朝ドラ「エール」第49話、音が妊娠し、裕一は大喜び。子育てしながらの通学は難しいのでいずれ退学しなければならないが、プロの歌手になるために記念公演の「椿姫」だけはやり遂げるつもりだと皆に宣言する音だったが…。
もう少し周りのことを考えてと千鶴子から言われ、双浦環先生からも厳しい言葉。
プロってね…たとえ子どもが死にそうになっていても舞台に立つ人間のことを言うの。あなた、当然その覚悟はあるのよね?
ピシッと言ってもらい胸がスッとした視聴者多数だと思いますが、もしかしたら音は妊娠うつ病かもしれず、同輩諸氏にこんな病気があることをよく知るべしと呼びかけておきます。
エール(49話6月4日)セリフ
●古山家・居間
裕一:ええ~っ!? ほ…本当!? ぼ…僕らの赤ちゃん!? 本当!?
音:うん。
裕一:えっ!? ちょっと…えっ? えっ ちょっと…えっ えっ えっ? ぼ…僕… 僕 父親になんの? 父親になんの?
音:うん。
裕一:えっ どうしよう? えっ えっ? えっ 信じられない! か…体 大事にしないとね。あっ 調子悪かったらすぐ言ってよ。
音:うん。
裕一:あっ! ちょ…薄着すぎない? もう あったかくした方がいいよ。
音:大丈夫だから。
裕一:いやいやいや もう…。
音:大丈夫…。
裕一:学校行くのもね 足元…。
音:大丈夫。
裕一:音…学校は? そうだ…。
音:退学しないといかんだろうね。まあ…子育てしながらじゃ進学できんし。
裕一:そっか…うん。そ…そうだよね。
音:でも…記念公演だけは出るよ。「椿姫」だけは絶対に成し遂げたいの。
裕一:えっ? だ だ…大丈夫?
音:おなかもまだそんな目立たんし まあ なんとかなるよ。それに学校はやめても 公演を成功させてレコード会社の目に留まれば 歌手になる道は開けると思うの。
裕一:いや そうなれば一番いいけど…。
音:お母さんになることも 歌手になることも両方かなえる。裕一さん 応援してくれる?
裕一:いや もちろん! もちろん僕はもう何でも協力します! あっ でも…絶対 無理だけはしないで。
音:はい。
裕一:絶対だよ!?
音:はい。
裕一:絶対だからね?
音:はい。
裕一:約束して。
音:は~い!
裕一:はい。
音:食べて。
裕一:はい。
●喫茶店「バンブー」
保:そっか~。裕一君もついにお父さんか。
裕一:はい!
恵:音さん 体調は?
裕一:あ~元気に学校行きました。冷えないように腹巻させたり かかとの高い靴もやめるように言いました。
保:さすがだね。きっといいお父さんになるね。
裕一:ハハハハ。
恵:気を付けてあげてね。出産って 命懸けの仕事だから。
裕一:命懸け…。
恵:そうよ。大事にしてあげないと。フフッ。
裕一:はい!
●東京帝國音楽学校・レッスン室
(音の歌声)
♪
黒崎:えっ!? 出産?
音:はい。
一同:えっ?
久志:よかったね おめでとう。
音:もう少し落ち着いてからお知らせしようかとも思ったんですけど。
黒崎:いやいや…こういうことは一刻も早く言ってもらった方がいい。一緒にやれなくなるのは残念だが…。めでたいことだしな。
音:いえ 私 舞台には出ます。
黒崎:えっ?
音:生まれるのはまだ先ですし 体調も問題ありませんから。
黒崎:いやいや…妊婦さんが舞台に立つってのは…。
音:決して皆さんにはご迷惑をおかけしませんので 引き続きどうぞよろしくお願いします。
●古山家・書斎
(戸の開閉音)
音:ただいま~。
<<(木づちでたたく音)
裕一:フフッ。
音:どうしたの? これ。
裕一:お帰り! ちょっと気ぃ早いかって思ったけどね 待ちきれなくて。
音:かわいい。
裕一:でしょ? 着るものは分かんなかったから 今度一緒に買いに行こう。
音:それは生まれてからでいいよ。まだ男の子か女の子か分からんし。
裕一:そう? あ~ まあ そうだね。ねえ 音さ…ねえ どっちかな? どっちかな?
音:うん?
裕一:男の子と女の子 どっちがいい?
音:う~ん…元気に生まれてきてくれれば どっちでも。
裕一:う~ん…僕はどっちかな~? 女の子かな? あ~でも 男の子も悪くないな~。どっちかな? 迷う…。あっ 音 とにかく体 気を付けてね。
音:うん。
裕一:無理 禁物だよ!
音:うん。
裕一:よいしょ…。
音:あのね…。
裕一:うん。
音:今日 学校で みんなに妊娠のこと…。
裕一:あれ? やすりって あったっけな?
音:あるよ 納戸に。持ってくる。
裕一:あっ…いい いい! 僕行くから。あそこ 足元悪い。音 休んでて。
音:フフフ。
裕一:はい 座って 座って。納戸 納戸…。
●東京帝國音楽学校
井上:やっぱ ヴィオレッタは交代した方がいいんじゃないかね?
