朝ドラ「スカーレット」第87話、喜美子:すばらしい作品は?
八郎:和食器セットかて すばらしいで。
喜美子:いや そういうこと言うてるんちゃうやん。あれを超える作品を目指してたんちゃうの?それがうまくできひんから 今回休んだらどうや言うたんよ。無理せんと心に栄養与えてな。ほんでやれるようになったらやればええ思うたんよ。間違うてる?うちが言うてること。
八郎:間違うてないよ。間違うてないけど…。
喜美子:…けど 何?
って、こういう言い方は当事者もそうだけど、聞いているこっちの方もきつく感じられ、今日の喜美ちゃんはイメージダウン大きいぞと。
72話(12月21日)以降、視聴率が20%を超えない日が続く「スカーレット」。やはりここは、武志の青年期を演じる伊藤健太郎クンに期待大ですね。
スカーレット(87話1月15日)セリフ
●カフェ「サニー」
陽子:いらっしゃいませ~。
大野:いらっしゃい。
喜美子:ご無沙汰しておりますぅ。
橘:ご無沙汰してますぅ。
喜美子:どうぞ。
橘:あっ お邪魔します。お元気でしたか?
喜美子:はい おかげさまで。
陽子:コーヒーでいいですか?
橘:はい お願いします。
(OP)
喜美子:神戸ですか。
橘:ええ 夫の仕事で。それからまた こっちに戻ってきたんです。
喜美子:そうですかぁ。
橘:八郎さん ご活躍されてるみたいで。ご立派になられましたねえ。
喜美子:ありがとうございます。
陽子:仲ええんよ ここの2人。
喜美子:ええ? おばさんとおじさんかて。
大野と陽子:ええ?
橘:そうや ゆうべも盛り上がってはりましたねえ。
陽子:ゆうべ?
橘:えらい にぎやかに飲んではって 何かあったんですかってお話聞いたら 何でも こちらの息子さんと…。
陽子:ああ…! もう一杯いかがです?
橘:えっ?
喜美子:ハハハッ。
橘:あっ 今 頂いたところなんで。 あ…こちらの息子さんが…。
大野:あの! お代わり言うて下さいよ。
橘:あ…はい。
喜美子:あっ そや 最近 百合子とあかまつでよう飲んでるみたいで すんません お世話かけます。すんません。
陽子:いや いや いや…。
喜美子:もう あんなん まだまだ嫁には出せへんいうて お母ちゃんと話してたんです。
陽子:嫁に出せへん…?
喜美子:出せませんよぉ。相手によるけど。
大野:んんっ その… 相手いうのは 例えば どんな相手やったらええのん?
喜美子:何ですか?
陽子:あ… や… ほら うちらかて 百合ちゃん かわいいやんか。
大野:せやねん。
喜美子:ああ~。まあ そやな…お父ちゃんおらんようになって うちがビシッとせなあかんしなあ。う~ん…。理想を言えば…。
陽子:うん。
喜美子:うちのことを柔道で投げ飛ばせるくらい 勇ましくて たくましくて強い男がええです。
陽子:柔道…。
喜美子:うん?
陽子:あっ… ああ… 邪魔してしもうた。どうぞ ごゆっくり。
大野:お仕事の話を…。
橘:川原さん ようやくお願いできる日が来ました。
喜美子:もう 何でもおっしゃって下さい。大丈夫です!
●「かわはら工房」
喜美子:いっそげ…。急げ 急げ…。
(笑い声)
喜美子:ただいま~。
三津:あっ お帰りなさいませ。
八郎:お帰り。遅かったな。
喜美子:何が そんな おかしいのん?
八郎:松永さんが勝手に笑てるだけや。
三津:すいません。ディナーセットが…。
喜美子:ディナーセット?
八郎:もうな 絵心のえの字もないねん よう こんなんで美大合格した思うで。見て これ。魚やて 焼き魚。ハハッ。
三津:すいません。
八郎:ほんで これ何やったっけ 梅干し?
三津:お漬物です。
(笑い声)
八郎:こんなん もう絵ぇちゃうよな もう塗り潰しただけやんな?
三津:はあ…急いで描いたから…ハハッ…。
八郎:あっ これ見て これ。僕が描いた卵焼きや 上手やろ。
喜美子:何? ディナーセットって…。
八郎:あの…。
三津:すいません 片づけます。
八郎:はい。あっ お昼食べぇ。喜美子の分もあるで。
喜美子:ああ ホットケーキ頂いてきた。
八郎:食べたがってたもんな サニーのホットケーキ。
喜美子:なかなか ありつけんかった。
八郎:よかったな おいしかった?
喜美子:うん… うん おいしかった。
三津:じゃ これ 下げますね。
喜美子:お母ちゃんは?
三津:おうどんにしときました。
喜美子:ありがとう。
三津:片づけてきます。
喜美子:ハチさん それは?
