朝ドラ「スカーレット」第145話、念願の作品を完成させた武志だったが、体に異変が起きていた。いわゆる味覚障害。そして亡くなった智也からの手紙を受け取り、心を乱す武志。
智也の手紙「川原たけしさんへ おれは」
武志:何を書きたかんやろ…。何を書こうとしてたんやろな…。勉強教える約束しててん。俺の作品が出来たら…一番に見せたるいう話も…。いつやったか…大阪に遊び行こういう話もしてた。好きな子がおるいう話も…。バイクの後ろに好きな子乗せて琵琶湖一周したる言うてた。書きたいこと いっぱいあったんのやろな…。それが…お…「おれは」で終わってんねんで。お母ちゃん。俺は…終わりたない。生きていたい。生きていたい。
武志の生きざまをしっかりと胸に刻みたい最終週の「スカーレット」です。
スカーレット(145話3月23日)セリフ
●「かわはら工房」
喜美子」お母ちゃんの心 今 いっぱいや…。幸せやなぁ。武志にしか出来へん作品が出来たな。
武志:おう。フフッ。
●滋賀県立病院・診察室
大崎:作品が完成したんだ。
武志:はい。先生にも見てもらいたいです。
大崎:うん。じゃあ いずれ休みの日にでも。
武志:是非。山ノ根さんも よかったら。
山ノ根:そんな! 私はもう…。
(笑い声)
大崎:ふらつきや けん怠感は?
武志:あ…ありません。
大崎:食欲は?
武志:あります。あ…食欲はあるんですけど…。
大崎:うん?
♪
武志:失礼します。
●滋賀県立病院・待合室
武志:あっ…すいません。
理香子:葬儀の際は遠くまでわざわざ。
武志:いえ…。あ…。
理香子:これ…智也の遺品整理してたら…。「川原たけしさんへ」いうて…。よかったら受け取ってもらえませんか?
武志:はい…。
●川原家・玄関兼台所
喜美子:フハハハ…。
八郎:何がおもろいねん もう…。
喜美子:味付け どうするん ほんまにこれでいいん?
八郎:そうやで。それでええやんか。
(戸が開く音)
喜美子:ほんまにええんやな。
武志:ただいま。
喜美子:お帰り。
八郎:お帰り。
喜美子:病院どうやった?
武志:変わりなしや。
喜美子:おう。
武志:何してんの?
喜美子:おもろいでえ。
八郎:おもろいて 何や。
喜美子:卵焼き作ってくれるんやて。
武志:卵焼き!?
八郎:おう 得意やねん。
武志:うそや 知らんかった…。
喜美子:知らんよなあ 作るん初めてやもん。
八郎:作ろ思たらな お義父さんに「男が台所に立つもんやない」言われたんや。
喜美子:ほやけど そのあと作ろ思たら なんぼでも作れたやろ。
八郎:ハハッ。
喜美子:ほんまに得意なん?
八郎:うるさになあ もう 黙っていてくれる?人に作るん久ぶりや…。
喜美子:もう これだけやと不安やからな 晩ごはん うな重頼んだで。
武志:またあ?
喜美子:またあ!? ぜいたくな反応しよってからに。どこぞのお坊ちゃん…もう。
武志:いや…。
八郎:特上やで。
武志:特上!
喜美子:武志の作品が完成したお祝いや。
八郎:この卵焼きもな お祝いやでぇ お父ちゃんから武志に。
武志:えっ 見たん?
八郎:おう。見さしてもろた。よう出来たな。
武志:おう。
(電話の着信音)
武志:あっ…。
喜美子:あっ ええ ええ 出る出る。川原です。
大崎:変わったことはないですか。
喜美子:えっ…何か…。
大崎:食欲はあるんだけど料理の味が分からなくなってきたんですと話してくれたんです。
喜美子:そうですか…。
大崎:味覚障害かもしれませんね。でもお母さんは今までどおりで。お母さんの味でかまいませんよ。
喜美子:分かりました。わざわざお電話ありがとうございました。失礼します。
●川原家・茶の間
喜美子:熱いで。
武志:ほい。あちちち…。ほい。
八郎:よし!
喜美子:あれ? きれいに出来てるやん 見た目はなあ。
八郎:おう 見た目はな。よいしょ。
喜美子:ほな 頂こか。
八郎:はい。
武志:うん。
3人:頂きます。
武志:お~。
喜美子:うわ~。
八郎:うん。う~ん。卵焼き いかんのんかい。
喜美子:ほな 先 頂こう。
八郎:おう。ちょちょちょ…何も言わんといて。感想は まず武志からや。
武志:あ…ああ…。おう。じゃあ…。
八郎:おう。うん?
武志:フッ…。
八郎:何や。
武志:うまい。
八郎:おっ!
武志:うまいで。
八郎:よかった~!
(笑い声)
八郎:ほな…どれどれ…。うん?
喜美子:さっ うな重 頂こかぁ。特上は初めてやなぁ どこが特上なんやろな。
武志:ごめん。ほんまは…味がしいひん… よう分からん…。うまいやなんて うそ言うて…。
喜美子:気にせんとき 失敗してんねん。うな重 食べぇ。
武志:いや ほやから味が…。
喜美子:食べな 力つかへん。
八郎:今日はもう休んだら。なっ。根詰めすぎて 疲れたんやろ。武志。あの皿な 水だけやないで。太陽の光も感じるわ。ほんまにええ皿や。お父ちゃんができへんかったこと やり遂げたな。うん?大したもんや。僕を超えていったな。フフフッ。ちょっと体 休めたらなっ また味も分かるようになるんちゃうか?そしたらまた次 ほんまにおいしい卵焼き作ったるわ。
武志:お父ちゃんの卵焼き この先 何回作ってもろても味は分からん。こんなんなる前に作ってくれや。なあ 僕を超えてったって言うたな。ようそんなこと言えるな。超えられて悔しくないんんか。負けんとやってやろうって思わへんのか。そういう意地はないんか。なあ お父ちゃんには誇りはないんか!情けない思わへんのか。俺はがっかりや。情けないで。
喜美子:ハチさん。
●川原家・武志の部屋
(ノック)
喜美子:開けるで? 薬のまんとな。ここ置いとくで。何?
武志:智也が…。
智也の手紙:「川原たけしさんへ おれは 」
武志:何を書きたかんやろ…。何を書こうとしてたんやろな…。勉強教える約束しててん。俺の作品が出来たら…一番に見せたるいう話も…。いつやったか…大阪に遊び行こういう話もしてた。好きな子がおるいう話も…。バイクの後ろに好きな子乗せて琵琶湖一周したる言うてた。書きたいこと いっぱいあったんのやろな…。それが…お…「おれは」で終わってんねんで。お母ちゃん。
喜美子:うん。
武志:俺は…終わりたない。生きていたい。生きていたい。
(すすり泣き)
(武志のすすり泣き)
(泣き声)
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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