朝ドラ「スカーレット」第43話、深野:「打たぬ鐘は鳴らぬ」いうてな やってみんと分からん。キュウちゃんは… この先 どうするつもりや?
喜美子:はい?
深野:絵付けを自分の一生の仕事として やってくつもりか?
喜美子:はい。
深野:ほな やってみたらええ。なあ? もの作りは一生修業や。デザイン採用されるまで何回でも取り組んでみたらええやないか。
「打たぬ鐘は鳴らぬ」とは、「何もしなければ何も生まれない」ということ。英語で書くと、nothing comes of nothing
朝から気合の入る言葉を頂き、今週も頑張るぞと独り言です。
スカーレット(43話11月18日)セリフ
昭和34年
●丸熊陶業
喜美子:おはようございま~す。
職人:おはようござます。
喜美子:おはようございま~す。
喜美子21歳。運命が大きく変わる夏がやってきました。深野先生の九番弟子になって3年がたちました。ここ丸熊陶業では深野心仙デザインの絵付け火鉢の注文が年々右肩上がり。目まぐるしい日々を過ごしてきました。
昭和31年(1956)冬
弟子入りしてからは ひたすら技術の習得に明け暮れました。
深野:おう おはよう。
喜美子:おはようございます。
池ノ内:おはよう。
喜美子:おはようございます。
磯貝:おはようさん。
深野:おう 見てみぃ。
池ノ内:うわ~。へえ~。
磯貝:いやいや いやいや ええ?
深野:こんなん よう集めてきたな。
池ノ内:よその火鉢ですわ。
磯貝:これ 花瓶ですやん。アッハハハ。
深野:おう。
焼き物の不要品は絵付けの練習のために集めました。
喜美子:あ~。
(荒い息遣い)
●川原家
常治:また もう 何を拾ってきとんねん もう。ゴミばっかり集めよって。
喜美子:ゴミちゃうわ! 練習に使うんや! 踏まんといてや。あっ! あ~! 何してんねん!
常治:やかましいな もう。
♪
常治:う~ん…。
昭和32年(1957)夏
秀男:おかげさんで また注文増えましてね。
深野:ありがたいことやなあ。
秀男:ほんまにありがたいですわ。
池ノ内:けど この数 間に合いますやろか?
秀男:えっ?
磯貝:厳しいです…。
秀男:手ぇが足りひんのですか?
池ノ内:う~ん…。
秀男:誰かできる人 いいひんやろか…。
深野:いてへんなあ。
秀男:そうでっか…。
池ノ内:なんとか頑張りますわ。
秀男:頼むわ。
喜美子:あの… あの! もう うちにもできるんやないでしょうか? いや できます! いや できるかどうか やらせてみて下さい! お願いします。お願いします!
深野:いてへんやろな…。
秀男:ああ そうでっか。
磯貝:なんとか頑張りますわ。
秀男:ああ 頼むわ ほんま。せっかくな 売り上げが上がっている… ほんまなあ、
昭和33年(1958)冬
●川原家
喜美子:お母ちゃん! ただいま!
マツ:遅かったな お帰り。
喜美子:フカ先生がな ようできるようになった言うてくれたで!
マツ:ほんま!? あ…。(小声で)よかったなあ。
喜美子:お父ちゃん! ようできるようになった言われたで! ようできるようになったっちゅうことは どういうことや!? 褒められたっちゅうことや!
常治:分かった 分かった…。
喜美子:褒められたっちゅうことは どういうことや!? 絵付けでお金がもらえるっちゅうことやぁ!
常治:ほんまか!?
喜美子:ほんまや!
マツ:シ~ッ! シ~ッ!
常治:(小声で)ばんざ~い! でかした~! でかした~!
