朝ドラ「スカーレット」第35話、喜美子は自分の道を自分で選び 荒木荘での暮らしに別れを告げました。そうして信楽に戻り 年が明けてしばらくすると…。約束どおり丸熊陶業で雇ってもらえる手はずが整い挨拶に出向きました。仕事は昼の用意と茶の用意、時間は午前9時から午後4時まで。荒木荘のことを思うと なんと簡単なことか…。
結果的には、荒木荘にいるよりも待遇は良くなったようで、まずは一安心。でも絵の学校に通って勉強するという夢を諦めたんだからと、いまだに常治を許せないおっさんの独り言。
で、丸熊陶業の食堂のおばちゃん、緑さんは「わろてんか」藤吉の姉ちゃんで、西村亜矢子さんです。
スカーレット(35話11月8日)セリフ
喜美子は自分の道を自分で選び 荒木荘での暮らしに別れを告げました。
●川原家
喜美子:ただいま~。荷物送ればよかったな… ここまでやっぱり重かったわあ。はあ… ただいま。
♪
百合子:お父ちゃん お帰りなさい。
常治:おう。
喜美子:お帰り~。
常治:おう。
喜美子:今日の肉じゃがは 肉入ってんで。
マツ:お帰りなさい。
直子:ねえ 分からへん!
喜美子:え~? 分からへんちゃうよ 言うたやろ。この式に当てはめたらええの。
マツ:今日の肉じゃが 肉が…!
常治:やかましい! もう…。
喜美子:お父ちゃん これからお酒は週末だけにしような?
常治:何言うとんねん お前。
喜美子:ほな 週3日や。体のためにもよ。
常治:あかん!
喜美子:あかんことない。
常治:大阪帰れ! もう。
喜美子:帰らへん。
常治:帰れ!
百合子:まあ まあ まあ。
喜美子:もう帰らへんよ うちの家はここや。
直子:あっ できた。
喜美子:うん! そうや。できるやん。
♪
喜美子:あかんよ。
常治:なあ もう一杯… お前はニンジン食うとけ ニンジン。もう一杯ぐらいええやん。もう…あかんのか?
喜美子:あかんよ。
常治:何でや もう! もう一杯!
百合子:ほんでな ほんでな うちのが一番や言われてん!
マツ:百合子は家庭科が得意やねんよ。
喜美子:すごいやん!
常治:こんなもん 飲んだうちに入れへんがな もう…。
マツ:せやけど こんなん作れるようになって… へえ~。
常治:喜美子 喜美子!
マツ:これも大久保さんいう人に?
喜美子:そうや 教えてもらったんよ。
マツ:あら~。
常治:これな 週3日やのうて これ 週8日でええんちゃうか?
マツ:週8日飲むのん!?
常治:8日や。
マツ:あかんよなあ?
喜美子:あかんよ 8日て 何や。
百合子:ねえねえ ほんでな 先生がな…。
直子:ごちそうさま。
喜美子:えっ ごはん残ってるやん。
直子:芋嫌いや。毎日 芋 芋 芋 芋!
喜美子:アハハ…。
百合子:今日の芋は肉じゃがの芋や。
直子:黙れ。うち 東京行くしよ。
喜美子:えっ?
常治:またアホなこと言いだしよった…。
マツ:もう その話は今やのうても…。
直子:姉ちゃん帰ってきたさかい言うとく。うちは学校済んだら この家出てく。
常治:誰が東京なんか行かすか。
直子:行くわ!
喜美子:済んだらて 卒業してから?
直子:そや。
喜美子:まだ先の話やん。
直子:先やないわ そんなん すぐや!
喜美子:やりたいことあんの? 何やりたいか決めてんの? どこで何するか 考えてるの? ほな じっくり考え? 姉ちゃんも聞いてあげるし。なっ? とにかく ごはん残さんと食べや。
直子:いらん。
常治:いらん言うもんに食わさんでええ。
マツ:喜美子が作ったんよ?
喜美子:直子 食べ? ほんで? 先生が何て?
百合子:お父ちゃんとお母ちゃん どっちに似たんや言われたからよ 喜美子姉ちゃんに似たんや言うたった!
喜美子:お~! お父ちゃん 今の聞いたけ?
常治:やかましいわ!お前。週8日飲むぞ 週8日。8日や!
喜美子:あかんよ 8日なんて 何よ。
マツ:ほんまや。
常治:8日や。
百合子:一週間8日ちゃうで?
そうして信楽に戻り 年が明けて しばらくすると…。約束どおり 丸熊陶業で雇ってもらえる手はずが整い挨拶に出向きました。
●丸熊陶業・社長室
加山:ご承知の通り 丸熊陶業は火鉢を中心として陶器を制作販売している会社です。
和歌子:そんなとこから説明しんでも知ってるわなあ?
マツ:あっ すいません。
常治:すいません どうも…。いや~ 社長 お忙しそうで…。
和歌子:あんた 頼むで?
