朝ドラ「エール」第56話、「父、帰る前編」ということで、亡き安隆があの世でジャンボ宝くじに当選。一泊二日地上に帰る権利を得て、最初は吟の家を訪ねるが吟はキャ~と逃げてしまい傷心気味(?)で古山家にやってきた安隆。
安隆の姿は親族にしか見えないとのことで、裕一は安隆の存在に気付かない設定。でも結婚したんだから親族でしょ?と裕一にほんの少し同情。
かくして、音に夢を諦めるなと言い残し、明日は豊橋の関内家へ。密かに光子に思いを寄せる岩城に何を伝える安隆?と書いて、また明日。
エール(56話6月15日)セリフ
●あの世
あの世では、年に二回 今でいうジャンボ宝くじがある 一等はもちろんお金ではない 一泊二日地上に帰る権利である
閻魔:条件はそれじゃ。
ということで 今週は特別企画! とっぴな設定や裕一と音が出ない回もございますがいつもと違う「エール」をお楽しみください。
安隆:「一つ おやつは20銭とする」? えっ?
閻魔:お小遣いじゃ。持っていけ。
安隆:ああ…食べるなんて久しぶりだわ。何食べようかな~?
閻魔:浮かれんなよ。最後に注意事じゃ。地上に行くのうれしいことじゃろう?
安隆:ここも快適ですけどね。いつも23度で。
閻魔:まっ とはいえじゃ… 望郷の思いは何物にも代えられん。うん。
(腰を痛める音)
閻魔:あっ…。地上には わしの力も及ばんでな。この棒を折ることでここに帰ってこれる。
安隆:折らんとそのまま…。
閻魔:ああ! 誰にも姿を気付かれぬ さまよう魂となる。これは…地獄よりつらいことじゃ。では…。行ってらっしゃ~い。
●古山家・寝室
音:♪「ぼうやは良い子だ」
安隆:女の子か~フフフ。
音:ハハハハ…。
音:♪「ぼうやは良い子だ」
音と安隆:♪「ねんねしな」
音:ギャ~!
安隆:アハハ…。
音:えっ…お お…お父さん!?
安隆:久しぶり。おめでとう。
音:えっ?
安隆:いや だから 子ども。俺にとっても初孫だのん。
音:あっ ありがとうございます。
安隆:フフフ。
音:あっ…とりあえず 居間に行っとって。寝かしつけるから。
安隆:居間?
音:うん。あっ…そこ。
安隆:あっ うん。
音:うん。え~?
●古山家・居間
音:痛っ…。現実だわ。
安隆:よっ! ハハハ…驚いたらあ?
音:そりゃ 驚くよ。
安隆:俺の姿 親族にしか見えとらんだわ。
音:ほ~う。
安隆:一泊二日 この世に戻ってこれることになったで会いに来た。迷惑だったか?
音:えっ?
安隆:いや…もっと感動的な再会っちゅうか 何か…。「お父さん…!」みたいな期待もあったから。
音:無理でしょう。そんな恰好で来られても。
安隆:あっ…そうだよな。
(笑い声)
安隆:しかし 10年ぶりか~。大きくなったな~フフッ。いや~立派な家だのん。これ 家賃 結構するんだろう?
音:思い切って買ったの。
安隆:えっ!? 旦那さん 甲斐性あるな~!
音:あるっちゃあるし…まあ ないとも言えるけど。
安隆:へえ~庭もあるし…そっちの部屋は?
音:裕一さんの…私の旦那さんの仕事場。見る?
安隆:おう!
●古山家・書斎
音:フフフ。
安隆:おお~! ハハハ。
音:作曲家なの。まだ1曲しかヒット曲ないけど。
安隆:へえ~すごいな~。いい人見つけたな~!
音:うん。あっ お父さん お茶飲む? コーヒーがいい?
安隆:あ~お茶がいい。
音:うん。
安隆:あっ そうだ! 悪いけど これで おだんご買ってきてくれんか? フフフ。あっ どうした? フフッ 急にどうしただ?
●古山家・玄関
音:行ってきます。
安隆:悪いな。
音:帰ってくるまで あの世に行かんでよ。
安隆:音は相変わらず面白な。
音:フフフ。
●古山家・書斎
安隆:あ~フフッ。生まれてきてくれて ありがとう。俺がおじいちゃんの安隆だ。覚えていてくれよ~。遊びたかったな~。ごめんな。うん…ごめんな。
華:あ~。
安隆:うん ごめんごめん。フフフ。
華:あ~。
安隆:うん ごめんな。
音:ただいま~。
華:う~う~。
安隆:おっ…ああ。
音:買ってきたよ。
安隆:あっ ありがとう。
●古山家・居間
安隆:うん! これこれ! うん! うん…ハハッ。この世の食いもんは うまいのん。
音:あの世では何 食べとるの?
