朝ドラ「エール」第15話、接吻大作戦が失敗し、志津を見送った後で出会ったのが乃木大将こと野村鉄男。今は福島日民新聞社の記者。
そして、志津に告白した裕一だったが、志津はかつて小学生の時、裕一を投げ飛ばした同級生のとみだと分かり…。
志津:私の家の店 潰れたの。それで今はダンスホールの踊り子。男の機嫌とって毎日必死に稼いでる。なのに何? あんたは銀行の跡取り?冗談じゃないわよ!あんたは昔からそう。そうやってどっかで私たちのことバカにしてんのよ。昔は「音楽家でござい」って顔してたけど今は「銀行家でござい」ってか? バカバカしい! ふう…あ~ すっきりした! フフッ。じゃあね~お坊ちゃま。大人になるのよ。フフッ。
女は怖い…。そして堀田真由ちゃんがこれで退場とは非常にもったいなく、再登場プリーズとNHKさんにお願いです。
エール(15話4月17日)セリフ
●川俣銀行・裕一の部屋
松坂:昌子さんは交際って一口に言うけど 交際の境界線って何なの?
昌子:おお~珍しくいい質問ね。確かに交際の境界線って それぞれの組み合わせによって変わってくるわ。
落合:一緒にお酒を飲む。
昌子:ううん ううん…。
鈴木:告白して了承を得る。
昌子:ううん ううん…。
松坂:手をつなぐ。
昌子:ああ ああ…。
落合:古山君はどう思う?
裕一:い…いや…僕は…お会いして お話ししていれば もう…た…楽しいです。
鈴木:駄目だよ。相手は海千山千の踊り子さんだぞ。す~ぐに飽きられて愛想つかされっちゃうよ。
昌子:接吻ね。
裕一:接吻!?
落合:あっちぃ…!
昌子:ああ ああ…。
松坂:いきなりですか?
昌子:きれいで経験豊富なレディー。方や恋愛未経験のボーイ。この2人をつなぐためには接吻! うん…接吻しかねえわ!
裕一:ええっ…よく分かりません。
鈴木:それしかねえな。
裕一:えっ?
落合:俺も同じ意見だ。
裕一:ええっ!?
松坂:接吻 頑張って下さい!
裕一:ええ~!? う~ん…いや 一口で接吻っていっても ど どうすればいいか…分かりません。
鈴木:いや それは…。
松坂:えっ? ちょ…先輩 先輩…。
裕一:や…やり方は ぼ ぼ…僕だって知ってます。僕が知りたいのは 接吻するっていう状況に持ち込む…ほ…方法です。
落合:古山君 乗ってきたね。
鈴木:やっぱし お酒を飲んで少し酔った帰り道 ふと止まり 相手も止まり…。
昌子:自然でいいけど 慣れてる人向けね。
鈴木:えっ?
昌子:うん…。
落合:月がきれいだね~。君の唇の方がもっときれいだ~。
昌子:ギャ~! 気持ち悪い~!
落合:うそ~!?
昌子:だから まだ独り者なんですよ。
鈴木:ハハハ!
松坂:はい はい!
昌子:手は上げなくていいがら。
松坂:僕だったら…。「接吻してもいいですか?」。
昌子:言葉にするなんて興ざめ!
鈴木:だったらどうしたらいいんだよ。
鈴木:うん?おっ?
昌子:いきなりがいいわ。
一同:いや~それは無理だばい!
昌子:女はドキドキしたい生き物なの!
鈴木:難易度高いよ~。ねえ 古山君?
裕一:い…いきなりって! ど ど…どうすれば?
落合:お~やる気満々だね アハハハ!
昌子:みんな いい? ドキドキさせるために必要なのは 予期せぬ事態よ。
<<ごめんください。
鈴木:おお…予期せぬ事態…。
<<ごめんください!
鈴木:あっ!
松坂:はい はい…。
昌子:予期せぬ事態を作るためには…。
<<松坂:あっ 融資の方です。支店長 鈴木さん 来て下さい。
鈴木:あ~おめえ 一人でやれよ!
落合:いいとこなのに!
松坂:すいません。
鈴木:ちょっと…待っててよ 待っててよ。は~い ただいま。
昌子:ねえ…練習しとく?
裕一:うん?
昌子:うん…。
裕一:えっ?
昌子:来てみて。うん 思い切って。
裕一:いや いや…。
昌子:来てみて。いいがら いいがら。
裕一:いや…。
数日後 接吻大作戦は決行されることになりました。
●川俣・洋食店
志津:この店 佐紀ちゃんが教えてくれたの。
裕一:へえ~。
志津:出来たばかりだけど評判いいのよ。そういえば 佐紀ちゃんったらね 2人の男の人 どちらか選べなくてね 一人は真面目で誠実なんだけどかたすぎるし 一人は面白けど調子がよくて少しいいかげん? だから…。ねえ。
裕一:えっ? はい はい はい…えっ?
志津:裕一さんは どんな女の人が好み?
裕一:ど…ど ど…どんな…? どんな人…?
志津:ほら 見かけとか性格とか 何かあるでしょ?