八郎:銀座の個展に出す作品や。
喜美子:休んだらええ言うたやん。
八郎:喜美子はそう言うてくれたけどな やらんわけにはいかん。
喜美子:何で?
八郎:仕事やからな。個展やって作品売って 食べていかなあかん。
喜美子:橘さんの注文受けたで?
八郎:せやけど 個展はやるで。下見に行くことにした。
喜美子:えっ。
八郎:東京の銀座まで 会場の下見や。
喜美子:いつ?
八郎:う~ん… 来週末にでも。 下見 しといた方がええやろ?
喜美子:ほんまに個展やるんや…。
八郎:ハッ やる言うてるやん。大体なあ 企画してくれた佐久間さんにも ここでやめるなんて言われへん。
喜美子:何で東京下見行くん もっと早う言うてくれへんかったん。
八郎:それは 今 話して決めたことや。
喜美子:誰と話して決めたん。
八郎:松永さんや。銀座はどんなお客さんが来るか。どんなお客さんが作品を見てくれるか。心動かしてくれるか。そんなん考えながら 銀座いう所を実際に見てきたらええんちゃうか言うて。東京で洋食器のディナーセットが売れてるいうからな。ほな こういうのどうやいう話になって これは煮物入れる小皿や。こっちはまあ焼き魚置く四角い皿な。つくだ煮を置く小鉢や梅干しを置く小皿やな? こういうのを全品そろえてもらえるよう きれいに並べてな。
喜美子:銀座の個展で?
八郎:せや。
喜美子:すばらしい作品は?
八郎:和食器セットかて すばらしいで。
喜美子:いや そういうこと言うてるんちゃうやん。あれを超える作品を目指してたんちゃうの? それがうまくできひんから 今回休んだらどうや言うたんよ。無理せんと 心に栄養与えてな。ほんで やれるようになったらやればええ思うたんよ。間違うてる? うちが言うてること。
八郎:間違うてないよ。間違うてないけど…。
喜美子:…けど 何?
八郎:こういう 芸術をきわめるような作品は…。
喜美子:自分にしか作れへん作品やん。そこを こだわってたんちゃうの?
八郎:せやから そういうの今は… 今は… 昔の作風に戻ろうと思てる。それが僕にとって正しい答えかどうかは分からんけどな…結婚する前の頃の作品に戻ろうと思てんねん。
喜美子:東京… 来週末 言うてなな。
八郎:うん。
喜美子:うちも一緒に行く。
八郎:橘さんに頼まれた仕事は?
喜美子:それは…。今すぐやれば間に合う。いちも一緒に行く。
(外に出る喜美子)
喜美子:あ…。雨降るいうてたのにな 降らんかったな。
三津:あ… そうですね。
喜美子:人って 何で空見上げる時 口開けるんやろうな?
三津:あっ。
●川原家・離れ
(戸が開く音)
八郎:橘さんの 何 頼まれたん? 引き受けてきたんやろ?
喜美子:橘さんのご主人の会社関係の…。
八郎:うん。
喜美子:結婚式の引き出物…。
八郎:引き出物?
喜美子:小皿5枚セット。
八郎:5枚セット どんだけ?
喜美子:(小声で)…組。
八郎:聞こえません。
喜美子:40組!
八郎:200枚? えっ!? それ どんだけ時間かかる思う。
喜美子:200枚くらい 今のうちやったら 電動ろくろで1日でできる。
八郎:電気窯一つしかないねんで? 個展かて 5月やで? どんなつもりで段取りしてきたん…。
喜美子:急ぎの仕事て分かったからな 橘さんの意見聞いて その場でどんなんがええか おおよそ決めてきた…。ホットケーキ食べながら いろいろ話して…。橘さんな…喜美子さんの絵付けの力を是非生かして下さい言うてくれたから…。
八郎:絵付け小皿か。
喜美子:うん。
八郎:そうか。ええやん。
喜美子:ほんま?
八郎:可愛らしいやん。喜美子らしい ええ小皿や。ほな はよ進めぇ。
喜美子:東京は?
八郎:行ってる場合やないやろ。
喜美子:ハチさん 行くんやろ?
八郎:喜美子は これやっとき。
喜美子:うちもハチさんについてく。
八郎:ついてきたら間に合えへんやん。作りたいんやろ? ほんまは作りたいんやろ。
喜美子:さっき うそついた。
八郎:うん?
喜美子:ホットケーキおいしかった言うたけど うそや。久しぶりに小皿200枚作ること考えたら ホットケーキなんて食べた気せえへん 味なんかせんかった。作りたい。ほんまはゆっくり時間かけて納得いくもん作りたい。
八郎:ほな はよ取りかかり。こんなしゃべってる間も もったいないで。僕は僕でやるから。喜美子は喜美子で やりたいことやったらええ。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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