生にはな どうしても人に頭下げなならん そういう局面が3回はある。
喜美子:お父ちゃん しょっちゅうやん。
常治:やかましいわ アホ。ええか 床なめるほど顔近づけて 腹の底から声絞り出して「お願いします」言うてお願いする。そういうのがな 人生には3回ある。その1回が これや。
喜美子:床なめてきたん?
常治:苦い味したんでえ もう。
喜美子:ほんま?
常治:ハハハッ。
喜美子:うそか~。お父ちゃんの口 半分はうそでできてんな。
常治:社長の名前 見たか? 荒木さだ いう女や。いとこや。
喜美子:いとこ!? そんなんいたん 大阪に? お父ちゃんの?
常治:せやから そう心配はいらん。悪いようにはならん。
喜美子:そうか。
常治:直子も百合子も 喜美子おらんようになったら家の仕事 ちゃんとせな あかんで?
2人:はい。
喜美子:大丈夫け?
常治:返事!
2人:はい!
喜美子:お給料もろたら送るしな。何か欲しいもんあるけ?
直子:ほな テレビジョン。
喜美子:テレビジョン!?
百合子:うちも欲しい! テレビジョンが欲しい!
喜美子:何年かかるか分からへんで?
直子:はよしてや? うちも頑張るし!
百合子:頑張る!
喜美子:分かった。ほな みんなで頑張ろう。
常治:えらい ごっつい頼みやな もう~。
翌日 喜美子の担任の寺岡先生が訪ねてきました。
常治:ほう 金賞。
寺岡:金賞取ったこと 言うてなかったん?我が校では川原さんだけです。絵だけやない 勉強もようできます。特に数学な? 今 信楽では上の学校に進みたい子を支援しよういう動きがあるんや。川原さんは優秀やから上の学校に進むというのはどうやろ?先生 それやったらなんとかしてあげられるで?タダで高校行けるかもしれません。
常治:女には学問は必要ありませんわ。
寺岡:ほやけど…。
常治:うちの状態がどうか ちいちゃい頃からよう計算してきたからです。春からうちは 若い男の子を2人運送で雇う その給料がなんぼなんぼ… 妹が2人おって 家族の生活がなんぼかかる。瞬時にいろいろ分かっとるんです。働きへんかったら食べていけんいうこと。恥じさらけ出すようなこと言うて情けないですけど…。
寺岡:あ… いえ!余計なこと言うて こっちの方が…。
常治:大阪行って仕送りする。この子にはそれ以外の道はありません。
そうして喜美子は中学を卒業する日を迎えました。
●卒業式の帰り道
信作:…で いつ行くんけ?
喜美子:帰ったら準備せな。
信作:急やの。
喜美子:会えんくなると思うと寂しいわ タヌキ。
信作:タヌキかい!
喜美子:辛気くさい話 聞かんで済むんはうれしいわ~。
信作:うれしいんかい。
照子:喜美子!
喜美子:何や?
照子:いた~! 喜美子!何で勝手に帰るん!?卒業式の余韻も何もないやんけ。
喜美子:うち忙しいさかい 言うたやろ。
照子:大阪行く話やったら 聞かへんで!約束したやろ!? うちで働けるよう 丸熊陶業のみんなを説得してあがるて!
喜美子:約束はしてへんわ。
照子:行くなら うちを倒してから行け。
喜美子:何で?
照子:うちは 婦人警官 辞めた。夢やったけど「諦めろ」言われた!
喜美子:何の話や。
照子:「丸熊陶業継げ」言われてる。お兄ちゃんが亡くなっかたら うちが継がんとあかんて。うちは一生 信楽や! 行くなら うちを倒してから行きなさい。
喜美子:信先 走って持ってきて。
信作:はっ?
喜美子:柔道着2着 道場にな。あいつ倒したるわ。
照子:ん!
●柔道場
照子:来い!
喜美子:「礼に始まり礼に終わる」。習うたやろ。礼!
照子:来い!
喜美子:柔道着 届くまで待たんか。
照子:ん~ もう じれったいの~。
喜美子:草間流柔道は学校の制服着たまま やるもんやない…。これ 柔道ちゃうやろ…。放せ。
照子:嫌や。
喜美子:ちょう… もう… ええ加減にせえ! しゃあない 来い。
照子:よ~し 来い!
信作:あれ? ほれ…。
喜美子:とやあ~!
♪
信作:ああ…。
喜美子:アッハッハッハ…。
信作:い… 息できひん…。
喜美子:アッハッハ 新聞紙 詰めたった。
信作:鼻血か…。
喜美子:出てへん。
信作:出てへんのかい!
喜美子:アハハハハ…。
照子:はあ…。中学も終わりや。うち性格悪いさけ 友達できひんかった。
喜美子:ハハハハ。
照子:高校行っても できひんわ。あんた いいひんと困る。あんた いいひん信楽は想像できひん…。大阪…行ったらあかん。信楽 捨てるんけ? 大阪行ったらあかん。許さへん! 一生許さへんで!
喜美子:照子… そんなんやから友達できへんのやで?
(泣き声)
喜美子:ヘヘヘヘッ アハハハハッ。
(泣き声)
喜美子:ハハハハッ さようなら~ 照子~。
照子:そんなん聞きたない~!
喜美子:元気でな~。あんたのこと忘れへんで~。
照子:言うな~!
(笑い声)
●川原家
喜美子:なあ お父ちゃん。
常治:うん?
喜美子:タヌキの道 知ってる? 信楽に来たすぐの時にな あの道でほんまもんのタヌキに会うたで。「よよそもんはタヌキに化かされるんや」信作が言うてな。
常治:ほな 化かしに来たんやな。
喜美子:ほやけど あれ以来 会うてへんねん。見たことない。ほんまのタヌキは現れへん。何でか分かる? もう よそもんやないからな。うちはよそもんちゃう。うちは信楽の子や。うちは信楽好きや。うちは…。うち…。大阪行きたない!
(泣き声)
喜美子:ここにいたい! ずっと信楽にいたい! お父ちゃんとお母ちゃんと… みんなと…。みんなとここで暮らしたい!
(泣き声)
常治:タヌキの道の先 ず~っと行ったらな 左に折れて またず~っとず~っと 登っていくんや。行ったことあるか? 細い道行ったらな 急にパアッと開けるんや。そこから見える夕日がきれいや。よう見とけ。大阪行ったら もう見られへんで。
●タヌキの道の先の山頂
ここで見つけた焼き物のかけらを 喜美子は旅のお供にしました。
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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