朝ドラ「スカーレット」第57話、喜美子:こんなにも何回も会うて ようさん おしゃべりしてんのに こことここの間は 男と女いうことでしょ!
八郎:男と女や! 僕にとって川原さんは 女や。今でもこれからもずっと。僕はつきおうてもない人のことを 気軽に名前では呼べません…。そういう古くさいとこあるんです。喜美子なんて… 呼びとうても呼ばれへん。
喜美子:ほな つきあったらええやん…。呼んで? 喜美子 呼んで。つきあって下さい。
数ある朝ドラの中で、ヒロインが先に告白するパターンは初めて目にするような(?)。喜美子頑張れと応援しつつも、八郎との間に出来る息子の名前が「川原武志」。
十代田の姓じゃないのがミソですね~。
スカーレット(57話12月4日)セリフ
●川原家
喜美子:「モウイヤ」「モウダメ」「モウアカン」。
直子:あか~ん!
喜美子:直子…。何があったんや…。
百合子:お父ちゃんは わざと送ってきた言うてる。何かあったわけ…。
常治:弱音吐いてるだけやって もう。
喜美子:ほやけど こんな3通続けて…。
百合子:お母ちゃんは 普通の状態やない言うて心配してる。
マツ:よっぽど東京の仕事がつらいんや。
常治:熨斗谷電機の社長さん ごっつええ人や言うたやないか。
マツ:社長さんは ええ人かもしれんけど…。
常治:寮のおばちゃんも同僚も先輩も みんなええ人や。あのな こういうふうに書いてきたらな かわいそうやいうて 金 送ってもらえると思とんねんて。これ 直子の魂胆や もう。はあ…。前に お前 金 送ってくれいうた時 お前 送らへんかったやろ。せやからや。あ? 金 送ったらあかん言うたな? 甘やかしたらあかん言うたで? はあ!?
喜美子:うちや! うちがやったんや!
常治:送ったんか!
喜美子:うちのお金やからええやん!1回だけや!
マツ:4回…。
常治:4回?
マツ:あ… 6回送った。
喜美子と百合子:えっ!?
常治:6…! お前 どこ隠してある ここか!?
マツ:ああ それは!
常治:やめえ! あかん あかん あかん…! やめえ もう!
常治:お前 内職で稼いだ金 直子に送ったんか。
マツ:微々たる額や。
常治:そんなことするから お前 つけあがんねやないか!
マツ:ほんまに何かあったんかもしれんやん。
常治:ないない ないない! あるか もう!
喜美子:熨斗谷電機に電話してみよ!
常治:はあ あのな もう就業時間終わっとるわ。
喜美子:ほな…蒲田の寮!
常治:電話の取り次ぎ時間も もうとっくに終わっとんねん もう!
マツ:東京行く! やっぱり行って 顔だけでも見てくる 心配や。
常治:また出た また出た。
喜美子:待ってえや。お母ちゃんが東京行くのも結構な心配やで?
常治:ほら 見ぃ!
マツ:せやけど…。
喜美子:そや…電話してみよか。直子の様子 代わりに見てもらお…。
常治:誰にや?
喜美子:草間さんや。
マツ:あ…。
百合子:あっ 柔道の?
喜美子:草間さん 今 東京に住んではる。
マツ:そんなん頼めんのん?
喜美子:草間さんやったら 直子も覚えてるやろ。
常治:あかん お前 そんなもん頼めるか。いやいや頼まれへんわ そんなもん!
喜美子:お父ちゃん! お父ちゃんから頼んだら 大ごとになるさけ うちから頼むわ。お父ちゃんは もう知らん顔しててええから! なっ? うちが勝手にやったことにして。
常治:あかん…あかん!
喜美子:もう ここは意地も誇りも一旦置いとこ。ほんまに何かあったんやら どうするん。ほっとくわけにはいかへんて。
常治:草間さんに言うといてくれ。直子を… 蒲田から…。草間流柔道で ダ~ッ 投げ飛ばしてくれ 言うて。
喜美子:分かった。
常治:あっ あっ あの 琵琶湖通り越して日本海までダ~ッ 投げてくれてかまへんわ!
