朝ドラ「スカーレット」第56話、信作と八郎が「ハチ 信作」と呼び合う仲の良さにやきもちを焼いた喜美子が、信作に妙齢なんだから自覚しろと言われて「妙齢!へそで茶沸かしてぶっかけるで!」。
そこに客がやってきて、「袋麺 置いたあるかいの?」。この袋麺は大阪・池田市で作られたまんぷくラーメンだと思った方は朝ドラ通。
まんぷくラーメンの発売開始は昭和33年8月25日。大急百貨店の特売コーナーで売られたのが一番最初で、喜美子と信作がじゃれあったこの日は昭和34年の秋。
おそらく信楽の町でも、テレビで福ちゃんの「一家に5袋 まんぷくラーメン」のコマーシャルが流れていたはずです。

スカーレット(56話12月3日)セリフ
●丸熊陶業・商品開発室
八郎:ほな 陶芸をやったことは…。
喜美子:ないです 一度も。土を練ったこともない。
八郎:そうなんや…。
喜美子:ほやから見てたい。ずっと見てたい。
喜美子はうどん皿が出来上がっていくさまに夢中でした。
喜美子:終わりですか? 片付けます?
八郎:いいです。
喜美子:あっ 手伝います。
八郎:触らんといて下さい。自分の仕事は自分で。
喜美子:あ… はい。ほな。
八郎:気になりますか?
喜美子:うん?
八郎:これ 時々見てましたよね?
喜美子:う~ん これな? ぽいぽい捨てやるやん?何や もったいないなあ思て。
八郎:カスいうんです。
喜美子:カス?
八郎:学校で習た時の先生は 削りカスいうてました。
喜美子:へえ~。
八郎:捨てませんよ? ここの缶かんに入れとくんです。よいしょ。
喜美子:そうなん…。
八郎:少しまとまったら 再生して使います。
喜美子:使うん?
八郎:水かけて 練り直したら十分また使えます。
喜美子:へえ~ そうなんや よかった。ああ ほんまや いっぱいいるや~ん。
八郎:僕はいつも「生き返らしたるから待っときぃ!」言うてやります。あっ 心の中でね…。
(笑い声)
八郎:はい。
喜美子:あっ 人?
八郎:妖精や。
喜美子:こびとや。今 何て言うた?
八郎:こびとでええ…。
喜美子:妖精言わんかった?
八郎:聞こえてるやん。
喜美子:カスで作った妖精なんや。
八郎:こびとでええて。大ざっぱに言うたら これが最初の形作りや。
喜美子:あっ はい。
八郎:形作りのあと 少し乾かす。崩れたりゆがんだりしない程度に 半乾きな?
喜美子:はい。
八郎:半乾きさせたあと 削ったり彫ったり 取っ手や注ぎ口がある場合には接着させる。
喜美子:先生。
八郎:はい。
喜美子:こびとに取っ手や注ぎ口を?
八郎:例えばや。
喜美子:はい。
八郎:これで もうええいうことになったら 今度は十分に乾燥させて ほんで…素焼きや。
喜美子:はい。
八郎:物にもよるけど 700度から900度で何時間か この電気窯で。
喜美子:焼かれるでぇ。
八郎:焼いたあと 川原さんがやってる絵付けは ここで登場や。
喜美子:おっ 絵付け えつけこびとや。
八郎:ああ それと釉薬な? これも物によるし やり方もさまざまやけど…まあ 絵ぇ描いたり 色つけたり 装飾して…。
喜美子:ほんで本焼き?
八郎:そう。今度は素焼きの時よりも高温で長時間焼く。
喜美子:ま~た焼かれるでぇ。
八郎:あ~!
(笑い声)
八郎:最初の形作りの時より 焼き締ってるさかい 少~し縮んで…姿を現す…。これでようやく…。
喜美子:生き返った。
八郎:生き返った。
喜美子:完成や。
八郎:かなり はしょったけどな。
喜美子:大きい流れは分かりました。粘土カスでも十分焼き物になるんやな。
八郎:うん。
喜美子:あっ! こんな時間やん 叱られるぅ。
八郎:叱られんのん?
喜美子:うち 都合のいい時だけ 子ども扱いされんねん。
八郎:ああ いいですよ。
喜美子:連絡もせんと遅い言われるかもしれへん。あ…あれも片付けな。
八郎:見せてくれて ありがとう。
喜美子:こちらこそ ありがとう。お邪魔しました。
八郎:せや 川原さんも参加しはんのん? お見合い大作戦。
喜美子:お見合い大作戦?
八郎:信楽の若いもん集めて 集団見合いいうのやるんです。
喜美子:集団見合い…?
八郎:参加します?
喜美子:そんなんしいひん 興味ないわ。
八郎:せやけど 信作が。役場の人と盛り上がったみたいですよ。「ハチ お前は絶対参加してやあ」言われました。
喜美子:「ハチ」「信作」って 呼び合う仲になったんですか。
八郎:よう ごはん食べに行ったりしてます。信作とは この前も あかまつで飲みました。
喜美子:へえ~。
八郎:酔っ払ってジェスチャーやったり「それは置いといて」こういうの。あれ 知りませんのん…。あっ ほな 川原さんはお見合い大作戦…。
喜美子:そんなん聞いてへんし 興味ないです。行きません。
八郎:ああ ああ 持ちます 持ちます。
喜美子:結構です。失礼します。
八郎:ほな 気ぃ付けて。
喜美子:さいなら!