豊子:本来なら 千鶴子さんなわけだし。
西田:その方が こっちも気兼ねしなくて済むよな。
井上:あ~あ…。
♪
千鶴子:ちょっといい?
♪
千鶴子:やっぱり あなたは強欲ね。あなたがどう生きようと構わない。でも…少しは周りのことも考えて。
音:周りのこと?
千鶴子:正直 みんな戸惑ってる。あなたに気を遣って 思いっきり練習ができないって。
音:気を遣ってもらう必要なんてないです。
千鶴子:そういうわけにはいかないでしょ! 私だって…こんなこと言いたくないのよ。
●古山家・台所
裕一:えっ 音 音? ちょ…大丈夫?
音:大丈夫。
裕一:いや いいよ…北やるから。
音:平気だって。病気じゃないんだから。
裕一:うん…。
<<ごめんくださ~い!
裕一:うん? あっ…はい! はい!
●古山家・玄関
裕一:あっ お義姉さん こんにちは!
吟:こんにちは。
裕一:あっ どうぞ。
吟:よいしょ…。
裕一:あっ もう新婚生活 落ち着きました?
吟:ええ おかげさまで。
●古山家・居間
裕一:音! 吟さn 来てくれたよ。
吟:フフフ。妊婦さんって 酸っぱいもん欲しくなるっていうから これ!
音:ありがとう。
吟:裕一さん どう? お父さんになる気分は。
裕一:あっ…いや まだ実感 湧かないですね。あっ どうぞ どうぞ。
吟:へえ~。それにしても早速 おもちゃだらけじゃない。
裕一:いや 何か かわいいの見つけっとね つい買っちまうんですよ。
吟:私もついに伯母さんか~。お母さんも梅も すっごく喜んどったよ。
裕一:お~。
吟:梅は東京に用事もあるから近いうちに会いに来たいって。
音:東京に何の用事?
吟:あの子 またやる気出して 小説の文学賞に挑戦しとるみたい。
裕一:ほ~う。
吟:出版社に行くとか何とか。よく知らんけどね。
音:そっか。梅も頑張っとるんだね。
吟:あんたの方は? 学校の手続きはしたの?
音:手続きって?
吟:退学するんでしょう?
音:記念公演が終わるまでは通うつもりだよ。
吟:えっ!? 何言っとるの。あんた 妊婦でしょう?
音:妊婦が学校通っちゃいかん決まりでもあるの?
吟:おなかの赤ちゃんに万一のことがあったらどうすんの?
音:気を付けとるから大丈夫だって。
吟:でも あんた 一人の体じゃないんだし…。
音:分かっとるよ! いちいち うるさい!
裕一:あっ…すいません 何か。
●古山家・玄関
裕一:裕一:いや 何か すいません。
吟:ううん。妊婦さんの中には気分が不安定になる人もいるっていうし そのうち落ち着くでしょ。
裕一:…だといいんですけど。
吟:じゃあ また。
裕一:ありがとうございました。気ぃ付けて。失礼します。
吟:いいなあ…赤ちゃん。
●東京帝國音楽学校・レッスン室
(音の歌声)
環:早いわね。
音:あっ…。いろいろ取り戻さないといけないので…。
環:今日は…「今日も」だけど 古山さんは5度以上 音が飛ぶと不安定になる。まずはそこを克服しないとね。
音:はい。先生だけです 普通に接して下さるのは。みんな 変に気を遣ったり…二言目には おなかのこどもに障るからって。
環:私はあなたを特別に扱う必要なんてないと思ってる。あなたにはヴィオレッタとしての責任があるし それを全うする義務がある。
音:はい。
環:古山さん あなたは「椿姫」の舞台に出たいのよね?
音:もちろんです! 舞台をしっかり務め上げて プロの歌手になりたいです!
環:そう…。一つ確認してもいいかしら?
音:はい。
環:プロってね…たとえ 子どもが死にそうになっていても 舞台に立つ人間のことを言うの。あなた 当然その覚悟はあるのよね?
●古山家・寝室
<<音 入るよ。
(襖が開く音)
裕一:大丈夫? これ うどん煮てみたけど。
音:要らん。
裕一:果物なら食べれそう? うん? えっ 起きんの?
音:学校行かんと…稽古ある。
裕一:えっ? いや駄目だよ 駄目駄目。一日ぐらい休んだって平気だから。ほら 寝て寝て。
音:ぐらい?「ぐらい」って何?
裕一:えっ?
音:私はヴィオレッタなの。一日でも休んだら みんなに迷惑かかる。
裕一:いや でも…音 お母さんなんだから。体 大事にしないと。
音:お母さん…うん… お母さん お母さん お母さん…。裕一さんにとって 私って何? 赤ちゃんのお母さんでしかないの?
裕一:いや…そんなこと…。いや そんなこと言ってないよ。
音:裕一さん 代わりに産んでよ。裕一さんは家で仕事できるから おなかに赤ちゃんいたって大丈夫でしょう?
裕一:代われるなら…本当 代われるなら 代わってあげたいよ。
音:どうして 女だけ…。
それから2週間 音はつわりがひどく ほとんど練習に参加できませんでした。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「エール」ネタバレあらすじとセリフを最終回まで!キャスト紹介も。