朝ドラ「エール」第64話、ココロンブス新人歌手最終オーデションが開催され、トップバッターは帝都ラジオ会長の息子・寅田熊次郎(坪根悠仁)で、歌うは「東京ラプソディー」。
その後、駅員の岡島 敦(徳永ゆうき)が「鉄道唱歌」、73歳の林 喜一(宮路オサム)が「東京行進曲」を歌い、ついに久志の出番。「丘を越えて」を高らかに歌え上げ、最後はスター御手洗の番。
裕一の曲である「船頭可愛や」を熱唱して最終オーデション終了。その結果は明日ということで、明日の「あさイチ」プレミアムトーク・ゲストは御手洗清太郎こと古川雄大さんです。
エール(64話6月25日)セリフ
応募総数なんと800通! 久志と御手洗先生はコロンブス新人歌手オーデションの書類審査を通過しました。
●コロンブスレコード・文藝部
裕一:佐藤久志 一次審査通過 大変喜んでおりました!ありがとうございます。
廿日市:俺はペケって言ったんだけど 役員がマルだって言うからさ~。
裕一:そ…そうですか。
廿日市:真価が問われるのは歌だからね。
裕一:はい。
廿日市:おまけに とんでもない二枚目はいるんだよ。大型新人。
裕一:大型?
廿日市:ひらひらシャツに覚悟しろって言っとけ。
裕一:えっ? 父 帝都ラジオ会長!? ジュリアード! フランス…フランス留学…すごい。
廿日市:それよりさ ちゃんと曲書いてるんですか?
裕一:も…も も…もちろんです。
廿日市:あっ そう。
裕一:はい。あっ…失礼します。
●コロンブスレコード・廊下
裕一:あっ あっ 杉山さん! あの…。
杉山:はい。
裕一:すいません。えっと…。
(せきばらい)
裕一:廿日市さんって どんな曲が好きでしたっけ?
杉山:審査員の情報は出せません。
裕一:あっ いや…そういうつもりじゃなくて あの…去年の宴会で何を歌っていたかな~って…。
●古山家・居間
御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
音:もっと おなか支えて。
御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
音:そうそう そうそう…もっと上げて。
御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
音:そう…顔で。
御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
音:そうそう そうそう…口角上げて。
御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
音:もっと遠く。
●喫茶店「バンブー」裏口
<<御手洗:♪「い~いいいい~いいいい~」
<音:もっと!
保:あの先生 なかなかやるじゃない。
恵:思い出すわ~ドイツのオーデションで歌った時のこと。♪「まままま ままままま~」よし…。
保:初耳。
●喫茶店「バンブー」
御手洗:音さん 今日もレッスンつきあってくれてありがとう。
音:いえ 私も楽しんでますから。でも…よく ご決断されましたね。
御手洗:何が?
音:コーチとしてのキャリアを捨てて オーデションを受けに来るなんて。
御手洗:言ったでしょ? 私にとっては最後のチャンスだって。実はね…3年前に母が亡くなったの。父も半年後に後を追うようにポックリとね。人間なんて いつどうなるか分からない。真面目に生きてようと 好き勝手生きてようと。もう後悔はしなくないわ。
音:私の父も言ってました。やらずに後悔するより やって後悔した方がいいって。
御手洗:人生一度きりだものね。
音:そうですね。
●古山家・書斎
鉄男:調査 どうだった?
裕一:すごい経歴の人たちばっかり。特に寅田熊次郎って人。
久志:クマジロウ?
裕一:そう。
久志:どうせ どっかのジジイだろ。
裕一:よし 出来た!久志 お待たせ。オーデションで歌う曲。歌い方についていろいろ書いたから。
鉄男:本当にこの曲でいいんだべな?
裕一:うん! 絶対大丈夫!
久志:何これ?指示が細かいよ。流行歌ってのは パッションで歌うもんだろう?
裕一:この曲は音域が広いの。研究しといて損はないから!
鉄男:あとは おめえ次第だ。
●コロンブスレコード・第三スタヂオ
最終オーデション当日。
役員:なかなかいいのがいませんな~。
社長:う~ん…。
裕一と藤丸が見守る中 厳しい審査が続いていました。
役員:彼が例の帝都の…。
社長:帝都ラジオの?
役員:ええ。
熊次郎:寅田熊次郎です。どうぞよろしくお願いします。♪「花咲き花散る宵も 銀座の柳の下で」「待つは君ひとり 君ひとり 逢えば行く」
藤丸:すてき。
熊次郎:♪「喫茶店」「楽し都 恋の都」「夢のパラダイスよ 花の東京」
進行:岡島さん どうぞ。
岡島敦:♪「汽笛一声 新橋を はやわが汽車は離れたり」「愛宕の山に入り残る」
藤丸:(小声で)あの方 駅員さんですって。
裕一:えっ? うそだ。
岡島敦:1番乗り場から急行列車が発車をいたします。ご利用の方はお急ぎ下さい。扉が閉まります。
廿日市:おもしろの人なのか?