八郎:さいなら。
●大野雑貨店
信作:おう! 喜美子! 今 お前んとこ寄ってたんやで!
喜美子:何で寄ってんの?
信作:丸熊寄ったら絵付にいんかった。どこいたん? 何してたん?
喜美子:待ってたんや 誰もおらん。
信作:今日は出かける言うてたな。もう帰ってくるやろ。何や 何か用?
喜美子:おう。2人でごはん食べたりする時 うちも誘ってぇや。
信作:はっ?
喜美子:十代田さんと あかまつでジェスチャーて 何それ!? 何でそんな楽しいこと 呼んでくれへんのん? うちかて知ってるわ テレビジョンでやってるやつやろ!「問題ですぅ。ゴリラが~踊りながら~ 信楽の町で タヌキ…」。
信作:答え言いながらやってもうてるやん ジェスチャーなってない。ハッハハ… 大体 お前 誘っても来ぃひんやんけ。
喜美子:行くわ!3回に1回 3回に2回? 3回に3回行ったるわ! うち もう弟子やないで 立派な職業婦人や 行きたい時に あかまつ行けるで。
信作:おじさんが許さん。
喜美子:何で? うち もう大人やで。
信作:大人の女やから 気軽に誘えん。
喜美子:何 言うてんのん?
信作:もう俺らは大人の男と女や。
喜美子:アホ~! 男も女も関係あるか! こことここの間に男も女もあるぅ!?
信作:ない!
喜美子:ない!
信作:あるわけない!こことここは腐ってる!
喜美子:腐ってる!
2人:腐れ縁や!
信作:おう! ほやけどな お前 ほかは そういうわけにはいかへんで。ハチ交えて3人で酒飲んで ジェスチャーなんてやれるかいな。もっと自覚せえ お前 妙齢やで?
喜美子:妙齢! へそで茶沸かしてぶっかけるで!
信作:何や それ。
客:やってる~?
信作:はい はいはいはい。
客:やってやんの?
信作:はい こんばんは。
喜美子:こんばんは 寒うなりましたねぇ。
客:ほんまやのう。袋麺 置いたあるかいの?
信作:あ~申し訳ない それはないですわ すんません。
客:ほうけ。ほな 駅まで行ってみるしよ。
信作:ああ…。
喜美子:また よろしゅう頼みますぅ。
客:はいはい。
信作:お前こそ よろしゅう頼むで。そろそろ身ぃ固める年やど。照子ももうすぐお母さんや。
喜美子:ああ…。
信作:はよ落ち着いてほしいて おじさんも思てるで? そや 喜美子 お見合い大作戦ちゅう企画があってな 今 おじさんに話してきたんやけど もう「おうおう」言うて喜んでた。ニッコニコやで。
喜美子:お見合い大作戦な。
信作:集団見合いちゅう…まあ 詳しいことは おじさんに言うといたから。
喜美子:はあ…。
信作:ハチも出るで 喜美子も頼むな?
喜美子:知らんわそんなん。おやすみ。
信作:おいおい…。
信作:頼むでぇ。喜美子が参加すれば申し込みが殺到するねん。マスコットガール ミッコーやからな!
喜美子:それ 一生言われ続けるん?
信作:頼むでぇ。マスコットガール ミッコー!
喜美子:うるさい!
●川原家
喜美子:ただいま。
百合子:お帰りなさい。
喜美子:お母ちゃん?
マツ:ああ お帰り。
喜美子:ただいま…。遅うなってしもうた… 仕事で…。ごはんは? まだなん?
常治:喜美子。
マツ:ええんよ。
常治:ええことあるかい! 喜美子。
マツ:やめて。
喜美子:ええよ 分かった。分かってる 分かってんねん。さっき信作に会うて 出てくれ頼まれた。しゃあない… 参加するわ お見合い大作戦。
マツ:喜美子…。
喜美子:結婚はせんよ? そういうつもりは さらさらないけどな。けどまあ 何や 顔出すだけやったらな。
百合子:お姉ちゃん。
喜美子:しゃあないやん こんなお通夜みたいな顔して座ってられたら 参加する言わんと。
常治:よし お前! 参加せえよ。
マツ:そやないんよ。
百合子:ちゃうんよ お姉ちゃん。
喜美子:えっ?
常治:ちゃうことあるかい もう。お前 お見合い参加すんねんな。
喜美子:えっ 何? 何の話でこんなお通夜みたいになってたん?
常治:ええから! お見合いすんねんな!?
喜美子:え…。
常治:お前 今 言うたやないか! お前 今 参加する言うたやろ。
喜美子:する する する する する。する! ほんで? ほんな何の話?
常治:ああ… 止めてくれ。
マツ:ええねん 決めたさかい。
喜美子:何を決めたん?
常治:もう 止めたれ もう。
喜美子:何を止めるん?
マツ:ちょっと… 東京行ってくる。
喜美子:東京… あっ 直子? 直子か。何かあったん!?何があったん!? 百合子。
百合子:信にいが帰ったあと 電報が届いてん…。
喜美子:電報? どこや 電報! 電報 どこ!?
常治:よいしょ…。
喜美子:何で尻に敷いてんねや!
常治:あのな 尻であっためたら 文面変わるんちゃうかな思… 変わってへんわ…。
喜美子:「モウイヤ」。
常治:よいしょ… ほら。
喜美子:まだあんの?「モウダメ」。
常治:よいしょ。ほい。
喜美子:「モウアカン」。直子… 何があったんや…。
直子:もう嫌! もう駄目!もうあか~ん!
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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