朝ドラ「エール」第51話、娘・華にデレデレの裕一は完全に親バカ。そんな裕一に藤堂先生から福島吾妻尋常小学校の校歌を作曲してほしいという依頼が。すぐに書き上げると、地元で校歌完成披露会を開催するので是非参加してほしいとの手紙。
時同じくして、母親のまさからも帰省してほしいという手紙があり、悩みながらも福島に帰ってきた裕一と音、そして娘の華。
地元の新聞記者から「この度は福島への凱旋 まことにおめでとうございます」と言われるほど、「船頭可愛や」の大ヒットで有名になった裕一。そして明日は大宴会という流れで、今週もよろしくお願いいたします。
エール(51話6月8日)セリフ
●古山家・居間
娘の華が生まれてはや4か月がたちました。
(華の泣き声)
音:はいは~い 今行くでね。
裕一:おはよう~おはよう 華ちゃん。おむつ替えますか? うん? あ~そうでちゅかから。はい よしよし…。おはよう。おむつ替えとくね。あ~そうでしゅか。
音:すぐ ごはん用意するね。
裕一:うん。あ~そうちゅか。華ちゃん 今日もかわいいでしゅね。チュッ チュッ チュ~。チュッ。あうあ あいや…あっ うれしいの? うれしい? うれしい?
「船頭可愛や」の大ヒットで裕一は悠々自適な生活を送れるようになっていました。
音:裕一さん…裕一さん 行かなくていいの?
(笑い声)
音:裕一さん。
裕一:あ~いいね…。お~い…。
音:裕一さん。
裕一:うんうん…。うん? へえ~そうなの・
音:裕一さん 華のことは私に任せて。そろそろ締め切りでしょ?
裕一:大丈夫 大丈夫 頭の中で出来上がってるもんね。
音:廿日市さんにせっつかれても知らんよ。
(泣き声)
裕一:あ~何で泣いちゃうの?え~?あっ ちょっ…。まあまあ そうね。うん…うん。分かったよ 分かった 分かった。
(泣き声)
音:う~ん ねえ そうなの。
裕一:よし!
音:ここでやるの?
裕一:ここでやりたいの。あれ? え~っと 最初 何だっけ? あれ?
音:よそでやったら?
裕一:う~ん…分かった分かった。華ちゃん! 華ちゃん ちょっと待っててね。待っててね。すぐ帰ってくるからね。
音:行ってらっしゃい。
●喫茶店「バンブー」
レコード:♪「夢もぬれましょ 潮風夜風」
裕一:うちの華ちゃんはね 目は音で 鼻は僕にそっくりなんだ。あと口元も!
恵:そうだったっけ?
裕一:華が生まれたばっかしの頃は高いラの音で泣いてたんだ。もうそれがかわいくて かわいくて。将来は音に似て歌のうまい子になんじゃないかな?
恵:そうなるといいわね~。
裕一:ねえ~! エヘヘ 華ちゃ~ん。
保:裕一君。
裕一:は~い 華?
保:ちょっといい? こちら うちの常連さん。こちらが「船頭可愛や」を作曲した古山裕一さん。
客:お会いできて光栄です。「船頭可愛や」毎日聴いてます!
裕一:え~本当ですか!? ありがとうございます。
客:すごいですね…今もご作曲中ですか?
裕一:ええ まあ! フフフ。
客:はあ~!こんなところで作曲できるなんて すごいですね。
保:裕一君は天才ですから こんなところでもいい曲書いちゃうんですよ。
裕一:あ~でも それがね 聞いて下さいよ。実はね 最近 娘が生まれましてね 目は妻似なんですが 鼻と口元は僕にそっくりで…。
恵:また始まった。
客:私も近頃 孫が生まれまして。まあ~かわいくて かわいくて。
裕一:うん!
客:ご両親もさぞ お喜びでしょうな。
保:あ~裕一君 忙しいからね。まだ一度もね…。
客:いけません! 早く会わせてあげないと。
裕一:ねえ? フフフ…。
保:すぐだもんね。
●古山家・居間
音:お帰りなさ~い。
裕一:ただいま。
音:どうしたの? 暗い顔して。
裕一:うん? 今ね バンブーのお客さんに 両親に早く会わせないとって言われた。
音:そっか…。そうだ。裕一さんに恩師から手紙 届いとったよ。
裕一:恩師?
音:うん。
裕一:えっ!?と…藤堂先生!
藤堂の手紙「お元気ですか?「船頭可愛や」こちらでもよく流れていますよ。大流行 まことにおめでとうございます」。
裕一:えっ 聴いてくれたんだ。
藤堂の手紙「さて この度 福島にある小学校が新しく校歌を作ることになりました。つきましてはその校歌を古山君に作曲して頂きたいのです」。
裕一:ねえ…僕に校歌作ってくれって。
音:校歌? ふるさとの校歌を作れるなんて すてきな話だね。
裕一:いや うれしいけど…ねえ? い…いいのかな?
