朝ドラ「スカーレット」第85話、喜美子:ほんまやで?子どもの頃からお金の算段せなあかんかった。お米 どんだけ残ってるか いつまでもつか。それがどうや。今や毎日 夜食に真っ白いごはんのおむすびや。こんなぜいたくなことないわあ。ほんま もう十分 楽させてもらいました。今年は休んで。橘さんから話来たんはええきっかけや思う。陶芸の神様もきっとそうせえ言うてくれてる。銀座の個展はやらんでええ。やめよ。
そうか、それはありがたい! 喜美子、ありがとう!って素直に言えない八郎は、やっぱり昭和の男なんでしょう。
「夫の沽券」にこだわるというよりも、喜美子の才能への劣等感のような感じで、八郎さんは真面目過ぎると書いて、今週もよろしくお願いいたします。
スカーレット(85話1月13日)セリフ
三津:松永三津といいます。初めまして。
かわはら工房に新しい弟子が住み込みで入ることになりました。
●「かわはら工房」
三津:すいません。
喜美子:近いなぁ。
♪
喜美子:こないだ ハチさんがな…すばらしい作品て 何やろなぁ 言うたんよ…。道に迷ってんねん…。これまでの自分をな 超えられへんで きっと苦しんではる。
♪
喜美子:よし。はいよ~。お待たせ~。
三津:お~!
八郎:ありがとう。
三津:おいしそう! 頂きます!
喜美子:おっ ここ片づけてな。
三津:あ…はい。
喜美子:ほんで ぬれ布巾かけてな。
三津:はい。
喜美子:おむすび食べたら 三津はしまいやなあ。
三津:はい。
喜美子:こっからは夫婦の時間や。なっ?
八郎:うん。
百合子:お姉ちゃ~ん!
喜美子:えっ!?
八郎:えっ。
百合子:お姉ちゃ~ん!
八郎:何 何 何 何!?
喜美子:酔っ払ってるやん! 何? どこで飲んでたん? 誰と飲んでたんよ?
百合子:う~ん? チミツ!
喜美子:信作ちゃうの?
百合子:チミツ チミツ!
喜美子:ええ…。
百合子:ああ お義兄さ~ん!
八郎:ああ…。
喜美子:こんな酔っ払ってんの初めてや…。
百合子:ミッちゃ~ん!
三津:ハハハハ…。
百合子:ただいま。
三津:お帰りなさい。
百合子:バンザ~イ!
喜美子:アホや…。
八郎:あかん あかん あかん 大丈夫…。ああ ああ…。座りぃ。一回座ろう 一回座ろう。
百合子:お義兄さん!
八郎:はいはい。
百合子:銀座の… 個展に向けて…。
喜美子:百合子。
百合子:言わせてぇや~。すばらしい作品作れ言われてんのやろ。どうか頑張って下さい。
喜美子:何すんねん もう…。
八郎:アッハハ…。
百合子:励ましや!
喜美子:酔っ払った手で触ったら はげる!
八郎:いや はげない…。はいはい はいはい ありがとうな。今日はもう休みぃ。なっ?
喜美子:うん もう行こう。
百合子:や~ 嫌や~。
八郎:行こ 行こ 行こ 行こ。なあ。
百合子:嫌 嫌…。
八郎:行こ 行こ 行こ 行こ。ほい ほい…。
喜美子:はよ寝るで。もう 何しに来てん。
百合子:お邪魔しました~。おやすみ。
八郎:ああ…。
喜美子:何しに来たんや…。
八郎:はい おやすみなさい。
百合子:お母ちゃ~ん! ただいま~!
三津:アッハハハッ。
百合子:武志~!
三津:ハハハッ。
♪
三津:あの さっき…。
八郎:忘れて。
三津:喜美子さんに横におられると しんどいって…。
八郎:もう~忘れて言うたやん。
三津:ヒロシがさあ。
八郎:誰?
三津:だから さそり座の。
八郎:ああ… つきおうてたいう。
三津:はい。前にも話しましたけど 私がお皿一枚作るのに ああでもないこうでもないやってる横で ヒロシの野郎は自由奔放にあっという間に花瓶やらつぼやらを作っていきやがるので 私も先生と似たような気持ちになりました。それで つきあってるのがしんどくなって別れました。
八郎:あのな そういうことやないねん。
三津:まずですね! そのしんどいっていう気持ちを払拭させるためには 喜美子さんに追い越されてしぼんでしまった才能をまた開花させればよろしいのでは?
八郎:朝顔ちゃうで? 才能やで? ほんで しぼんでしまった才能て 人のこと…。
三津:個展を成功させましょう。銀座での個展。すばらしい作品を作れと言われているなら 作ればいいんですよ。
八郎:はいはい。
三津:先生! 絶対 成功させましょう!
八郎:ほな聞くけどな 松永さんは すばらしい作品て どういうの言う?
三津:売れる作品です。
八郎:売れる作品。
三津:はい。あの 佐賀を回った時…。
八郎:うん。
三津:名もなき陶芸家を紹介されました。70ぐらいのおじいさんが 小さな工房で ぐい飲みを作っていたんです。前歯が2本 虫歯なんです。
八郎:ハッハッハッ…。それ関係ある?
