NHK連続小説テレビ「わろてんか」3月7日第130話。残り21話となり、まさに佳境に入った「わろてんか」。上海に行った慰問団「わろてんか隊」に、リリコと四郎が合流。
日本では、その動向を新聞で知り安堵するおてんさんたち。そして川崎に駆け落ちした隼也とつばきの間には、藤一郎と命名された藤吉とおてんさんの孫が生まれて、可愛い笑顔。
このブログでは、次の朝ドラ「半分、青い」を本格的に追う予定ですが、その前段階として終盤に入った「わろてんか」をおっかけてみたいと思います。
亀井:皇軍の武運長久とわろてんか隊の成功を祈ってバンザイ!
一同:バンザイ!
新聞社の依頼で北村笑店は笑いの慰問団として芸人十数名を戦地に派遣する事になりました。
(三日後)
亀井:はあ~出陣式だけで こない取り上げられて 北村の名前も大きゅう出てますわ。
てん:それに団長が英雄みたいに紹介されてるしな。
楓:ごりょんさん 今 新聞社で第一報 聞いてきました。わろてんか隊 上海に着いたそうです。
トキ:よかった 無事 着いて。
亀井:けど看板芸人 ごっそり行ってもうたから 我々も頑張ってお客はん 呼ばなあきまへんで。
てん:みんな 働きましょ。
(上海)
万丈目:あんな歓迎されるとはなぁ。こら 気合入れんと。
歌子:久しぶりに腕鳴るわ。
アサリ:ハハハハハハ!いや~懐かしいなぁ この格好。
キース:おお 元祖しゃべくり漫才の復活や。
アサリ:ああ。
キース:おっ 写真撮ろか?
アサリ:ああ!
風太:おい どけ アホ。
キース:おっ…。
風太:慰問団の面倒を見て頂く阿久津少佐殿や。ご挨拶せえ。
一同:よろしゅうお願いします!
阿久津少佐:ご苦労さま。陸軍主計少佐 阿久津隆一であります。将兵の士気高揚のためよろしくお願いします。
風太:ご期待に沿えるよう気張らせてもらいます。
阿久津少佐:しかし その格好は…。
万丈目:あ…高座の衣装ですけど。
阿久津少佐:兵隊たちに妙な里心がついてはいかん。ここ上海においても戦場にいる心意気で 是非 制服のまま演じてもらいたい! 諸君は栄えある皇軍将兵の慰問団だ。その事はよくわきまえておいてもらいたい。
キース:何や 思てたんとちゃうな。
風太:まあ しゃあない!ネタだけで どれだけ兵隊さんを笑わす事ができるか 腕試しや。
風太:え~連日連夜 勇戦敢闘される皇軍将兵の勇士の皆さんを慰問せんと 我々 わろてんか隊 はるばるやって参りました。え~これからのひととき 漫才や落語 奇術をお楽しみ頂き お国のためにますますお働き頂く励みになれば 我々 慰問団として こないに名誉な事はありません。
●キース・アサリの漫才
「もしもし?」
「もしもし?」
「もしもし?」
「もしもし?」
「どちら様ですか?」
「キミがかけてるんやがな」
「もしもし?」
「もしもし?」
「♪亀よ 亀さんよ」
「♪世界の」…歌てる場合か!
ありがと。
何のありがとうや!
(笑い声)
●万丈目・歌子の夫婦漫才
はよ!
ご陽気に うしろ面を さあ!
せやから 何回も言うてますよね この格好やったら うしろ面なんか できまへんがな。
これで よろし。
何や これ。
前面や。
前面?
(笑い声)
それでは ご陽気に 前面を さあ!
こんなん 普通やがな。ヨッ オイトナ!
ヨイヨイ~!
風太:少佐殿 なんぞ問題ありましたやろか。
阿久津少佐:いや 皆も大いに楽しんだようでよかった。
風太:おおきに。
(ノック)
阿久津少佐:よし お通ししろ。
はい。
風太:リリコ!
阿久津少佐:君に面会だ。
リリコ:新聞にあんたらが慰問に来てるて 出てたんや。
風太:ここんとこ 何の音沙汰もないさかい お前らの事 心配してたんや。
リリコ:四郎さんが入ったオーケストラ楽団 外国人 ぎょうさん集めてたさかい 世の中が何や怪しゅうなってきて解散してしもたんや。
風太:何で知らせへんねや。
リリコ:そら うちらにも意地がある。あんだけ大口たたいてこっち来たんや。
風太:ほんで 今は何してんねや。
リリコ:四郎さんはバーでピアノ弾いてる。それだけでは食べていかれへんから うちは近所の食堂で働いてんねん。
風太:ホンマに大丈夫なんか?