喜美子:もうええから もうええから。ほな ごはんにしよか。
百合子:せやな!
喜美子:ごはんにしよ。
●大野雑貨店
幸いにも草間さんとは すぐに連絡が取れました。
(喜美子と草間の電話)
喜美子:ありがとうございます。ほな 直子のこと頼みます! はい! はい ほんま助かります。すみません ありがとうございます。はい。ほな よろしゅう頼みます。失礼します。
信作:おお~い!
喜美子:あ あ あ… もしもし!?
信作:ええ~! 草間さん話したかった!
喜美子:ごめ~ん。
信作:ええ!
喜美子:ごめん そんなに?
信作:何してん お前!
喜美子:もっかい かける?
信作:かけろ! かけろ!
陽子:うるさいなあ。あんたは また今度 改め。はよ準備しぃ。
信作:…んだよ。
陽子:喜美ちゃん 喜美ちゃん これ 飲んでみぃさ。
喜美子:すいません。
陽子:草間さん 何て?
喜美子:蒲田まで行ってくれる言うてくれました。優しい。
陽子:優しいなぁ。草間さん 昔から優しかったもんなぁ?
信作:柔道は厳しかったで。
陽子:そら あんたが下手やからや。
喜美子:何 これ!?
信作:コーヒーや。
陽子:そう コーヒーやねん。
喜美子:お茶か思た…。
大野:ほな 棟りょう いっぺん ちょっと実際見てもうてやね。あっ 喜美ちゃん おはよう。
喜美子:おはようございます。
大野:ここを わ~っと改装してやね…。
坂さん:ああ ほんで こういう感じけ。
大野:ええ。ほんで ここにド~ンと カウンターを置く。
陽子:ちゃう ちゃう ちゃう!カウンターはここやで ここ!
大野:カウンターは こっちの方がええやろ。
陽子:いや~ だって入り口はそっちやし こっちの方がええんよ。
大野:いや それはどっちでも一緒や こっちにカウンターかて…。
坂さん:ほしたらよ 玄関もあれした方がええな?
大野:玄関は 予算ちゅうもんがあるさけ…。
陽子:棟りょうの言うとおり 入り口は大事やで?
大野:そうかあ?
坂さん:まあ 細かいとこは おいおい決めていこか?
大野:まっ そやな。ほな よろしく…。
大野と陽子:お願いしますぅ。
♪
喜美子:何でいきなり カフェ? 大野雑貨店はどうなんの?
信作:駅の近くに でっかい店 出来たやろ。
喜美子:えっ?
信作:お前 ほんま絵付け以外のこと 知らんねんな。
喜美子:でっかい店出来たから 大野雑貨店あかんようになったん?
信作:品ぞろえがちゃう。客足止まってん。
喜美子:そうなん…。
信作:ほやからいうて カフェやるいう発想がよう分からんねんけどな。まあ おいしいコーヒーの店 まだここらにないさけ ええんちゃう?
喜美子:畑違いのこと 始めるんやな…。
信作:まあ…変わっていかなしゃあない。真面目な話 滋賀毎報新聞にも載ってたで。「火鉢の生産日本一やった信楽の町は大きな転換期を迎える」て。丸熊もそやろ? 絵付け火鉢かて 前みたいな勢いなくなってるやろ。お前 分かってんのけ?
喜美子:分かってるわ そんなん…。それは うちかて分かってる…。
信作:うん…。お見合い大作戦も そういう この信楽の町を活気づけるためにやろう いう話になったんや。にぎやかにやったんで。
●川原家
(ふすまが開く音)
マツ:寒ない?
喜美子:うん 大丈夫。もう終わるし。
マツ:今日 ありがとうな。草間さんに頼んでくれて…。
喜美子:ああ。
マツ:考えてみたら お父ちゃんお母ちゃんが行くより ええかもしれん。
喜美子:うん うちもそう思た。草間さんやったら 直子も落ち着いて会うんちゃう?草間さん 任せて下さい言うてくれたよ。
マツ:うん。また絵柄の練習?
