NHK連続小説テレビ「わろてんか」3月31日151話(最終回)。
「この焼け野原に北村笑店がよみがえった事、笑いの灯ぃがともった事 一刻もはよう大阪中に伝えたいんです」というおてんさんの言葉で始まった青空喜劇「北村笑店物語」。
これまでの名場面を、回想シーンで表現するのではなく、吉本新喜劇風に見せる演出が斬新で、特に亀井庄助役の内場勝則さんが実に生き生きとした印象。さすが座長の貫禄で「いぃ~っ!」。
そして、朝ドラ恒例のスピンオフですが、4月下旬に放送が予定されています。既にNHKから公表されている説明では、4話連続のオムニバス形式ということで、「べっぴんさん」と同じようなスピンオフドラマが見られそうです。
わろてんかスピンオフドラマ
第1話:風太(濱田岳)おトキ(徳永えり)
第2話:リリコ(広瀬アリス)四郎(松尾諭)
第3話:楓(岡本玲)アサリ(前野朋哉)
第4話:てん(葵わかな)隼也(成田凌)つばき(水上京香)
個人的には、おてんさんの妹りん(堀田真由)のスピンオフが見たかったです。疎開先でもりん一人で、旦那は?子どもは?と、りんの家族が誰も出てこなかったのが非常に気になり、堀田真由さんのCM動画を置いておきます。
わろてんか最終回でも、伊能栞の隣に座っていましたが、CMでも高橋一生さんとアイコンタクトしており、実にチャーミング。今後の活躍に注目していきたいと思います。
スポンサーリンク
風鳥亭の青空寄席!芸人裏方総出の猛練習を経ていよいよ北村笑店復活の青空喜劇が開演でございま~す!
武井風太:ええか?お代は頂かへんいうても北村の舞台や。お客様にしっかり笑って頂かなアカン。おいお前!お前や。要の藤吉の役や。しっかり頼むぞ。
田口一郎:へえ!
武井トキ:緊張させてどないすんの。
武井風太:痛っ。
武井トキ:肩の力抜いてな。
武井風太:あっ懐かしいおトキちゃん。
北村てん:そうや皆さん肩の力抜いて。うちらには笑いの神さんがついてますえ!
一同:へえ!
亀井庄助:ほな皆さんそろそろ始めまひょか。
一同:へえ!よっしゃ。
藤吉の声:待て待てどこ行くんや。
杉山楓:青空喜劇「北村笑店物語」始まり始まり~!
(柝の音)
(拍手と歓声)
てん:「藤吉はん!」。
田口:「お…おてんちゃん!」。
田口:「ホンマに来てくれたんか」。
てん:「誰に言うてますのん?うちここですえ」。
(笑い声)
田口:「すまんすまん。ホンマに来てくれたんやな。お…俺…」。
てん:「ただ笑いが好きなだけの」。
田口:あっ。「俺はただ笑いが好きなだけの男や。そんな男と駆け落ちして後悔せえへんか?」。
てん:「へえ!笑いがそないに好きやったら寄席をやったらどないです?笑いを商売にするんです!」。
田口:無理…無理無理無理。
てん:待って。
田口:アカンやっぱり無理や。
てん:大丈夫や落ち着いて。自信持って。
田口:すんません!
そして てんと藤吉は寄席小屋を探して大阪中を駆け回りました。
てん:「ここの小屋どうどす?」。
田口:ああ…「ええな。こんだけガタがきてたら安いやろしな」。
てん:「ホンマボロボロですね」。
亀井:「あんたええ加減にしいや」。
(笑い声)
亀井:「うちの小屋むちゃくちゃ言わんといてや」。
てん:「えらいすんません。正直なもんで」。
亀井:いぃ~っ!
(笑い声)
亀井:「余計悪いがなあんた。それよりなんぞご用事でっか?」。
田口:「この」え~と…「この」。
てん:「この寄席が欲しいんです!」。
亀井:「あんたらみたいな素人に売る訳にはいきまへんな」。
四郎:「せや素人の出る幕やない!」。
観客:おっ四郎や!