裕一:えっと…性格…。ああ~! き き…君のような人。
志津:フフフ お世辞でもうれしい。
裕一:いやいや…ほ ほ…本心だから。
志津:フフフ ありがとう。ちょっと御不浄に。
裕一:あっ はい。
(回想)
昌子:彼女がお手洗いに立った時がその時よ。どっちかの道を塞ぐの。
鈴木:どうやって?
昌子:スープか何か こぼせばいいでしょ。いい? 戻ってきた彼女をこけさせんの。その時に 古山君は受け止めて…。接吻。いい?
裕一:はい。
昌子:うん。
(回想閉じ)
(ドアの開閉音)
志津:あっ!
4人の心の声:今だ!
(鼓動)
裕一:だ…だ…大丈夫ですか?
志津:えっ? あっ…うん。
●川俣・夜の街中
志津:ねえ…もう店には来なくていいから。
裕一:えっ?
志津:これからは外で会いましょ。
裕一:わ…分かりました。
志津:フフフ…じゃあ 私 こっちだから。
裕一:うん。気を付けて。
志津:うん フフフ…。
裕一:また。
志津:また。
鉄男:何やってる?
裕一:えっ? いや…えっと…。
鉄男:何やってんだ? おめえ。
裕一:えっ? いや…ご…ごめんなさい。あの 僕は…。
鉄男:俺だ。鉄男だ。
裕一:うん? の…乃木大将?
回想鉄男:この づぐだれが。
裕一:あっ ああっ!
●川俣銀行・裕一の部屋
裕一:すごいね! おお~! 藤堂先生が紹介してくれたんだ?
鉄男:最初は新聞配りからだったけどな。まあ 記者って言っても任されんのはまだ お店の紹介とかだし。
裕一:よかったね~本当によかったね!
鉄男:よかったじゃねえだろ!
裕一:えっ?
鉄男:音楽は? 何で銀行なんかに住んでんだ?
裕一:お…伯父さんの銀行なんだ。養子になる。
鉄男:それで女にうつつ抜かして…。
裕一:えっ? み…見てたの?
鉄男:あの店 取材してたんだ。なあ…何で 音楽やめた?
裕一:か…家族のためだ。しかたない。
鉄男:お前の家の事情はよく分かんねえ。ただ 昔 俺が「弟食わせるために働かなきゃなんねえ詩なんか書いてらんねえ」って言ったら お前 言ったよな?
回想裕一:しがみつけば必ず道は開ぐって。大将 詩人になれるよ!
鉄男:あれ…うそか?
●川俣銀行・職場
落合:古山君 郡山までお金 届けてくれる?
裕一:はい。
(回想)
鉄男:俺はお前の言葉信じて まだ詩を書いてる。なぜだと思う? 子どもの頃 唯一励まされた言葉だったからだ。俺が詩を書きお前が曲を作る。その歌がレコードになり みんなが聴く。そんな夢を描いてたけど…それもまた夢だな。
裕一:フフ…。
(回想閉じ)
●川俣銀行・職場
茂兵衛:んっ。
昌子:あっ…はい。
裕一:すみません! すみません あの…バスにかばん忘れてしまって…。
茂兵衛:たわけが! 踊り子にうつつを抜かしてるらしいな。すぐ別れろ! お前の相手は俺が見つける!
裕一:ああ…えっ?あっ…。
夢も自分も見失っていた裕一にとって 志津だけが残された未来でした。
●川俣・夜の街中
幸子:例の彼?
佐紀:うん…でも実はほかにも気になる人がいて。
幸子:あ~もしかして年下の子? 今日 踊ってた。
裕一:志津さん。
志津:あっ…。どうしたの?
裕一:き…君を捜してた。
志津:えっ?
裕一:僕…伯父に反対されたけど…反対されて気付いた。き…君のことが…好きです。つきあってほしい。
志津:フフフ…フフフフ。アハハハハ…!あ~おかしい!
裕一:えっ?
志津:ねえ 私 誰だか気付かない? とみよ とみ。小学校の同級生の。
回想とみ:うぢの店の方が金持ちだわ。
志津:やっと思い出した? 私はダンスホールですぐに気付いたのに あんた 私を無視した。癪だから からかってやろうと思って わざと近づいたの。近づいて ほれさせて ここぞっていう時に「バ~カ」ってやってやろうと思ってね。
裕一:ぼ…僕は真剣に…。
志津:アハハ なにが真剣なのよ。同級生に気付きもしないで。
裕一:だって…だって…あ…あまりにも違うから。
志津:私の家の店 潰れたの。それで今はダンスホールの踊り子。男の機嫌とって毎日必死に稼いでる。なのに何? あんたは銀行の跡取り?冗談じゃないわよ!あんたは昔からそう。そうやってどっかで私たちのことバカにしてんのよ。昔は「音楽家でござい」って顔してたけど今は「銀行家でござい」ってか? バカバカしい! ふう…あ~ すっきりした! フフッ。じゃあね~お坊ちゃま。大人になるのよ。フフッ。
裕一の初恋は はかなく散りました。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。