朝ドラ「スカーレット」第42話、深野「キュウちゃんの先には1番や2番がおる。なっ? はよ追いつきたい思てるやろうけど 近道はないねん。あってもな 近道はお勧めせえへん。なるべく時間をかけて歩く方が力がつく。歩く力はな 大変な道の方がようつく。 よう力つけとけ 今しかできひんことや!」
連日、フカ先生の口から名言を頂き、感謝感激の朝。ちなみにですが、戦後、絵を描くことができず仕事を転々としていたと自らの過去を語っていましたが…。
その時に刑務所の中で「まんぷく」萬平さんに会っていたんだと妄想。

占い師・剛田一隆、その後に深野心仙と名乗っても朝ドラ史的には全く問題なく、心穏やかな週末をお過ごしください。
スカーレット(42話11月16日)セリフ
深野:また笑いながら絵ぇ描けることが どれだけ幸せなことか…。この火鉢の向こうの…この絵ぇ前にして あったまる人のことを思うと なんと幸せなことか…。
●川原家
喜美子:フカ先生に学びたい。学ばせてもらいたい。決めた。うちはフカ先生の弟子になります。これから頭下げて フカ先生にお願いするわ。頼んでみるわ。ほんで お父ちゃんにも… あかん言われてもやらせてもらう。何回も何回も頭下げてな。ほやけど まずうちが最初に頭下げなあかんのは お母ちゃん。直子。百合子。わがまま言うてごめん。これから朝晩のこと 少しできひんようになるかもしれへん。ちゃぶ台かて うちのせいで何回ひっくり返されるか分からへん。
直子:ほな うちかてわがまま言うし 来年 ほんまに東京行くで? そやし 勝手にしたらええ。ちゃぶ台かて 姉ちゃんいいひん時 どんだけやられたか。
百合子:慣れてるよ? 平気や。
喜美子:百合子…。
百合子:家の中のことも うちができること増えたしよ。ただ… ごはんは なるべく喜美子姉ちゃんに作ってほしい。その方が おいしい…。
直子:アッハ…。
マツ:ウフフ…。
喜美子:分かった。迷惑かけるかもしれんけど。
マツ:ううん お母ちゃんは…。(深野のまねで)ええよぉ。
喜美子:おお!?
マツ:似てた?
直子:似てへんわ!
百合子:聞いたことないの 何で似てへんて分かんの?
直子:(深野のまねで)ええよぉ や。
(笑い声)
喜美子:何や それ~。
●居酒屋「あかまつ」
常治:あれ どんなもんなんです? その… 絵付けいうんは…? 深野先生。
深野:なに… フカちゃんでええよ。
常治:いやいや もうそんな先生は先生やな?
大野:こう 火鉢に絵付けしてはるんですよね?
常治:火鉢な。
大野:うちのもね 欲しい言うてましたわ。何や こう お花の絵が描いてあるやつ。
深野:そうそう そうそう…。
常治:高いよな?
大野:高い。
常治:ぜいたく品やな。
赤松:えらい もうかってますんやろ?
深野:エヘヘヘヘ…。
常治:せやせや も…もうかる仕事や…。
赤松:今や 信楽いうたらよ 絵付け火鉢ですからのう?
大野:せやな?
常治:先生 あの こう 窯入れる前に 絵ぇちゃちゃっと描いて…?
深野:そうそう。ちゃちゃ~っと… できるかい! アハハハ…。なかなか難しいで?
常治:難しい?
深野:うちには今 弟子が2人おってな でも 一人が物になるのに3年かかった。
常治:3年!? そんなかかりますか…。
深野:この間 また もう一人な やりたい言う子 現れてな これ 珍しいで 女の子や。アハハハ…。
大野:女の子て それ…。
深野:あれもあかんやろうな。3年も辛抱できるわけないわ。男でも なっ よう続かんことを 何で女の子が… きゃしゃな子やで? こんなん こんなん…。「おはようございますぅ」みたいな こんなん。アッハッハッハッ 力もなさそうやし。絶対 弱音吐くで?
常治:吐くかいな…。そんな根性なしちゃうわ! 大阪 一人で行って…3年の間 働いて働いて!盆も正月も帰らんで! どんだけ!
大野:ジョーさん…。
常治:どんだけ 一生懸命 頑張ったか もう! そこらのな やわなもんと うちの娘を一緒にすな! アホ!
大野:ジョーさん。ジョーさん ジョーさん…。
深野:お宅の娘さん!?
常治:ちゃう… ちゃう ちゃう…。
大野:いや… ここの娘…。
常治:これ ちくわ…。
大野:ジョーさん ジョーさん…。
●川原家
喜美子:おはよう。また ゆうべ飲んできたやろ? なんぼツケてきたん? 今 帳面つけてんねんよ なんぼやった?
常治:払てもろた。
喜美子:誰に?
常治:行くわ。
喜美子:えっ ごはんは?
常治:いらん。
マツ:おはよう。ありがとうな。
喜美子:お父ちゃん ごはん いらんて。
マツ:えっ!? どないしたん 熱でもあんのん?
