朝ドラ「エール」第22話、ゆたか興業の鶴亀寅吉が関内家にいる裕一を訪ねてきて演奏会の提案。豊橋、岡崎、豊川の3か所で行うことが決まり契約書にサインする裕一と音。
そして、椙本八幡社でお祭りと手筒花火を堪能した2人が家に帰ってくると、福島から三郎が来ていて、「裕一…お・か・え・り」。
これはもしかして、映画「セラー服と機関銃」の「か・い・か・ん」のオマージュ? それに音ちゃんの「エヘッ」も、「エヘッ 薬師丸ひろ子です」のパロディ?
中高年のおじちゃんおばちゃんにはよく分かる師丸ひろ子アルアルの世界、ナイスです。
エール(22話4月28日)セリフ
●川俣銀行・窓口
(荒い息遣い)
松坂:ご用件は?
三郎:部屋を…あいづの部屋を見せてくれ!
●川俣銀行・裕一の部屋
三郎:ほんに あのバカ!
落合:素直ないい息子さんですよね。彼を見てっと楽しくなります。自由に歩ませてあげて下さい。
三郎:豊橋か!
●豊橋・御手洗の音楽教室
御手洗:あら…やだ 吹き出物。どうしよう…。あっ いけない。私は先輩よ。堂々としてなきゃ。
(ノック)
音:先生!
御手洗:だから先生は…。輝きが違う。
裕一:えっ?
音:大丈夫ですか?
裕一:あ…あの 初めまして。あお…古山裕一です。あの…先生がドイツに留学されてたって聞きました。当時のお話 聞かせてもらえたら あの う…うれしいです。
御手洗:オフコース。
裕一:はい…。
御手洗:私 音さんに歌を教えております御手洗清太郎です。
裕一:あ~どうも。
裕一:それから さっき「先生」って言ったけど 私のことはミュージックティー…。
●関内家・玄関先
裕一:面白い先生だった。
音:参考になった?
裕一:いや 水が合わないなんて 外国行った人しか分かんないよ。助かった。
光子:はよ はよ! お客さん。
●関内家・居間
鶴亀:ゆたか興業の鶴亀寅吉と申します。御手洗先生と懇意の楽器店の店員から古山さんのことをお聞きしまして。どうでしょう? 演奏会やりませんか?「若き天才 豊橋に来る!世界が認めた音楽の神髄に酔いしれるべし」。
♪
裕一:鶴亀寅吉…珍しい名字ですね。
光子:怪しいわ。動きも早すぎるし。
音:大丈夫じゃない? 演技のええ名前だし。
光子:えっ やるの?
●呉服屋「喜多一」居間
浩二:大事な商談だったのに…父さん 出てったよ。
まさ:浩二のこと 信用してるからでしょ?
浩二:違うよ。兄さんのことになっと すぐ必死になる。
まさ:2人ともよ。
浩二:母さんは何で父さんと結婚したの?
まさ:えっ? え~…忘れちゃった。
浩二:フフッ うそ。教えてよ。権藤家の娘だったらたくさん縁談あったでしょ?何で父さんだったの?
まさ:そうね…。兄さんは反対だった。
浩二:フッ だろね。
まさ:父さんも母さんも反対だった。
浩二:どして?
まさ:厳しさがないって。
浩二:えっ でも…じいちゃんもばあちゃんも優しいよね。
まさ:どうかな? 私には…怖かった。だから離れたかったのね。それにね お父さん 欲がないでしょ? 私の周りにそんな人一人もいなかった。
浩二:でも欲もないけど甲斐性もないよ。
まさ:私はね 人をだます人よりだまされる方がいいの。お父さん い~っぱい裏切られてきたけど 恨みつらみ 一度も言わないでしょ? そういうところが好き。
浩二:俺は無理だ…いろいろ言っちまぁ。
まさ:いいのよ。人それぞれだから。浩二は浩二でいればいいのよ。
浩二:そうがな? 時々…自分のことが嫌いになる。母さんは…ない?
まさ:うん? ある。
浩二:フフフ…母さんでもあんだね。安心した。
●関内家・光子の部屋
光子:分かっとるわよね?
音:分かっとるって!
光子:傷つくのはあんたなのよ。
音:分かっとるってば。
光子:裕一さんだって気持ちが膨らむほどつらくなるから…ねっ いい? 今日 言いなさい。
音:でも演奏会 契約しちゃったから それが終わるまでいいでしょ?