安隆:あの世のことは閻魔様に言っちゃいかんって言われとるんだわ。
音:ふ~ん。あの世って怖い? 閻魔様は?
安隆:怖くないよ。閻魔様っつったって ただのジジイだし。
(閻魔様のくしゃみ)
音:よかった。
安隆:どうして?
音:うん? 釜ゆで地獄とか 舌抜き取られるとか心配した。
安隆:フッ…俺 そんな悪いことしとらんよ。ハハハ。
音:お父さん 優しかったもんね。
安隆:うん…実は…助けた子 見てきた。
回想・熊谷先生:お父さんが…亡くなられた。大阪で…事故に巻き込まれた。子どもを助けて電車にはねられたらしい。
安隆:駅員さんになっとった。
音:そっか…よかったね。
安隆:すまん。体が勝手に動いた。
(回想)
音:お父さんは何で あたしたちを残して 人の子を助けたの? あたしたちより その子のことが大切だったの?
光子:とっさの行動だったの。
(回想閉じ)
音:今は誇らしいよ!
安隆:フフッ…ありがとう。音。
音:うん?
安隆:歌手になる夢 諦めたんか?
<<(戸が開く音)
裕一:ただいま~!
音:裕一さんだ。あっ あっ あっ…。
安隆:いやいや大丈夫。彼には見えんから。
裕一:おなかすいた 音。お~おだんごだ! 珍しいね。あれ? 何で2つあんの? これ。誰か来てた?
音:い…。
裕一:うん?
音:あっ…おだんご買ったら おとうさんのこと思い出して 命日 もうすぐだし 何かお父さんにもって。
裕一:そっか…。音 ごめん。おなかすいたから これさ 食べていい?
音:ええっ!?
裕一:えっ? だ…駄目? 何で? だっ 余っ…。うん? 何?
音:どうぞ。
裕一:えっ いいの? 食べていいの? 本当?やった。頂きま~す。あ~生き返る~! うまいな これ うん。ねえ 豊橋って方向 どっちだっけ? こっち? こっちか?こっち?
(せきばらい)
裕一:お義父さん いっつも見守ってくれて本当にありがとうございます。おかげさまで 子宝に恵まれて 音さんと幸せに暮らしております。お義父さん 音さんを産んでくれて本当にありがとうございます!心よりご冥福お祈りしております。
音:フフッ…ハハッ。
裕一:何で笑うの? 何よ?
音:アハハハ!
裕一:怖…怖いよ。何でそんな笑ってんの?
音:だって…アハハハハ!
裕一:いや おだんご頂いたからさ。お義父さん 本当にありがとうございました。
音:アハハハ!
裕一:これからも見守って下さい!お願いします。よし…よいしょ…はあ…。
音:あっ!
裕一:何? だって食べていい…。アハッ うまいな これ! アハハ! 着替えてくる。
安隆:ハハハ…。
●古山家・寝室
(泣き声)
音:う~ん 頑張れ~。フフッ。じゃあ よろしくね。
裕一:は~い。
●古山家・廊下
安隆:いい男だな~ 安心した。
●古山家・寝室
華:あっ。
裕一:あっ…。
●古山家・廊下
音:ありがとう。
安隆:よし…俺 そろそろ行くわ。
音:え~? う~ん…。
安隆:フフッ みつや梅にも会いたいし。
音:お姉ちゃんは?
安隆:音…吟は昔っから 思い込むと譲らんところがあるだろう?
音:うん。昔から…頑固だ。
安隆:お前だって…というか うちの女衆は全員頑固だが みつやお前や梅は 自分を貫く頑固さだ。でも吟は違う。吟は周りや人の目を気にして かたくなになることがある。
音:会ったの?
安隆:うん。
(回想)
吟:♪(鼻歌) あっ あっ あっ ああっ…キャ~!
(回想閉じ)
音:その恰好じゃあ しょうがないよ。
安隆:う~ん…少し旦那さんに合わせて無理をしとるように感じた。子育てで大変だろうが 気にかけてやってくれ。
音:うん。
●古山家・玄関
安隆:はあ…。
音:お母さんも梅も喜ぶね。
安隆:音。
音:うん?
安隆:元気でな。
音:フフッ…お父さんもね。
安隆:俺は音の歌が大好きだ。また絶対 歌いんよ。約束。
♪「暮れゆく 暮れゆく」
安隆:音…ごめんな。フフッ…。じゃあな。
♪「金色 落ち葉の道」「はるけき旅は いつかみた」
音:また…くじが当たりますように。
♪「こえたなら 会えるだろうか」
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
「エール」ネタバレあらすじとセリフを最終回まで!キャスト紹介も。