NHK連続小説テレビ「わろてんか」3月28日148話。
昭和20年8月、日本が敗戦し戦争終結。その一ヵ月後、風太がおてんさんたちの疎開先である滋賀米原に戻ってきて大阪の状況と芸人たちの消息を説明。
芸人さんらが戻った時に社長の私がいなくてはと、おてんさんは風太とともに大阪に行くことにし、つばきと隼也、それにおトキと飛鳥は、もうしばらく米原に残ることに。
焼け野原になった大阪の街に立ち尽くすおてんさん。そこに万丈目から預かったいた漫才の台本を抱えて楓がやってきた。しかし、親の面倒を見なくてはいけないからと、すぐに合流できない無念さ。
安来節乙女組の小豆沢とわも、お母ちゃんと叫んでやってきたが、安来節乙女組の都が神戸の空襲で死んだことを聞かされ、ますます落ち込むおてんさん。とわも田舎に帰って行った。
曲芸師佐助と妻の富もやってきた。脚を怪我したからもう芸人はできない。田舎に引っ越すと言い残し、またもやおてんさんの周りには風太だけ。
おてんさんが鈴を振っても幽霊藤吉は現れず、夜な夜な、隣の部屋にいる風太の心境は如何に?
昭和21年春、おてんさんと風太は、日銭を稼ぐためにすいとんを作って売っていた。そこに出てきたのが、毎度おなじみの悪い男たち。
昔々、大阪に藤吉を探してにやってきたおてんさんが、暴漢に襲われそうになった時、おてんさんを救ったのが伊能栞(10月11日第9話)。数十年ぶりに同じシチュエーションで、伊能栞が颯爽と登場。
ちなみに、写真で見る限り、この悪い男たちは10月11日放送第9話の同じ人たちだと断言していいかもしれません。
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玉音放送(ラジオ):「然れども朕は時運の趨く所堪え難きを堪え忍び難きを忍び以て万世の為に…」。
昭和20年8月15日。玉音放送により国民は終戦を知りました。そして一月ほどたちました。
てん:ご苦労さんやったな。
風太:いや…。
トキ:リリコさんや芸人さんらは?
風太:この一月 あちこち捜し回ったんやけど居所が分かったんは親戚んとこに疎開してる亀さん万丈目はん歌子はんだけや。ああそや 隼也の事は何か分かったか?
つばき:うちの人もこちらの洋平さんの安否もまだ…。
てん:うちは大阪に戻ろう思てます。
りん:姉さん大阪はまだ危ないえ。
治平:もうしばらくはここにおった方がええで。
新平:せや。なんも慌てる事ないやろ。
テン:おおきにありがとうございます。けどみんなが風鳥亭に帰ってきた時にうちがいてへんかったら寄席も始められまへん。
トキ:ほんならうちも。
つばき:私も。
てん:あんたらは子ぉらともうしばらくここに置いてもらい。
風太:そやな。
てん:そうして頂けると助かります。
治平:子どもの事はわしに任しとき。
てん:おおきに。よろしゅうお願いします。
てん:こないなって…。藤吉はん…。堪忍。堪忍え。分かってた事やのに…。
楓:おてんちゃん…。
てん:楓さん!
楓:社長…専務!ようご無事で。
てん:楓さんは今どこに?
楓:箕面の親戚のとこに両親と一緒に。専務が捜してくれてはるらしいて聞いて。これを。
てん:漫才の台本?守ってくれてはったんか?おおきに。楓さんが…楓さんが戻ってきてくれはったら百人力や!
楓:すんません!
てん:へ…?
楓:今は家族の面倒見んならんさかい。
風太:てんシャキッとせえ。てんが笑わんでどうする?笑いの神さんがへそ曲げんで。
てん:うん。
とわ:総監督!お母ちゃん!
てん:とわ!とわ!無事やったか。あんた安来に帰ったて聞いてたけどこっちいたんか。
とわ:そげです。
てん:そうか。ほかのみんなは?
とわ:なつとあやは安来にお~ます。だども都が…都が神戸で空襲に遭って…亡くな~ました。
てん:そうか…。つらかったな。
とわ:はい。
てん:とわ。
風太:踊りの仕事がやりたいんやったらまた一緒にやるか?
とわ:今は毎日食べ~事もできませんけん明日里に戻ります。
佐助:社長!
てん:佐助!
富:ようご無事で。
てん:あんたらこそよう…。
佐助:空襲で足やられまして…。
富:この人もう曲芸もできまへんし芸人は引退して田舎に帰ろう言うてますねん。
風太:そうか。
風太:やっと芸人見つけても相方が戦死したやの空襲で行方知れずやの悲しい話ばっかりや。あいつもあいつもあいつもあいつも…。みんな死んでもうた。おうこらキース!アサリ!お前らどこ行った!?リリコ!四郎…。はよ戻ってこい!看板あってもお前ら芸人おらんかったら寄席にならんやないか!アカン俺まで弱気になってもうた…。アカン…。おいてん。兵隊さんもな復員が始まってるみたいやし隼也も伊能さんもみんなもきっと無事に帰ってくる。信じて待とう。
(鈴の音)
てん:何で?何で出てきてくれへんの?藤吉はん。藤吉はん。
てんと風太は風鳥亭の前でひたすら待ち続けました。
てん:と~んと~ん!すいとんいかがですか?
通行人:うまそうやな。1つくれ。
てん:へえおおきに。5円です。
風太:生地足らへんな。作ってくるわ。
てん:おおきに。
チンピラ:うわっうまそや。ねえさん俺にも1つ頼むわ。
てん:へえ。
チンピラ:わしももらうわ。
てん:5円です。あっ!
チンピラ:アハハハ~!
てん:ちょっと何してんの!何やのもう!ええ加減にしぃ!返して!離せ!
チンピラ:このアマ!イテテテテテッ!離せよ!てめえコノヤロー!すんまへん!
あら?これどっかで見たような…。…という事はこのお方は。
(拍手と歓声)
栞:大丈夫ですか?
てん:伊能さん…。
栞:さあ。
風太:おいてん!何の音や?生地やり始めてしもたからなちょっと手が離せ…。何があったんやこれ!え!おうおう大丈夫か?おい何があったんや。
伊能さんや~!ハハハハッ伊能さんや!よう戻ったな!
てん:お帰りやす!
栞:ただいま。
アメリカに行ったまま行方知れずになっていた伊能の6年ぶりの帰還でした。
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