常治:うるさいな もう! いらんもんは いらんねん! 行ってくる。
喜美子:今日 飲まんと帰ってきてな? 話したいことあんねん。ごはんいらんて 珍しい…。
マツ:足くじいたとこ また痛みだしたんやろか?
喜美子:あっ お母ちゃんの貧血の薬も そろそろ もらいに行かなあかんな。
マツ:ごめんなあ。
常治:おい。
喜美子:何!?
常治:話て 何や?
喜美子:ああ… 帰ってきてからでええよ。
常治:今 言え ほら 聞いたるから。ここで言え。
喜美子:ううん ちゃんと話したいねん。
常治:ええから言え!
マツ:落ち着いて話したいんよ。
常治:あれやろ? 週1回 永山陶業で何か習い事するいう話やろ!? ちゃうんか? ほんなもん あかんに決まっとるやろ!
マツ:それは もう…。
常治:丸熊陶業やないとあかんねんや!
2人:えっ?
常治:絵付けやるんやったら…。
喜美子:やってもええの?
常治:やるんやったら 遊びでやったらあかん! 本気でやらんと。
喜美子:やってもええの!?
常治:なまはんかな気持ちでやっても お前 いつまでたっても物になれへん。金になる前に終わってまうやろ!
喜美子:やってもええんやね?
常治:分からんやっちゃな もう…。お前みたいなんにはな 無理や言うとんねん! 続けへんわ!
喜美子:続くわ!
常治:すぐ弱音吐くやろ!
喜美子:吐かんわ! うちは そんな根性なしちゃうわ! お父ちゃん うち やらせてもらうで! 仕事も家の手伝いも 今までどおりやる! ほやから 絵付け! やらせてもらうで? ええんやね!? やったるで~!
●丸熊陶業・絵付作業場
喜美子:お願いします! うちを三番弟子にして下さい!
池ノ内:3番は 3日で辞めたで?
喜美子:えっ…。ほな 四番弟子ですか…?
池ノ内:4番は みつきで。5番も 結局 物になる前に辞めてもうた。
喜美子:あっ… ほな 何番弟子になるんでしょう?
磯貝:78…9番目ちゃいます?
喜美子:9!?
深野:ほな キュウちゃん。
喜美子:えっ…。
深野:はい。…と はい。
喜美子:あの… うちを弟子にして頂けるんですか?
深野:ええよ。
喜美子:ありがとうございます! 9番! キュウちゃん! 頑張ります!
池ノ内:キュウちゃん よろしゅう。
喜美子:よろしくお願いします!
磯貝:キュウちゃん。
喜美子:あの これ 何するんですか?
深野:ああ。
最初は 一本の線を描くことから始まりました。それを繰り返し繰り返し… 息を吐くように正しい線を引けるよう 何万本も描き続けます。
●丸熊陶業・食堂
喜美子:お待たせしました Aですね。
食堂の仕事は変わらず続けながら…。お願いをして 休憩どきにも練習をさせてもらい…。それから 深野先生の絵柄の見本をまねる模写の練習も始めました。これも幾度も幾度も繰り返します。
●丸熊陶業・絵付作業場
深野:怖い顔になってるで? たまには こういうのん描いて 寄り道しよか?
喜美子:寄り道?
深野:キュウちゃんの先には 1番や2番がおる。なっ? はよ追いつきたい思てるやろうけど 近道はないねん。あってもな 近道はお勧めせえへん。なるべく時間をかけて歩く方が力がつく。歩く力はな 大変な道の方がようつく。 よう力つけとけ 今しかできひんことや!
♪
喜美子:これや。
照子:うわ~。
信作:こんなことしてるんや。
喜美子:真剣になるとな? 顔がこんな顔になってまうねん。
照子:もともと そういう顔やんけ。
喜美子:うん…。ちゃうわ! もっと こう… ニコニコ幸せそうな顔してやりたいねん。ほやけど うちには そんな余裕ないわあ。
照子:ほんで3年もかかるいうんか。長いなあ。うちが京都の短大卒業して帰ってきても まだやん。
信作:おれが結婚してる頃や。
喜美子:結婚すんのん?
照子:誰とよ!? あっ あの卒業式の辺りで つきあいだした子?
喜美子:ええ!? そんな子いたん!?
照子:いきなり つきあいだしたんよ。
喜美子:えっ?
照子:結婚考えてんの?
信作:そら 3年もたったら 俺は確実に家庭を築いてるし。まあ 君たちよりも先に幸せをつかんでるわな。
照子:腹立つわ~。
喜美子:ほなら こんなふうに 3人で会うんもなくなるかもなあ。
信作:なくなるかもなあ?
照子:よし ちょっとやるか!
喜美子:やるか! 久しぶりに。
信作:何を?
喜美子:草間流柔道や。
照子:とやあ~!
喜美子:とやあ~!
信作:待て待て 待て待て… 何やこれ? 柔道ちゃうし。おしくらまんじゅうみたいになってる 季節外れのおしくらまんじゅうみたいになって…。
3人:♪おしくらまんじゅう 押されて泣くな
本当に3人が子どものようにいられたのは この日が最後となりました。そうして月日は流れ…。喜美子21歳。運命が大きく変わる夏がやって来ました。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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