音:裕一さんにしか作れないものがあるんじゃない? それに大恩人の藤堂先生のご依頼を断るなんて罰が当たるわ。
裕一:うん…。そうだね! そうだね。
藤堂先生からの作曲依頼を引き受けた裕一は 音と一緒に故郷の校歌を書き上げました。
音:♪「信夫の山」
♪
裕一:うわ~う~ コンコン。フフフ…。華ちゃ~ん。
音:ただいま~。
裕一:お帰り。
音:これ 裕一さん。
裕一:うん? ありがとう。華ちゃんはどうしてそんなに…。おっ! ねえ 藤堂先生だよ。うん。「前略 古山君 大変すばらしい曲を作って頂きありがとうございました」って。
音:当然よ。
裕一:「教師一同 皆 古山君の曲に大変感動しています。え~つきましては関係者各位を招待し 校歌完成披露会を開催したい」…。「音さんや娘さんも一緒に是非ご参加下さい」。これ 福島来いってことだよね?
音:うん。
裕一:うん…。えっ? えっ? 母さん…。
(せきばらい)
まさの手紙「裕一へ 無沙汰をしています。お変わりはありませんか? 藤堂先生から裕一が小学校の校歌を作曲したと聞きました。どうぞこの機会に是非 福島に来てはいかがですか? 皆さんに会えるのを心待ちにしています」。
音:裕一さん。
裕一:うん…。
●おでん屋台
裕一:どうしようかな…。
藤丸:あ~どうなってんのよ!
(台をたたく音)
裕一:たたかないでよ。
藤丸:「船頭可愛や」は もとも私の歌なのよ。
裕一:うん。
藤丸:なのに 売れたのは双浦環さんのおかげ。
裕一:いやいや そんなこと…。
藤丸:納得できな~い!
裕一:そんなことないって…。ど…どこ行くの?
藤丸:バカ野郎~!
裕一:ちょっと! ちょっと…。
鉄男:藤丸ちゃん。
藤丸:「船頭可愛や」は私の歌~!
裕一:ごめんなさい ごめんなさい…。分かったから 分かったから…。
鉄男:何やってんの。
裕一:すごいな…。
鉄男:藤丸さんは売れてっからいいよ。俺は相変わらずヒット曲なしだ。
藤丸:ヒット作がないのは 詞が下手だからじゃないの?
裕一:ちょっ…。
鉄男:ああ!?
裕一:いやいや いやいや…。
木枯:いい詞が出来たら 俺が曲つけるよ。
裕一:あれ 木枯君。
鉄男:木枯さん いらっしゃい。
裕一:久しぶり!
鉄男:何します?
木枯:あ~とりあえず 酒と大根とはんぺん。
鉄男:はい。
裕一:あれ?
木枯:あっ 藤丸さん?
裕一:そうそう!
木枯:初めまして。
藤丸:初めまして。
裕一:木枯君。ねえねえ あのさ…急なんだけど 実家帰ることってある?
木枯:何だ いきなり。前にも話しただろ?
裕一:うん?
木枯:俺は家を捨ててきたって。
裕一:あ~! あっ そうそう…そうだった。ごめんごめん。
木枯:あ~。でも時々さ 無性に母ちゃんのこと思い出すんだよね~。夜中になるとさ 母ちゃんが作ってくれた芋の煮っころがしが食べたくなったりして。
藤丸:私は亡くなったおばあちゃんが作ってくれたお雑煮 食べたくなる時がある。
鉄男:俺も時々 母親の夢見るよ。本当に優しくしてくれた。
裕一:う~ん…そうだね。
鉄男:どうした? 福島 帰んのか?
裕一:いや いや…う~ん どうかな?
木枯:♪「かえりたいのに かえらない」
裕一:うるさいな。
木枯:♪「男のやせ我慢」
裕一:うるさい…う~! うるさいよ もう!
藤丸:名曲ね~!
裕一:名曲じゃない…。うるさい人たちばっかりだよ もう。
藤丸:名曲よ。
●古山家・居間
(回想)
三郎:おめえが捨てたって 俺はおめえを捨てねえ。安心しろ。
浩二:兄さんが出てったら この家 どうなっか分かってんだろ? なあ 答えろよ!
まさ:あなたには無理! ここにいて…そばにいて!
(回想閉じ)
音:ねえ…。やっぱり 福島行ってみん?
裕一:う~ん…。いや どんな顔して会えばいいのか分かんないよ。ごめん。もう少しだけ考えさせて。
音:うん。
♪
(カメラのシャッター音)
裕一:福島のことなんだけどさ… やっぱこのままってわけにはいかないと思う。
音:そうだね。
裕一:華がおっきくなった時 父さんのふるさとは福島なんだぞって胸張って言いたい。
音:うん。
裕一:音はどう思う?
音:私は…早くにお父さんが亡くなってるでしょう? お父さんに恩返ししたかった。裕一さんがお父さんお母さんに親孝行できたらいいなって思っとるよ。
裕一:帰ろうか。
音:うん!
●福島市内の旅館
記者:おい 来たど。古山裕一さんですね?
裕一:あっ…はい。
記者:この度は福島への凱旋 まことにおめでとうございます。
裕一:あ…ありがとうございます。
宿の女将:古山様 お待ちしておりました。どうぞ。
♪
藤堂:古山!
裕一:あっ 藤堂先生!
藤堂:よく来てくれたな。音さんも。
藤堂先生との再会を喜ぶ裕一でした。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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