亀井:「これはこれは寺ギンさん」。
てん:「どなたさんですか?」。
亀井:「この人は寺ギンさんいうてな大阪のほとんどの芸人を取りしきってる太夫元さんや。借金で芸人縛りつけて好き放題にこき使てんねや」。
四郎:「そのとおり。大阪の芸人はみんなわしのもんや。ハハハハハ」。
幽霊藤吉:「芸人は物やない!熱い血の通た笑いもすれば涙も流す人間や!」。
観客:おお~!
てん:藤吉はん?
四郎:「何眠たい事言うてんねん。芸人なんてウケんようになったら捨てるだけのもんや」。
てん:「ちゃいます!席主も芸人さんもみんな同じ笑いの家族です!」。
亀井:「気に入った!あんたらに小屋売ろう!」。
四郎:えぇ~っ!
てんと藤吉:「ホンマですか!?」。
亀井:「うん」。
四郎:「くそっお…覚えとけよ!くそじじい!」。
(笑い声)
藤吉:「ああ…おおきにありがとうございます」。
てん:「ありがとうございます!」。
亀井:「いやいやあんたらみたいな人になうちの小屋使て…」。おっわしまだしゃべっとるがな!
(拍手と笑い声)
(アコーディオン)
亀井:ウケてる。わし天才かも。
四郎:あ~はいはい。
てん:藤吉はん?
イチ:社長すんまへん!田口君どいてどいて。
楓:てんと藤吉はこの小屋を風鳥亭と名付け北村笑店を創業しました。寄席の数を順調に増やしていきましたが…。
つばき:どんどんお客さん集まってきはるな。
飛鳥:そやな。
てん:「何やて?寺ギンとこの芸人誰も来てないて?」。
亀井:「えらいこっちゃ!玉造の方も一人も芸人来てまへん」。
アサリ:「こっちもや!ここの楽屋もわいら以外誰もおらん」。
キース:「やっぱり寺ギンの嫌がらせか」。
トキ:「こないだおてん様が寺ギンさんとこの芸人さんにお金恵んであげはったさかい」。
キース:「多分俺らが芸人引き抜いてると誤解してるんやな」。
リリコ:は~いどうも~!銀幕の大スタアリリコちゃんやで!えっ映画で見るよりかわいい?えっ日本一きれい?いえいえそんな事…ありますわ!
(笑い声)
アサリ:あるんかい!
リリコ:そんなんどうでもええねん。「あんな寺ギンが北村笑店潰すていきまいてるらしいで」。
アサリ:「それ先に言わんかい!ホンマか?」。
リリコ:「ホンマや」。
キース:「どないする?」。
亀井:「北村が芸人抱えて雇うたら寺ギンなんか怖ないんやけどなぁ」。
てん:「それやったら芸人さん歩合制やのうて月給制で雇ったらどないですやろ?」。
亀井:「さすがごりょんさんええ事言わはるわ」。
アサリ:痛~っ何でわいがたたかれなアカンねん!
トキ:「あのお茶子や下足番も月給制ですやろか?」。
てん:「そうや」。
亀井:「えっ!わしらも…」。
歌子:「えらいこっちゃ!あんた!えらいこっちゃえらいこっちゃ!」。
亀井:どこまで行くねんどこまで。あっ帰ってきた。
てん:「歌子さんどないしたん?」。
歌子:「何やったかな」。
アサリ:忘れたんかい!
歌子:「そうやそうや!寺ギンとこの芸人さんがぎょうさん押し寄せてきましたんや!ほら来た!」。
てん:「風太どないした?」。
風太:は~い武井風太です!今は寺ギンの下で働いてますが後に北村笑店で専務になります。
キース:何の説明してんねや!
