朝ドラ「エール」第4話、裕一は小学5年生になり、音楽教育に力を入れる藤堂先生が担任に。ある日、藤堂先生が北原白秋の詩に曲をつける宿題を出した。
裕一は母・まさと、川俣にある母の実家を訪ねた。祖父の権藤源蔵と祖母の八重、伯父の茂兵衛が出迎えるが、すぐに映画に行く裕一とまさ。
その帰り際、教会で歌う関内音と運命の出会いをする裕一。
その夜、茂兵衛が「息子が2人だ。どちらがを養子に出せ。いいな? 絹子は産めん。後継ぎが必要だ。権藤家の人間なら分かってるだろ?」
まさに「ムービングサーズディ」ということで、内容てんこ盛りの本日の「エール」。まず権藤源蔵さん役の森山周一郎さん、ご存命でした。
昭和9年(1934)生まれの85歳、すばらしいです&コロナに注意してほしいものです。
そして、関内音役の清水香帆(しみず かほ)ちゃん、平成20年(2008)生まれの12歳。二階堂ふみちゃんそっくりで日本中が驚く朝であります。
エール(4話4月2日)セリフ
春になりました。福島の山も雪が解け 草花が芽吹きます。学校も新学期が始まりました。学校では ほぼ憂鬱な顔の裕一も今日は笑顔。なぜなら…。クラス替えで藤堂先生が担任になりました。グッドニュースです!
お金持ちの久志君もクラスメート。それはどうでもいいみたい。あれ? あれあれ? バッドニュースです。太郎君も史郎君もクラスメート…はあ~。こんな感じで裕一の5年生は始まりました。
●福島信夫小学校・教室
♪「かなりや」
大正7年 児童文学雑誌「赤い鳥」が鈴木三重吉によって発刊されました。創刊号には芥川龍之介 泉鏡花 北原白秋 高浜虚子らの名が連なり その後 菊地寛 西條八十 谷崎潤一郎 三木露風ら そうそうたる面々が作品を寄稿します。「赤い鳥」に掲載された歌は童謡と呼ばれ 一大ブームを巻き起こしました。
藤堂:北原白秋の詩だ。みんな この詩に曲をつけてみよう。
藤堂先生は ことに音楽教育に情熱を傾けていました。
藤堂:どうした? みんな。
太郎:曲つけるなんて 無理だべ。
藤堂:太郎君だって 鼻歌 歌ったことあるだろう?
太郎:うん。
♪~(鼻歌)
(笑い声)
藤堂:浮かばなければハーモニカでも ここのオルガンを使ってもいい。とにかく 音を出して曲をつけてみろ。楽しいぞ。
●川べり
久志:どうする? その宿題。
裕一:うわっ! き…き き…曲作るなんて で…できないよね。ハーモニカだって まだ習いたてだし。
久志:簡単だよ。うち ピアノあるから。君の家だって 蓄音機あるじゃない。何 聴いてるの?
裕一:ろ…浪曲とか民謡が多いよ。たまに西洋音楽。
久志:へえ~ お父さん かっこいいね。
裕一:そうかな?
久志:君も聴いてるんだろ? 特に西洋音楽 聴いているなら作曲は簡単だ。やってみたらいい。
裕一:で…でも…。
久志:できるよ きっと。
裕一:ありがとう! い…いや… あの… と… 父ちゃんのこと 褒めでくれて。
●呉服屋「喜多一」
裕一:ただいま。
及川:お帰んなさい。
三郎:おっ 待ってた!新しいの 手に入れたぞ。ほれ。
裕一:やった!
三郎:ハハハ!
裕一:お店はいいの?
三郎:客 少ねえ。 あいつらだけで十分だ。
裕一:と…父ちゃんは 曲 作ったこと あっか?
三郎:うん? おお…こんな感じか? ♪「ながるるみづは いっしんに ひかりみながり」
裕一:ううん いいわ。曲かけて。
三郎:あっ ああ。
♪
まさ:裕一。
裕一:何?
まさ:明日の休み 母さんと一緒に川俣行かない?
裕一:やった! お父さんは?
三郎:俺は浩二と留守番だ。2人で行ってこ。
川俣は福島市から鉄道で約1時間。お母さんの実家があるところです。当時 川俣の絹織物はその品質の高さから京都や横浜はもとより ヨーロッパやアメリカからも買い付けに来る人がいるほどでした。
大道芸人:よっ ほっほっほ…。よ~うっ はい~!
(拍手)
●権藤家
女中:おいでなさいませ。
まさ:ありがとう。
八重:あ~フフフフ…。
源蔵:お~ よく来た。うん。
八重:おいしいもの い~っぱい用意してっかんね~。
大好きなおじいちゃんおばあちゃんに会えて うれしい裕一でしたが… この人だけは苦手です。
まさ:裕一 映画行こうか?
裕一:うん!
八重:フフフ…。
●映画館
(笑い声)
●川俣の大通り
裕一:今日はきれいだね。
まさ:えっ?「今日は」って どういうこと? うん? ありがとう。
(太鼓の音)
飴売り:♪「べっこうあめ べっこうあめ」
まさ:1つ下さい。
飴売り:はい。どれがいい?
まさ:はい。
飴売り:ありがとうございます。
まさの友人:あら まささん! 久しぶり! 帰ってきてたの?
まさ:いつ以来?
まさの友人:あれよ おととしのお祭り。
まさ:あ~あん時ね。
♪「いくつしみ ふかき ともなるイエスは」
●川俣の教会
聖歌隊:♪「われらの よわきを 知りて あわれむ」「なやみ かなしみに しずめる ときも」
運命の出会いでした。
聖歌隊:♪「いたわり たまわん」
(拍手)
(鐘の音)
(拍手)
●川俣の大通り
まさ:裕一! どこ行ってたの? 捜したんだよ。心臓 痛いの?
裕一:川俣 いい! すんごくいい!
●権藤家
裕一:起き上がったと思ったら またぶつかって すぐ転んじまうの。
(笑い声)
♪
茂兵衛:息子が2人だ。どちらがを養子に出せ。いいな? 三郎君には言ってあんだろうな?
まさ:お義姉さんの具合は?
茂兵衛:絹子は産めん。後継ぎが必要だ。権藤家の人間なら 分かってるだろ?
(翌朝)
源蔵:また すぐ来んだぞ。
八重:元気でね。風邪ひがないようにね。
裕一:うん!
まさ:じゃあ。
源蔵:はい。
八重:うん。
裕一:あっ…伯父さんも また。
♪
源蔵:進んだか?
茂兵衛:ええ まあ。
源蔵:無理なら 絹子を捨てて再婚しろ。いいな?
●呉服屋「喜多一」縁側
裕一:ただいま! お土産買ってきたよ。
浩二:うわ~! やった~!
三郎:おっ お帰り。
裕一:父ちゃん 川俣 すごかったよ! 教会で…。
三郎:そんな話は後だ。これ見ろ。
裕一:うわ~…すげえ!
●呉服屋「喜多一」裕一の部屋
(小山田耕三著作の「作曲入門」を読む裕一)
まさ:もう かれこれ4~5時間ですよ。
三郎:でも まだ何も書いてねえぞ。
回想藤堂:浮かばなければハーモニカでも ここのオルガンを使ってもいい。とにかく 音を出して曲をつけてみろ。楽しいぞ。
裕一:よし!
●福島信夫小学校・教室
(オルガンの音)
回想♪「なぐさめ たまわん」
裕一:出来た!
♪
藤堂:古山? これは…。
♪「ながるるみづは いっしんに」「ひかりみなぎり をどりゆく」
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。