リリコ:地の果てまでついていく言うて一緒になったんや。別に苦労でもないし後悔もしてへん。ちょっと懐かしゅうなって来ただけや。
風太:ホンマか? お前ら まだ北村の社員のまんまやったな。
リリコ:え?
風太:さあ 入れ!
万丈目:うわ~! あ~四郎さんも元気そうで もう何よりや!
リリコ:ホンマにお久しぶりです。
四郎:ご無沙汰してすんまへん。
風太:今日から この2人には わろてんか隊に入ってもらう。
アサリ:へえ!けど よう許可下りましたなぁ。あの堅物の少佐やったら アカン言いそうなもんやけど。
風太:いや~こいつらを まだ うちの社員にしといてよかった。兵隊さんの慰問のためや言うたら はんこ押してくれた。
キース:ああ~ これで北村の大看板のそろい踏みや。
万丈目:そやけど漫才 大丈夫なんか?しばらくやってへんのやろ?
リリコ:もちろん うちは天才やさかい大丈夫や。
四郎:僕ですか?
リリコ:あんたはアウアウ言うてるだけやさかい 問題ないわ。
四郎:え!
リリコ:アコーディオンの腕前は天才やしな!
四郎:もう~何やねん!
アサリ:何や のろけかい!
風太:さあ みんな 北村笑店の底力 見したってや!
一同:へえ!
亀井:社長!リリコはんや。リリコアンドシローが わろてんか隊に合流したみたいでっせ。
トキ:ほんまや。どういう事やろ?
楓:四郎さんの楽団 うまくいかんかったんやろか?
てん:あ…まあ事情はどうあれ お二人が戻ってきてくれはったんやったら百人力や。な!
亀井:うんうん。
楓:確かに。うちらも負けてられへん。節約や出産奨励 これでどう笑わせいうんやろか。
(神奈川 川崎)
隼也:ただいま。いや~「わろてんか隊慰問団」か。
つばき:はい。おじ様が団長さんらしいです。
隼也:ただいま 藤一郎。
つばき:あっ 隼也さん これ。
隼也:ん?
つばき:今日 届いたんですけど 大阪から。おしめがこんなに。
隼也:はあ~。お母ちゃん…。おおきに。
つばき:藤一郎 おばあちゃんが心込めて縫うてくれた贈り物ですよ。
どうも~ 皆様 ご機嫌よう!ミス・リリコです。こちら 私の伴奏者兼引き立て役。
シロ!シロシロ…。(笑い声)
「シロ シロ」て子犬か!緊張して 頭ん中が真っ白になってますけど こちらシローさんです。どうぞ お見知りおきを。
あ…あう あうあう あう…。
「あうあう」て犬かいな!すいませんねぇ そやけどアコーディオンはうまいんですよ。こんな顔ですけど。
あう~!(アコーディオンの音)
こんな顔ですけど、次の曲は何やの? えっ ベートーベン?アホか!(笑い声)
この このこの この…。
「このこ このこ」て どこの子や。ホンマ しょうもない。あら失礼。
アサリ:腰や。
キース:大丈夫か?お前。
風太:いや~兵隊さんら 喜んでたで。
アサリ:お疲れさん。
キース:お疲れさん。
四郎:何や 久しぶりで。
リリコ:そやけど こんな格好で漫才すんの 味気のうてお客さんに申し訳ないわ。
阿久津少佐:君 その髪飾り 取りたまえ。
リリコ:えっ これもあきませんの?
阿久津少佐:諸君は 明日 前線に赴く兵隊たちを笑わせるのが仕事だ。いたずらに里心をつかせるような言動は慎んでんもらいたい。
風太:すんませんでした。これからは 気ぃ付けますよって。
(ため息)
キース:服や髪飾りなんか関係ない。
アサリ:せや。お前らの腕やったら 兵隊さん なんぼでもわろてくれるわ。
リリコ:それにしてもウケ過ぎちゃうか?みんな はじめっから終わりまで ず~っとわろてた。
四郎:え?
キース:ああ 確かに。
リリコ:怖いほど わろてくれはるわ。
四郎:最後の笑いやからもしれんな。バーでピアノ弾いてると やたら陽気に歌うたり踊ったりしてた兵隊さんが 次の日からパタッと来んようになるんです。後で話聞くと 前線に送られる前の日やったて。
キース:そういうたら 今日の兵隊さんらも 近々 どっか戦場に行く言うてはったわ。
リリコ:何や 責任重大やな。
兵隊:あの 高座 面白かったです。僕 子どもの頃 よう 天満の寄席に通てました。漫才 大好きで。
リリコ:あ…おおきに!
兵隊:これを。お願いします。
※このコラム内の写真は全てテレビ画面からの引用で、その全ての権利はNHKにありますので予めご了承願います。
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