喜美子:うん 手が怠けんようにな。
マツ:ふ~ん…。
喜美子:あっ うちの試作品 完成したで?
マツ:ほんま!?
喜美子:うちの初めてのデザイン!
マツ:それ もらえんの? 安う買うとかでけへんの?
喜美子:お父ちゃんが要らん言うやろ 絵付け火鉢なんて。
マツ:ああ…。
喜美子:お母ちゃん。
マツ:うん?
喜美子:朝2時間早う行って 夕方2時間 遅う帰ってきてもええ?
マツ:何で?
喜美子:十代田さんいう人がいてな。
マツ:そよださん?
喜美子:商品開発室いうとこで 朝夕2時間 自分の作品作ってやんねん。
マツ:作品て…?
喜美子:昨日は うどん皿作ってた。
マツ:へえ~。
喜美子:面白そうやし 興味わいてきてん。うち 陶芸を学んでみたい…。
マツ:陶芸を? また修業すんのん?
喜美子:う~ん…修業いうか…見させてもろて 勉強させてもらえへんやろかて お願いしよう思うんよ。絵付け火鉢もこの先 どうなるか分からへんし…。絵付け以外にもいろいろ学ばせてもろて 考えていこ思うんよ。もっと…自分の世界を広げたい。あかん?
マツ:あかんことないよ。(小声で)このうちで 手ぇかかんの お父ちゃんだけやし。
(笑い声)
喜美子:ほな 身につくまで 何年かかるか分からへんし物になるかも分からへんけど…。
マツ:ええ ええ。気長に学ばしてもらい?
喜美子:うん。
マツ:それ タダなんやろ?
喜美子:タダや。 ええ人やで?
マツ:そう。
喜美子:感じのええ人や。
●丸熊陶業・商品開発室
(回想)
八郎:これで ようやく…。
喜美子:生き返った。
(回想閉じ)
(戸が開く音)
喜美子:おはようございます。こないだは ありがとうございました。
八郎:おはようございます…。
喜美子:今日もええですか?
八郎:えっ?
喜美子:あっ 今日もやのうて 今日から見させてもろてもええですか? 毎日。
八郎:毎日…?
喜美子:ずうずうしいのは承知でお願います。邪魔せんように気ぃ付けますし 見させて下さい!
八郎:困るわ そんなん。
喜美子:えっ…。
八郎:あきません。
喜美子:何で?
八郎:あかんのです。
喜美子:何で? こないだは大丈夫やったやん。
八郎:堪忍して下さい。
喜美子:何で? あっ また こんな目ぇして 見ときましょか?
八郎:堪忍して下さい。
喜美子:若社長に断り入れた方がええんやったら うちが入れておきます。
八郎:そんなんされたら 余計や。
喜美子:何があかんの?
八郎:朝夕 毎日2時間?
喜美子:はい。
八郎:僕と川原さんと2人?
喜美子:はい。
八郎:2人きり? 毎日 朝も夕方も2時間… そんなん… 何て言われるか…。周りに知られたら 何 言われるか分かりませんよ。
喜美子:がっかりや…。
八郎:今 がっかり言いましたね?
喜美子:なに 怒ってんねん。
八郎:怒ってんのは そっちや。
喜美子:がっかりした言うただけやん。
八郎:がっかり言うて怒ってるやん。
喜美子:ハチ 信作って呼び合って うちのことは川原さん呼んで…。いつまでたっても 喜美子 言うてくれへんのは そういうことやったんですね。
八郎:何がそういうこと?
喜美子:こんなにも何回も会うて ようさん おしゃべりしてんのに こことここの間は 男と女いうことでしょ!
八郎:男と女や! 僕にとって川原さんは 女や。今でもこれからもずっと。僕はつきおうてもない人のことを 気軽に名前では呼べません…。そういう古くさいとこあるんです。喜美子なんて… 呼びとうても呼ばれへん。
喜美子:ほな つきあったらええやん…。呼んで? 喜美子 呼んで。つきあって下さい。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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