秀男:ほな お願いします。
和歌子:うち 今から照子の学校や。父兄会の係やねん。
マツ:照ちゃん 京都の短大に決まったそうで おめでとうございます。
和歌子:おおきに。成績ええから進学強く勧められて。ほんまは行かんでもええって言うてたんやけど…。
マツ:そやけど… 京都やったら…?
和歌子:寮に入りますねん。
常治:あ~。寂しなりますねえ。
和歌子:それが 毎週帰ってる言うてるわ。アハハ…。
秀男:はあ~。悪いの わざわざ来てもろてよ。
常治:いえ こちらこそ もう…。
秀男:何座って 立たんかい 立たんかい。おう! あんたら座っといてええんや。座り 座りって。
和歌子:ほな 行ってきます。
加山:行ってらっしゃい。
和歌子:ごゆっくりどうぞ。
喜美子:失礼します。
秀男:あ~ 座り 座り 座り。
常治:ああ すみません。
秀男:よ~っこらしょ…。で? どこまで話したん?
加山:まだ何も。
秀男:あっ そうけ。簡単な仕事や。通いの陶工さんらと 今は絵付けの職人さんらが来てるさけ。まあ これがまあ なかなか手ごわい親方呼んでしもてな まあ腕はええんやけど…。
喜美子:あの… えつけ いうのは?
秀男:絵付けいうのはやな…。
加山:そこは 川原さんの仕事とは関係ありませんし 大丈夫ですよ 知らんでも。
秀男:え~ その人らへの 昼の用意と 茶の用意け?
加山:はい。時間は午前9時から午後4時まで。短いですけどもな お給金はそれ相当にお支払いいたします。
常治:いや ほんまに もう ありがとうございます。
秀男:いやいた…。
加山:社長は前 一旦引き受けといて お断りしてしもたことに 心 痛めておりまして。
常治:また… またその話 蒸す返しますか?
秀男:照子がいまだに つつきよんでよ…。
常治:こっちは もうなあ? なんもなあ? もう ほんまに…。
喜美子:よろしくお願いします。
秀男:あ~ こちらこそ…。
常治:よろしゅうお願いします。
マツ:お願いします。
加山:ほな いつから?
秀男:あ~。
喜美子:うちは明日からでも。
秀男:明日から?
喜美子:はい! すぐにでもお願いします!
喜美子は新しい仕事に早く就きたくて うずうずしていました。
●川原家
常治:喜美子! 喜美子~。
マツ:あら… ちょっと長すぎた?
常治:何しとんねん お前 はよ着替えんか。
喜美子:これでええよ?
常治:お前… 荒木荘ちゃうんやで? 天下の丸熊陶業や お前。
喜美子:ええやん これで。
マツ:働きやすい恰好でええんちゃう?
常治:ほな もう行くで。
喜美子:何で お父ちゃんが?
マツ:ついていかんでええよ もう子ども扱いはやめなぁ。
常治:そっちこそ 何や お前 こんなもん お前… こんな長いの 仕事の邪魔や もういらん いらん いらん 外せ。
マツ:まだまだ寒いさかい いるわな?
常治:いらんいうねん。
マツ:巻いとき 巻いとき。
常治:いらんいうねん。
喜美子:お父ちゃん!
●丸熊陶業・食堂
今日からここが喜美子の職場です。喜美子のほかに八重子さんと緑さんという人が働いています。3人で陶工さんたちのお昼の用意をするのです。
喜美子:A定食です お待たせしました。
陶工:お姉さん! こっち こっち。
喜美子:はい。は~い。
陶工:A定食。
喜美子:は~い。
八重子:はい B定食。
喜美子:はい。…お願いします。
忙しいのは1~2時間のお昼どき。その波が終わると すぐに落ち着きます。あとはお茶の用意だけです。
八重子:ほんな きついこと言わんの おしゅうとめさん。
緑:ほんなん言われても戦前とちゃうしの。
八重子:ほりゃ ほやけどな。
荒木荘のことを思うと なんと簡単なことか…。
喜美子:ほな これ 持ってきますね。
八重子:ああ 分かるけ? 火鉢のとこな?
喜美子:はい 行ってきます。
八重子:はい 行ってらっしゃい。
喜美子:失礼します。
食堂で沸かしたお茶を 丸熊陶業のそれぞれの部署に配ります。
喜美子:ご苦労さまです。
交換したやかんは また食堂に持ち帰って 一日に何度かお茶を替えます。
喜美子:失礼しました。
一同:ご苦労さん。
以前にはなかった 絵付係という作業場です。
喜美子:失礼します。
喜美子にとって それは初めて見る光景でした。
喜美子:あの… 何してはるんですか? 見せてもろうてもええですか?
(原下のせきばらい)
城崎:誰や?
喜美子:すいません。
城崎:関係者以外立ち入り禁止や。
喜美子:あ… 今日から丸熊陶業で働かせてもとてます川原と申します。
城崎:聞こえへんかったんけ。この城崎組の作業場は 関係者以外立ち入り禁止や。
原下:すいません!
喜美子:あ…。
一同:おお…。
●川原家
その夜 喜美子はなかなか眠ることができませんでした。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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