第19週の「スカーレット」は、前週の昭和54年(1979年)から、4年飛んで昭和58年(1983年)に時が変わります。
武志が大学のために設樂から京都に出て、そして大学卒業の4年後に信楽に戻ってくるところが描かれる第19週。
この週では、マツさんがお亡くなりになりますが、でもこの先にはもっと大きな試練が待っているということで、頑張れ喜美子、武志、それに八郎も名古屋で生きていますと書いて、ネタバレなのでご注意願いします。
スカーレット第19週のネタバレあらすじ
武志が京都に行く日の朝。
武志はかつて、喜美子に口走った言葉を謝っていた。
「お母ちゃんは成功した代わりに大事なもんを失った…」あんなこと言うてごめんな。大学行かしてくれてありがとうぉ!
そして、元気に駆けだしていく武志だった。せっかくお金を出してもらったのだから、しっかり学ばなければならない。
武志は卒業するまでは、信楽に帰ってくるつもりは毛頭なかったのである。
昭和58年(1983年)2月
川原家で、マツの位牌に手を合わせる八郎の姿があった。亡くなる前、マツは天国の常治に会いに行く時に着る服を、のんびり編むのが日課だった。
そしてその日も、陽子とおしゃべりしていて…
幸せな死に方はななぁ こうやって楽しくおしゃべりしているうちにゆらっと…
普段の口癖通りに、3年半前に常治の元に旅立ったマツ。
それ以来、一人暮らしの喜美子の家に八郎から突然、電話がかかってきて…、
喜美子と12年ぶりの再会を果たす八郎。
話題はおのずと武志の話になり、喜美子は武志が大学卒業後、信楽の窯業研究所で1年間、修業することを八郎に報告。
実は、八郎は喜美子と離婚した後、武志の養育費をずっと喜美子に送り続けていたのだ。
大学卒業ということで、もうお金を送ってもらう必要がなくなり、これまでの送金に感謝の気持ちを伝える喜美子。
八郎もまた、武志をここまで育ててくれたことに対して、喜美子に心から礼を言うのだった。
そして川原家を出た八郎は、懐かしい工房と穴窯に目をやり、名古屋に帰っていったのである。
信楽に戻ってきた武志は、喜美子に大学生活の様子を話し出すと…、
まるで自分が大学に通っているように感じられて、胸を弾ませる喜美子。
武志が専攻した陶磁器科の先生の名は掛井武蔵丸。釉薬の専門家で武志にものづくりの心得をしっかりと教えてくれたと。
そして、その掛井武蔵丸先生が、この春に信楽の窯業研究所に移ることになり、先生を追って信楽に戻ったと言う武志。
※掛井武蔵丸(かけい むさしまる)を演じるのは、尾上寛之さん。「ひよっこ」三男の兄・太郎、いや、高ちゃんの旦那と言った方が分かりやすいかもしれません。
陶芸のことは、掛井先生に学ばせてもらいます。そして穴窯を継ぐつもりはない。
武志の言葉は明快だった。
喜美子はその掛井先生に挨拶するために窯業研究所を訪ねると、喜美子を尊敬しているという掛井先生は、感激のあまり舞い上がってしまうのだった。
武志は、この窯業研究所の近くに部屋を借りて一人暮らしすることを選び、生活費もアルバイトをして自分で稼ぐと。
窯業研究所には照子敏春夫婦の長男・竜也も通い始めていた。丸熊陶業の後継ぎとして大きな期待を寄せる敏春に反発して、高校を中退するほど荒れていた竜也。
入れさせられた研究所でも、ふてくされていたのだが…
幼い頃に一緒に遊んだことがある武志には、少しずつその心を開き始め、やがて陶芸にも真剣に向き合うようになっていったのである。
ある日、小池アンリという60歳くらいのきれいな女性が工房を訪ねてきた。ある作品がどうしても欲しいという。
それは喜美子が穴窯で作った最初の作品だった。売り物ではないと喜美子が断ると、30万ならどうかと現金を取り出すアンリ。
喜美子は戸惑いながらも、なんとか説得して帰ってもらったのだが、アンリの顔色には諦めた節がなかったのである。
この頃、喜美子が穴窯で作った作品は、最低でも5万円の高値がついていた。もっと低価格にしたいと常々思っていた矢先の30万の現金。
荒木荘に居た時、ストッキングを1足繕って12円の内職代を得ていた頃を考えると、作品が高値で売れていく今とは雲泥の差。
自分が変わっていく…。
そんな不安を、久しぶりに訪ねてきた庵堂ちや子に話すと、
大丈夫、喜美ちゃんは喜美ちゃんや。
市議会議員になっているちや子が、喜美子を励ますのだった。
小池アンリは、やはり諦めていなかった。何度も何度も工房にやってきては、あの作品が欲しいと。
しかも、800万円出してもいいから譲ってほしいと言い出し、喜美子を困らせるのだったが、喜美子の頑なな態度で、ようやく白旗を上げるアンリ。その代わりに、
聴かせてもらうだけでいいです。
そう言うと、ひとさし指で器の輪郭をなぞったのである。
音が聞こえてくるんです。
作品によって、ブルースやワルツ等、それぞれの音が聞こえると言うアンリ。喜美子も不思議そうに真似してみるが、音は全く聞こえてこない。
でも、そんな風に考えると、楽しくなってくるのは事実だった。
ある日、工房に立ち寄った住田が、アンリの姿を見て、喜美子に耳打ちした。
小池アンリゆう、スキャンダル女優や。
昔、恋愛ゴシップで浮き名を流した有名女優だったらしいアンリ。現実離れした金銭感覚も、喜美子とは全く違った人生を歩んできたことを物語っていた。
芸術はな、見知らぬ者どうしを引き合わせるねん。
アンリの言葉に深くうなずく喜美子だった。
※小池アンリを演じるのは、滋賀県大津市出身の烏丸せつこさんです。
窯業研究所では、掛井が妻からの電話でうなっていた。電話を取り次いだ事務員の石井真奈が、掛井の様子を見て心配していると…
武志が何事かと掛井に尋ねると、妻から妊娠したとの知らせでうれしくて言葉が出なかったと。
よかったあ~!
満面の笑みで喜ぶ真奈を見て、武志は真奈に好感を持つのだった。そして真奈も武志のことを…。
※石井真奈を演じるのは、松田るかさん。沖縄出身の女優さんです。
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本日発売のNHKドラマガイド「スカーレット part2」に私が掲載されています。
と言うことは…!(動画撮ってみました)ドラマガイドもゲットしてみてね◎https://t.co/UnujMEmb2M pic.twitter.com/Ezjadgb01M
— 松田るか (@imrukaM) January 26, 2020
武志の成長の喜びと陶芸家・川原喜美子としての仕事の充実感、そして新たな刺激を受けながらも穏やかな日々を送る喜美子。
この先に、悲しい試練が待ち構えていることは、まだ知る由もなかったのである。