喜美子:寒い…。
ようやく 絵付け師としてのスタート地点に立てました。
●丸熊陶業・絵付作業場
喜美子:今年もいよいよこの時期が来ましたね。
深野:ありがとう。
喜美子:新しいデザインを考案してはるんでしょう? 今年の。どんなんやろ 楽しみですぅ。置いときますね。
磯貝:ありがとう。
喜美子:置いときます。
池ノ内:うん ありがとう。
深野:見る? 新しいデザイン。
喜美子:ええんですか!? 見ます 見ます! 見させて頂きます。
深野:これや。
池ノ内・磯貝:おおっ。
喜美子:失礼します。へえ~。
深野:キュウちゃんちゃんも ひとつ やってみるか?
喜美子:えっ?
深野」1番2番の背中に追いついてきたようやし なあ? 残りはデザインや。2人は今年はやらん言うから。
池ノ内:ああ…僕らはええんです。デザインはもう…。
磯貝:はい…。
深野:去年 採用されへんかったなあ?
(苦笑)
回想加山:お弟子さんのデザイン渡されても…困るでよ~! 社長の代わりにはっきり言うておきます。丸熊陶業は深野心仙先生以外のデザインを採用する予定はありません!
喜美子:採用…して頂けますかね…。
深野:「打たぬ鐘は鳴らぬ」いうてな やってみんと分からん。キュウちゃんは… この先 どうするつもりや?
喜美子:はい?
深野:絵付けを自分の一生の仕事として やってくつもりか?
喜美子:はい。
深野:ほな やってみたらええ。なあ? もの作りは一生修業や。デザイン採用されるまで何回でも取り組んでみたらええやないか。
喜美子:分かりました やってきます。挑戦してみます。ありがとうございました。
深野:ええよぉ。
喜美子:今年は うちがお二人の敵を。
池ノ内:おお… おう…。
磯貝:敵 取ってくれるん?
喜美子:実はうち 中学の時 県の絵画展で金賞取りました。
池ノ内:県の絵画展で金賞? おおっ すごいやん。
喜美子:子どもの頃から絵ぇ描くんは うまいんです。
池ノ内:うわ~すごいやん! アハハハハ…。こいつも全国芸術絵画展で大臣賞取ったことあるんやで。
磯貝:こちら 美術学校 首席で卒業やで。
池ノ内:いや…そら ほんまやけどな。
(笑い声)
喜美子:はあ…。
深野:うまいからいうて できるとは限らん。なにも一点物の芸術品作るんちゃうで。
池ノ内:はい。
●川原家
直子:あっつ…。
♪
マツ:え~。うん 絵ぇのうまい下手は関係ないのん? 喜美子は金賞取って学校に飾られてたこと…。
喜美子:そんなこと自慢したらあかん。大事なんは うまいか下手より 大量生産に向いたデザインができるかどうかや。
マツ:ふ~ん。
喜美子:フカ先生が言うてたわ。
回想深野:みんなに ええなぁ言うてもらえるような いろんな人に 目ぇ留めてもらるような… 求められているデザインを考えるこっちゃ。
マツ:求められているデザイン?
喜美子:誰もが買うてくれるようなデザインや。
マツ:ふ~ん。
百合子:宿題終わった~。うち手伝うで~。
喜美子:助かるっ ほな 仕事してもええ?
百合子:ええよ。最近は喜美子姉ちゃんの作るごはんより うちの作るごはんの方がうまいって評判やねん。
喜美子:どこで評判なん?
百合子:うん? この辺 この辺。
喜美子:アハハハ…。
マツ:ここでも評判やで 大評判。
喜美子:これ おあえやからな。
百合子:分かった。
直子:はあ 厚い もう嫌や。
マツ:厚いなあ ありがとうなあ。
喜美子:ありがとうなあ。
百合子:ありがとう。
マツ:は~い。
直子:う~ん!
誰からも買うてもらえるようなデザインを考える。それはなかなか難しいことでした。「どんなデザインやったら買うてくれるやろか…」。「例えば お父ちゃんやったら…」。
(喜美子の妄想)
常治:これ 壊れたんか もう… あかんな もう。こんなもん…腹の足しにもならへんわ もう…。要らんねん もう! ていっ! ほんま もう もったいない…。
(妄想閉じ)
喜美子:はあ…。
回想深野:みんなに ええなぁ言うてもらえるような…。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
スポンサーリンク