光子:いかん。演奏会はやってもいいけど 身を引くことは 今日ちゃんと言いなさい。
音:手紙では伝えたよ。
光子:裕一さんは あなたのことが好き。
音:エヘッ。
光子:「エヘッ」じゃない。いい? おんなじくらい いやそれ以上 音楽が好き。どちらか選ぶしかない今 彼にとって一番いい道は何? 彼のためよ。つらくてもちゃんとね。
<<♪~(マンドリン)
●関内家・二階の物置部屋
(ノック)
裕一:<はい。おっ かわいい。
音:今日はお祭りなの。手筒花火がすごいんだ。行こうよ。
裕一:うん!
音:これ お父さんの。小さいかもしれんけど。
裕一:ありがとう。
<<(吟)裕一さん お客さんよ。
音:はい。
●関内家・居間
鶴亀:会場は豊橋 岡崎 豊川と3か所押さえました。演奏家はここら辺りじゃ一流の面々です。前半は流行歌をやりまして後半から先生の登場。
裕一:いや…先生はやめて下さい。
鶴亀:まあ いいじゃないですか。そいで 先生の自作の曲を5曲演奏して最後は音さんとの共演で幕を閉じると。前売りは3日後に売り出します。取り分は50 50辺りで。この条件でいかがでしょう?
裕一:思ったより大がかりですね。
鶴亀:いや~私も驚いております。先生のお名前を出した途端 協賛したいっちゅう会社も結構ありまして いかがでしょう? この条件でよろしければ進めますが。
裕一:ど…どうする?
音:やりましょう。
鶴亀:ありがとうございます! つきましては こちらの契約書… こちらにご署名を。
裕一:はい。
●関内馬具店
光子:ど思う? 怪しくない? 音のことが心配なの・
岩城:裕一君…でしたかね。いい目をしとります。
光子:そう? 私にはとぼけた顔に見えるけど。
岩城:極める目です。私には分かります。
光子:岩城さんもそういう目よね。
岩城:いや…俺なんて 安隆さんに比べたら。
光子:あの人 忙しい時以外 作業しなくなったでしょう。何でだか分かる?
岩城:いや…。
光子:岩城さんの腕見て かなわないって。自分が最高だと思っとったけど上には上がいるって。だから会社の経営に専念したんだけどね。おかげで商売は広がったけど…。大阪になんか行かなきゃよかったのに。
岩城:寂しいんですか?
光子:あの子たちとも あと少しだし……どうしよう。どうしたらいい?
(戸が開く音)
音:行ってくるね。
光子:あんまり遅くならんでね。
音:は~い。
光子:さっき言ったこと 忘れんでね。
●豊橋・椙本八幡社
裕一:花火見たことないから楽しみです。
音:本当に?
裕一:うん!夜空にパ~ンってこう広がるのは知ってるんですけど…。
音:パ~ン!
裕一:わっ!
♪
裕一:とりだ~!
音:あ~おいしそう!
呼び込み:さあ いらっしゃい いらっしゃい!
音:食べとる。食べとる。
♪
音:きれいね。
裕一:いいねえ。
音:あっ 金魚すくい!
裕一:おっ。 頑張れ! あ~いいよ いいよ! いいよ いいよ ほれ… あ~難しい。
音:よっしゃ!
裕一:お~!
2人:あ~!
店の人:狙って 狙って…。
音:あ~!
裕一:あ~惜しい!
音:いくよ…。あっ…おっ!? おっ おお~!
♪
音:ギャ~! わっ! ああ~!
裕一:お…音さん 音さん。さすけねえから。さすけね…。怖くねえから ほら。
音:ガッ!うわっ!
裕一:行くよ 行くよ。どうも。
回想・光子:演奏会はやってもいいけど 身を引くことは今日ちゃんと言いなさい。
裕一:ねえ あれ 持つの?
音:そうなの。すごいでしょう?
裕一:へえ~。
豊橋発祥の手筒花火は昔からたくさんの人に親しまれてきました。花火を自ら作りあげるのがこの地域の伝統です。
わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい! わっしょい!わっしょい!わっしょい!
裕一:おおっ! おお~!
わっしょい!わっしょい! わっしょい!わっしょい! わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!
(歓声)
(拍手)
裕一:おなかすいた。
音;焼き鳥食べたい。
裕一:あ~いいね。わ~すごかった!
●関内家・玄関口
音:アハハ!
裕一:あ~ここにも手筒花火あったんだ!気付かなかった。
音:そうなの。
裕一:えっ? と…と…父さん?
三郎:裕一… お か え り。
裕一:いや…。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。