風太:は~い話に戻りま~す!「席主!」。
(笑い声)
風太:「ここにいるオチャラケ派の芸人150人全員をここ北村笑店で雇ってほしいんや」。
イチとお楽:「よろしゅうお願いします!」。
イチ:「ご覧のとおり全員」。
お楽:「超一流の芸人です!」。
(笑い声)
イチとお楽:「おおきにありがとう!」。
亀井:「よかったですな!」。
(鈴の音)
四郎:「邪魔すんで!」。
亀井:邪魔すんねやったら帰って。
四郎:「邪魔したな」。何でやねん!用があるから来とんのや。「おい藤吉!お前何勝手にうちの芸人引き抜いとんねん!」。
「いやいやいやいや引き抜こうとしたんとちゃう。150人の芸人全員がここ北村笑店に来たい言うたんや」。あれ?同じや。
一同:ホンマや!
四郎:やかましいわもう何や!
亀井:いやこんな偶然あんねや。ええもん持ってまんな!
四郎:ホンマやこれ。ありがとうございました。
亀井:お帰りあっちです。
四郎:あっどうもお邪魔しました。ちゃうわ!おい!お前がいらん事言うから何かややこしなっとるやろが!風太!
風太:いや俺はこっちや!
四郎:あ~もうややこしな!「お前らがうちの芸人の面倒見る言うんやったらこいつらの借金まとめて2,500円面倒見てくれるんやろうな」。
隼也:「待ちたまえ」。「その借金僕が支払わせてもらおう」。
四郎:「誰やねん?」。
隼也:「北村笑店の相談役伊能です」。
リリコ:昨日は金曜日や。
歌子:「きのう」やのうて「いのう」や。
てん:伊能?「あの…きのうさん!」。
隼也:「伊能です!」。
てん:「すんまへん伊能さん!けど大丈夫です。その借金皆北村笑店で肩代わりさしてもらいます」。
一同:「えっ!」。
四郎:「いやいやそないな金どこにあんねん!」。
てん:「爪に火ぃともしてためたへそくり2,511円50銭あります」。
観客:え~!
てん:「どうぞ持ってっとくれやす!」。
観客:おお~!
四郎:「ごりょんさんには恐れ入ったわ。風太150人分の証文や。預けたで」。
風太:いやそれ俺それちゃう!何やもう最後の最後!
四郎:いやだって同じなんやもん。
風太:もうやめたって!
てん:「さあこのカメ持ってっとくれやす!」。
亀井:はい。
一同:こらこらこら!どこ持ってくねん!カメ違いや!
亀井:「亀持っていけ」て。
一同:違う!
歌子:給料もうてない。
一同:何をやってんねん!待て!ちょっちょっちょっ…。
風太:一旦下に置け!下に置けお前!ホンマに何してんねや。
キース:気を付け!礼!着席!へそくり!もうた!メガネメガネメガネメガネ…。
一同:あっ!
(笑い声)
万丈目:いける。こりゃいけるで。
(柝の音)
楓:こうして北村笑店は寄席30軒芸人300人を抱える日本一の笑いの会社となり 大阪を押しも押されもせぬ笑いの都へと押し上げていくのでございます~!
風太:おい並べ!並べ!
てん:皆さん今日はおおきにありがとうございました。「笑う門には福来る」。幸せやから笑うんやのうて今がどんなにつろうても笑うからこそ幸せになれる。そう信じてます。もしお隣にしょんぼりしてはる人がいたはったらどうぞ手ぇ取って言うたげとくれやす。「わろてんか」て。ほな皆さんご一緒に。
一同:わろてんか!
(拍手)
藤吉:こっからがまた始まりや。
てん:へえ。今日からまた一歩ずつ百年先目指して気張ります。
藤吉:てんやったら大丈夫や。
てん:藤吉はん。
藤吉:ん?
てん:これからもわろてんか。よろしゅう頼んます。
(完)
スポンサーリンク
スポンサーリンク