岡島敦:出発進行~!
杉山:顔に似合わず 声はいいですね。
岡島敦:♪「右は高輪 泉岳寺 四十七士の墓どころ」「雪は消えても 消え残る」「名は千載の 後までも」
進行:林さん どうぞ。
林喜一:73歳です。皆さまのおそばに置いてほしいんです。
廿日市:73歳って…23歳って書いてますよ。
社長:23!?
林喜一:歌います。聴いて下さい。♪「昔 恋しい銀座の柳」
営業部長:うまいじゃないですか。
役員:いいねえ…。
林喜一:♪「あけりゃ ダンサーの涙雨」お粗末でした。
進行:佐藤さん どうぞ。
久志:佐藤久志です。よろしくお願いします。♪「丘を越えて行こうよ」「真澄の空は朗らかに晴れて」「楽しいこころ 鳴るは胸の血潮よ」「讃えよ わが青春を いざゆけ」「遥か希望の丘を越えて」
(ドアが開く音)
進行:御手洗さん どうぞ。
御手洗:御手洗清太郎です。歌います。
裕一:僕の曲だ。
御手洗:♪「夢もぬれましょ 潮風夜風」
杉山:やりますね。
御手洗:♪「船頭可愛や」
裕一:さすがだね。
藤丸:何だか悔しい~。
御手洗:♪「エー船頭可愛や」「波なくら」
進行:水川さん どうぞ。
水川ながし:♪「ハッ!」「ハア ドッコイ」「ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン」「鰊来たかと かもめに問えば」「私ゃ立つ鳥 波に聞け チョイ」「ヤサエーエン ヤーサーノ ドッコイショ」「ハア ドッッコイショ ドッッコイショ」
●喫茶店「バンブー」
(鉄男のため息)
(ドアが開く音)
保:おっ いらっしゃい。
鉄男:どうだったんだよ!?
久志:どうもこうも 僕が決まるに決まってるだろう。楽勝さ。マスター コーヒーとホットケーキ ホイップ付きで。
保:はい。
鉄男:余裕ぶって…おめえ めちゃくちゃ研究してんじゃねえか。
久志:勝手に見んなって。
藤丸:久志さんったら 案外マメなのね。
恵:♪「丘を越えて 行こうよ」
保:この歌 いいよね~。
音:こんにちは。皆さん いたんですね~。
裕一:おっ!
御手洗:グッドイブニ~ング!
♪
御手洗:おそらく 審査員の票は スター御手洗かプリンス久志で割れるでしょうね。
久志:最終的に僕が選ばれるだろうけどね。
裕一:どうかな~?
音:どういうこと?
裕一:いや ほかにもね なかなか強者ぞろいだったから。
久志:僕がコロンブスと契約したら ボイストレーナーとして雇ってあげるよ。
御手洗:私が受かったら かばん持ちさせてあげるわ。
華:2人とも駄目かもよ!
裕一:ちょ…駄目。
音:こら! 裕一さん。
裕一:そうね。
音:裕一さん?
裕一:そうそう…ねっ。
●コロンブスレコード・役員室
営業部長:コロンブスの未来を背負う歌手ですからね。
専務:彼以外 考えられんでしょう。いかがでしょうか? 社長。
社長:ハハハハハ! 君の言うとおりだよ! ハハハハ…。
営業部長:では改めて伺います。決定に異論はありませんか?
社長:なし。
専務:なし。
副社長:なし。
役員:なし。
役員:なし。
営業部長:では杉山 早速 新聞社に通達をしてくれ。
杉山:分かりました。
廿日市:ちょっと待って下さい。
●おでん屋台
鉄男:珍しな。おめえが そだ飲み方するなんて。
久志:前祝いさ。
鉄男:発表は明日か~。ドキドキすんな おい。
久志:「人事を尽くして天命を待つ」。お代わり!
鉄男:大丈夫?
久志:大丈夫 大丈夫 大丈夫…。
●コロンブスレコード・役員室
杉山:廿日市さん 随分 不服そうでしたね。失礼ですが あんな廿日市さん 初めて見ました。
廿日市:当たり前だろう。あんなことやってるから うちは駄目なんだ。
杉山:ですが…。
廿日市:結果出しゃいいんだろ。
●古山家・玄関先
結果発表 当日。
裕一:来た?
音:来た!
裕一:おはようございます!
音:おはようございます!
新聞配達員:おはようございます。どうぞ。
裕一:どうも。
音:ありがとうございます!
裕一:ご苦労さまです。ふう…。いい? ふう…せ~の!
果たして結果は!?
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。