三津:いや 印象的だったんで。
八郎:陶芸とは…。
三津:関係ありません。それで そのおじいさんがニコニコしながら 何十年も焼き物を作り続けてきたって言ってました。似たようなぐい飲みばかりを黙々と作り続けて黙々と売り続けて家族を養うために。
八郎:家族を養うため。
三津:芸術をきわめた作品もかっこいいですけど 前歯が虫歯のおじいさんも かっこよかったですよ。
八郎:まあ せやけど 歯医者は行った方がええな。
三津:アッハハハハハ…。そうですよね。
八郎:食べ。
三津:頂きます。
●川原家・母屋・百合子と三津の部屋
百合子:フフフフ…。
喜美子:もう 何がそんな楽しいん?何があったんよ もう。
百合子:チミツ チミツ~!
喜美子:はあ チミツ チミツって…。
百合子:うわ~。
喜美子:うわ~! もう! ちょっと ちゃんと寝てぇ。はい ここ枕あるから。もう…。
百合子:あっ そやそや! 橘さんって人に会うたよ サニーで。
喜美子:橘さんって誰やねん。
百合子:何かな 頼みたいことあるって言うてたよ。何かな 何かな!
喜美子:頼みたいこと… 分かった よかったなあ。もう 姉ちゃんも幸せや。ほんま うれしい。もう ほんまよかったで おやすみ。
百合子:うん おやすみなさい。
喜美子:はあ~あ…。橘さんて誰や… 橘さん…。橘さん?
回想橘ひろ恵:新しく開店するので そこにコーヒーカップを80個。
喜美子:百合子 百合子 ごめん ごめん。あのさ 橘さん 何て? 何を頼みたい言うてた?
●「かわはら工房」
喜美子:あっ ご苦労さん。
三津:あっ ごちそうさまでした。お先に頂きました。
喜美子:百合子 酒臭いで。堪忍な?
三津:ハハハッ 大丈夫です。おやすみなさい。
喜美子:おやすみ。
♪
喜美子:えっ 何? 昔のやん。どないしたん?
八郎:また いろいろ考えよう思てな。
喜美子:え… やってた これは?
八郎:うん…。
喜美子:ハチさん?
八郎:頂きます。
喜美子:なあ 橘さん 覚えてる? 橘ひろ恵さん。うちに始めてコーヒー茶わん 80個注文してくれて うちにはまだできひん言うて断った人。
八郎:うん。
喜美子:ほんで ハチさん 橘さんに言うてくれたやん。またいつかよろしく頼みますいうて。
八郎:言うたな。
喜美子:話 持ってきてくれたで。百合子が会うたんやて 頼みたい言うてくれはったらしいわ。
八郎:何を どれだけ?
喜美子:まだ分からへんけど 連絡してみる。うちが稼ぐよ。また大量生産の注文受けて 働くわ。
八郎:何でそんなこと。
喜美子:ここ3年 ハチさんが作品作ってくれてな それがよう売れて 川原家始まって以来 ほんま豊かな暮らしさせてもろてる。
八郎:ハッ そんなことないで。
喜美子:お金の心配せんでええなんて うち 初めてや。
八郎:何 言うてんねん。
喜美子:ほんまやで?子どもの頃からお金の算段せなあかんかった。お米 どんだけ残ってるか いつまでもつか。それがどうや。今や毎日 夜食に真っ白いごはんのおむすびや。こんなぜいたくなことないわあ。
八郎:いつの話 してんねん 今は真っ白いごはんなんて当たり前や。
喜美子:当たり前のことちゃうよ。ごはん食べられるいうことは当たり前のことやない。ほんま もう十分 楽させてもらいました。
八郎:喜美子。フフフ…。
喜美子:今年は休んで。橘さんから話来たんはええきっかけや思う。陶芸の神様もきっとそうせえ言うてくれてる。銀座の個展はやらんでええ。やめよ。何か言うて。
八郎:喜美子は優しいな。ありがとう。
●川原家・母屋・百合子と三津の部屋
百合子:ミッちゃん。
三津:ああ。起きてたんですか?
百合子:うちな… 近いうちに ここ出ていくことになる。
三津:ええっ。
百合子:ほしたら この部屋 ミッちゃん一人で使ってええよ。
三津:え… どうして?
百合子:シ~ッ。
結婚すんねん。
三津:ええ~!
百合子:シ~ッ! まだ ないしょやで?
三津:あ…。
百合子:みんなには まだ言えん。うちからは よう言わん。恥ずかしい。
三津:えっ えっ お相手 誰ですか?
●川原家・離れ
武志からの手紙
お父ちゃんへ。お父ちゃんの本当の気持ちが知りたいです。つぎの3つからえらんで 丸をつけなさい。
1 武志にテレビを買ってやりたい。
2 武志にテレビを買ってやりたい。
3 武志にテレビを買ってやりたいなぁ。
よろしくおねがいします。
武志より
ぎんざのこてんがんばりー。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「スカーレット」ネタバレあらすじを最終回まで!出演者キャスト一覧有り
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